CV:伊瀬茉莉也
概要
ヨンム・カークスの部下であり、彼を第二の家族として慕うジオン残党所属のエメラルドの瞳が印象的な、ニュータイプの少女。18歳。階級は少尉。
実父(ジオン軍人にして資産家)を地球連邦軍になぶり殺された事に対する復讐のために、遺産ともいえる大型モビルアーマーシャンブロに搭乗する。
アクシデントによって地球連邦政府中枢議事堂が設置されているダカール市近郊の砂漠地帯へ降下してしまう事となったガランシェールの存在をカモフラージュするため、同じく残党軍である「袖付き」の要請に応え、ダカールを強襲する。この襲撃において連邦軍の守備隊MSと共に地球連邦政府中央議事堂を破壊するという、大きな戦果を上げたのだった。(機動戦士ガンダムTwilightAXISにおいて、中央政府自体はダカールに残っていることから、要人は避難完了していたようである)。
その後、フロンタルとの通信において、ロニはトリントン攻撃の任を与えてほしいと意思を表明する。それに対し、フロンタルは「ジオン残党軍には命令できない」と返答するが、これにロニは、「では、止める権利もないと理解してよろしいんですね?」と、念を押した。
「マハディの遺志を継ぐ者に加護あれと…」
「ジーク・ジオン!」
そしてジオン残党軍は、La+プログラムの示した地点であるトリントン基地の基地機能を無力化させる作戦を、残った各地の全戦力を投入し、バナージ・リンクスを交えて敢行する。
この襲撃においてロニは近郊市街の軍事関連施設を担当していたが、シャンブロに搭載されたサイコミュの暴走によって、市街地――民間人避難施設も含めた、最悪の無差別殺戮行為を始めてしまう。
この事態を看過できず、ユニコーンで出撃したバナージと対峙し、一時は自分自身が哀しみの連鎖を繋いでしまう意味を胸に刻むも、トリントン基地襲撃の指揮を執っていたカークスの戦死を感じ取った事により、今度こそ憎悪を押さえつける事ができなくなり、シャンブロの大口径メガ粒子砲を、ユニコーンとその背後の市街に向けて照射。更に甚大な被害を生んでしまう。
それでもなおバナージは説得を続けるが、彼女は心の芯にまで根を張った哀しみに抗うことができず、なおも殺戮の連鎖を拡げようとする。狂った機械のように街を破壊し続けるが、その瞬間、カークスの遺した思念が舞い降りる。
「ロニ… 俺たちの戦争は終わったよ…」
その言葉を聞き、涙を流して項垂れるがシャンブロは停止せず、目前に迫るデルタプラスとユニコーンに大口径メガ粒子砲を照射しようとする。撃たなければ撃たれる状況に、リディはバナージにビームマグナムを発射するよう促す。バナージもヤケになりながらトリガーに指をかけようとしたその時…
「バナージ… 哀しいね。」
「撃てませぇぇんっ!」
メガ粒子砲が発射されるが、ロニの意志がそうさせたのかユニコーンの前にリフレクター・ビットが展開され、自ら発射したビームを無効化する。この間隙を突いて、デルタプラスがユニコーンガンダムからビームマグナムを奪い、発射。その一撃をコクピットに受け、ロニはどうにもできない哀しみを抱えたまま、その身を焼かれていくのだった。焼き尽くされる寸前にマハディの影が祓われたのは、せめてもの救いだったのかも知れない
ユニコーンガンダムという絶大な“力”を受け取りながらも、ロニを説得できず、救う事ができなかった己の無力さに、バナージはただただうずくまり、嗚咽を漏らし続けるしかなかった。
ニュータイプとして
彼女の専用モビルアーマーであるシャンブロは、サイコフレーム採用機とは言え、基礎設計は第一次ネオ・ジオン抗争期(宇宙世紀0080年後半)と、劇中から10年近く遡ったサイコミュ研究の過渡期に行われたものであり、当然ながらサイコ・フィールドを展開するための専用機構などは搭載していない。(宇宙世紀0090年代後半には、アナハイム・エレクトロニクスの研究によって、サイコフレームを外界に晒す事でフィールド励起のための準位を下げられると判明していたとされる。)
にもかかわらず、シャンブロは対ユニコーンガンダム戦において、デストロイモードと互角のサイコ・フィールドを展開している。
また、シャンブロが攻防に用いるリフレクタービットもまた、(本質的な要因は不明だが)サイコミュ・ジャックの干渉を受けずに、本体に随伴し続けていた。
これらの事実から、憎悪に後押しされたものとはいえロニのニュータイプ能力は極めて高い領域にあったと考えられる。
(強化人間でしかないフル・フロンタルはともかく、コロニーレーザーも受け止めたバナージすら超えていた可能性も充分にある。)
小説版
本編であるアニメとは大きく設定が異なっているキャラクターの一人。
これは、制作側がアニメーション化するにあたって「バナージに、「知り合いだから救う」という偏った行為をさせたくないと考えたから」としている。
ドバイの末裔にしてガーベイ・エンタープライズの会長であるマハディ・ガーベイ(小説版では存命)の娘。
ダカールを訪れたバナージとジンネマンの案内役を務め、父であるマハディの思想に賛同しながらも子供好きで根の優しい少女として描かれた。
父兄弟とともにLa+プログラムを発動すべくシャンブロに搭乗しダカールを火の海に変えるが、サイコミュからのフィードバックによって父に服従できなくなり、殺戮に酔いしれるマハディを止めようとするが彼に射殺されたが、彼女の思念がバナージを導きシャンブロを止めるきっかけとなった。
バナージに異性として好意的な感情を抱いていた節がある。
スーパーロボット大戦では
敵として登場し、生存した場合もフェードアウトするという扱いとなっている。
スーパーロボット大戦BXではスパロボ史上最悪とも言われている程の悪質な隠し条件に関係している。それに加えて、隠しフラグを全て立てなければ隠しボスとは戦えないため、隠しボスルートを通りたい場合は生存フラグを立てるのは必須といえる。
BXにおいては生存していた場合、機動戦士ガンダムAGEに登場するとある場所(ルート選択必須)で、それらしき人物とキオ・アスノが遭遇するシーンが挿入される。
それに加えて、共通ルートではディーン・アノンと遭遇していたことも回想シーンで追加されるため、可能であればフラグを立てて確かめていただきたい。
コンパチヒーローシリーズでは
安心と信頼の敵役として登場。
スーパーヒーロージェネレーションではフロンタルの依頼を受けてトリントン攻めを行う。
ロストヒーローズ2では意思の無い破壊兵器というある意味、アニメ版の行き着く先であり
「敵であり続ける」キャラとしてはある意味正しい役割を果たしている。