「こんな奴いなくとも、ペーネロペーは勝つよ。」
カタログスペック
頭頂高 | 26.0m |
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全高 | 32.5m |
本体重量 | 36.4t |
全備重量 | 112.0t |
ジェネレーター出力 | 4,050kW |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
スラスター総推力 | 168,000kg |
概要
型式番号RX-104FF(Flight-unit Fixed)。
地球連邦軍キンバレー部隊に配備された第五世代モビルスーツ。パイロットは、レーン・エイム中尉。名称の由来はギリシア神話の英雄オデュッセウスの妻ペネロペ。
開発部署は違うが、開発にアナハイム・エレクトロニクスが携わったΞガンダムとは兄弟機と言える。その事をレーンは知らなかったが、SFS無しで単独飛行するΞガンダムを目にした際に、ペーネロペーを「ミノフスキークラフト搭載MSは、こちらがマザーマシン」と表現している。
原作小説では、ガンダム系の設計思想の名残があるモビルスーツという設定だった。
「ANAHEIM ELECTRONICS GUNDAM HISTORY 2002 CALENDAR」以降はオデュッセウスガンダムという機体がフライトユニットを装着した形態という事になった。
地球に降下してキルケー部隊に配属されてからはその高性能をもってマフティーが運用するメッサーなどに対して高い戦果をあげた。しかし、Ξガンダムとの交戦ではパイロットの力量差から劣勢を強いられていた。
劇場版では「小型化したミノフスキー・フライトを初めて搭載したモビルスーツの一機」と紹介されている他、飛行の際には独特の怪音がする。村瀬監督が語った演出意図は「怪獣的な感じで、ペーネロペーはほかのモビルスーツとは全然違うものにしたかった」とのこと。
劇中ではパイロット保護用のサバイバルガンとしてマグプルFMG-9が配備されていることが確認できる。
また、他のキャラクターは「ペーネロペー」と呼んでいるが、レーンのみは機体に愛着がある為、「ペネロペー」と最初の長音符を短縮して呼んでいる。
フライト・フォーム
ペーネロペーの高速飛行時の形態。
Ξガンダムと比べると、空気抵抗軽減用ビーム・バリアーの完成度が低く、空気抵抗を減らすための可変機のようなこの形態へと変形する必要がある。
劇場アニメ版では、脚部をフリーにして膝関節を逆に曲げたガウォークのような形態も見られる。
機能
ミノフスキー・クラフト/ミノフスキー・フライト
反重力推進装置。ホワイトベースなどの戦艦にしか搭載できなかったミノフスキー・クラフトをダウンサイジング搭載している。
しかし、各所の黄色いフィンの発光や上記の怪音が鳴る等の、(あくまでΞガンダムと比べた場合にだが)技術的な未熟さが見て取れるものとなっている。
劇場版では「ミノフスキー・フライト・ユニット」と名称が変更されている。
ビーム・バリアー
ペーネロペーは機体の各部にバリアーが搭載されている。U.C.0105には、本機だけでなく、モビルスーツや戦艦、施設の防御設備など幅広くバリアーが用いられている。実体弾やビーム、大気圏突入時の熱から機体を防御する。
大気圏内での高速飛行時には、進行方向に波形を変えたビームを展開する事で空気抵抗を軽減し、大気の干渉を減散させ、大気圏内をマッハ2に近い速度で飛行させる。ただ、上述されている通り完成度はΞガンダムに劣っている。
武装
頭部バルカン砲
フライトユニットの先端に四門装備する機関砲。
ダバオの市街地戦では、レーンは極力市街地に被害を出さないように、体当たりと本武装のみで戦っていた。
また、上巻のラストでΞガンダムがミサイルを一斉射した際にも迎撃に使用されたが、迎撃が間に合わずに海中に没してしまった。
ファンネルミサイル
両肩と腰部にあるアーマー内のファンネルミサイルポッドに装備している。
サイコミュを用いたホーミングミサイル。脳波で誘導したこのミサイルを相手に直接ぶつけるため、旧世紀の誘導兵器よりも確実なピンポイント攻撃が可能である。
また、積載スペースの都合上、Ξガンダムよりも総数は上。
メガ粒子砲(ビーム・バルカン)
肩部に2基搭載しているメガ粒子砲。通常時は上を向いているが、使用時になると下へ倒れて発射態勢をとる。
また、劇場版では使用していないものの、ビームサーベルを発振することも可能。
ゲームでは、この武装とコンポジット・ウェポン・ユニットのメガ粒子砲2基の合計4基を発射する連携技を「メガ粒子砲」として実装する事が多い。
専用の巨大なビームライフル。
2種類のEパックを搭載しており、連射モードと単発高威力モードを切り替えられる。
「ANAHEIM ELECTRONICS GUNDAM HISTORY 2002 CALENDAR」によれば、高いNT能力が必要ではあるものの、サイコミュとのシンクロドライブにより、”視覚的に”見えていなくとも”知覚”したターゲットを攻撃することも可能とされる。
ビームの色は連邦軍伝統のピンクで、緑色のΞガンダムと対照的に描かれている。
ビーム・ユニット(コンポジット・ウェポン・ユニット)
原作小説には登場しない武器。
両腕部に装備するビームサーベルとメガ粒子砲とミサイルを装備したバックラー。
ビーム・ユニット後部のメガ粒子砲。前方に折りたたむ形で展開・発射する。
ビーム・ユニット先端部から直接発振する。
ミサイル
ビーム・ユニット側面部の4つのハッチから発射する。
サンド・バレル
対MS・対実弾迎撃用散弾。
散弾を用いて敵モビルスーツやミサイルを撃ち落とす防御を目的とする。
オデュッセウスガンダム
型式番号:RX-104
原作小説には登場せず、「ANAHEIM ELECTRONICS GUNDAM HISTORY 2002 CALENDAR」で設定された機体。(しかし、原作にもフライトユニットの一部をパージしたと思わしき軽装状態の描写はある。)
名称のオデュッセウスはギリシア神話に登場する、トータル20年(※)の漂泊の末に故郷へ帰還した英雄オデュッセウス。この20年という期間がアナハイム・エレクトロニクスが、アナハイム製ガンダムの開発を開始してから20周年、ミノフスキークラフトをモビルスーツに搭載するまで20年かかった事にかけられている。
詳細は該当記事を参照。
※トロイア戦争従軍時期10年+故郷帰還までの航海10年=20年という計算
外部出演
スーパーロボット大戦シリーズ
初参戦はスーパーロボット大戦V。本作では「Gハウンド」と呼ばれるゲームオリジナルの部隊で運用されている。
敵として登場するが、いつものアレで条件を満たすとレーンと共に自軍として使用可能(もちろん乗り換えも可能)。
本作に登場しているハサウェイは「ヤマトらの世界である新正暦世界にも記録が残っているテロ活動に参加していたマフティー・ナビーユ・エリン」ではなく「新正暦世界の100年前に似ているけど別の世界である宇宙世紀世界のハサウェイ・ノア」であるためレーンとの関係も原作とは違う。
移動量が高い・地形適正が初から空Sと性能的にはほぼΞと同レベル。
加入後に地上ステージが少ないため空Sを活かし切れないのがネック。とはいえ、それでも性能は十分に高い。
ガンダムVS.シリーズ
参戦はマキシブーストより。また、DLCという形でフルブースト家庭版にも登場している。コストは最上位コストの3000。
メガ粒子砲(要はゲロビ)を兼ね備えた射撃寄り万能機。ビームライフルに連動してファンネルミサイルを発射する特殊能力を持っており、ビーム実弾織り交ぜた濃厚な弾幕戦で敵を動かし着地の隙をつくが得意・・・というのはΞと一緒。
主な相違点は
- 1:メガ粒子砲の性能で劣るものの、ファンネルミサイルの性能はこちらが優秀。
- 2:時限強化武装は無いが、その分耐久値こちらが上。
- 3:メガ粒子砲は通常の照射以外にも、近距離戦向きの縦薙ぎ払いと横薙ぎ払いがある。
- 4:特殊格闘でその場でスピンするような挙動の特殊移動がある。これで各種武装がキャンセル可能で隙の少ない射撃戦ができる。
ここまでならΞの上位互換。問題なのは
- 5:一定量のダメージを受けるとフライトユニットが破損、パージされオデュッセウスガンダムとなる。そこから専用ゲージが時間経過で貯まり、100に到達で再度フライトユニット装着。
この形態だと武装が弱体化する、言うなれば時限弱体機。自衛面に関してはON移行時に改善されたが、それでもファンネルミサイルといった攻めの要が使用不可になるのは辛いところ。
『全部攻撃を避ければいいじゃん。』と思うかもしれないが、注目度が高い尚且つ試合を引っ張ることになる最上位コスト故にそれも難しく、どうしても弱体化時間が訪れる。
しかし再装着されたフライトユニットは撃墜されるまでパージされることが無いという非常にムラの大きい機体でもある。
なお、マキブのペーネロペーの留意点というよりもこの機体と組んだ相方が注意すべき点なのだが、この弱体化仕様はコストオーバーの影響を受ける。相方が撃墜されてからペーネロペー側が撃墜されると最初から弱体化状態なお且つ耐久値減少状態での再出撃を余儀なくされる。
できる限り、先落ちはペーネロペーに譲ってあげよう。
当初は仕様とゲームシステムとの兼ね合いが悪く使用率は高くなかったが、クロブ時代にはEXバーストアタック使用時に形態問わずフライトユニット装着するようになり、オバブ時代にはコストオーバー時にはフライトユニットのゲージが初から50貯まった状態で出撃できるようになり、近年ではフライトユニット破損時の負担が軽減されるように調整を受け、昨今では3000コスト機体入門機の1機として扱われている。
立体物
SDガンダム三国伝にて演者に選出される。ROBOT魂で発売しているものの、MG化されていない。
この度、第58回静岡ホビーショーに参考出展された劇場版仕様のペーネロペーがHGUCシリーズにラインナップが決定した。
2019年10月発売、価格は7480円。
内部のオデュッセウスガンダムも再現されており、フライトユニットを分離してディスプレイすることが可能となっている他、専用の台座も付属。
関連項目
Ξガンダム:兄弟機。
森木靖泰:生みの親。
キングギドラ:上記にある飛行時の独特の怪音は、どこかこの怪獣の鳴き声を彷彿とさせる。
スツーカ:過去にドイツが開発した、怪音を上げながら爆撃していく戦闘機。
ミドラーシュのキャスター:FGOのキャラクター。二つ目の幕間の物語にて、キルケーから日本産のプラモデルの入手を頼まれ、その確認のため発したセリフが「怪鳥のような異形のロボット」と言い、商品名も「HGペーネロ……」と言いかけてキルケーに止められている。