概要
『UC計画』に従って開発、製造されたユニコーンガンダム1号機、2号機、3号機にインストールされた、特殊な機体管制システム。
後年にはミシェル・ルオが調達した(アナハイム・エレクトロニクス社から供与を受けた)ナラティブガンダム(機体ロールアウトは宇宙世紀0093年以前)にも、インストールされていた事が判明している。
「ラプラス事変」(宇宙世紀0096年勃発)の最中、アナハイム・エレクトロニクス社においてユニコーンガンダム(1号機)の機体開発メインスタッフであるアーロン・テルジェフの口から『ビスト財団が開発したブラックボックス・システム』、『アナハイム・エレクトロニクス社では解析不能』とまで言わしめるほどに特殊なシステムであり、主にはユニコーンガンダムの「戦闘形態」であるデストロイモードへと『変身』する際に起動、機体を構成するフル・サイコフレームの制御に用いられる。
フェネクスにも、NT-Dが搭載されているが、先行納入されていたフル・サイコフレームの素体にインストールされていたか、別の方法で同じシステム導入に成功したものと思われる。
その他上述のナラティブガンダムには、宇宙世紀0097年にアナハイム・エレクトロニクス社が実戦投入用の増加装備を製造し、『不死鳥狩り』に投入した際にはNT-Dがインストールされている。
システム詳細
NT-Dの略称は表向きには「ニュータイプ・ドライブ」の略であるとされているが、その実態はジオン・ズム・ダイクンの提唱したニュータイプ論を否定し、それと結びついたジオンの理念を根絶する「ニュータイプ・デストロイヤー」である。
ユニコーンガンダムの象徴とも言えるブレードアンテナはこのNT-Dの発動に欠かせないパーツとなっており、敵性ニュータイプ、もしくは強化人間の発する感応波を感知する事で自動的にNT-Dが起動、デストロイモードへ『変身』するよう設定されている。
この形態になると操縦系統が「プログラム」による手動操作から「インテンション・オートマチック・システム」による思考操作に切り替わり敵の感応波を受信しての先読み行動が可能となり、ジェネレーター、スラスター出力の向上(その数値は計測不能とされる)や敵のサイコミュ兵装を自らの支配下に置く「サイコミュ・ジャック」といったいくつかの機能が解禁される。
ただし「ニュータイプの殲滅」を理念としているため場合によってはパイロットの意思を無視して感応波を送受信する生体デバイスとして扱い機体が独自に攻撃行動を起こしたり、敵意に変換された感応波によりパイロットが「マシーンに呑まれる」暴走状態に陥る、機体の損傷イメージが痛覚としてフィードバックされてしまうなどパイロットの精神に悪影響を及ぼすこともある。
なお、ナラティブガンダムについてはハードウェア上の制約から『変身』やインテンション・オートマチック・システムといった機能は無いが、パイロットの制御を離れた行動や敵意の増幅、Ⅱネオ・ジオングのハルユニットをサイコミュ・ジャックするなどユニコーンガンダムと同等の機能をいくつか見せている他、新たに有線式遠隔攻撃端末が無線操縦へ切り替わりフェネクスを捕獲する「サイコ・キャプチャー」に変形するといった隠し機能を披露している。
この起動条件は機密事項とされており、パイロットの手によってシステムを意図的に起動させる事は不可能。開発に携わったスタッフであっても、セクション間で高度な情報統制が成されている事から、システムの全容を知る事は出来ない。
しかし、ユニコーンガンダム1号機はロールアウト時にLa+プログラムが追加インストールされた事でパイロットの感応波にも反応するようNT-Dの起動条件が変更されており、乗り手がニュータイプの素質を持っていた場合、任意の『変身』が可能。これは、La+プログラムが「乗り手がニュータイプであるか否か」を見極める為の物である事に由来し、強化人間がLa+プログラムに触れたとしても、システムが反応する事は無い。
なお、NT-Dと同じく「ニュータイプ殲滅」を謳ったモビルスーツ用OSに、一年戦争時に開発された「EXAM」システムがある。
しかし、EXAMは開発者であるクルスト・モーゼスの執念もあり、「ジオン・連邦の垣根を越えたニュータイプの殲滅」を目的に開発されていたのに対して、NT-Dは「ジオンの掲げる思想と、そこで語られる概念としてのニュータイプの駆逐」を目的としているなど、そのコンセプトの本質は大きく異なる。
余談だが、本機の開発仕様書には彼と共に連邦のEXAMシステム搭載機「ブルーディスティニー」シリーズ作り上げた開発主任「アルフ・カムラ」と同名の人名が記載されている。
La+プログラム
ユニコーンガンダム1号機のNT-Dに追加インストールされた特殊プログラム。
ビスト財団の根幹を成す「ラプラスの箱」へ乗り手を導く為の「鍵」であり、プログラムが指定した座標でNT-Dを発動させる事で、箱の手がかりとなるデータが機体側から開示される。
同時に乗り手が真のニュータイプであるか否かを見極める為、ニュータイプの素質を持っている人間がパイロットであった場合パイロットの感応波にもNT-Dが反応するように細工が施されており、強化人間に対しては機体が反応しない。
しかしながらLa+プログラムを搭載していないバンシィがリディの能力でNT-Dを発動させているのでこの機能は本来不要のものか覚醒したてのNTでも発動するような補助程度の可能性がある。
プログラムが指定する座標は地球連邦首相官邸「ラプラス」やオーストラリア大陸トリントン基地など、何れも宇宙世紀の戦乱の歴史に縁のある場所であり、乗り手に箱の開放の是非を問うような旅に誘う。
関連項目
搭載機(ビスト財団開発関与)
搭載機(地球連邦軍開発)
搭載機(その他勢力所属)
その他関連
類似システム
宇宙世紀シリーズ外
RX-零丸:ガンダムビルドダイバーズに登場するガンプラ。実際にNT-Dを使用する事が可能である。