概要
型式番号AMX-107R。
ネオ・ジオンの分離可変モビルスーツ「バウ」の現存機をネオ・ジオン残党「袖付き」が大幅な改修を施したニュータイプ専用機。
原型となったバウと同様にリバウ・アタッカー、リバウ・ナッターへの分離機構を有するが、バウとは異なりそれぞれの機首部分にサイコフレームを搭載しており、これによってバウの初期案通り下半身を構成するリバウ・ナッターをサイコミュでコントロールする事が可能となり、それを純粋な攻撃機として運用する事で分離形態での高度な連携運用を実現している。
脚部にスラスターユニットが増設されている他、ビーム・キャノンやマシン・キャノンなど各種武装が増設されており、火力・機動力を中心に強化された。
また、腰部フロントアーマー内部にはフォールディンググリップが増設されており、リバウ・ナッターを簡易サブフライトシステムとして他の機体を懸架する事が出来る。
袖付きの機体である事を示すエングレービングの他に真紅カラーリングが施されているが、このカラーリングは本機が当初フル・フロンタル専用機として用意されていた事を示している。
しかし、フロンタルによるシナンジュの強奪が成功した事からフロンタルが乗る機会は失われ、フロンタル専用機であることを示すマーキングを削除した上で袖付き所属のパイロットであるルガー・ルウの乗機として宇宙世紀0094年に同じくフロンタル専用のギラ・ドーガを受領したバド・パンセリノスと共にオーストラリア大陸へ降下、ガンダムデルタカイ擁する地球連邦軍レイヴン隊と共闘。翌年の0095年には評価試験を行っていたユニコーンガンダム3号機フェネクス、同2号機バンシィと交戦した。さらに翌年0096年はブランダムール隊に転属したルガー・ルウ愛機として活躍。新生フレズブルグ隊のゼナイド・ギャル搭乗のプロトタイプΖΖガンダムと交戦。やがてロック・ホーカー率いるナイトロ隊相手にフレズブルグ隊、レイヴン隊、アンヴァルらと共闘、フェネクスに組み込まれたジョリオン・ディを救出した。
武装
ビーム・バルカン
胸部インテークの内側に増設された低出力ビーム砲。
牽制等に使われる他、リバウ・アタッカー時のドッグファイトにおいても効果を発揮する。
マシンキャノン
腰部サイドアーマーに増設された実体弾兵装。
ビーム・バルカン同様に機体の火力を増強させている。
フレキシブル・ビーム・ガン
脚部に増設されたスラスターに装備されているビーム・ガン。
コンセプトとしてはティターンズ製MSガブスレイのメガ粒子砲に近く、基部が可動する為広い射角を誇る。
ビーム・ライフル
シナンジュの物と同型のビーム・ライフル。
基本的な仕様はシナンジュと同様。下部にグレネード・ランチャー等のオプションを装備する事が出来る。
シールド
バウのシールドに装甲を追加した物。
表面部の拡散ビーム砲は取り払われているが、ビーム・ナギナタやグレネード・ランチャーのマウントが可能となっている。
初期プランではIフィールドを搭載する予定であった。
ビーム・ナギナタ(ビーム・アックス)
シナンジュの物と同一の装備。
単体で使用するアックスモード、出力を上げたアックス・ソードモード、柄の部分を連結して使用するナギナタモードの他、シールドに直接懸架した状態でも使用可能。
ビーム・サーベル/腕部グレネード・ランチャー
バウから引き続き使用されている武装。
基本的な仕様はバウの物と同一となる。
立体物
1/144スケールがHGUCシリーズにてプレミアムバンダイ限定で2013年に販売。
1/100スケールでもRE/100シリーズにてプレミアムバンダイ限定で2017年に販売している。
双方、バウの金型を流用したリデコであるため、一部余剰パーツが発生する。
ただ、HGUCは2000年発売のキットがベースであるため、
- 可動範囲が発売時の水準では時代遅れの狭さ
- 新規パーツ数をできる限り抑えた結果、脚部のスラスターユニットなどは接着が必要
- 新規に付属するビームアックスの刃はクリアパーツだが、ビームサーベルは流用パーツのため刃と一体成型で白一色という塗装必須モノ
- 手首を外すのみでほぼ完全変形だった変形機構も、一部差し換え式に劣化
- 設定画よりも太めなプロポーションに引きずられてか、お世辞にもスマートとは言えない頭部の造形
と、いろいろと古臭さが否めず物議を醸したキットとなってしまった(4年後にHGUC化されたアイツと同じような事になっていたのである)。