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概要編集

機動戦士ガンダムUCの主人公バナージ・リンクスの父方の実家ビスト家に代々伝わる暗殺拳である。



美須斗神拳……ビスト財団創主である歳編・美須斗によって生み出されたとされる拳法。

宇宙世紀の幕開けから永きに渡って秘匿されてきたが、ラプラス事件を境にその実態を現す。

習得すれば少年であっても大の大人を圧倒する程の力を得られるが、その真価は生身ではなくMSに搭乗した際に発揮され、巨大MAの装甲すら蹂躙し得うるものとなる。

その余りにも並外れた強さは「既にこの世の者が持てる力ではない」と言い表される事さえあり、故にその修得者は畏怖を以って『武彼岸』とも称された。現代においてもこの言葉は形を変えて残されており、MS同士の激しい戦いを表現する際に用いられている。

尚、この存在が後の未来世紀におけるモビルトレースシステムの開発、並びにガンダムファイト設立に繋がったことは言うまでもない。

民明書房刊 『スパロボでは教えてくれない黒歴史』より











嘘である

(以上ニコニコ大百科ビスト神拳」より引用)








アニメ版EP7におけるネオ・ジオングとの対決シーンで、バナージの駆るユニコーンガンダムが、殴り合い宇宙していたシーンが、まるで北斗の拳の様に見えなくもないので、ネットで細々と囁かれるようになってきた。


  • パンチでネオ・ジオングのコアであるシナンジュの右腕を破壊。
  • 手刀で左腕を切断
  • 貫手で穴だらけにした上に、内部のケーブルを引きちぎる

特に戦闘シーンでは「リアルさ」を追求する傾向にある宇宙世紀シリーズだが、これまでにも格闘シーンが無いわけではなかった。しかしあくまでもシャアザクのように詰めすぎた距離を開くためだったり、νガンダムサザビーのように武器が尽きてヤケクソで、というのが主であった。

繰り出される攻撃も、如何にも軍事兵器としてのロボットが戦っている風な単純かつ単調で泥臭いものであり、他シリーズでのガンダムファイトやガンプラバトルのように技を駆使して華々しく戦うといったシーンはこれまで無かった。

そこに来ての流れるような殴打の連携(特に最後の鶴の構えのような大きく腕を振り上げた姿勢からの抜き手)が一部の視聴者に与えたインパクトの大きさは計り知れないものであったといって良いだろう。


なお、技の性質的に外部破壊寄りなので南斗聖拳に近いため「ビスト聖拳」や「ビスト水鳥拳」などとも呼ばれるが、ネオジオングに止めを刺したソフトチェストタッチは装甲を解して内部の”秘孔”(パイロット)に影響する技なので北斗神拳になぞらえるのも間違いではない。


敢えてそれっぽう言うのなら、せめて『美須斗一角拳』だろうか…?

ちなみに超強気技として登場したGジェネレーションシリーズでは『格闘』表記。


真面目な解説編集

(フル)サイコフレームの設定として励起状態のサイコフレームは(使用者の感応波の強さに応じて)如何なる物質よりも剛性が高くなるというものがある。

サイコ・フィールドの発生時には光のエネルギーによる科学的にありえない出力向上等が発生するが、そもそもモビルスーツ本体がその状況の物理的負荷に耐えれなければ増幅器そのものが破壊されるものであり、それは機体強度そのものも物理法則を超えた強化を実現していることを意味している。

ユニコーンガンダムもこの前段として、ネェル・アーガマガランシェールを繋ぐケーブルを中継し重力圏にある艦船を大気圏外まで引っ張り上げるという本来であれば機体が分裂しているはずの事象を引き起こしている。

こうした性質を踏まえれば極限までサイコフレームを積んでいるフルサイコフレーム機の最大戦力は、感応波を上げて物理で殴るであること自体はあながち間違いでもない。

ましてこの時のバナージは直後に刻を観る程のサイコフレーム共振を経て、機体のダメージを痛みでフィードバックするほど最大限に能力が高まっている状態であるため、比喩抜きに宇宙一の剛性を誇っていてもなんらおかしくはなく、あくまでも金属でしかないネオ・ジオング及びシナンジュの装甲と圧倒的な差が生まれていたとすれば、豆腐でも割くが如き威力を発揮していても不思議ではない。


もっとも、ユニコーン2機にはビーム・マグナムやサイコミュ連動兵装「アームド・アーマー」群等、そのサイコフレームの塊を前提にした一般的な機体より強力な兵装群が専用で用意されている。

また、前腕には展開式のビームトンファーを持つため、普通であればただ殴るよりもサーベルを展開した方がより威力が上がるため、殴り合いは効率が悪い。


しかし、対峙したネオ・ジオングは「サイコ・シャード」というブラックボックス状態の未知の技術により、サイコミュのオカルト特性を極限まで増幅し効果範囲にいるMSの装備している「武器」を全て破壊するという常識外れの能力を披露。

これによりビーム・マグナムやビームサーベルはもちろん、頭部バルカンの弾薬に至るまで、2機のガンダムはありとあらゆる武装を失ってしまう。

※作中ではサーベルの柄、弾薬、Eパックが過熱して爆発している。


このどうしようもない状況の結果、物理で殴る以外の武装を全て失ったことによりとられた戦闘スタイルが、この宇宙世紀らしからぬガンダムファイトである。


なお、この時のフロンタルの願望が「武器」に限定されていたため、攻撃用の武装は失っているが、厳密には1号機のシールド(いわゆるシールド・ファンネル状態)は装備していたガトリングは破壊されたものの、盾としては無事となっている。

その気になればMSそのものを破壊することもできたものと思われるが、フロンタルはバナージを自分と同じ「人の意志の器になるために訓練され、やがて同じ絶望に辿り着く者」として味方になるように説得を試みており、そのために戦闘能力だけを削いだものだろう。

最終的に、殴り合いそのものによる破壊での決着ではなく、サイコマシーン2機の共鳴により「刻を観た末の和解により、ユニコーンの掌から流れ込んだ意志を汲み、敗北を受け入れたネオ・ジオングの自壊による決着となった。


原作小説版において編集

一連の戦闘は原作小説とアニメで全く別の展開となっており、原作小説版ではネオ・ジオングは登場しない。

原作小説版ではむしろシナンジュの側が、機体は半壊し武器も損耗しているのに怨念のオーラで機体性能を上げて2機のガンダムと近接戦で無双するという、どちらかと言えば逆の力関係であった。

原作小説版では最終的な決着も2機のユニコーンによる同時ビーム・マグナムであり、挿絵では「ラストシューティング」のオマージュとなっている。

武器が健在であるため、当然ながらこのような格闘アクションは行われなかった。


変更の大きな理由としては、原作小説のオーラバトル状態の怨念シナンジュはユニコーンガンダム以上のオカルトそのもので賛否があり、オーラではなくマシーンとしてシナンジュの強化に説得力を持たせるためにネオ・ジオングが後付けされたことがあげられる。

しかし、そのネオ・ジオングのオカルト機能があまりにもハジけすぎた結果、今度はユニコーンガンダム側がオーラバトルを強いられる結果となり、小説とアニメはいずれも賛否ある状態となってしまう。


また、ネオ・ジオング以外の意図としては、ユニコーンガンダムの強さをビーム・マグナムではなくサイコフレーム、及びそこに力を与えるニュータイプ能力の側に寄せる意図もあったものと考えられる。

ep7前半のフルアーマーユニコーンvsバンシィ・ノルンまではお互いに豊富な武装を駆使していた2機のガンダムだが、それを全て失うことで、ニュータイプ能力でMS本体のみの身体一つで戦う状況を強いられている。これにより武器の強さではなく、フルサイコフレームの強さ、それを実現できるニュータイプの強さに描写は集約されることとなる。


余談編集

  • 冒頭、カーディアスアルベルトが対峙するシーンでは拘束中のカーディアスが隙を突いて特殊部隊員の首をへし折っている。元戦闘機パイロットというだけでは説明がつかない華麗な手捌きは「暗殺拳」といっても過言ではないかもしれない。

  • フルサイコフレームの異常な機体スペックは、あくまでそれを引き出せる(増幅させる)ニュータイプありきである。力不足のパイロットではその性能を発揮しきれない一方で、能力のあるパイロットであれば機体強度や出力の上限突破に加え、思考による操縦が実現できるが、このような格闘特化の運用は突出したニュータイプにしか真似できない、本来の運用思想からはずれたデタラメな戦い方である。(そもそも特徴的な武装であるシールドファンネルも推進剤の類を一切載せていないにも拘らず作中自由自在に飛び回っている、一応Iフィールドは使いようによっては推進力にも使えるというのはヒゲが実証しているのでその原理だと思われるが)

  • 一部公式サイドの人物にも話題が届いているようで、インタビューの際に手藤村歩氏が言及した場面もあった(内山氏は知らなかった様子)。

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