概要
ファンネルミサイル (Funnel Missile) は、富野由悠季著の小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に登場する、無線式のオールレンジ攻撃用兵器である。
宇宙世紀世界においてモビルスーツという兵器が誕生したのは、元来、ミノフスキー粒子散布下での誘導兵器が使用できないことが起因であり、ミサイルをはじめとした遠距離からの誘導兵器の成功率が著しく低くなっっていた事に起因する。
ファンネルミサイルは、従来のファンネルビットと同じようにサイコミュによる脳波無線誘導が可能であり、ミノフスキー粒子の発明により誘導能力を失ったミサイル系誘導兵器を再度脅威とすることに成功している。
形状はファンネルの名前通り、漏斗状(三角錐)形状をしている。作品によっては漏斗を2つ繋ぎ合わせたような形状をしているものもある。
オールレンジ攻撃用兵器といっても、前時代に猛威を振るった兵器(従来のファンネルビット)とは根本から異なり、ビーム発生機構や帰還充電機能を持っておらず、標的に直接ぶつけて爆破させることでダメージを与える兵器である。端的に言えばミサイルに脳波誘導機能(サイコミュによる誘導能力)を付与しただけのものである。
通常のファンネルビットのように、相手の背後に回り込ませてから弱点を狙って当てるなどの芸当は不可能であり、回収や再充電も不可能な使い捨て兵器である。作中では発注数・搭載数共に一般的なミサイルとさほど変わらず、完全な消耗品扱いとなっているが、そのぶんコストが安く、ミサイルと同等に小型化することが可能、モビルスーツ単機の搭載数も格段に向上しており、補充も容易となっている。
ミサイルと同様に遠距離から狙い撃ちする使い方ができるのが長所があり、1G環境下でも長射程を確保できるため、大気圏内(1G環境下)戦闘に最適と言える武装である。
現時点で初めてこの兵器が搭載されたと確認されているのは、宇宙世紀0104年頃に完成したペーネロペー及びΞガンダムのみである。(ただし、宇宙世紀0096年にクシャトリヤ・リペアードが、通常のファンネルに炸薬弾頭を接合した、急造・簡易型のファンネルミサイルを使用している。)
ただし、富野由悠季の小説では、これ以前の作品でもみなビットやファンネルにはビームタイプとミサイルタイプのような描写が存在し、それ以前に開発されていなかったとは必ずしも言えない。
Ξガンダムやペーネロペーに搭載されているのがファンネルミサイルという設定が定まったのも、ゲーム『SDガンダム GGENERATION-F』に登場してからである。
また近藤和久の漫画作品『新・ジオンの再興』では、エルメスのビットが「誘導兵器としてミサイル的に活用できた」と解説されており、作中でもNT部隊『ケルベロス隊』の可変MSゲイドライ・シュツルムが、ファンネルを直接ぶつけることでビームの効かないGコマンダーを撃破している(時代背景は宇宙世紀0092年)。
宇宙世紀0110年には第5世代MSの発展型として開発されたゾーリン・ソールにファンネルミサイルが搭載されている。