概要
サイコフレームの共鳴によって極めて大規模な物理的作用を引き起こす現象を指す。
後述のアクシズ・ショックや、ラプラス事変における戦略級超大型レーザー兵器コロニーレーザーの攻撃を退けた事が代表的な事例である。
サイコミュに集中した地球生命の集合無意識及び自らの意思の力をエネルギーに転換するとの説、余剰次元の縮退質量から膨大なエネルギーを解放するなどの説があるが実態は不明。
発生原理
サイコ・フィールドを引き起こした主なパイロットはアムロ・レイ、バナージ・リンクス、ロニ・ガーベイ等々特筆してニュータイプとしての素養に秀でた者が多く、かつニュータイプ能力が強いほどサイコ・フィールドの発現率、発現した際の影響が強くなる傾向が見られる。
そしてまた、サイコ・フィールド発現時のパイロットは「怒り」、「衝動」、「悲しみ」及び「生命の危機」など何か精神や感情を強く突き動かされる状況がほとんどを占めている。
アクシズ・ショック
宇宙世紀0093年3月12日、第二次ネオ・ジオン抗争の最終局面において小惑星アクシズ落下を止めようと、アクシズへ取り付いたνガンダムとサザビーのコクピットブロックのサイコフレームの共鳴によって、サイコ・フィールドが発生したとされる。
νガンダムから放たれた緑がかった虹色の光がアクシズに取り付いた敵・味方を弾き飛ばしながら、地球へ落下する筈であったアクシズの半身を落下軌道から逸したのである。
この虹色のオーロラと共に地球を離れるアクシズは、無数の人間、特に民間人として地球にいたミライ・ヤシマが地上から肉眼で確認出来たほど。
そして、たった一機のガンダムが小惑星を押し返して地球を救うという、正に「奇跡」としか言い表しようのない現象であった。
ただ実際の状況としてはパイロットのアムロ・レイというニュータイプの他にも、地球に住む全ての人類に生命の危機が迫っていた事、現地にいた連邦MS兵やアクシズ落としに協力したネオ・ジオン兵までもがアムロに続いてMSでアクシズを押し返そうとしてたという心理的にも非常事態が発生しており、多くの思念がνガンダムを依代として増幅された結果だとも考えられる。
原因不明の本現象は戦争終結後、「アクシズ・ショック」と呼ばれ、ニュータイプの存在を公にすることを良しとしない政府上層部によって、当該事象の真実に関する事項や記録は全て機密扱いとなった。表向きにはサイコフレームの研究についても一切が終了したという喧伝がなされた。
主な作用
斥力の発生
アクシズ半身を押し戻した事に代表され、ユニコーンガンダムにおいても敵サイコフレーム採用機との交戦中に度々力場のようなものが発生して周囲の物体を弾き飛ばしている。
そして劇中終盤の1号機ユニコーンや3号機フェネクスは自身のシールドがスラスターが付属していないのにもかかわらずファンネルのように飛び回り、光の結晶体と化したユニコーンやフェネクスは機体自体もスラスターが稼働してないのにもかかわらず超高速で動いた事が確認されている。これもサイコ・フィールドの斥力発生作用によるものと考えられる。
化学反応やエネルギーの沈静化
アクシズショックにおいて大気圏突入の断熱圧縮により取り付いていたMSが熱暴走で爆発し始める中、サイコ・フィールド発生と共に残っていたMSらは宙域へ打ち上げられ無傷で生還を果たした。
他にも96年には地上から打ち上げられたガランシェールを引き上げようとしたネェル・アーガマに発生していた断熱圧縮をユニコーンのサイコフィールドによって消し去る、97年にはヘリウム3貯蔵施設で引き起こされたヘリウム3臨界反応をフェネクスが放出した光の翼のようなものに包みこまれたところ沈静化した例がある。
攻撃に対するバリアー
ユニコーンガンダムとバンシィ・ノルンが連携してコロニーレーザーを相殺したケースや、フェネクスがメガ粒子砲の直撃を食らっても平気であったケースが挙げられる。
ただし全てが“無制限”というわけではなく、Ⅱネオ・ジオングがナラティブガンダム(C装備)のバリアを叩き潰したように、極大出力のビームサーベルを用いて物理的に突破したケースも見られる。
ユニコーンタイプが能動的に使用している「NT-D発動によるサイコフレーム剛力の強化」も見た目に出ない形、もしくは”謎の発光現象”としてサイコフィールドが発現しており、それを応用する事で実現されていると考えられる。
コロニーレーザーはIフィールドバリアのように弾いた訳ではなく”吸収”したような様子を示しているため、障壁として物体のように見えるだけで本質的には前述の「化学反応やエネルギーの沈静化」という特性の応用と考えられる。
ミノフスキー粒子兵器の増幅
ユニコーンガンダムとシナンジュが対峙した際、シナンジュにダグザ・マックールを殺害されたことによるバナージの怒りに呼応し、ビーム・トンファーの出力が増加、大型のデブリを切り裂くまでに巨大化している。また、Ⅱネオジオング戦において、フェネクスが同じく巨大なビーム・トンファーを発動している。しかし、それ以前の時代のサイコミュ搭載機においても似たような事例が幾つか見られる。
よって厳密にはサイコフレームの前提であるサイコミュの効果だと考えられる。
『時を巻き戻す』ような光、物体の破壊
ユニコーンガンダム1号機、および3号機が発現させた、特殊な波動(両機の波動が同質かは不明)。
波動に触れた構造体を、あたかも『時を巻き戻した』かのように分解させる。ユニコーンガンダムにおいてはMSのジェネレーターのみを分解しておりある程度ターゲットの選定ができるようだがフェネクスのものは当たったもの全てを分解するため、この2つは厳密には違う性質のものだと考えられる。
人体には影響を及ぼさないため、(宇宙服を着用していれば)パイロット等を殺害することなく、モビルスーツを無力化させられる。もっとも高速機動中のMSから人間が放り出されれば慣性の法則で動き続けいずれデブリなどに当たって死ぬだろうし、もし宇宙空間において大地を人工的に再現しているコロニーなどに当たったら大惨事が起こる為、危険である事に変わりはない。
発現した機体
νガンダム
上述のアクシズ・ショック……地球圏最大の奇跡を起こしたマシーン。
特筆すべきは後述の機体に比べサイコフレームの数がコクピット周りだけと少ない、多く見積もってもνガンダムに加えてチェーンのサイコフレームやサザビーの残骸にある程度であるため、戦場にあったサイコフレームの量に対して起こった現象のエネルギー量は他に比べ遥かに多い。
ユニコーンガンダム
※機動戦士ガンダムUCと機動戦士ガンダムNTの全編に対するネタバレ注意。
※以下に挙げられる現象に付随する理屈の説明に関しては、厳密に作中の人間による解明や公式見解が述べられていないためあくまで考察の範疇である事に留意されたい。
ユニコーンガンダムは大量のサイコフレームとNT-Dによる感応波の増幅、インテンション・オートマチックによる機体センサー情報フィードバックシステムと人型兵器の親和性という様々な噛み合いから、サイコ・フィールドを比較的意識的に発生できるようになっていると考えられる。
シャンブロ戦
最初に明確に確認されたのは、地球・オーストラリアの市街地であった。
ロニ・ガーベイの駆るシャンブロを静止するべく、パイロットのバナージは作戦を無視して独断で出撃。ユニコーンガンダムとシャンブロが激突せんとしたその時、両機のサイコフレームが共鳴し双方とも自機を中心としたサイコ・フィールドを発生させている。
その余波は周囲に地割れを生じさせる、物理的な干渉力を有していた。
バンシィ戦
二度目は、巨大飛行空母ガルダの甲板。
NT-Dを発動してこちらを攻撃せんとするバンシィにユニコーンが相対した時、二機のユニコーンのサイコフレームが共鳴しサイコ・フィールドが発現した。
この斥力は空中から2機に介入しようとした連邦軍のMSアンクシャをふっ飛ばしてガルダの垂直尾翼に衝突させ後部格納庫が破損。ミネバ・ラオ・ザビ転落の原因を作った。
ネェル・アーガマ合流
激突の末、輸送機ガランシェールと共に衛星軌道上のネェル・アーガマへと合流すべく成層圏臨界での両艦の接続作業を実行するが、ガランシェールが到達高度不足のトラブルが発生。エンゲージ失敗の危機が迫る中、更にガランシェールの加速補助作業を行っていたユニコーンガンダムのスラスター燃料も尽きてしまう。これを牽引フックとガランシェールをユニコーンが腕で直接引き寄せようとした所、逆にユニコーンが引き裂かれそうになる。しかもフレームへの衝撃がインテンション・オートマチックによりある程度パイロットに痛覚としてフィールドバックされる関係上、パイロットは激痛に見舞われてしまう。
しかしそのとき、突如としてユニコーンガンダムのサイコフレームが赤から虹色に近い眩い緑へと昇華。虹光は二艦を覆い引き寄せ、エンゲージを成功させる。ここで確認された現象は斥力発生の他、引き上げる側のネェル・アーガマに起こっていた断熱圧縮を消し去った事から反応沈静化、またはサイコフィールドが2艦をバリアのように保護したと考えられる。
この時ユニコーンガンダムが発した輝きは、宇宙世紀0093年の第二次ネオ・ジオン抗争末期において確認された「アクシズ・ショック」を彷彿とさせるものであった。また、以降のバナージはほぼ自身の意思でデストロイモードをコントロール出来るようになっている。
しかし流石にパイロットも限界だったのか、その後ゼネラル・レビル艦隊による奇襲を受けた際はNT-Dが解除されておりさらなる現象を起こしたりガス欠で応戦が出来なかったので危機に見舞われた。
バンシィ・ノルン戦
最終決戦の地である宇宙のサイド4・メガラニカ周辺空域では『袖付き』だけでなく、地球連邦政府の思惑と共にリディ・マーセナスを乗せたバンシィ・ノルンを加えた三つ巴の戦いの中で幾度も発現させる事となった。
この戦いにおいてはバンシィとユニコーンが斬り伏せるたびにサイコフィールドが起こって二機の周囲にある岩礁を弾き飛ばす程であった。
ローゼン・ズール戦
袖付きのアンジェロ・ザウパーが駆るローゼン・ズールのサイコ・ジャマーによりユニコーンのNT-Dと機体制御を封じられ危機に陥る中、マリーダ死亡を受けパイロットのバナージが覚醒。感応波がローゼンズールの限界を超え緑のNT-Dを発動する。
その際にサイコフレームで出来たIフィールドバリア搭載シールドがファンネルのように飛び回りサイコジャマー端末をシールドファンネルの突進で破壊しサイコ・ジャマーを突破する。
この時盾が飛び回った理由は未だに解明、明言されていないが、盾に大型のサイコフレームが組み込まれていることからこれもサイコフィールドの斥力発生を応用した推進だと考えられる。
ネオ・ジオング戦
バナージとリディは戦いの末に手を取り合う路を選択し、袖付きのフル・フロンタルが駆るネオ・ジオングを撃破せんと戦いに挑む。
その際敵のサイコシャードから発せられた疑似サイコフィールドによって全身の武装を全損したためMS徒手格闘での撃破を強いられる。しかし相手がハイエンド機のシナンジュやネオ・ジオングの強大な腕部を紙でも裂くように粉々に砕いて見せた。
視聴者にビスト神拳と呼ばしめたこの現象は、サイコフィールドの光が出ていないので根拠に乏しいが、サイコフィールドのバリアや分解する作用を全身に身に纏うことで出来たと考えられる。
メガラニカ防衛・対コロニーレーザー
死闘の末にネオ・ジオングを撃破するも、マリーダの残留思念から地球にて全てを観測していたマーサ・ビスト・カーバインらが戦略兵器コロニーレーザーを用いてコロニーメガラニカごと『ラプラスの箱』の焼却を目論んでいる事を知る。
託された希望を絶やすまいと、2機のユニコーンガンダムは互いのサイコフレームを共鳴させ、サイコ・フィールド・バリアによってメガラニカの防衛を試みる
この際にサイコフレームの手持ちシールド→ユニコーン→バンシィと並ぶことで3重にも渡るサイコフィールドのバリアを展開した。このバリアは障壁と呼べるような、可視化された半透明のガラスのような見た目をしている。
サイコフィールドのバリアとしてはシリーズ最強の効力を持っていると考えられる、この3重防御によりコロニーレーザーを退ける事に成功する。
光の結晶体
前述のメガラニカ防衛の際にユニコーンはサイコ・シャードを発生させ自身のサイコフレームを増幅した。それによりユニコーンは"光の結晶体"と呼ばれる形態へ変化。全身の装甲の隙間から結晶体が露出した格好となる。
このサイコシャードがネオ・ジオングと同じ理屈ならばユニコーンはどこかからサイコフレームを持ってこないといけないが、無やコロニーレーザーのエネルギーから生み出した説、その後マリーダの思念体がバナージには見えた事から近辺宙域に漂っていたクシャトリヤの残骸に含まれるサイコフレーム(近くには他にもシナンジュのサイコフレーム残骸も漂っている)をサイコフィールドによって引き寄せ結合した事などが考えられる。
その後バナージが自我を失いユニコーンは外宇宙へ飛び立とうと急速に移動を開始する。その際にスラスターは稼働しておらず、シールドファンネルのようにサイコフィールドを推進力に応用して進んでいると考えられる。
これは同様の現象が起こった後の3号機フェネクスを言わしめて「光の速度でも追いつけそうにない」と表現される程であり、UC96年の科学力では再現できない域に達してると考えられる。
リディやミネバの想いがバンシィを通して届いたことで、バナージの自我が復帰しユニコーンの光の結晶体も解除される。
その際に破損したユニコーンの装甲が復元される現象が起こっており、これもサイコフィールドと考えると物質を分解できる以上さらに上位のサイコフィールドは物質を復元する力も持っていると考えられる。
なおその後ユニコーンはシンギュラリティ・ワンとして封印され、バナージもサイコフレーム無しでサイコフィールドを発生させるような事は出来ていない。
シャンブロ
『ラプラスの箱』を解放するための道程であるオーストラリアトリントン基地周辺の一般居住区においてパイロットであるロニ・ガーベイが発現させた。
本来、ロニの任務はトリントン基地の戦力を分断させるための陽動のみであったが、過去に父母兄弟を殺された憎悪からサイコミュを暴走させてしまいシャンブロの重武装によって民間人の虐殺という最悪の行動を開始してしまう。
ロニもその地獄絵図を描く自身の行為を嫌悪しながりも、過去の憎しみを止めることが出来ないという二律背反に晒され半混乱状態に陥り、虐殺を制止しようと降下してきたユニコーンガンダムを拒絶するように物理的な斥力を伴ったフィールドを展開している。
なお、シャンブロにはNT-Dおよびデストロイモードといったサイコ・フィールドの発現を促進するシステムが搭載されていないにもかかわらずユニコーンガンダムと互角のフィールドを発させた事から、ロニのニュータイプ能力が非常に高かった事を窺わせる。
バンシィ
大型飛行空母ガルダにてユニコーンガンダム移送の護衛監視を行っていたが、ガランシェール隊の強襲を受けユニコーンガンダムと交戦状態に突入。その際に互いのサイコフレームが共鳴し、サイコ・フィールドが発現した。
この時のサイコ・フィールドは二機のユニコーンガンダムを覆う程度の他と比べ小規模なものだったが、連邦軍のアンクシャはユニコーン二機に割り込めず弾き飛ばされている。
その後、パイロットはリディ・マーセナスへ変わり、メガラニカへ向かうネェル・アーガマ隊を追撃するべく出撃。その際にサイコフレームと武装を増設したバンシィ・ノルンへと改修された。この戦闘において本機がNT-Dを発揮した時にはユニコーンと共に小規模な斥力サイコ・フィールドを発生させている。
その後、ネオ・ジオングに対してMS徒手格闘を仕掛けた際はユニコーンが超常的な格闘能力を発現していたのに対し、バンシィは特にそんな事はなくネオ・ジオングの巨大マニュピレーターに捕えられていた。
そしてネオ・ジオング撃破後は、サイコフレームが緑光に覚醒してないにもかかわらずサイコフィールド障壁の展開に成功している。
それりよりメガラニカ防御の最後の要として、“ユニコーンガンダム”が単機では遮断しきれなかったコロニーレーザーの残照を受け止めた。
その照射を受けた際にパイロットのリディが覚醒。サイコフレームが緑光に変化し、障壁の強度が増した事でコロニーレーザーを完全に退ける事に成功している。
なお、その後のユニコーン光の結晶体追跡時にバンシィがサイコ・フィールドによる推進をする事などは無かった。
リディは当初NT-Dすら発動できなかった事を考えると、実用的なサイコ・フィールドの発動にはサイコミュの才能高いパイロットやサイコミュの経験を多く積んだ者(少なくともマリーダ殺害後のリディ以上)、それがフルサイコフレーム機の使用やサイコシャードによる増幅を行わないと引き起こせないと考えられる。
ネオ・ジオング
サイコフレームは搭載総量が多いほどその特性が強化されるという性質を有する。このためネオ・ジオングは疑似サイコフレームであるサイコシャードを発生機によって増幅し単機が有する総量を大きく増加させる事で、“個人”の意思によって意図的に、疑似サイコ・フィールドを発動させる事が可能となる。
なお、ネオ・ジオングのハルユニット本体にサイコフレームは搭載しておらずシナンジュの中に仕込まれたサイコフレームをチップ化して機体外にばら撒くため、最大増幅量はハルユニットに接続するMSのサイコフレーム量で決まる。
この疑似サイコ・フィールドは使用者のイメージ(精神)を具現化する力場であると言われている。
ただし、コロニーレーザーが後述の“ユニコーンガンダム”のサイコ・フィールド障壁を一部貫通していたように、やはりエネルギーが“無尽蔵”となるわけではない。
何よりも史上最大のサイコ・フィールドを発生させたνガンダム(及びサザビー)のサイコフレーム総量は、決して多くなかった事実や、後述のサイコシャードをフル稼働させたⅡネオ・ジオングがフェネクスに敗北を喫した事実から、フィールドの強弱を決めるのは「意思」、もしくは高い意思から繰り出される「感応波」、そして周囲で願う「人々」のウェイト比が高いと考えられる。
敵武装の破壊
メガラニカでの最終決戦で、攻撃手段を奪うことでバナージと対話しようとしたフル・フロンタルは、当該機の武装であるサイコ・シャード発生器によって生み出されたサイコシャードによるサイコ・フィールドで、ユニコーンとバンシィ・ノルンの武装を自壊に追い込んでいる。
ただしバンデシネ版では、ユニコーンが装備しているメガキャノンが付いているアームドアーマーDEに付いているビームガトリングが自壊したのに対してアームドアーマーDE本体はなぜか自壊していなかった。(バンデシネ版にアームドアーマーDEが出た当時は、まだネオ・ジオングの設定がなかったので後のコロニーレーザーを防ぐ事を考えたらユニコーンのアームドアーマーDEを失うわけにはいかなかったので破壊されなかった可能性がありもしくは、アームドアーマーDEに搭載されているサイコフレームの力がサイコシャードを防いだと思われる。)
この"破壊"のサイコフィールドは後述のフェネクスのものとは違い、宙域に幾何学模様の光が走る事で現象が起こっている。これは後述のフェネクスの「光を飛ばすことで当たった部位を破壊する」サイコフィールドとは明確に違う。
ユニコーン光の結晶体の「波動の境界が当たる事で特定部位を分解する」ものの方が近いが、ネオジオングのものは波動の境界が広がる描写も無い間に兵装を破壊しているので、厳密には違う性質のものと考えられる。これは光の結晶体が行ったものに対してビームマグナムの射程程度と言う近距離で展開されたため速度が速すぎて見えなかった(逆に光の結晶体がゼネラルレビル隊に放った時は隊がSFSを使うほどの遠距離であったから見えたという可能性)、もしくはサイコフィールドの特性はパイロットの個人差が反映されるという可能性がある。
このサイコフィールドはフルフロンタルの「対話の為にMSを純粋な人の形に戻す」という願いを反映し、そのためならば際限の無いものだと考えられていたが、フェネクスのものと同威力のものならばユニコーンの四肢も破壊すれば反撃の心配は無かったはずという事、ガンダムベース東京で上映された限定映像における別世界線でユニコーン改修機のユニコーン・ペルフェクティビリティと交戦した際は近接格闘兵装アームドアーマーVNのみ破壊できていない。この為、破壊できるものと破壊出来ないものは何らかの法則性があると考えられる。
格闘戦
武装を破壊されたユニコーンとバンシィはMSの四肢を使った徒手格闘による戦闘を仕掛けてくる。この際ネオジオング・シナンジュ側はユニコーンのようにMSの剛体が対等まで強化されることが確認されておらず、この効果は発揮されなかったか、フロンタルがバナージを試していた為手加減していたのかは不明。
自身の自壊
時の果て、あるいはそれを模した精神世界においてバナージの持つ”希望”をサイコフレームを通して見せつけらたフロンタルは、今の世界をバナージら次の世代に託そうと決めた。
すると現実世界のネオ・ジオングが強力な閃光を放ち、ネオ・ジオングのハルユニット及びシナンジュは自壊を開始しコクピットポッドを残して塵と化した。パイロットスーツの生命維持装置も人知れず破壊したのか、彼を崇拝するアンジェロがコクピットを確認した時は彼は事切れていたような様子であった。
これも発光後の現象発生時にサイコ・フィールドの光が出ていないので根拠に乏しいが、”破壊”のサイコ・フィールドを自身に張り巡らせて機体を崩壊させたと考えられる。
フェネクス
フェネクスは宇宙世紀において現在最も多彩にサイコ・フィールドを発動・応用した機体である。
フェネクスはパイロットが確認されていないが、ならばサイコ・フィールドの出どころというのは機体に遺されたリタ・ベルナルの思念体と思われるものによるものなのか、フェネクスのマシンによる自動操縦(初代ガンダムのラストシューティングのようにある程度自動操縦を行う機能がMSには搭載されている)が行ってるのかは不明。
いかんせん劇中時点では連邦が2年も暴走状態から手をこまねいているような状況で、その後も解析が出来ていないまま失踪したので何もハッキリした事は分かっていない。
斥力のサイコ・フィールドによる移動
基本的にサイコ・フィールドの”斥力”と思われる力による推進でフェネクスは移動をしている。これはフェネクスの機動力を奪おうと奮闘していたシェザール隊の一人が「あれはスラスターの光じゃない」と戦闘中分析していた事からも根拠が強い。
これにより97年のMSよりも遥かに早い移動能力と同年代最高峰のMS練度を誇るシェザール隊が駆る特務仕様ジェスタ5機を以てしても捉えられないほどの機動力を持つ。機動力についてはAMBACによるものかサイコ・フィールドを駆使したものかは不明。
ただし劇中初期のフェネクスはナラティブガンダムの特務仕様「A装備」によるMAユニットの装備により、弾幕を駆使して回避行動を強いることでフェネクスに追いつき一瞬捕える事ができたので、この時点でのフェネクスはサイコ・フィールドを駆使しても97年代の人知を超えているような性能はしていないと考えられる。
ゾルタンのⅡネオジオングと単独で交戦した際もハッキングされたジェガンなどを誘導に使われ、あっさり捕らえられている。
一方で、ヨナと接触後のシナンジュ・スタイン戦後コロニーを離れた時のフェネクスは、シェザール隊母艦ダマスカスのモニター員をして「ほとんど光の速さ」と言わしめるほどの速度で移動をした。
フェネクスのアームドアーマーDEは基本的に背中にマウントされ本体のスピードや機動力に寄与してると考えられるが、分離時は緑発光している1号機ユニコーンガンダムのシールドのように遠隔操作端末のファンネル/ビットのような挙動を示す。ユニコーンはこれを主に防御に使ったが、フェネクスはアームドアーマーDE自体を打突武器として活用する。
これはシールドのサイコフレーム、もしくはフェネクス本体を基とした斥力のサイコフィールドにより飛翔を実現していると考えられる。
破壊のサイコ・フィールドによる攻撃
フェネクスが掌から放出するサイコ・フィールドは、前述のユニコーンガンダム【光の結晶体】と似通った、接触した物体を『時が巻き戻った』かのように分解する”破壊”のサイコ・フィールドである。
ただし1号機ユニコーンやネオ・ジオングのような「『波動』を当て任意の部位を分解する」ものとは違い、「『光の束』をマニュピレーターから放出して当たった物体を否応無く破壊する」ような挙動を示している。ターゲットの選定ができないという証拠に、コロニー内での戦闘時にはコロニーへの被害を顧みて放出を躊躇するような仕草をフェネクスは行っている事が挙げられる。
ナラティブガンダムとの初戦では、A装備の特殊兵装「サイコ・キャプチャー」を分解しているが、同時にサイコ・キャプチャーの形成する「キャプチャーフィールド」(対抗策として造られたサイコミュ兵器)によって、完璧に防御されてしまっていた。このバリアがサイコフレームの量依存の場合、”フルサイコフレーム機のサイコフィールドがパイロットスーツ分のサイコフレームで防げる”という事になる。
Ⅱネオ・ジオング戦
その後のⅡネオ・ジオング最終戦ではナラティブガンダムに自身のサイコフレームを貸すことでサイコ・フィールド発動のトリガーとなる。
その後Ⅱネオ・ジオングが起こしたヘリウム核融合爆発からアームドアーマーDEも駆使してナラティブを庇っている。その前には同じヘリウム核爆発で連邦軍艦艇が粉々に吹き飛んでるので、サイコフレーム剛体強化やサイコフィールドバリアによって威力を和らげらていると考えられる。
しかしフェネクスは爆破の反動でタンクに叩きつけられ動けなくなっている所をⅡネオ・ジオングに捕らえられ、逆にサイコ・フィールドを増幅する依代とされそうになったのをⅡネオ・ジオングの周りにサイコ・フィールド障壁を張ることで阻止。だが強度が不足しておりゾルタンが持ってきたヘリウム貯蔵庫で突破されてしまう。
その後ヨナ・バシュタがフェネクスに飛び乗った事で覚醒。ヨナが出会ってから初めての装甲開放によるサイコフレームの展開(厳密には一号機や二号機のNT-Dの発動とは違うので区別)を行ったことにより、超巨大ビームトンファーや極太メガ粒子砲をIフィールド無しで弾くなどのサイコ・フィールド現象をフル活用してⅡネオ・ジオングを解体していく。
しかしゾルタン死亡時に発せられた感応波によるサイコ・フィールドにより多数のヘリウム3貯蔵庫が臨界反応を始め、地球圏が壊滅的な危機に陥るほどの爆発が起こりそうになる。
これを自分の生まれに対する葛藤の末にさらなる覚醒を経たヨナと、ナラティブガンダムやミシェルらが生前バラ撒いていたサイコフレームをサイコフィールドで集め吸収する事により、特大のサイコフィールドと思われる"光の翼のようなもの"を発現。(これは150年代にミノフスキー・ドライブを根源とした光の翼と区別するためこのように記載)これらがヘリウム貯蔵庫群を包み込んだ事で「化学反応の沈静化」が起こり危機は回避される。残されたネオ・ジオングⅡの残骸も「斥力発生」が起こったのか、どこかへ飛ばされた。
その後のフェネクスはヨタを連れ帰ったバナージによると「光の速さでも追いつけそうにない」と言わしめる速度でその場を飛び去っていった。
この時ヨナはバナージに助け出されていた(そもそもフェネクス側から排出されていたか)ので、序盤のフェネクスとは違いパイロットが不在のままサイコフレームの展開による能力増幅を行ってると考えられる。
このようにありとあらゆるサイコ・フィールドで暴れ散らかしたフェネクスだが、ヨナが乗り込むまではサイコフレームの展開が出来ず何度も捕獲されかけた事、フェネクスコクピット内で"奇跡"により完全に復元したように見えたヨナの思い出のアクセサリーが実際には全く直ってなかったという事からも、あくまでフェネクスやヨナは"戸口"であり劇中全編通したフェネクスの限界出力を以てしても"神"のように何でもできるわけでは無い事が分かる。
ナラティブガンダム
中盤までにフェネクスを捕えるためよく使われたサイコ・キャプチャーによる拘束はサイコ・ジャマーの類と考えられるのでここでは省略する。
A装備
序盤のナラティブA装備において、フェネクスの放った破壊のサイコ・フィールドをサイコ・キャプチャーの展開したバリアーで防いでいる。これはバリアのサイコ・フィールドなのか、はたまたIフィールドの応用なのかは不明。前者だった場合、ナラティブガンダムはB装備までパイロットスーツに付属した僅かなサイコフレームに依存しているため、この僅かなサイコフレームで3年前のフルサイコフレーム機のサイコ・フィールドを防いだ事になる。後者の場合、そもそもサイコ・フィールドを防ぐのに感応波はいらないという事になる。
劇中ではアナハイムの試作機をルオ商会が持ってきたという形なので、コレについて詳しい説明をできる者が劇中誰も居なかったというのは留意しておきたい。
B装備
中盤のナラティブB装備において、パイロットの強い悲しみと怒りから発せられた感応波によりⅡネオ・ジオングのハルユニットと引き寄せられあう。この時通常飛行とは違う、異常な空中浮遊を行っていたので斥力のサイコフィールドが発生していたと考えられる。
そして同時にB装備のユニットが粉々に吹き飛んでナラティブガンダムから離れており、これは破壊のサイコ・フィールドが発生していたと考えられる。
C装備
ナラティブガンダムが能動的にサイコ・フィールドを使えるようになるのは劇中終盤からで、Ⅱネオジオング最終戦ナラティブC装備がフェネクスと触れ合う事で青色光のサイコフレームを発現。フェネクスと同様の”破壊”のサイコフィールドでⅡネオジオングの前方右腕部を破壊。もう一発お見舞いしようとしたがⅡネオジオングのヘリウム3爆破攻撃で気絶した。普通ならこの爆発で死ぬが、フェネクスが守ってくれたお陰か無傷で済んでいる。
その後もナラティブ単体でサイコフィールドを発動する事は無く各部位を欠損していくが、ミシェルの死亡を受けた際はパイロットであるヨナの深い悲しみを受け覚醒。サイコフィールドでミシェルが生前ばら撒いたサイコフレームを自身に集積させ、サイコフィールドバリアを発生させた。しかしサイコフレームの量はやはり足りなかったのか、Ⅱネオジオングの両腕極太ビームサーベルに挟まれバリアは破壊された。
その後はサイコフィールドの発生無しでフェネクスまでヨナを送り届けている。
Ⅱネオ・ジオング
ゾルタンの要請を受けⅡネオ・ジオングのハルユニットが18バンチコロニーメーティスの外壁から突っ込んだ際に、ミシェルに裏切られた事を思い出して深い哀しみと怒りに飲まれるヨナが駆るナラティブガンダムと共鳴し、機体を引き寄せドッキングを行おうとする。
これはパイロットの強い感応波がパイロットスーツのサイコフレームで増幅され、ハルユニットのサイコミュ端末と共鳴した事で発生した現象と考えられる。
その後ひと悶着あって当初の予定通りシナンジュ・スタインとドッキング。サイド1にあるヘリウム3貯蔵宙域において、連邦軍艦隊との交戦時にサイコシャードを展開する事でパイロットのゾルタン・アッカネンはサイコ・フィールドを任意で使えるようになった。
Ⅱネオ・ジオングのサイコフィールドは赤黒く禍々しい光を放っており、主に”斥力”のサイコ・フィールドとサイコ・フィールドバリアの現象を駆使して周辺にあったヘリウム貯蔵庫を武器として扱う。
サイコフィールドをヘリウム貯蔵庫に纏わす事で巨大な質量兵器として使い、斥力で「握り潰す」事で核融合爆弾として使用する。核融合には莫大な圧力が必要だが、斥力のサイコフィールドをヘリウム3の全周を覆い尽くして内側に発生させることで核融合を起こしていると考えられる。
これにより連邦軍戦艦二隻を為す術無く消滅させた。このサイコフィールドで作ったヘリウム3お手軽核融合爆弾はMSの融合炉暴走とは比べ物にならない破壊力で、巨大なヘリウム3貯蔵宙域の全ての貯蔵庫で核融合爆発を起こせばサイド1全体に甚大な被害をもたらし、その余波でルウム戦役のコロニー落とし3回分の破片が地球へ降り注ぎ壊滅的な状態に陥ると作中で概算された。
その後ナラティブガンダムとの交戦時にはⅡネオジオングの至近距離で爆発を起こした際、シェザール隊のイアゴがⅡネオジオングの至近距離にあったヘリウム3をビームライフルで爆破した際も、それぞれそれによる損傷は見られなかった事からこれらの防御にもサイコフィールドバリアが用いられていると考えられる。
このように圧倒的な力を誇示したⅡネオジオングだが、その後の散発的な戦闘ではビームをサイコフィールドで防ぐのではなくIフィールドで防いでる事や、サイコフレームで機体の反応速度を上げる以外はやっていない段階のナラティブガンダムには至近距離まで近づかれフェネクスを奪われている事から、恒常的な使用はパイロットの負担が大きいなどの制約があると考えられる。
シェザール隊のイアゴ・ハーカナがⅡネオジオングの至近距離にあったヘリウム3をビームライフルで爆破した際は、サイコフィールドの光に包まれているにもかかわらず攻撃が通った事からも違う効果を同時に複数個所発生させるのも困難であると考えられる。
そもそもネオ・ジオングで見られた「武装を破壊する」サイコフィールドを最初から使えば敵と交戦時に起こった諸々の諸問題は解決できゾルタンの目的は達成できた事が予想できるが、これを使わなかった辺りゾルタンはフル・フロンタルのようにサイコ・フィールドを使えなかった事が考えられる。
ゾルタン死亡時に発した感応波により周囲のヘリウム貯蔵庫全てが臨界反応を始め、地球圏に危機が迫った。
ガンダムZZ以前の作品において
機動戦士Zガンダムや機動戦士ガンダムZZにおいても同様の現象が描写されている。これはサイコフレームがあくまでサイコミュを高度に集積させたものである事から、パイロットの感応波が強力である場合はサイコフレームによる強力な増幅無しでも現象を引き起こす事ができるからと考えられる。
ニュータイプ・強化人間同士がサイコミュやバイオセンサーを搭載した機体で戦った際、ビームを弾くバリアが発生、ビームサーベルが巨大化、敵機の動きを止める等の超常現象が発生した。こちらもパイロットのニュータイプ的素養の高さと強い感情の動きに左右され、その感情が途切れたことで現象が消える描写もされている。
逆襲のシャア以前に発現させた機体
- Zガンダム
- カミーユが発動。バリアを展開する、ビームサーベルを巨大化させる、敵機を行動不能に陥らせ、ウェイブライダーで突進して貫く(普通ならひしゃげる)といった超常現象を引き起こした。
- これをサイコ・フィールドの現象で解釈すると、サイコフィールドバリア、ミノフスキー粒子兵器の増幅、サイコミュ・ジャック、剛体強化がそれぞれ起こったと考えられる。
- ZZガンダム
- ジュドーが発動。バリアを展開する、ビームサーベル巨大化のほか、ハイメガキャノンの出力が強化された。さらに機能停止状態だったZZが再起動し、フィールドによって再合体した。なお、サイコガンダムMk-II戦ではジュドーがパイロットの正体を知ったことでフィールドが切れた。
- これをサイコ・フィールドの現象であるとすると、サイコフィールドバリア、ミノフスキー粒子兵器の増幅、斥力のサイコフィールドがそれぞれ起こったと考えられる。
- キュベレイ
- 前述の現象で出力が強化されたZZのハイメガキャノンに耐えた。
- これはサイコフィールドバリアによるものだと考えられる。
- ゲーマルク
- ザクIII改
- MSを駆るのはマシュマー・セロ。緑のフィールドが発現し、ドーベン・ウルフ隊のビームに耐えた。さらに、1機のドーベン・ウルフを大破による爆発時に道連れにしている。
- ラカン・ダカランの発言から視覚的な「光」として見えているらしい。NTにおいてもサイコフィールドに包まれたガス貯蔵タンクがこちらに向かってきたのを見た連邦軍司令官が「何の光だ!?」と叫んでいる事から、視認が出来るほどのサイコフィールドが発生していたと考えられる。
発現させたパイロット
現在において、サイコミュやサイコフレームなどのマシン無しでサイコフィールドを発生させた者は確認されていない。
UC以降の時代設定での作品において
メタ的にはサイコ・フィールドが定義付けられた作品が宇宙世紀作品ではガンダムUC・NTで今のところサイコ・フィールドが確認されている作品もそれらが最新であるという関係から、機動戦士ガンダムF91や機動戦士Vガンダムなどの”時代設定的には後だがメタ的には数十年前に発表された作品”においては明確にサイコ・フィールドだと定義されている存在は確認されていない。
しかし類似の現象は僅かながら確認されているので、それをあくまでサイコ・フィールドの現象として挙げる。
留意点として、宇宙世紀シリーズは現在「UC NexT 0100」としてリメイク企画が進んでいるので、この辺の設定や描写が変更される可能性はある。
UC98年からUC149年
閃光のハサウェイ、機動戦士ガンダムF91などの作品では現在のところサイコ・フィールドと思われる現象は確認されていない。
これは前述のユニコーンタイプが暴れたラプラス事変を受け同機体がシンギュラリティ・ワンの指定をされ封印・解体された事から、サイコ・フィールドを引き起こす技術や研究で確立したであろう理論や用語についても表向き封印された事により表舞台から姿を消したからだと考えられる。
機動戦士Vガンダム - エンジェル・ハイロゥ
劇中終盤に登場したザンスカール帝国の巨大構造体型戦略兵器であるエンジェル・ハイロゥは、その動向についての多くがサイコ・フィールドとの類似点が見られる。
エンジェル・ハイロゥの基本機能
エンジェル・ハイロゥは2万人ものサイキッカーと、キールームと呼ばれるシステム中枢にコアとなる強力なサイキッカーを搭載しサイコミュで増幅する事でその機能を稼働させる。
基本的な攻撃能力は「不特定多数の人間、生物に対する強制的な昏睡・衰弱死」であるが、こちらはサイコ・フィールドの現象というよりもサイコミュ通信の類であると考えられる。
エンジェル・ハイロゥについて特にサイコ・フィールドと類似してる点は、核ロケットなどの推進装置が無いのにもかかわらず移動を可能にしている点である。これは後の現象からも恐らく、”斥力のサイコ・フィールド”による推進を能動的に使う事で達成されていると考えられる。
天使たちの昇天
コアのサイキッカーが当初の人物から洗脳から解放され戦争の終結を願う少女に替わった事により『ウォーム・バイブレーション』と呼ばれる穏やかな光を伴いながら天へと登っていく。これは周囲で戦っていた人間の闘争本能を減退させ罪悪感などの感受性を増幅させる効果も持っていた。
しかしコアの少女としてもこの現象を制御できていないので主人公側に都合が良いよう何でも上手くいった訳ではなく、ゴトラタンと交戦中のV2ガンダムが分解したエンジェル・ハイロゥを構成していたリング片で挟まれピンチに追い込まれてしまっている。
V2ガンダムの特大の光の翼を受けエンジェル・ハイロゥの中央リングであるセンター・サークルが分解したのを契機にリング片は急速に上昇。大気圏を離脱して宇宙へ飛び出していった。
この際、コアとなっていた少女がキールームの中心となるリングパーツと共に光輝きながらゆっくり降下しており、これをV2が受け止めている。
これをサイコ・フィールドを用いた解釈をすると、数万のサイキッカーの感応波がサイコミュで増幅され”斥力”のサイコ・フィールドによりエンジェル・ハイロゥの上昇現象が起こったと考えられる。
映像作品外
小説版は設定の監修含め僅かなスタッフにより制作されているという特性上、映像作品に比べサイコフィールドの特性などに明確に大きな違いがある事が考えられるのは留意されたい。
シナンジュ(原作小説版)
小説版ではネオ・ジオングは登場しないためサイコ・シャードなどのシステムは登場しないが、戦闘に至る経緯がOVA版とは異なりフロンタルはMS戦に突入する前にバナージとの銃撃戦で左目を撃ち抜かれて頭部の一部を損壊している。
しかしフロンタルはこの明らかな致命傷を負い、更に乗機のシナンジュも左腕と両足を喪失していたのにもかかわらず、文字通り「シャアの怨念」に取り憑かれた様にフルコンディションのユニコーンガンダムとバンシィを圧倒する戦闘能力を見せた。
作中ではこの「シャアの怨念」はどす黒いオーラの様であったとされ、正体に関しては不明だった。
トレーディングカードゲーム『ガンダムウォーネグザ』では、この状態のシナンジュはシナンジュ(サイコ・フィールド)として紹介されている。
ネオ・ジオング(不死鳥狩り)
小説「不死鳥狩り」にて、ヤクト・ドーガをコアにした不完全なネオ・ジオングは、サイコシャードを展開し、ユニコーンガンダム3号機フェネクスの武装を全て破壊し窮地に追いやる。しかし、フェネクスがヤクト・ドーガの胸部装甲に右の掌で接触し、波紋状のサイコ・フィールドをネオ・ジオングの隅々に伝搬させた結果、背後のサイコシャードが自壊。それらの破片をフェネクスは背中に集積し、全長100メートルを超える巨大な虹色に輝く翼を形成。翼でネオ・ジオングの全体を優しく包み込むと、フロンタルの虚無は退散しネオ・ジオングはヤクト・ドーガと共に内側から瓦解し灰塵と化した。
F90 (機動戦士ガンダムF90FF)
漫画「F90FF」では終盤においてかつて見た奇跡の光を見たという描写がある。禁忌破りのサイコフレーム搭載機であるMSA-0120と木星船団製サイコフレームを搭載したハルファイターと大破したとはいえサイコフレームが存在しており、加えてヒルトファンネル操作の為にサイコミュヘッドセットを積み、RFグロムリンⅡのネオサイコミュと接続したF90 3号機がいると発生の条件は満たしている。しかし、衛星兵器であるトリムールティを大気圏へと降下させ、解体させながらメガ粒子砲を排出しつつ破片を焼却している最中の観測であり、誤認の可能性もある。
ゲームなどの展開
機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
サイコ・フィールドの表現を有するのはユニコーン、バンシィ、フェネクス。
いずれの機体もNT-D及び変身時にサイコ・フィールドの波紋がリスポーン時の上空MAPで確認できる。
ユニコーンは2段階目の変身時に剛体強化現象のようなダメージ軽減効果と本編最後の自己修復描写を再現したかのようなHP回復効果を自身に与える。
フェネクスは劇中アームドアーマーDEを飛翔する打突武器として使用していた事の再現した兵装を持ち、ロックによりアームドアーマーDEを相手に飛ばす兵装と一定時間周囲に漂わせて防御を行う兵装を持つ。2段階目の変身時はユニコーンのものに加え、作中味方を守るような動きを見せた事の再現かレーダー範囲内の味方にも回復効果を与える。さらにⅡネオ・ジオングの攻撃が直撃しても平気だった事の再現か「サイコ・フレームアタック」と呼ばれる高速移動中のよろけ軽減効果も自身に付与する。
バンシィはちょうどいい威力の能動的なサイコ・フィールド使用描写が少ないためか、ゲーム内において特にそういうのは無い。
そして上記以上のサイコ・フィールドの描写は実装されていない。
これはパイロットであるゲームのプレイヤーの設定が「PMUという組織に所属する傭兵」であるという、本編のパイロットたちよりは凡庸な者である事、これは後に挙げるゲーム全てに言える事だがメタ的にジェネレーター分解とかの即無力化攻撃をやられたらそもそもゲームにならない事が挙げられる。
その他にも本ゲームのサイコフレームやサイコミュ搭載機はHPが一定以下になると機体からサイコ・フィールドの光を放ち始め、被ダメ減少などのバフ効果を自身に与える。
ガンダムエボリューション
サイコ・フィールドの表現を有するのはユニコーンガンダム。
サイコ・フィールドの修復現象を再現したように周囲の味方に追加HPやHP回復を行うスキルを持つ他、飛翔するシールドを相手に飛ばす射撃スキルを持つ。
機動戦士ガンダムオンライン
フェネクスが「サイコ・チョップ・フィールド」という兵装を持つ。チョップはそもそも手刀という意味なので分からなくもない。
サイコ・フィールドの光の束を飛ばしていた描写を再現するように、サイコ・フィールドの光の束を飛ばして命中した敵味方にそれぞれ違う効果を付与する。
味方に当たった場合は味方を保護した描写の再現か被ダメ軽減とダウン軽減のバフを与える。敵に当てた場合はサイコ・フィールドによる武装破壊を再現したのかダメージと共に武器威力低下とダウンのデバフを与える。
何故宇宙世紀においてサイコフィールドは”流行”らなかったのか?
斬新な描写がされ視聴者にとっても無敵の力だと考えられていたサイコ・フィールドだが、UC150年代まで世界観が描写されていたにもかかわらず特にガンダムUCの描かれたUC96,97年としては過剰とも言える能力が「後付け」された事で作品発表から10年近く経つ現在でも物議を醸している。
これは同じ時間軸を長期に渡り扱う作品で、描写されてる最後の歴史より前の物語を今までとは異なる視点で展開するという作品にありがちな「後付け」による弊害である。
特にガンダムUCにおいては「Vガンダム」から17年、「G-SAVIOUR」からも11年も後に公表されており、映像演出・編集技術が飛躍的に向上し映像作家の平均的な表現の幅も上がっている事から昔よりも複雑な描写が可能となっているのも、この傾向を後押ししているだろう。
UC及びNT内で描写された現象が劇中の軍事的にも実用化されて「時を巻き戻し戦争の原因を取り除ける」ような事になっていればコスモ・バビロニア戦争やザンスカール戦争で大量に人が死ぬことも無かったとして、シリーズにおいて大きな矛盾を生み出したとしてこれらの描写や作品を忌避する者もいる。
しかしサイコ・フィールドの顛末と現在の設定を分析し作品では描かれない立場の人間に立ってみると、あながち矛盾を孕んでいるとも一概には言えない状況になっている。
サイコ・フレームの封印
作中絶大な力を引き出し最早オカルトとも言われるような力を引き出したユニコーンタイプやネオ・ジオングだが、これらは製造したアナハイム・エレクトロニクスやそれを指示した地球連邦軍からすれば逆に自らの権益やそもそもの穏便な統治などに支障をきたす物である。
特にニュータイプをラプラスの箱から続く政治的な懸念点、アムロ・レイから始まった軍事的な懸念点からも危険視しており、これらを封じる為にもユニコーンタイプやサイコフレームは厳重に封じられる意義があった。
特にニュータイプを否定する計画でニュータイプの存在を肯定するようなマシンを造ってしまった事は立案者にとっては大きな失態だろう。
これにはジオン共和国のミネバ・ラオ・ザビ一派も賛同しており、これらを裏で封じる動きにより宇宙世紀150年代のエンジェル・ハイロゥまで地球圏全域を脅かすレベルのサイコミュ兵器実用化の動きが無かったのである。
サイコ・フィールドの限界
無敵の力と思われるサイコ・フィールドだが、実際の描写を冷静に見てみると他の技術や現実の技術と同じように万能の力とは程遠い事が判る。
例えばユニコーンガンダムの顛末を見てみる。
劇中の描写を見てUC96年の機体にしてはあまりに強すぎるという批判もある本機体だが、「箱の鍵」という特殊性やパイロットのバナージの人柄から有力なニュータイプからは作中ほとんど手加減されてきた戦歴を持つ。マトモに殺しに来たのは袖付きのモブ兵士やリディの駆るバンシィぐらいである。
そしてサイコ・フィールドの利用も最初から出来た訳じゃなく、最初の利用であるガランシェール持ち上げもバナージの恩人2名の死が無ければきっと成し得なかった事、コロニーレーザーを防げたのもさらに親しい恩人の死や対話を通して未来に希望を見出すことをして覚醒した上で同士が駆る機体との共同作業で防げている。しかもその反動でさらなる強力なサイコ・フィールドを出せるようになった代わりに自我を失ってしまっている。
バンシィに関しては単独でサイコ・フィールドを利用した例が無く、フェネクスに関してもニュータイプ的な予知能力を持った少女を十数年間研究として弄り続け挙句の果てに完全に気を狂わし暴走させた”事故”が起きたことでやっと現象が起きるようになっている。その後も現象を起こせるようになった代わりに暴走するフェネクスの手綱を一時的にでも握れたのはパイロットが親しかった男のみである。
ネオ・ジオングの例を見てみると、強化人間の完成形であり器であることを選んだが結局最終的に自我を出した男やその失敗作で破滅主義者の男がサイコ・フィールドを発現させている。
しかしゾルタンほどの強化人間であっても防御のために使うなど戦闘が有利になる使い方をほとんどしておらず、サイコ・フィールドの力をほとんど戦闘に活かせていない。
ここから判る事は、純粋に命令を遵守する兵士であれる人間はサイコ・フィールドを出せないという事である。そもそもユニコーンタイプやシナンジュなどのハイエンド・フラッグシップ機は乗ることに関しても要求されるパイロットの肉体的及びサイコミュ的なスペックが高く、それでもって”主体性が高く悲惨な経験も多く積んだニュータイプ”であったり”悲惨な経験で人格が破綻してる強化人間”でないとサイコ・フィールドを出せるまでの感応波を発揮できないと考えられる。
そうなると、「サイコ・フィールドを世界平和の為に利用しようと思ったらパイロットが暴走して世界を滅ぼしてしまった」なんて事になりかねないため、これらを運用しようとしていた連邦が、棄民や虐殺などの悪辣な行為を行わない清廉潔白な組織だったとしても手に余る代物であったであろう。
その他のサイコ・フィールド事例でも、地球にキレたパイロットが地球圏から出ていってしまったり、精神崩壊を起こしたり、強力なサイコ・フィールドを起こした時には死が確定していたり最終的に力及ばず死んでいたりと、どいつもこいつも曲者揃いである。
極論を言えばそもそもこれらがオカルトであるならば、封印されたユニコーンが勝手に動いて封印を突破したり、どこかへ行ったフェネクスが時を遡ってギレン・ザビやサイアム・ビストとかを叩き潰しにいってもいいものだが、フェネクスが戻ってこずユニコーンの封印が今後も勝手に破られず人為的に封じることが出来たのであれば、それはもう未知であるというだけの新しい科学である。
もちろん、ここで挙げたような極端な例が今後公式に描写されオカルトであるという証明がされたのであればその限りでは無い。
これらの事例を全て知ることが出来た者が宇宙世紀において居たかどうかは不明だが、これを見れば”あまりに多大な犠牲を強いる割に確実性が無い”という判断を下すだろう。しかもガンダムNTにおいては長年の犠牲によって出来上がった化け物であるフェネクスのサイコ・フィールドをナラティブガンダムA装備が完全に弾いてしまっているため、当時の連邦やアナハイムからしてみれば「サイコ・フィールドを使いたいなら莫大なコストを支払わないといけないが、確実性が無いし対抗策もすぐ発明できた」技術として映り、むしろニュータイプ神話の終焉を描くような結論しか出ないのである。
ちなみにサイコフレームの基礎技術はシャア率いるネオ・ジオンが連邦とアナハイムに提供したものだが、その技術検証と応用技術の開発は主にアナハイムが行っていたこと、その検証を基にユニコーンタイプやネオ・ジオング、ナラティブガンダムとその各装備が造られた事、アナハイムと関係が深いアルベルト・ビストがサイコフィールドの用語を公然と知っていたという描写もある事からもサイコフレームを研究していた一部のアナハイム技術者はこれらのサイコフィールド現象が起こることを予想していた可能性が高い。
そのような科学者が理論化したとしても前述の要因から連邦に握り潰され日の目を見る筈もなかった。
ミノフスキー物理学を前提としたサイコフィールド
ミノフスキー粒子の発見と活用により理論化されたミノフスキー物理学の応用現象はUC150年代までや遥か未来の∀ガンダムなどを合わせると、これらサイコフィールドの現象と類似する点が多々見られる。どちらも本来目に見えない力であった事からも、サイコフィールドもミノフスキー粒子を介した現象と考える考察もある。
本項ではサイコフィールド現象をミノフスキー物理学の基で起こる現象として共通点を挙げるが、公式の発表した設定や描写次第で説明が成り立たなくなる可能性がある事は留意されたい。
ミノフスキー粒子の特性
ガンダムの設定を記した「ガンダムセンチュリー」において“ニュータイプの感応波はミノフスキー粒子を振動・振動を伝播させる”という現象が確認されており、それを応用した「ミノフスキー通信」によってファンネルなどの遠隔端末へ信号を送っている、という設定が明示されている。
この振動させるという設定だが、振動というのはミクロ科学・物理学においてかなり重要な要素であり、例えば原子などは振動することで保持した運動エネルギーが熱エネルギーという形で放出されるという前提理論がある事が挙げられる。つまり宇宙世紀においてミノフスキー粒子を人の命令で自由に操作できるならば、ミノフスキー物理学の現象を起こしてほとんど魔法使いのように振る舞えるのである。
もちろんミノフスキー通信でさえ普通の人間からしてみれば莫大な感応波が必要であり、ミノフスキー粒子を実用的な現象が起こすまで高度に操るには機械による制御が必要なので安易に出来るものではないが、感応波でミノフスキー物理学の現象を引き起こしているならば人の想いがマシンで増幅され超常現象が起きてるように見えてもおかしくはない。
もっともパイロットが「どの場所でフィールドを発生させて物を数m浮かせる」などと一々考えてる訳ではなく、パイロットの望みを自動で解釈を行う事で実現されていたと考えられる。
特にユニコーンは偶発的な発動→ガランシェール持ち上げ→シールドファンネル→サイコフィールド障壁→MS分解と、段階的に強力な現象を起こせるようになっているという点が挙げられる。
なお、ユニコーンやその他の機体においてどのようなコンピュータの内部処理が行われているのかは、ユニコーンはそのシステムがビスト財団以外に対して完全にブラックボックスである事、その他の機体は発動時やその後自爆や撃破などされ機体が消失している事からも、劇中の人間は容易に調べる事が出来ないのである。
物体の押し出し、飛翔現象
アクシズ返し、ガランシェール持ち上げ、エンジェルハイロゥ飛翔に代表される物体の飛翔現象、サイコフィールドによる斥力発生だが、同様に宇宙世紀における「目に見えない力で物が飛翔してる」現象としてミノフスキークラフトが挙げられる。
これはミノフスキー粒子に電荷を加えて出たIフィールドの反発力で斥力を生み出すのを応用して戦艦などを浮かせる現象である。
ミノフスキー粒子はミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉を持つMSや戦艦からも生成・放出される他、電波ジャマーのためにも人為的に大量散布、メガ粒子のビームが空中で減衰しミノフスキー粒子に戻ることでも放出されるため、必然的に戦場はミノフスキー粒子で溢れる事になる。
それがサイコミュやサイコフレームで増幅された感応波により任意の宙域にあるミノフスキー粒子を操作することで粒子の集約とIフィールドなどの力場を発生、再構築させその反発力で物体を動かしていると考えられる。
特にサイコ・フィールドを発生させる機体どうしが向かい合った時に起きる反発現象は、Iフィールドの反発現象と酷似している。
サイコ・フィールドを展開しミノフスキー粒子が振動した際の高エネルギーが最終的にマシンや人体に集中したのであれば、後年フェネクスのパイロットやνガンダム本体及びサザビーの脱出ポッドなどが一切見つからない理由として説明がつく。
エネルギーの吸収、サイコ・フィールドのバリア・障壁、自己修復現象
これについて厳密に似たミノフスキー物理学の現象は確認されていないが、サイコシャードの原理が前述の物質移動によるデブリ集積、再構築によって無から増殖”しているように見える”というものならば、これをと同様の事が同現象で起こっていると考えられる。
特に宇宙世紀は一年戦争を始めとした戦役でMSや兵器、コロニーなどの部品がメガ粒子のビームなどで蒸発・分解され多数宇宙空間に漂っている事が想像でき、エネルギーを吸収するための”壁”の材料には事欠かないのである。
もしくは後述のミノフスキー粒子発光現象との類似性から、大量の感応波によって高度なミノフスキー粒子操作技術が発揮されエネルギー減衰という全く新しい防御効果を発生させたという見方もできる。
この場合、Ξガンダムなどのビーム・バリアーに類似性が見られる。
ZZの事例などにおいてはIフィールドバリアのようにビームを弾いた描写もあり、これはサイコ・フィールドが空間内にあるミノフスキー粒子に干渉しIフィールドバリアと同様の効果を発揮したものである。
そしてさらに高い感応波で高度なミノフスキー粒子による操作が行えると、サイコフレームの高度なセンサー能力で周囲のガスをスキャンし任意の物質のみを呼び出して結合させることで、ユニコーン光の結晶体から復帰時の自己修復現象が起きたと解釈できる。
サイコフレームの剛体強化に伴う発光現象
サイコフレームはパイロットの高い感応波を受け強力な剛性を発揮するが、その際に赤や金の光を発するという現象が確認されている。
これは剛体強化の原理がサイコ・フィールドバリアによるものであればビームサーベルなどに見られるミノフスキー粒子の発光現象と類似性が見受けられる。
ビームサーベルは縮退寸前の高温プラズマ状態となった高エネルギーを保ったミノフスキー粒子をIフィールドで閉じ込める事で形成されるが、この事からミノフスキー粒子にエネルギーを与えると通常不可視の同粒子が発光し可視化されるという事が判る。
ほとんどのサイコ・フィールドがオーロラやオーラの様な発光現象を伴っているのもミノフスキー粒子を媒介とする関係であるとするならば合点が行く。
物体の分解
前述のようにミノフスキー粒子の操作によって原子や分子の移動・結合が出来るならばそれらの分解も可能な筈である。
たとえばネオ・ジオングやユニコーン光の結晶体に見られる波動型破壊サイコフィールドは、任意の物体と同じ位置に存在するミノフスキー粒子を増幅して放出された感応波で振動させ高熱源を生み出し融解させたりミノフスキー粒子で直接分子を弾き飛ばしたとすれば劇中に見られる現象の結果が起こっても不思議ではない。
であるならば、ナラティブA装備がフェネクスの分解サイコ・フィールドを防いだ事からもいずれサイコ・フィールドの強さに伴う強さのIフィールドバリアが開発されれば(例えばラフレシアなどの強力なIフィールドバリア搭載機)サイコ・フィールドの防御は容易に可能であっただろう。
もっとも前述のようにサイコ・フィールド関連技術は封印され、Vガンダムの150年代に至るまで目立ったサイコ・フィールド事例が確認されていない事からも、その関係で高コストかつ高出力のジェネレーターを要求されるIフィールドバリアはそれ以上研究されなかったのである。
最後に
再三伝えるが、これらはあくまで宇宙世紀のガンダムシリーズで起きたサイコ・フィールド現象を只のオカルト描写と解釈しないためのものであり、本項で挙げた内容は今後の公式展開次第では全てひっくり返る可能性がある事は留意したい。
関連項目
ボッシュ(ガンダムF90):アクシズ・ショックに居合わせていた人物。νガンダムから放たれた光を見てガンダムの力を求めた末に誤った道を進んでいった。F90FFにおいてもサイコフィールドの発生があった場合、ボッシュの視点では二度にわたりガンダムは命を吸って奇跡を起こしたことになる。