リディ・マーセナス「こんなはずじゃなかったさ……!あれは呪いじゃなくて祈りだったんだ……!ニュータイプなんてものが生まれてこなければ!」
機体データ(ユニコーンモード/デストロイモード)
頭頂高 | 19.7m/21.7m |
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本体重量 | 27.3t |
全備重量 | 48.8t |
ジェネレーター出力 | 4,520kW/測定不能 |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
スラスター総推力 | 185,380kg/測定不能 |
パイロット | リディ・マーセナス |
概要
ユニコーンガンダム2号機バンシィを総合性能向上のために改修したモビルスーツ(MS)であり、新たにリディ・マーセナス少尉がパイロットを務める。
型式番号RX-0[N](この改修によって、1号機との型式番号上の区別が可能になった)。
“ノルン”は北欧神話に登場する、ウルズ・ヴェルザンディ・スクルズの、運命の三女神を示す名である。
改修前のアームド・アーマーBS、VNは、大気圏内戦闘において一定の有効性を示したが、マニピュレーターへの干渉による汎用性低下や変更されたパイロットがサイコミュ適性が無いことから、これを撤去。代わって、RX-0本来の武装であるビームマグナムとIフィールド内蔵シールドをベースとしつつ、本体と併せて各機能をマイナー・バージョンアップさせている。
特に本機出撃の目的は「箱」に辿り着こうとするバナージが駆るユニコーンガンダムを排除するという、ニュータイプ排除というユニコーンタイプ開発当初の想定通りの状況であるため、正面から戦えるよう攻守共に特化した当初の兵装に換装されたと考えられる。ただし、バンシィをリディに与えたビスト財団のアルベルト・ビストとしては連邦軍ネェル・アーガマとガランシェール隊に合流した強化人間マリーダ・クルスの奪還が主目的だった。
なお、ベース機が5月1日にガルダで回収されてから、本仕様がネェル・アーガマ隊との交戦を開始する5月3日までの期間が極めて短いため、各装備は元々並行開発されていたと考えられる。
特に前述の理由から開発部に対しては主にアームドアーマーXCにおいてアルベルトの支援と圧力があったと考えられる描写が外伝漫画機動戦士ガンダムU.C.0096ラスト・サンにて示唆されている。
機体解説
NT-D発動前でもフラッグシップ機として強力なマシンパワーを持っており、元々友軍であるネェル・アーガマのジェガンやリゼルがリディの行動を阻止するため白兵戦を挑んできた時には、バンシィ・ノルンの腕部のみでジェガンとリゼルの腕などをへし折って無力化した。
新規に装備されたアームド・アーマーにより、スペックのみならず、サイコフレームの搭載量が増加させた事で感応波の送受信能力を大幅に拡大させており、理論上はニュータイプや強化人間で無くともデストロイ・モードの起動が可能となった。
まさにニュータイプの不敗神話やジオニズムの完全否定を目指した『UC計画』本来の意図を反映・体現する仕様となったと言っても、過言ではない。
ただし、本当に誰でもいつでも起動可能となってるわけでは無いようでパイロットのリディもユニコーンと会敵と同時に発動したかったにもかかわらず発動せず、後にユニコーンやバナージへの怒りと恨みを募らせた事により発動に至った。
後述のアームド・アーマーDEにより直線高速移動による戦場到達能力は単機でベースジャバー搭乗時と同様になっている。
サイコフレームの発光色は、メガラニカ周辺での会敵直後はプルトゥエルブ搭乗時同様に赤みがかった金色であったが、フルアーマーユニコーンおよびネオ・ジオングとの戦闘の中、リディ少尉のニュータイプへの覚醒に応えるように、1号機により近い発光色と変化していった。
機能
パイロットスーツ
特殊機であるRX-0には、通常のパイロットスーツには無い様々な機能を内蔵した専用となるパイロットスーツが用意されている。
このスーツは各機によってカラーリングが異なり、2号機用は黒地に金色のラインが走っている。
機能の詳細はこちらの該当項を参照。
なお、ノルンへのマイナー・アップデートに伴い、ヘルメットにはリニアシートと直結しているコードが増設された。
サイコミュ・ジャック
デストロイモードにおける、RX-0共通の対サイコ・マシン機能。フル・サイコフレームによってパイロットの感応波を過剰なまでに増幅・放射することで、周辺戦域の敵機のファンネルなどサイコミュ兵装や機体制御を、自機の支配下に置く。
なお、本仕様に改修されてから劇中本機能は使われていない。劇中ファンネル系兵装による攻撃を受けたのにもかかわらず本機能が使われなかった事から、パイロットのサイコミュ適性が低い場合はこれを行えなかった可能性がある。
形態
ユニコーンモード
通常状態。
アームド・アーマーDEの恩恵によりパワー・ウェイト・レシオは3.8倍と、次世代機同等にまで向上している。
20m級かつ汎用タイプのMSでこの比率は、驚異的とすら言えるほどである。
インターフェースの一部には、タッチパネルを併用しており、リディがリボルビング・ランチャーの武装選択に用いているシーンが見られる。
この状態でもかなりのパワーがあり、劇中(アニメ・OVA)では白兵戦を挑んできたリゼルの腕をマニピュレーターでへし折ってみせた。
デストロイモード
パイロットの性別が変わった事もあり、改修前が雌ライオンならば、こちらは雄ライオンという印象を受ける。
既述の通り、リディ・マーセナスの覚醒に伴ってサイコフレームの輝きはレッドゴールドから明度高めの金色へ、そしてメガラニカをコロニーレーザーから守る際に緑虹光を発現し、サイコ・フィールドを完成させた。
本形態時のインターフェースは、コントロールスティック及びフットバーの一般仕様から、インテンション・オートマチックによる完全脳波コントロールに移行する。詳細はユニコーンガンダムのデストロイモード項を参照。
武装
60mmバルカン砲
頭部に2門装備されている機関砲。
フルアーマーユニコーンとの最終決戦時バナージの説得を受け、リディが逆に激昂した事に呼応するように頭部をくねらせるようにバルカンを乱射した時のセリフから、通称「喋るなバルカン」。
この滅茶苦茶な動きはパイロットの怒りにインテンション・オートマチック・システムが反応し機体の動きに反映された結果だと考えられる。
実弾なのでIフィールド発生装置破壊には有効な武装でもあり、このためフルアーマーユニコーンのシールドを破壊することに成功している。
よって、感情むき出しなセリフや出だしの動きに反して、リディが取った戦法自体は至って冷静である。
ビームマグナム
ユニコーンガンダム・タイプの主力武器。詳細はリンク先を参照。
本機のビームマグナムは、アンダーバレルにリボルビング・ランチャーを増設している。
リボルビング・ランチャー
ビームマグナムのアンダーバレルに追加装着された、回転弾倉型マルチプルランチャー。
4箇所の弾倉型プラットフォームそれぞれに異なるユニットが装填できるため、組み合わせによって継戦能力と対応任務の拡張を同時に達成する事も可能。
想定する相手が1号機ユニコーンという事で射撃戦での戦力拮抗により散発的な白兵戦が起こることを想定し近接防御兵装を、Iフィールド搭載シールドを突破するために実弾兵装が多数盛り込まれている。
ユニットの切り替えは外観通りに回転弾倉型プラットフォームを回転させる事で行うのが特徴であり、短所でもある(対称位置のユニットへ変更するには、秒単位のラグが生じる)。これは宇宙世紀の可変MSが0.5〜1秒で変形を行うことを考えるとかなり大きな
加えて、コックピットのインターフェースにタッチパネルを採用した結果、パイロットの(ユニコーンモードにおける)武装選択操作そのものにも3~4秒という、致命的なタイム・ラグが生じてしまう。
遠距離射撃戦を行っているならともかく、クシャトリヤ・リペアード戦ではMSの腕部で取っ組み合いを行うような距離であったにもかかわらず敵の目前で武装を切り替えるという愚を犯してしまい、銃口を向けてるにもかかわらずリボルビング・ランチャーが切り替わるのを待ってる間にビームマグナムを殴られて弾き飛ばされてしまった。
なお、リアスカートラッチに、ビームマグナムのEパックと同様、リボルビング・ランチャー用の予備弾倉も装着できる。設計思想としては、後年のV2ガンダムのビームライフルに近似している。
ビームマグナムのSEが初代ガンダムのアレンジであるように本兵装もファーストからオマージュした武装の一つで、劇中で一度だけ使用され立体物ではビームライフルのオプションとして同梱される事が多いスーパーナパームが元ネタになっている。
ビームジュッテ
十手のような鈎状のビーム刃を発生させるビームサーベル。
GP-01用のライフルと同様の装備であるが、前述の通りユニット切り替えの必要があるため、咄嗟の対応には不向きである。
このため本兵装はフェイルセーフ用と言うよりもロング・ビームサーベルと同様、ビームマグナムを携行したまま近接戦を行う攻撃用として搭載されていたと思われる。
ボップ・ミサイル
小型ミサイル。ガンタンクが同名の武装を使用していたが、関連性は不明。
他の弾頭も然りであるが、亜光速で射出されるメガ粒子と比較すると実体弾の推進速度は非常に遅いため、ビームマグナムと織り交ぜて使用する事で時間差攻撃として有効に機能する。
瞬光式徹甲榴弾(MGaAP)
「徹甲榴弾」とは、装甲を貫く硬質弾頭の中心部に、遅延性炸薬を仕込む事で、敵機の内部まで弾頭を潜り込ませてから炸裂させる砲弾を指す。
劇中の描写から、着弾後、高焦点温度の燃焼剤が一定時間燃え続け、装甲を溶融させたのち炸裂する弾頭と推定される。
Iフィールド・バリア内蔵シールドに特に有効な武装であったが、ユニコーンガンダムに対しては直撃を与えられなかった。
マイクロハイド・ボンプ
射出後にそのまま漂う接触式の浮遊機雷。
弾頭がスラスターを有していない(スラスターが発光すると位置を悟られる)ため、大気圏外戦闘専用。
ナパーム弾
ゲーム『EXTREME VSマキシブースト』において登場。リボルビング・ランチャーから発射する実弾武器。
ビームサーベル
パックパックに2本、両腕に1本ずつ装備されている格闘兵器。デストロイモード時にはビームトンファーとして使用することも可能。
強力な兵装だが、同型機のIフィールドバリアを突破出来る程の威力はなかった。
シールド
サイコフレームが使用されている実体シールド。Iフィールド発生機を搭載しており、ビーム兵器に対して絶対的な防御力を有する。
原理上、実体弾に対しては通常のシールドとしてしか機能しないが、サイコフレーム活性化時には剛性が向上するため、不確定性を残すものの実体弾に対しても高い防御力を持つ。
実際に劇中では、後述するデストロイモード時にクシャトリヤ・リペアードの放った簡易ファンネルミサイルの直撃を受けた際に、下記のアームド・アーマーDEこそ爆砕されてしまったものの、サイコフレームが活性状態にあったシールド本体は使用可能な状態で残っていた。
なお、この直後の更なる弾幕により、バンシィ・ノルンは上述の通り右脚を破壊されている(フル・サイコフレーム機がフレームレベルでダメージを受けた唯一の事例)。
アームド・アーマーDE
「Defence - Extention(ディフェンス・エクステンション)」の略称。
攻防の両性能を強化する増加サイコフレーム兵装。
上記のシールドに被せる方式でマウントし、実体弾に対する二次装甲(Iフィールド発生器を覆う)の役割を果たすのみならず、ウィング部に配置されたスラスターによる推力強化、さらには先端部に配されたメガキャノンによって継戦能力に難のあるビームマグナムを補助する機能を持つ。
増速ブースターとしては基本的に背部のアームド・アーマーXC(後述)にマウントして運用する。この状態では、ベースジャバー級の長距離高速移動が可能とされる。
劇中では本兵装での高速移動中、ユニコーン援護のためネェル・アーガマから派遣され攻撃を仕掛けてきたジェガンとリゼルのタッグに対し、シールドが巨大な構造物であることを利用して打突武器として使用した。
そしてユニコーンを追うために本兵装を再び背部にマウントして高速移動を行うのに使用した。
ユニコーン戦においても左前腕に装備したままスラスターを使用し、フレキシブルバインダー同様のAMBACに利用しながら、拳側のメガキャノンでの攻撃を敢行した。
アナハイム・エレクトロニクスのMSは、『シールドは破損する前提の兵装である』という設計思想に進んでいたが、本装備はむしろティターンズおよび下部組織であるニュータイプ研究所(企業ではなく地球連邦軍内の兵器開発部門)がロールアウトしたガンダムTR-1ヘイズルやガンダムMk-Ⅴのシールド・ブースター、ギャプランのムーバブル・シールド・バインダーに寄った設計となっている。このため、本ユニットのスラスターはティターンズ系モデル同様、戦闘機動ではなく戦地到達移動(直線移動)が主たる役割と考えられる。後述のパワー・ウェイト・レシオの増強は、ほぼ本装備に頼っている=推力に対して推進剤の搭載量が少ない事からも、初期加速で推進剤(爆発物)を使い切る運用が基本だと考えられる。
元々はガンダムエースで連載されていたガンダムUCの漫画版『バンデシネ』に登場したオリジナルの兵装で、本機の設定時にOVAに逆輸入されたと言う経緯があったりする。
アームド・アーマーXC
「Xeno - Connect(ゼノ・コネクト)」の略称。
バックパックに増設された外装ジェネレーター兼サイコミュ拡張ユニット。
コンパクトな形状ながらもジェネレーター出力1,000kW以上を有する優秀な設計である。
デストロイモード時には鬣(たてがみ)状に展開することで頭部ブレードアンテナと連動し、搭乗するパイロットから放たれる感応波と、敵性サイコ・マシンが発する感応波の送受信能力をそれぞれ増幅させる。これにより、NT-Dの発動が緩和されニュータイプの素養の低いパイロットであってもデストロイモードへ『変身』させられる。
中央ユニットを展開させると、ビームマグナムやアームド・アーマーDEをマウントするラッチが現れる。
“忌むべき技術”とされる『n_i_t_r_o(ナイトロ)』システムの応用技術の一つとされているが、バンシィ・ノルンに装備されたものは一部スペックを省いてNT-Dの発動をサポートする為に機能を限定した『表向き』の仕様であり、n_i_t_r_oを有した『本来のXC』はフェネクスに搭載された。
そのためn_i_t_r_oの副作用である後遺症などがリディに遺る事は無かった。
バンシィ・ノルンの活躍
OVA・アニメ
ここからはバンシィ・ノルンに改修された後の活躍を述べていく。ネタバレ注意。
ユニコーン・クシャトリヤ戦
ビスト財団・連邦本部陣営からユニコーンガンダムの破壊と箱への接触を阻止するため出撃。
ネェル・アーガマからの妨害を退けた後はフルアーマーユニコーンガンダムとの戦闘へ突入する。
当初はユニコーンモードで戦闘を行うが、パイロットが激昂すると同時にデストロイモードへ変身、同じくデストロイモードとなったユニコーンとサイコ・フィールドを発生させるほどの激しい戦闘を行う。
その後、クシャトリヤ・リペアードがユニコーンの援護に現れると、こちらと交戦する。
劇中再びクシャトリヤとバンシィの場面に移った際には、何が起こったのかは不明だがクシャトリアに抱きつかれてバンシィは動けなくなっていた。
その後ビームマグナムをクシャトリヤ・リペアードの腕部で弾かれメガ粒子砲をシールドのIフィールドで受け止めるも、簡易ファンネルミサイルによってアームドアーマーDE(中のシールドは無事)と右脚部を破損した。
この戦闘の中でクシャトリヤを駆るマリーダがパイロットのリディ少尉を説得。その際にはネェルアーガマにいるミネバやミコット・バーチなどの遠く離れてリディの暴走が止まる事を願う人々の思念をサイコフレームが拾ってリディにイメージを見せる。これにより一度は戦闘を中断しようとするも、宙に漂っていたビーム・マグナムがマニピュレーターに触れた途端にパイロットが錯乱、ビーム・マグナムを発射し、クシャトリヤ・リペアードを撃破した。
マリーダを殺害したことでリディ少尉が強烈な罪悪感に苛まれる中、バンシィもまた苦しみ悶えるような動きをしていた。
その際にはジンネマンらのマリーダを弔う想いですらバンシィを通してリディに届いていた。
ネオ・ジオング戦
リディが「箱」の顛末と贖罪をネェル・アーガマに伝えたのち、フル・フロンタルの行動を阻止するため補給や整備を行わずに出撃する。この際、破損した右脚部はそのままである。
ECOAS隊と共に、メガラニカへ侵入。ネオ・ジオングに乗っ取られたECOAS隊機の処理などを引き受けるが、ネオ・ジオングのメガ粒子砲をIフィールドシールドで防いだ反動でメガラニカから追い出されてしまう。
その後、メガラニカへの再侵入に手間取っている間にユニコーンとネオ・ジオングがメガラニカから飛び出していったので、これに追従、ユニコーンの援軍として参戦した。
この時、能動的なNT-D発動を示すと言われている"脚部からの変形"を行っている。
ネオ・ジオングへビーム・マグナムによる射撃を行うも、ネオ・ジオングのサイコ・シャード攻撃によりアームドアーマーXCを含めた全武装を失う。それでもユニコーンと共に徒手空拳でネオ・ジオングに挑むが、直後ネオ・ジオングの後部マニピュレーターに捕らえられ、行動不能になってしまった。しかも、ユニコーンがさらに抵抗を行う中バンシィは何もできずにいた。
コロニーレーザー戦、そして帰還
ネオ・ジオングとの戦闘後、ミネバが演説するメガラニカに放たれるコロニーレーザーを防ぐべく、ユニコーンガンダムとバンシィ・ノルンはサイコフレームを共鳴させたサイコ・フィールドの障壁を展開させる。バンシィは障壁の3段階目、レーザー防御の最終段階を務める。
このサイコフィールドはユニコーンが緑色なのに比べ前段階の金色であったが、本来の仕様に含まれていない"障壁"の展開自体に成功しているのは特筆すべきである。
照射を受ける最中、リディ少尉が全てのわだかまりを乗り越えた事で、バンシィ・ノルンのサイコフレームと障壁が虹色へと輝きを変え、レーザーの完全無効化に成功。1号機がサイコシャードを全身から生成させても尚そのサイコ・フィールド・バリア(1、2枚目)を貫いてきたレーザーの残照に対して、最後の盾としての役割を果たしきった。
その後、"ユニコーンガンダム【光の結晶体】"となり意思が不明のまま宇宙の彼方へ往こうとするバナージにリディの駆るバンシィ・ノルンは追いすがる。そんなリディやミネバの想いがバンシィを介してバナージに届いたのか、バナージは「帰還」を果たした。
この際にも、バンシィ・ノルンのサイコフレームはユニコーンと同じ虹の輝きを保ち続けていたため、最初はニュータイプを否定し自身をオールドタイプだと思っていたリディ少尉のニュータイプへの素養はバナージらと同じ高みまで至っていたと推察される。
ラプラス事変後
コロニーレーザー防衛に成功した後は、バナージらと別れたリディの手によってネェル・アーガマへ帰艦し、そのまま地球連邦軍へと戻った。
そして1号機同様に、当時としては未知数の現象を次々と引き起こし人類、少なくとも連邦の制御が追いつかないと危険視され、シンギュラリティ・ワン(技術的特異点)として厳重に管理される。
更に宇宙世紀0097年に至るまでには、1号機解体・封印の交換条件の一つとして、同じく解体されているとされているが真偽は不明。
20年後の機動戦士ガンダムF90FFではアナハイムの試作機がサイコフレームを使ってサイコミュジャックを行うような素振りがあったため、ミネバたちによって封印されたユニコーンに対し、連邦に残ったバンシィは今後開発される9年後のペーネロペーやΞガンダム、果ては54年後のザンネックやエンジェル・ハイロゥなどのサイコミュ搭載兵器の礎として、その技術を秘密裏に使われた可能性がある。
原作小説版
「ノルン」自体が登場せず、最後まで初期状態(ビームガトリングを装備しないユニコーンガンダム)のままである。
しかしながら、最終的にはサイコフレームは“虹”に達している。この『“虹”の小説版バンシィ』は、プレミアムバンダイにおいて、完全受注生産版マスターグレードとして立体化された。
漫画(バンデシネ)版
アニメーション版同様に、バンシィ・ノルンとして登場。さらにハイパービームジャベリンを装備して戦場に立った。
なおアームド・アーマーDEは元々『バンデシネ』に登場した兵装を、アニメーション版が逆輸入した。
ゲーム作品
バンシィの改修機であるため、1つの作品で通常・ノルンそれぞれ別機体として参戦するケースが多い。
機動戦士ガンダムEXTREME VS.シリーズ
マキシブーストの時代に行われた四週連続で追加プレイアブル機体が参戦する企画「真夏のマキシブースト祭」の一環で、2014年8月19日からバンシィ・ノルンが参戦。
コストは3000でフルアーマーユニコーンガンダム同様、常時NT-D状態になっている。バンシィと違ってこちらは中距離以遠を得意とする射撃寄り万能機。弾数0で再入力すると手動リロード可能になったメインのビームマグナム、レバーを入れた方向で複数種類弾の撃ち分けサブ射撃のリボルビングランチャー、射撃CSのメガキャノンといった射撃武装が豊富。特に射撃のリボルビングランチャーの弾の二つ、MGaAPとポップミサイルは足を止めないで打てる弾なので、ここにキャンセルルートがある武装はこれで硬直を打ち消しながら射撃戦をするという活用方法もある。
これに加えて最高ランクの発生速度と並の持続を持つビーム・ジュッテによる格闘カウンターに加えて近距離でメイン射撃からキャンセル可能な上に発生が速いアームド・アーマーDE掴み投げ攻撃、特殊射撃でバレルロールしながら移動するアクションを持っている。
射撃戦では実際弾数無限の高い継続戦闘能力で対向・間合いを詰めてきたら弾の使い分けで迎撃・懐に入り込んできたらアームド・アーマーで投げ飛ばすといった高すぎる対応力により隙の無い自衛力を持つ要注意機体の1体。それらに加え、各種サブを絡めた降りテクニックによる堅実な動きや優秀な射撃武器による高い自衛力等、解禁当時は文句なしの最高クラスの性能を誇り、腕の立つプレイヤーが使うとまさにep6終盤のような手のつけられない強さだった。
ただし、覚醒技「俺の前から…いなくなれええぇェッ!」はサーベルや蹴りを交えた乱舞攻撃だが、こちらはモーションが長いせいで敵僚機から射撃武装での妨害される可能性が高く、余程の事がない限り覚醒技が使用される事はない。
それゆえにアップデートにて機動力減少や耐久力減少等の調整が入った結果、以前のような機体性能に任せた力押しはできなくなった。加えて発生が宜しくない武装が多く、一度ダウンを取られ起き攻めせんと張り付かれると一気に崩されかねないモロさもあるので、こちらも過信できない。
後に家庭版フルブーストにてDLCとしてノルンが配信された(価格は500円+税)。こちらも配信から一年程である程度の弱体化が入っているが凶悪な機体である事に変わりは無い。
以降の作品でも上方修正されることはあっても機動力が強化されることは稀であった。
そんな中、オーバーブーストにてアップデートで武装を大幅変更、原作でのNT-Dが時限強化武装となり、加えて耐久が一定値以下になると常時NT-Dで戦うより原作に近いスタイルになった。
当初は前の方が戦いやすかったと言われる程でゲーム的には裏目改修扱いされたのだが更なるアップデートでNT-D中は大幅機動力が上方され強化。が、今度は時限強化中は追えない上に相手にすると逃げきれない、追い込んでもしぶといと強くなりすぎて、バランスを取るためにに耐久値を同コスト帯でもワーストクラスまで下げられてしまった。
スーパーロボット大戦シリーズ
敵ユニットとして登場。しかも序盤に。
OVA通り、アルベルト・ビストによって再調整されたマリーダがパイロットである。中盤ではクロノの一員となり、アムブリエルと共同戦線を張ったリディがバンシィ・ノルンに搭乗する。
初登場時はバルカン砲とアームド・アーマーBS、アームド・アーマーVN(デストロイモードのみ)の3種類だが、バンシィ・ノルンになるとアームド・アーマーDEなど、さらに武器が追加される。
終盤で自軍に参入し、ユニコーンガンダムとの合体攻撃が追加される(FAユニコーンでは不可)。
なお、ユニコーンガンダムのパイロットはバナージで固定であるがこちらは乗り換え可能。
こちらにも登場し、マリーダやリディが乗り込み自軍部隊と対決した。
自軍にも加入するが、武装が追加されない上にユニコーンとの合体攻撃も無く、リディを乗せるなら隠し要素で再入手できるデルタプラスの方が使い勝手が良いという有様。
さらに乗り換えできるパイロットが隠しのマリーダしかいないので倉庫番になってしまう可能性もある。マリーダを乗せればカットインが専用のものになり、最大火力に目を瞑ればサブとしては優秀なので弱い機体ではないが、総じて天獄篇より大幅に見劣りする。
第36話から敵として登場。宇宙ルート第37話のステージ中に自軍加入。
基本的に機体性能は第3次Z天獄篇と同等だが、武装面ではカスタムボーナスで最強武器のアームド・アーマーDEが強化される他、合体攻撃のツインビームマグナムが射程が下がった代わりにP属性が付き使い勝手が増し、相当の上方修正を受けている。
…が、リディ側のエースボーナスが天獄篇の本機に合わせたかのような調整をされており、更にリディの格闘は低いのにアームド・アーマーDEが格闘になる等、リディとの相性は全く合ってなかった第3次Z天獄篇よりはマシとはいえどややミスマッチ感が拭えない。
第3次Z天獄篇と同様乗り換え可能で、特に格闘が高く、エースボーナスも噛み合っているキンケドゥとの相性は抜群(ユニコーンガンダムとの合体攻撃を捨てる事になるが、ユニコーン側にとってはカスタムボーナス込の「NT-D覚醒攻撃」よりも下なのでデメリットにもならない)。
本作のキンケドゥは参戦時期の早さや能力(と初期機体の量産型F91の性能が微妙な事)から他の機体に乗せ換えて運用される事が多いのだが、その中でも本機に乗せ換えるプレイヤーが(リディとの相性の微妙さも相俟って)非常に多かった。
お互いの声優ネタで「いい機体だな!アル!」等と言われることも。
機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
「あれは呪いじゃなくて祈りだったんだ…!」
2023年12月28日実装。700コスト宙陸両用汎用機。2023年最後の大トリとして実装された。
武装はビーム・マグナム[R・L]・[R・L]瞬光式徹甲榴弾・頭部バルカン[改修Ⅲ型]・メガ・キャノンの5種兵装。NT-D発動により追加でビーム・ジュッテ・B・ノルン用腕部B・トンファー、B・ノルン用背部B・サーベルがB・ノルン用背部B・サーベルx2に差し替わり7種兵装となる。
盾のアームドアーマーDEはジェネレーター内臓兵器の再現か30%軽減パーツとなっている。
カウンターは汎用の蹴り飛ばしモーション、HP50%以下で専用特殊カウンターになる。
変身前は5種の兵装と700コスト帯にしては簡素。その代わりHP90%以下でNT-D発動可能と他のユニコーンタイプより早くNT-Dができる。これはアームドアーマーXCのニュータイプ能力補助の再現である。
共通で使える射撃兵装のうちマグナムとDEキャノンはどちらも短いながら収束必須と取り回しが悪い。他は3点バーストで盾貫通は行えるが低威力のリボルビングランチャーとバルカンのみと、変身前はLv1コスト700機体にしては少ない。特に前身のバンシィと比べると実質即よろけ合わせて2種の即よろけ兵装が全て無くなっているので、バンシィに慣れていた人が同じように乗ると面を喰らう。
変身後は格闘3種となり補正も格闘寄りになる。ただしサーベルとトンファーの2種で素早い格闘コンボを喰らわすのが一番火力が出る。もう一種の格闘兵装のビーム・ジュッテは威力が低い代わりに収束時敵の格闘攻撃に対してアクティブ防御・カウンターする特殊能力を持つ兵装である。ジュッテはリーチの長い通常攻撃も可能だが、コンボに入れ込むと他2種格闘でのコンボより威力が低くなってしまうので専らカウンター用。
耐久面や機動性は劇中の最終改修機なのを反映してか他のユニコーンタイプより有利。特に初期HPはユニコーンより4000も多い。ただし、アームドアーマーXCやアームドアーマーDEがNT-Dで展開されるのに合わせてしっかりヒットボックスも大きくなるというリスクはある。
最大の特徴は「覚醒Lv2」。劇中終盤の緑虹光変身の再現である。
他のユニコーンタイプより15秒早い30秒経過で発動可能。システム起動系MS共通の部位損傷即回復効果に加え、ビーム兵装のヒートゲージが全回復し格闘攻撃命中時にHP吸収を行うようになる。これは逆襲のシャア劇中描写になぞらえて「命を吸いとる」とプレイヤーに呼ばれている。尚、本編劇中において命を吸い取ったような機能や描写は無い。
これらの効果により格闘を当て続けられれば継続戦闘能力を高く維持したまま活躍が出来るが、兵装のクセは強く上級者向け機体となっている。
改修前機体であるバンシィも別ユニットとして実装されている。
機動戦士ガンダムU.C.ENGAGE
通常形態とNT-D形態がそれぞれ別ユニットとして実装。
通常形態は赤属性白兵タイプ。XC装備の再現か命中に特化している。
兵装は近・近・射の三種格闘寄りだが、射撃のビームマグナムが貧弱な設定をされ白兵タイプユニットの戦闘ルーチンが射撃兵装を全然使おうとしないのも相まって二種の格闘兵装のみが頼り。ユニットとしては専ら回避が高い緑属性重装機の対策用。
EX攻撃はアームドアーマーDEメガキャノンによる汎用射撃カットインモーション。
NT-D形態は緑属性強襲タイプ。火力と回避重視機体である。劇中再現か「超覚醒」スキルを持っており、EX発動時に一定時間性能が強化され機体モデルとアイコンフレームが変化する演出がある。これは超越などの機体強化により実質常時超覚醒をし続けるようになる。
兵装は射・近・射の三種汎用型。射撃二種はビームマグナムと強撃仕様。近接はサーベル。射撃は強襲タイプだからか威力が貧弱であり主に近接が頼り。
EXスキルは本編劇中ネオジオング戦の再現か緑虹光覚醒ユニコーンと横並びでビームマグナム斉射を行う特殊カットシーン。ちなみに劇中との差異として右脚が無事でアームドアーマーDEを背部にマウントしている。尚、味方ユニットにユニコーンがいなくてもカットシーン中に登場する。
改修前機体であるバンシィも別ユニットとして実装されている。