機体データ(ユニコーンモード/デストロイモード)
頭頂高 | 19.7m/21.7m |
---|---|
本体重量 | 23.8t |
全備重量 | 52.4t |
ジェネレーター出力 | 3,890kW/測定不能 |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
スラスター推力 | 206,770kg/測定不能 |
概要
RX-0シリーズの3号機、つまりユニコーン、バンシィの兄弟機にあたるが、ビスト財団の干渉を受けるのを嫌がった地球連邦軍が自分たち主導でロールアウトされたという独自の経緯を持つ。
開発開始が最も後発なため、ジェネレーター出力など、単純なカタログスペック(ユニコーンモード)は1、2号機を上回り、特にパワー・ウェイト・レシオは3.9倍と、第二期モビルスーツと同等という驚異の数値を誇る。
外観面では、軽度のビーム耐性を持った黄金色のエマルジョン塗装を特徴としており、デストロイモードでは本体装甲がスライド拡張すると同時に、アームド・アーマーDEが展開。サイコフレームが青色に発光する。
劇中において、本機はニュータイプとフルサイコフレームにより、設計開発仕様にはない挙動と性能を発揮していくことになる。
開発経緯
『UC計画』にビスト財団が関与することを良しとしない、ラーソン中将を始めとした一部の地球連邦軍高官の思惑によって建造された機体である。
試験用にアナハイム・エレクトロニクス社(以下、AE社)から先行納入されたフル・サイコフレームの素体を基にしつつ、1号機と2号機のデータを反映し、完成している。
AE社社長夫人であり、ビスト財団の血縁でもあるマーサ・ビスト・カーバイン女史からは「つまらない意地で勝手に作った機体」と揶揄されたというが、AE社ではブラックボックスとされたNT-DさえもOSに搭載するなど、総合性能は1、2号機と比較して大きく劣ってはいない。
運用実績
宇宙世紀0095年12月4日、性能評価トライアルとして、AE社と地球連邦軍が合同で機動試験を実施。その中でフェネクスはNT-Dを発動したが、そのまま制御不可能な暴走状態へと突入してしまう。
当該機はラーソン中将以下、試験評価員を乗せたアイリッシュ級「エシャロット」の艦橋へ、シールドファンネル(アームド・アーマーDE)による攻撃を加え撃沈した――すなわち数十人以上の軍人を殺害したのち、戦闘空域を離脱。以降はパイロットであるリタ少尉も含め、行方不明となった。
このエシャロット事件を経て、地球連邦軍を始め、テストに同席していたマーサ女史らAE社も行方を追っており、いくつか目撃情報(恐らく、漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』で描かれた、宇宙世紀0096年1月の事件に相当すると思われる)はあるものの、同年に勃発したラプラス事変(4月7日~5月4日)の期間も含め、鹵獲...もとい”捕獲”には至っていない。
劇中においても捕獲のために高機動特殊仕様に換装したジェスタを駆るエース部隊シェザール隊を以てしても捕獲に至っていない。
この事件以降、本機のサイコフレームはユニコーンモード時でもほぼ常時発光するようになり、長期間推進剤の補給がないにもかかわらず宇宙空間を縦横無尽に飛び回り、新サイド6からの離脱の際にはシェザール隊母艦ダマスカスのモニター員をして「ほとんど光の速さ」と言わしめるほどの速度で移動をした。
フェネクス捕獲を企む各種勢力
上述の「ラプラス事変」終盤、あたかも『時を巻き戻した』かのようにMSのジェネレーターを分解するなど、人智を超えた力を発揮したユニコーンガンダム1号機及び2号機は「シンギュラリティ・ワン(技術的特異点)」と呼ばれ、危険視される事となった。
結果、地球連邦軍(政府)は自組織が所有する2号機の解体を交換条件として、ミネバ・ラオ・ザビに1号機を解体・封印させ、同時にサイコフレーム関連技術の封印協定が結ばれる事となった。
それ故に宇宙世紀0097年には、残るユニコーンガンダム・タイプであるフェネクスを捕獲する為、地球連邦軍は秘密部隊「シェザール隊」を組織して『不死鳥狩り』作戦を展開する。
しかしその作戦にはルオ商会、AE社だけでなく、ジオン共和国までもが介入を始め、地球圏は混迷を深めつつあった。
武装
頭部バルカン砲
頭部左右に内蔵された60mm機関砲。
唯一の実弾兵装だが劇中未使用のため残弾が残っているかは不明。
ビームマグナム
エシャロット事件の段階で喪失している。
RX-0シリーズ共通の射撃兵装。詳しくは該当記事にて。
アームド・アーマーDE
実体モデルのユニコーンガンダム用シールド(Iフィールド・ビームバリア内蔵)に接続するタイプのアームド・アーマーである。「DE」は「Defence - Extention(ディフェンス・エクステンション)」の略。
バンシィ・ノルンの同装備と同じく、増加ブースターとメガキャノンの内蔵により、機動力と攻撃力の双方に寄与する。フェネクスは、背部コネクターを介してに翼のように二枚一対で装備しており、爆発的な加速力を発揮した。
更に、後端にはパネルが連続して繋がったテール状のパーツが配され、姿勢制御用のスタビライザーとして機能する。
シールドファンネル
ラプラス事変後期に、1号機が見せたものと異なり、設計段階から意図して付与されている機能。メガキャノンの射撃、Iフィールドによる防御だけでなく、実体シールドを用いての打突攻撃も可能。
本来の仕様ではアームドアーマーDEのスラスターを使用してシールドの飛翔を実現している。
ナラティブガンダム(A装備)との初戦では、サイコキャプチャー展開のわずかな隙に背部マウントから二基のシールドファンネルを射出し、フェネクス本体がキャプチャーの結界に囚われてすぐ、ファンネルによる打突攻撃をA装備のアームに仕掛けることで、窮地を脱している。
サイド6の学園都市コロニー「メーティス」においても、同じく打突によってシナンジュ・スタイン(機動戦士ガンダムNT)を無力化させるなど、敵機を撃破することなく鎮圧するために最大限に利用される。
ちなみに、ジェネレーターを内蔵している事から正確には「ビット」である。
ビームサーベル(ビームトンファー)
RX-0の共通武装。前腕に二基、バックパックに二基装備している(バックパック装備は、デストロイモードでターン・アップ、使用可能となる。)
コクピットにヨナ・バシュタを迎え入れた後のデストロイモードでは、トンファー・モードで使用。この際には出力が異常に強化されており、刀身がネオ・ジオングの100m強の巨体の数倍も伸び、サイコシャードさえも一刀両断にした。
サイコ・フィールド
ニュータイプによりサイコフレームが共振し発せられる虹色の波動、及びそれと共に引き起こる現象。同現象をNT劇中のヨナ邂逅時には使用するようになっていた。
フェネクスは無補給にもかかわらず現状のマシンスペックと人間の肉体では不可能とされる移動能力と機動力を見せるが、これはアクシズ・ショックやユニコーン、その光の結晶体などが見せた「サイコ・フィールドによる物体の移動、斥力の発生」現象を駆使した推進であると考えられる。劇中フェネクスの機動力を奪おうと奮闘していたシェザール隊の一人が「あれはスラスターの光じゃない」と戦闘中分析していた事からも根拠が強い。
シールドファンネルもスラスターが稼働していない事からサイコ・フィールドを推進力に飛んでいると考えられる。
さらにこれを光の束として収束させ放射、接触したマシーンをあたかも『時が巻き戻った』かのように分解する効果を見せた。
コロニー「メーティス」では、周囲に民間人がいた為、発動を渋っており、“ユニコーンガンダム【光の結晶体】”のように特定の部位だけを狙えるのかは不明。
終盤ではフェネクスの巨大な羽となり、地球に甚大な被害を与えかねない規模のヘリウム3臨界を防ぐことに成功した。
サイコ・フィールドの詳細は該当記事を参照。→サイコ・フィールド
劇中での活躍
宇宙世紀0097年……エシャロット事件から約1年半が経過、ラプラス事変から約1年が経過した頃、サイド4近傍の暗礁宙域で、地球連邦軍の最高峰エースに受領されるジェスタのみで編成された特務部隊シェザール隊によりフェネクスの捕獲作戦が行われていたが、フェネクスは青い燐光を撒き散らしながら途轍もないスピードで部隊を翻弄していた。
その戦場へと、ルオ商会によりナラティブガンダム(A装備)が投入され、フェネクスはこれと交戦状態に入る。MA並の推力と各種武装を使ったナラティブの攻撃に回避行動を強いられるフェネクスは、ついに追いつかれ特殊兵装「サイコ・キャプチャー」で捕縛されかけるがこれをアームド・アーマーDEで対処。サイコ・フィールドの波動で、左サイコ・キャプチャーを分解するのだった。
このサイコフィールドだが、2度目まではナラティブA装備に損害を与えているが三度目は展開された右サイコ・キャプチャーで完全に防がれていた。サイコ・フィールドを弾かれた時フェネクスは驚くような素振りを見せた。
そもそもフェネクスのサイコ・フィールドは同じ分解作用を持っていてもユニコーンやネオジオングのもととは性質が異なっており、前者二機と比べると狭い範囲しか投射が出来ないと考えられる。
その後ナラティブのパイロットヨナ・バシュタから、通信ワイヤーを使った接触通信で呼びかけを試みられるが、応答はなく、そのままナラティブガンダムを振り切ると戦闘空域から離脱した。
サイド6の18バンチ・学園都市メーティスでは、ナラティブガンダム(B装備)とシナンジュ・スタインとの対決に飛来するも、NT-Dの発動によって暴走したナラティブガンダムのサイコ・キャプチャーで捕獲されて破壊されそうになってしまう。この時ヨナの意に反した暴走による深い哀しみと怒りでナラティブガンダムはハルユニットのコントロールを奪って合体し更なる暴走状態に陥るも、フェネクスが『UC』での1号機のように胸部装甲に右の掌で接触し何らかの思念を送ると、ヨナは正気に戻り暴走は収まった。
ヘリウム3を臨界爆発させようとするⅡネオ・ジオングを止めに現れた際は、生き残っていた連邦軍ジェガン隊をⅡネオジオングが乗っ取り盾とされた事で後退一方となる。そして乗っ取られたジェガンを駆使され回避行動を強いられたフェネクスはついにⅡネオジオングに捕縛される。
しかし駆け付けたナラティブガンダム(C装備)に救出されると、ナラティブガンダムの拳を握る事でサイコフレームの覚醒を促し、ナラティブガンダムはサイコ・フィールドを放てるようになった。フェネクスはナラティブと共闘を開始するが、Ⅱネオジオングの核攻撃からナラティブを庇ったため事でダウン。再び捕らえられてしまう。そこをミシェル・ルオのベースジャバーが駆けつけ援護。ばら撒かれたサイコフレームによりⅡネオジオングを封じ込めるようにサイコ・フィールドを展開。さらにミシェルの思念を自身で媒介させることで彼女の説得を直接Ⅱネオジオングパイロットのゾルタン・アッカネンに伝える。
説得空しくⅡネオジオング操る巨大ヘリウム3タンクでサイコ・フィールドを破られる。
その後、決死の想いで突撃を敢行し破壊されたナラティブガンダムからヨナが移乗すると、アームド・アーマーDEを再び装着して”ヨナがフェネクスと出会ってから初めて”のデストロイモードへと『変身』。この時のフェネクスはヨナ搭乗前に比べ遥かに感応波が高水準に達したのか、自身を縛り上げていたハッキング端末をサイコ・フィールドで一瞬にして破砕した。
さらにサイコフレームで増幅されたと思われる100m強のネオジオング数機分のビームトンファーによってⅡネオ・ジオングの両腕をメガ粒子砲斉射のビーム体ごと両断。肩部と腹部メガ粒子で砲撃されるもフェネクスはこの直撃を正面から弾き返して突撃。日輪型のサイコシャードや機体各部を目にもとまらぬ速さで切り捨てた。
武装を失ったハルユニットを捨てたシナンジュ・スタインに、抵抗する暇も与えずコクピットにトンファーを突き立てて機能停止させるが、ゾルタンの最期の悪あがきとして放たれたサイコ・フィールドにより宙域のヘリウム3貯蔵庫が全て臨界反応を始め地球圏の危機が訪れる。
深い絶望に包まれるヨナであったが、リタの思念体と思われるものと会話をし絶望を希望に変えた事でフェネクスは更なる覚醒を遂げる。
サイコフィールドによる巨大な光の翼を顕現させ、宙域を包み込む。ヨナをコクピットから排出したフェネクスはサイコフィールドの力でⅡネオジオングをどこかへ飛ばし、宙域で巻き起こっていた臨界反応の全てを沈静化させた。
地球を崩壊させかねない事態へ繋がるヘリウム3を臨界前の状態に戻す事に成功した。
その後フェネクスは再びヨナの前に姿を現し、彼を助けた者を以てして「光の速さでも追いつけそうにない」と言わしめる速度で宇宙の彼方へ飛び去って行った。
設定の変遷
元々フェネクスは、2013年にお台場のガンダムフロント東京で公開された3Dデジタルアニメ『機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two』を初出としている。
そしてその後も、UC-MSVとしていくつかの『ガンダムA』刊行作品に登場していった。
この時のデザイン(以降UC-MSV版)では、アームド・アーマーDEにスタビライザーがついていない。
2018年4月に劇場公開アニメ作品として、前述の『不死鳥狩り』をモチーフとした『機動戦士ガンダムNT』が発表され、あわせてフェネクスも、アニメ設定と辻褄が合うよう、設定と機体デザインに若干の変更が加えられ、設定がまとめられた。
このため『NT』発表後は、HGUCやMGといった、既に商品展開が行われていたガンプラでは「ナラティブVer.」として『NT』版のデザインで改めて販売され、サンライズ公式イベントやホビージャパンなどの模型誌における「開発系統図」といった資料では「ナラティブVer.」が用いられるようになった。
アーケードゲーム『ガンダムトライエイジ』やソーシャルゲーム『スーパーガンダムロワイヤル』ではバンシィ同様に特に注釈無く「ナラティブVer.」が「ユニコーンガンダム3号機フェネクス」として用いられている。
立体物
2013年にガンダムフロント東京限定で1/144スケール・HGUCが、2014年に1/100スケール・MGで立体化された(MGのパッケージイラストには、『One of Seventy Two』版バンシィも描かれている)。
上述した2018年の機動戦士ガンダムNT制作発表後、スタビライザー周りのパーツが新規造形されたナラティブVer.が、HGUCでゴールドパール成型の通常版と、金メッキ仕様の特別版で、一般販売を開始した。これらに加えて、ガンダムベース東京限定販売品でクリア成型仕様が販売されている。
ただしMGのナラティブVer.は、プレミアムバンダイ限定のみ、しかも2018年11月受注の一回(再販無し)という、不遇なキットとなってしまった。
1/60スケール・PGでは、当初はUC-MSV版が発売され、その後スタビライザーのパーツを追加し金メッキコーティングもより深みのあるものになったナラティブVer.が発売されている。
BB戦士シリーズにラインナップ。仕様はUC-MSV版となっていて、サイコフレーム部はクリアブルーで再現されている。 アームドアーマーDEは収納⇔展開ギミックが再現されており、ビームマグナムやビームサーベルが同梱される。
アームド・アーマーDE
バンシィと異なり、最初から装備されているため判別しにくいが、フェネクスのDEもシールドに覆い被せる方式で追加装備している。
因みに立体物では、マスターグレードの場合はDEの脱着がそのまま再現されているが、HGUCなどでは、価格を下げる事を目的に、シールドとDEを一体化させたパーツを採用しているため、取り外すことが出来ない仕様となっている。
外部出演
スーパーロボット大戦
シリーズ初出演。
「ユニコーンガンダム3号機 フェネクス(デストロイモード)(ビーム・トンファー(ビーム・サーベル)」という最長名称で、18年12月から実装。パイロットはヨナ・バシュタ。HP依存とはいえ強力なスキル「奇跡の子供達」と、18年実装SSRとしての高いステータスが魅力。
本作でも参戦。
序盤はNPCで宇宙関連のミッションで何度か登場する。NPC時のパイロットは「???」名義。
特定のミッションでは移動速度が極めて速いという原作の設定を反映して、四方を味方ユニットで囲んでもそれを無視して移動できるという特徴を持つ。
味方NPCとして登場した時は撃墜が敗北条件になるが、この場合は敵側にまずゾルタン・アッカネンがおり、フェネクスがゾルタンに突っ込んでいって返り討ちにされる場合があるので早急に対処する必要がある。
キーミッション「神話のその先へ」のイベントでヨナがフェネクスに乗り換え、デストロイモードが解禁される。
ヨナの能力が他のガンダム系の主役勢と比べると一歩劣っているのだが、フェネクスがそれを補って余りあるほどの性能を持ち、MSとしては本作最強クラスの機体となっている。
Gジェネレーションシリーズ
現状NTの参戦がまだないため、UC-MSV版での参戦となっている。
ガンダムVS.シリーズ
コスト2500のプレイアブル機体として参戦。
パイロットが存在せず、Ex-Sや騎士ガンダムと同じく無人機扱いなっている。当然リタのボイスは無い。原作でコックピットが空っぽ(リタの肉体が消失しており、意識がサイコフレームに宿っているという)だったからだろうか…。
カウンターや後述の覚醒技を除けば格闘を持たない射撃機体。メイン射撃は即ダウン力は高いものの、弾数少なめとなっており、エクセリア同様に丁寧に射撃戦していくタイプとなっている。また、変形コマンドを入力すると巡航形態になる。
メイン射撃のサイコフレームの光は、射撃バリアを貫通する特殊な属性を持つ。格闘コマンドはアームドアーマーDEをファンネルのように飛ばして突撃させる技となっている。但しDEを飛ばしている間は巡航形態にはならないので注意。
アシストは、強制ダウンのビームマグナムを撃つ特殊射撃のシルヴァ・バレト・サプレッサー、ライフル連射とサーベル攻撃を持つ特殊格闘のナラティブガンダム、2種類のライフル連射を持ち、同じアシストを出せる特殊射撃のジェガンA2型の3種類。ただしサプレッサーは覚醒しても弾数は補充されず、撃ち切るとジェガンA2型に変化する。
バーストアタック(覚醒技)はなんと初の別個3種も技を持つ。ビームサーベルによる乱舞攻撃を仕掛ける「不死鳥の羽ばたき」、レバー前では巨大なビームトンファーで相手を叩き切る「ビームトンファー【最大出力】」、レバー後ではヘリウム3の爆発を防いだプレッシャー技「再誕の光」。
機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
「何度だって生まれ変わるの」
2022/12/29にフェネクス【NT】としてナラティブVer.が700コストの汎用機として実装。ユニコーンが汎用、バンシィが強襲だった為支援機と予想する声もあったが、作中で見せた機動力からか射撃寄りの汎用機となった。
武装はビーム・マグナム、腕部ビーム・サーベル、頭部バルカン、メガ・キャノン、アームド・アーマーDE[射出]。NT-Dを発動させると腕部ビーム・サーベルが背部ビーム・サーベル×2に変化、アームド・アーマーDE[防御]と腕部ビーム・トンファーが追加される。また、メガ・キャノンとアームド・アーマーDE[射出]の性能も変化する。
ステータス面では射撃耐性が高く格闘耐性が低い。通常状態では格闘補正が高いがNT-D発動後は射撃寄りに変化する。
能力的には射撃戦が得意な機体に見えるが、2種のアームド・アーマーDEを使用した突撃からの2種格闘による格闘戦も強く、戦場やレンジを問わず戦いやすい。
ユニコーンガンダム同様にNT-Dを維持する事で覚醒可能で、自分のHP回復はユニコーンガンダムに劣るが、周囲の味方も回復するというサイコ・フィールドを再現したような特殊能力を有する。覚醒時の能力低下もユニコーンガンダムに比べればまだマシな為、NT-D後にしっかり耐えて覚醒する事は重要となっている。
ユニコーンガンダムの弱体化と同時期の実装だったこともあり環境に入り込んでいるが、盾無しの機体としては耐久は低い為丁寧に扱いつつ、適切なタイミングで前衛として切り込まなければいけない上級者向けの機体である。
余談
高速機動SE
本機の高速飛行時のSEには、脚本を担当した福井晴敏氏の意向により、レイズナーのV-MAXの効果音が用いられている。
挙動
リタの意識は、サイコフレームを介してフェネクスに宿っている為、細かな挙動や仕草がすごく人間的……もっと言うならば少女的である。
劇中での敵の謀略にあっさり引っかかるドジっ子的なシーケンスや、主役機と言えるナラティブガンダムに救出される等、ファンからは「フェネクスがヒロイン」という意見が多く挙がっている。まぁリタは本当にヒロインだし間違ってはないのだが……。
おかげで捕縛シーンがこんな風に見えてしまった視聴者が後を絶たなかった模様。
関連項目
エンジェル・ハイロゥ:およそ半世紀後に登場したサイコミュ系超兵器で、「人知を超えた力を発揮し、最終的に宇宙へ旅立った」という共通点がある。
兄弟機
名称関連
スパロボ関連
真ゲッターロボ:同じくスパロボ御三家の一角。登場作品にもよるがこちらも当初よりその兆候はあり、『ゲッターロボサーガ』ではかつて戦って蘇ってきた敵のボスからは「核以上の悲劇になるぞ」とまで危険視された事がある。その後、全力全開のパワーを出せるようになってから…特に初登場作品にして先の件の後の時系列に当たる作品では、主要キャラの一人の神隼人に「UFO!?」と言わしめるジグザグな飛び方をしたり・余りにもオカルト過ぎるような人知を超えた現象やトンデモパワーを発揮したり・やがては宇宙へ旅立ってゆく…など、共通点が多数存在する。
フェネクスは何であったのか?
※この項はフェネクス、及び機動戦士ガンダムNTに関するイメージを変えるような要素が含まれています。
劇中通してサイコ・フィールドというニュータイプが死亡する時に放つとされていた力を使いまくり劇中通して暴れ狂うような活躍を見せ、古参の視聴者に「オカルト」と言わしめたフェネクスであったが、不可解な点が幾つもある。
ヨナ邂逅前と後の違い
フェネクス暴走前のパイロット、リタ・ベルナルはニュータイプの研究を名目に十数年という時に渡り強化という名の人体実験を受け続けさせられていた。彼女が配属されていた研究所では強化筋肉の施術を受けた少女が発狂して頭突きで自殺するような地獄であり、その後も自慢の髪を剃髪、断髪され脳や背骨を直接手術した、というような細かな部分は視聴者のみしか知り得ない回想のカットが挟まれた。この凄惨な描写の後、95年のフェネクスはインテンション・オートマチックによりパイロットが苦しむのを反映するような動きを見せ変形。蒼い光を発しながら自身の母艦を叩き潰している。
それ以前の「One of Seventy Two」においては設定が多少変更されているとはいえ"味方のバンシィを誤射しまくり袖付きのリバウという古い機体に負けてしまう"という狂った描写が一貫しており、その後も機動戦士ガンダムU.C.0096ラスト・サンで登場したフェネクスはニュータイプの子どもを殺害しようとするなどの残虐行為を働いている。
そしてヨナ邂逅時のフェネクスだが、サイコ・フィールドの攻撃がどのように作用するかはともかく、ユニコーンやネオジオングのものと同様に人体に影響が無いとしても戦場は岩礁地帯。コクピットが分解され高速で動くMSから放り出されれば瞬く間に岩に衝突し即死してしまうだろう。その即死の恐れがある攻撃をナラティブガンダムに向け容赦なく放っている。
その一方でヨナとの接触後は打って変わって全力で逃走を開始。その後もコロニーの民間人への被害を鑑みて攻撃を止め捕まったり、人質となった連邦兵への攻撃を躊躇して捕まったりと2年間逃げ続けたにしては不自然な行動をし始めた。もちろん、ヨナとの再会やⅡネオジオングの出現から正気に戻ったという線もありうるが、他にも不自然な点がある。
ヨナに伝わる思念の違和感
ヨナには時折リタの思念と共にリタの姿見が伝わってきた。これはニュータイプ特有のサイコミュ通信によるものであり初代機動戦士ガンダムから脈々と続く描写でありZ終盤では多くの死者の思念が映り、前作UCではフル・フロンタルの思い描くイメージが精巧にバナージに伝わる程であった。この時の共通点としてこの死者の念とされているものはいずれも死亡時、もしくは親しい人が最期に見た時の姿見であったが、リタの姿は一貫してヨナが知っている13歳や15歳の姿で登場し、失踪時の23歳の姿では出てこない。特に23歳のリタは中分け前髪にポニーテールという姿で描写されており、15歳のリタとは全く異なるが一切その姿が出ていない。そして現実世界での描写時には「鳥になりたいな」「あれを止めて」「この機体はこの世にいてはならない」という単純な文章しか発さず、ニュータイプの世界のような描写時においてもリタの主張のようなものをヨナへ一方的に伝え会話するような事をほぼしていない。
この事や、そもそも”そう”でないならばこのような不可解な描写をわざわざ描写する必要は無いというメタ的な視点からも、ヨナと会話しているリタはリタ・ベルナル本人では無いのでは?という説が挙げられている。これは過去のニュータイプが死者と会話する描写においても挙げられている。特に前作のUCではフロンタルの前に現れたアムロ・シャアの思念とされるものが「本人は言いそうにない」事を告げていたり、閃光のハサウェイでハサウェイの脳内に響いたアムロの声の思念はこれまた生前のアムロが言いそうにない事を言っている。
過去の福井氏著作との共通点、及び連邦のMSの機能
NTにおいては脚本・原作である福井晴敏氏の著作である小説版ターンエーにおいて、ターンエーガンダムが主人公のピンチに彼女の恩人である女性を夢の中で模倣し、そのイメージで語りかける事で主人公を導くという描写がある。
NTにおいて、福井氏はこの過去に行った描写から着想を得てNTの脚本を執筆した可能性がある。これを基にNTでフェネクスに起こった事を予想すると、「フェネクスにヨナが思念を送る→フェネクスに残るパイロットのデータを基に、あるいはヨナが覚えている全てを受け取りリタ・ベルナルを再現する→劇中その後の展開」となっていた可能性がある。
特に連邦MSは教育型コンピューターと呼ばれる高度なMS操作補助システムを有しており、これはコンピューターが戦闘において最適なモーションパターンを逐次選ぶというAIの類であり、これが莫大な感応波やそれが引き起こしたサイコ・フィールドを受け変異したという可能性がある。
フェネクス自体もヨナが乗り込むまでは一度も変形をしておらず、サイコ・フィールドの推進が出来るにしては時を巻き戻したような破壊は完全に防がれる程度というユニコーン光の結晶体と比べるとチグハグなサイコ・フィールドの性能をしており、ヨナが乗り込むまでフェネクスの全ては自動操縦であったために微弱なサイコ・フィールドしか発せず何度も捕縛されるような事態になっていたと考えられる。
ちなみに、ヨナ離脱後のフェネクスはパイロット無しで変形状態のまま行動しており、”更なる高い感応波を記録出来た”のかもしれない。