私はねぇ、クロノクルという巣を見つけたんだ……なのにお前とシャクティはそれを哂った!チビのくせに!!
カタログスペック
(キャノンユニットを除く)
全長 | 15.9m |
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本体重量 | 11.1t |
全備重量 | 24.9t |
ジェネレーター出力 | 6,170kW |
装甲材質 | ハイチタン合金ネオセラミック複合材 |
スラスター総推力 | 102,350kg |
概要
ザンスカール帝国の特殊機関スーパーサイコ研究所が開発した試作モビルスーツ。型式番号ZMT-S33S。この型式番号は、帝国が最後に開発したMSリグ・コンティオと連番となっており、2機によるコンビネーション(リグ・コンティオが前衛、ゴトラタンが後衛)を想定して開発されたともされている。
モトラッド艦隊旗艦アドラステアに配備された。カテジナ・ルース少尉が搭乗した(アニメ本編では明確な描写は無いが、小説版ではカテジナが本機に合わせた強化施術を受けている事が補完されている)。
専用のジェネレーターを内蔵する大型のメガ・ビーム・キャノンの運用を前提として開発された試作モビルスーツ。
メガ・ビーム・キャノン、マイクロミサイル、大型スラスターで構成された長距離用キャノンユニットに加えて、MS本体は白兵戦にも対応した物となっており、スラスターユニットはキャノンユニットの邪魔にならないよう背中に装着されている。
キャノンユニットは通常は格闘戦に支障がないよう折り畳まれており、射撃時に展開される。また本体から切り離すこともでき、再ドッキングも可能。
MS本体はメインスラスターが両肩に配され、武装も接近戦に対応したものが装備されており、特殊兵器ビーム・トンファーを両腕に搭載し、頭部には相手の意表をつくビーム・カッターを装備している。このほか手持ち武器としてビームライフルと、防御装備としてビームシールドも持つ。
遠距離での砲撃戦能力では流石にザンネックには及ばないが、近距離での格闘戦能力はこちらの方が上回っている。
ザンネックが遠距離において絶大な力を示すスナイパーであれば、ゴトラタンは遠・中・近どの距離においても高い戦闘力を発揮するオールラウンダーといえる。
初登場はあのネネカ隊回で有名な49話で、冒頭から登場。
持ち前の砲撃戦能力で連邦、リガ・ミリティアの艦隊に打撃を与え、シュラク隊のメンバーの多くを死に至らしめるなど、多大な戦果を上げている。
エンジェル・ハイロゥ戦でウッソ・エヴィンのV2ガンダムと激闘を繰り広げ、最後はエンジェル・ハイロゥ内部でメガビームキャノンを放つも、V2ガンダムの光の翼に機体ごと弾じき飛ばされた。
機体のその後は不明だが、カテジナは視力を失いながらも生還している。
武装
本体武装
ビームライフル
専用設計のショートバレル・モデル。側面部丸型のコネクタによって、本体前腕のハードポイントと接続可能になっている。
ハードポイントはライフルへのエネルギー供給機能と、一定の可動域を有しており、マニピュレーターに持ち替えずとも射撃戦に対応できる。
劇中ではコニー・フランシス、ユカ・マイラスが搭乗するVガンダム・ヘキサを撃ち落とした。
ビームトンファー
ゴトラタンの猛威を示した、非使用時は両前腕部と一体化して収納されている近接武装。
劇中でジャベリンを瞬く間に屠り、V2アサルトバスターガンダムのメガビームキャノンの砲身を切り裂き、更にはオデロのガンブラスターを撃墜した。
前腕と袖口下半分に「T」字型のスリットが入っており、前腕(縦)スリットからはビーム刃を、袖口(横)スリットからは半月型のビームシールド(劇中未使用)を発生させられる機構となっている。これらから攻撃・防御にあわせて必要な部分を展開する。(なお、本機は別途下記の高機能モデルビームシールドを装備している。)
過去に運用されたユニコーンガンダムのビームトンファーと比較した場合、ビームファンに近いビーム刃の形状等を理由に初見はトンファーに見えないかもしれない。
しかし、後述の様に発生器の配置、そして実際のトンファーの使い方及び取り回し方の点から見ると、こちらの方が完全なトンファー型をした多機能モデルのビームサーベルと言える。
ビーム刃は腕部と一体化させたままでも発生可能であり、正しくトンファーそのものといった形態で、しかもライフルなどを所持したまま、咄嗟の近接迎撃として使用できる。
また、オデロ機を撃墜した時のように、完全に前腕から分離させて、前方方向に伸長しても使用可能となっており(この際は、グリップがスライド・アップする)、多彩な格闘モーションを実現している。
近接戦闘に特化したゴトラタン本体の高い運動性能と相まって、カテジナの口にした「MSに重い武器は邪魔」であるという本質を、まざまざと見せつける戦果を上げた。
ビームサーベルではなく本武装が採用されているのは、本機がキャノンユニットの運用を前提とているため、万が一敵の接近を許した時の緊急対処を目的としていると推察できる。
このトンファーであれば、振り抜く・取り出すといった動作を要しない分サーベルよりも素早く迎撃行動に移る事ができ、サーベルほど斬撃の範囲も広くない為、背部のキャノンユニットを自傷する懸念がなく、ユニットを切り離さずとも取り付いた相手を追い払う程度の接近戦は可能となっている。
(参照元:『ガンダム「武器・防具」伝』(株式会社レッカ社))
頭部ビームカッター
ゴトラタンの頭部の鶏冠部分に装備された特徴的な近接兵装。
ギミックはリグ・シャッコーと同様だが大型・高出力化している。
マニピュレーター用の携行武器とは違い、可動範囲は限られているものの振り抜く、振りかざす動作を要しない為、不意打ちや所謂『虚』を突いた攻撃を可能としており、ゴトラタンの近接戦闘の強さを支えている。
劇中ではミリエラ・カタン駆るVダッシュ・ヘキサを瞬殺する他、V2アサルトのバルカンを防いだり、最終回でメガビームキャノンを発射する際のエネルギー供給を行っている様な場面も見られた。
ビームトンファー共々本武装が採用された理由としてはビームトンファーの項の通り、やはりキャノンユニット装着時の時に敵に張り付かれた時の緊急対処も考えられる。
(参照元:『ガンダム「武器・防具」伝』(株式会社レッカ社))
ビームシールド
特殊モデル。マニピュレーターの甲側に設置されている(リグ・コンティオと同モデル)。
発生機の小型化のみならず、精密なマニピュレーター機能との両立を実現しており、本機に投入されている高度な技術群を端的に語っている。
防御モーションの最少化と所持武装への非干渉だけでなく、咄嗟のビームソードとしても応用し易い、優れた配置となっている。
キャノンユニット武装
メガビームキャノン
ゴトラタンの猛威を示した、遠距離用の射撃武装。
展開時は20mを越え、ゴトラタン本体よりも大型となる超ロングバレルのメガ粒子砲。取り回しを少しでも補助するため、バレル側面にまで旋回補助用のスラスターが配されている。
大出力の内蔵ジェネレーターによって縮退されるメガ粒子の出力は、ザンネック・キャノンには及ばないものの、V2ガンダムの兵装の中でも最大の威力を有するメガビームキャノン(バスターオプション)を上回る。ただし、ゴトラタン本体が「着込む」ように装着する仕様から、射角については上記二種のモデルよりも更に狭いため、ユニット形態変更・着脱判断が重要となる。
有効射程においてもザンネックほど驚異的なスペックを有していないが、MS武装としては珍しいヘッドアップディスプレー(クリアグリーンのサイト)による管制補助とパイロットの能力により、長距離狙撃によって、リガ・ミリティアに合流したクラップ級を幾隻も撃沈している。
特に成層圏上層でのエンジェル・ハイロゥ攻防戦終盤では、自陣後方からベスパ所属機を巻き込む事を承知しての、連邦旗艦ジャンヌ・ダルクに対する高精度長距離狙撃を敢行した。この“必殺”を狙った攻撃は、V2アサルトガンダムのメガビームライフルによって射撃相殺されてしまったことにより失敗しているが、それでもビームの出力差によって競り勝ち、拡散放射したことによって、結果的に連邦艦隊に大きな被害を与えている。
その様はリガ・ミリティアの面々にザンネックの再来を彷彿とさせた。
なお、キャノンのビーム出力調整幅は極めて広く、艦の装甲に施されている対ビームコーティングに弾かれるレベルまで出力を下げる事もできた(こちらの「天使の輪の上で」の項を参照)。
また、バレル部の大質量と旋回スラスターを利用して、Vダッシュ・ヘキサ(フランチェスカ・オハラ機)に遠心力と共に叩きつけることで、バレル折損と引き換えに敵機のコクピットを破砕するという使い方も見せた。
最後のカテジナ激昂の中発射したビームは、その時の台詞や『UC』のバンシィ・ノルンの「喋るなバルカン」に由来して「まやかすなビームキャノン」とか呼ばれたり。
6連マイクロミサイルポッド
展開時に両肩部前面に一基ずつ配される、ミサイルポッド。合計十二発を同時発射可能。
本来は敵機の接近を許した場合の迎撃用だが、カテジナは中距離まで進撃しての対艦戦において、ミサイル発射後にキャノン掃射を行う事で、敵艦への爆砕面積を拡大するために用いた(EXVSMBの特殊射撃で再現されている)。
外部作品での活躍
SDガンダムG-CENTURY
ザンスカール帝国所属の機体として登場。TECレベル4で生産可能で、製造所要ターン数は4ターン。
武装は□:ビームライフル、△:ビームトンファー、×:無し、○:ビームカッター。
戦闘画面中でキャノンユニットを装着した状態で表現される事はなかったので、メガビームキャノンは専らMAP兵器扱いである(当然マイクロミサイルも使えない。)。これは後発作品のGジェネシリーズでも長く受け継がれた。
TECレベル4機体相応の強さを持つ。敵として現れた場合はTECレベル5の機体をぶつければ簡単に勝てるが、MAP兵器の射線上にだけは入らない様注意が必要。
同じレベルかつ同じMAP兵器持ちでザンネックと比較した場合、あちらは万能飛行型で主に地球上での移動に優れ、武装も豊富だがビームサーベルの威力が低く接近戦がイマイチ。
対してこちらは万能移動型で地球上での移動に劣り、武装も1つ少ないが、ビームトンファーとビームカッターの威力が勝っている為、若干癖はあるが接近戦に優れている。
どちらを作るかは、運用するMAPと個人の戦闘スタイルで決めると良い。
SDガンダムGジェネレーションシリーズ
「ZERO」から登場。
ゼロ~Pまでは武装はビームライフル、ビームトンファー、メガビームキャノン(MAP兵器)だけ。
MAP兵器を除けば、ライフルとトンファーの2つ。(頭部ビームカッターどこ行った……?)
基本ステータスもサザビーやビギナ・ギナ、各アナザー作品の後期ライバル機と比べるとどうにも低めに抑えられており、扱いが難しい。
ちなみにザンネックと比べると、基本ステータスは勝っているがそれも僅差に過ぎず、あちらは地形適性が宇宙A、空中A、移動力は8、育てれば凄く強い多弾数ミサイルを擁している。
一方ゴトラタンの地形適性は宇宙B、空中B、地上B、水中C、移動力は5。適性は空中にB以上あれば地上で運用する事なんて殆どなく(精々地形効果の恩恵を受ける程度)、ビームライフルは水中に対応していない。
原作の様な多弾数ミサイルなんて持っておらず、これらは育成ではどうにもならない為、多くのユーザーから『劣化ザンネック』と評されてしまっている。
※だが、宇宙・空・陸ではビームライフルによるMAP間攻撃が可能なので母艦に接近する敵ユニットの露払いとして活躍させるといいだろう。※ビームシールドでの防御も可能なので、BEAM1の攻撃なら完全に封じることができる。
MAP兵器のメガビームキャノンは、ザンネックキャノンよりもEN消費量が多めだが、火力が6500と高めの数値を持っているため削り係としても活躍ができる。 移動力はSFS、EN面はオプションパーツで補うことができるので、役割によって用意してあげると更に活躍の場所を広げることができる。
これらは従来のゲームデザインとは大きく異なるNEO、SEEDでも殆ど変わっておらず、原作での鬼神の如き強さを体現するには程遠い、非常に使い辛いユニットとして登場していた。
まさにゴトラタン冬の時代であった。
武装枠が4つの内1つ余ってるんだがから、せめて頭部ビームカッターが射程2~2マスの格闘用武装(NEO・SEEDでは中距離格闘武装)として登場していたら評価も変わっていたかもしれないが…。
Gジェネ名物としてビームサーベル1本以外は全身MAP兵器のV2アサルトバスターがよくネタに挙げられるが、こちらもこちらで結構ヒドい。
「スピリッツ」以降はMAP上でも戦闘画面でもキャノンユニット装着した状態で登場。
それに伴い武装も見直され、頭部ビームカッターと6連多弾数ミサイルが追加され、射程に隙が無くなって格段に使いやすくなった。
更にサイズの概念のおかげでザンネックとの差別化が図られている。
そして、「ウォーズ」では新しく導入されたパイロットアビリティ(「身軽」、「赤い彗星」等)の恩恵によって『劣化ザンネック』という評価から見事脱却した。
また、ウォーズからはメガビームキャノンが通常武装として使えるようになり、原作の様に遠距離からの砲撃戦も行える様になった。
これ以降の作品でも基本ステータスも見直され、前述の6機と互角にまで引き上げられた。
以上の上方修正によって、現在ではユーザーから概ね「高い能力とバランス良く整った武装を併せ持つ優秀な機体」として好評を得ている。
ガンダム無双シリーズ
おそらくリアル頭身のガンダムのアクションゲームで初めて参戦した作品。
2から参戦しているが、残念ながらN4C4攻撃止まりの非メイン機体扱い。
ビームトンファーによるアクションは、リーチは短いがコンパクトで隙の少ない技が多く、SP攻撃のメガビームキャノンは火力と殲滅力はC4機体の中ではかなり高い方なので総合的に見て
C4機体の中では使い易い機体となっている。
機動戦士ガンダムEXVSシリーズ
EXVS家庭用版にて初参戦。DLCにて使用する事が出来る。(価格は500円)。
EXVSFB以降はアーケード版家庭用版双方にて初期から参戦している。
武装はメガ・ビームキャノンが中心だが、
爆風付きミサイルのばら撒き、ミサイルを伴ったメガ・ビーム・キャノンの照射、何処からともなく出てくるメガ・ビーム・シールドのせいで左右に拡散してしまうもう一つのメガ・ビーム・キャノン武装と射程や攻撃範囲が異常に広く、味方を巻き込みやすいことから一部では誤射ラタンと呼ばれている。また耐久力が非常に低く、挌闘やゲロビ等のほんの少し火力が高い攻撃ですら命取りとなるピーキーなデメリットを抱えている。
シリーズ3作目にあたるEXVSMBにて耐久力を始め機体性能が向上し自衛能力は増したが、それでもデメリットが解消されたとは言えないので注意。
しかし丁重に扱えばマスターガンダムを始めとする挌闘主体の機体を使う相方とって戦いやすい環境を作り尚且つメガ・ビームキャノンによる闇討ちや起き上がり攻めと言った攻撃によってゲームの主導権を握る事が可能。またビーム・トンファーもモーションがそこそこ速いため接近戦でもある程度戦えるので、扱い慣れれば原作宛らの強さを再現できる。
EXVSMBONで大きく仕様の変更された機体の一つ。
まず、2種のメガ・ビーム・キャノン武装が統合され2種を使い分ける形になる(照射時のミサイルは削除)。
また、従来では格闘CSだった「抱きつき脇腹メッタ刺し攻撃」が削除されたが、後格闘で実用性の高いジャンプ斬りが追加。
挙動はかなりモッサリしているものの、上からの強襲に空中でのにらみ合いで先に着地と使い道は多い。
攻めに偏った武装構成ゆえに自衛択が乏しい故、まだまだ使いやすいとは言いがたい。
しかし、いざ距離を置いた相手とのにらみ合いになれば、横移動狩りの拡散ゲロビと高火力のゲロビの使い分けで相手に嫌な2択を強いらせることから、意外と疑似タイマン性能は悪くなく、使い手の読みやセンスが高ければ、安易に挑んできた相手を喰ってしまうほど。
機体の強さも無印~MBよりもユーザーから高い評価を獲得した。
スーパーロボット大戦シリーズ
『第2次G』『α』『α外伝』『D』『新』『X-Ω』に登場。
基本的に敵ユニットとして登場する。長射程な上にカテジナが強化人間を持っているので、中途半端に削ると当たらなくなることもしばしば。『α外伝』ではかなり早いうちから登場するので多少性能は控えめになったが、手強いことに変わりはない。
『D』では非常に珍しくカテジナと共に味方ユニットとして自軍で使うこともできる。デフォルトで飛んでいるので使い勝手は悪くない。クロノクルのリグ・コンティオも同時に入手できるので、有効利用しよう。
『30』でも条件次第でカテジナ共々味方につけられる。武装が大幅に削られており、ビームトンファーとメガビームキャノン(通常、MAP)しかないが、メガビームキャノンの性能はフルアーマー百式改のロングメガバスターに並ぶ。燃費はゴトラタンの方が良いが、参入が遅いのが難点。
立体物
B-CLUBのガレージキットシリーズにラインナップ。キャノンパックも装備されており、展開状態で再現されている。
ガシャポン戦士NEXTシリーズにラインナップ。ライフルやトンファーを装備しているが、キャノンパックは装備されていない。
関連イラスト
小話
デザイナーお気に入り
デザイン担当の石垣純哉氏は、本機の『本体は近距離、キャノンで遠距離』という「笑っちゃうくらい単純なコンセプト」を気に入っており、インタビューではシャッコーに次いで好きなデザインとして挙げている。
石垣氏は、大きなバックパックはあまり好みではないらしくキャノンパックを任意で脱着できることもお気に入りの理由となっている。
カラーリング
本機はピンクに近い赤を基調としたカラーに染められているが、小説版ではクロノクルがこの色を見て、前夜に肉体関係を持ったカテジナのアレの色を連想するというくだりが存在する。