「父親ってのは、いつも一言足りないのさ」
CV:浪川大輔
概要
宇宙世紀0096年における地球連邦軍特殊部隊「ロンド・ベル」所属のモビルスーツパイロット。23歳、階級は少尉。
地球連邦政府の初代首相リカルド・マーセナスの後裔で、地球連邦政府の議員ローナン・マーセナスの嫡子のバックボーンを有する。
物語において、地球連邦軍サイドの主人公の役割を担い、「ラプラス事変」の中でバナージ・リンクスとは時に協力し、時に争っていく。
様々な経緯から最終的には、RX-0シリーズの1機であるバンシィ・ノルンを与えられ、“素養”を開花させた。
人物
政財界のサラブレッドとして生を受けるが、リディ本人は父親や家系に反発し、自力で名を上げるべく連邦軍に入隊し、家の七光りではなく、自分の腕だけで名をあげようとモビルスーツパイロットになる。しかし、どこへ行っても付いてまわる家の影響に辟易するだけであった。
MSパイロットではあるが、内心ではモビルスーツよりも航空機に対して憧れを抱いており、透明ケースに小さな複葉機の入ったお守りを持ち歩いている。また、航空機に対する憧れの縁からか、リゼルやデルタプラスなどの可変機が当初の搭乗機となっている。
血縁には父・ローナンと姉・シンシアを持つ。
家を飛び出した過去から跳ねっ返りと思われがちだが、その実はとても生真面目で正義感の強い頑固者。
家を飛び出したのも、その生真面目さが由来の潔癖ぶりが、政治家=汚い特権階級を嫌ったからでもある。だが、その生真面目さが自分自身をも縛り付けており、本来にして「“自由で有りたい”と願いつつも、直面した問題を“自分だけで解決しなくてはならない”」とする強迫観念を持ちやすく、それが自縄自縛となり、本編でバナージ達と敵対する事態になっていく。
その責任感の強さが自らの嫌う『役割を全うする行為』を自身に強要し、それがストレスにもなっており、終盤での自我の摩耗を呼び込んでいる。
劇中での活躍
サイド4のスペースコロニー・インダストリアル7での作戦行動中にオードリー・バーンを保護するが、彼女がジオンの遺児「ミネバ・ラオ・ザビ」である事実に衝撃を受ける。それでも彼女に心惹かれる状況に葛藤し、『袖付き』の拠点である資源衛星「パラオ」攻略戦中に、捕虜となったミネバを連れ出して軍を離脱する。
ミネバと共に地球へ降下し、現状を打開すべく実家であるマーセナス家を頼るが、父ローナンの助力は得られず、そこで自分の一族が背負う『ラプラスの箱』と関係する宿命を明かされ、その重い宿命に絶望。「ミネバを救うために」と事実上の求婚をするが、その独り善がりがミネバの失望を買う原因となってしまい、彼女は出奔してしまう。
その後、ローナンの意を受けて『箱』の解放を防ぐために軍へと復帰。「世界のあり方が間違っていても、そこに住まう人間を救う為には少数を犠牲にしなければならない」考えを胸に抱きラー・カイラムへと乗艦、『袖付き』に呼応したジオン軍残党決起の際には、その戦力の中核たるシャンブロを撃墜する活躍を見せた。
そして、ミネバがガルダに居るのを知ったリディは、作戦行動中に当該空母へと乗り込み、移送される状況であった彼女の下へと現れ、マーサ・ビスト・カーバインらに銃を向け彼女を連れ出そうとして自らの胸中を語るが、大義の無い想いはまたもミネバに拒絶されてしまう。
ガルダでの一件の後、『失恋の傷心』と『バナージへの憎悪』の感情を共有するアルベルト・ビストと共鳴し、彼の口添えでマリーダ・クルスの後釜としてバンシィ・ノルンのパイロットとして選抜され、かつての乗艦であったネェル・アーガマを襲撃。ビスト家の末裔であるバナージと相討ちになり、『箱』にかけられた呪いから世界を守るべく、バナージと壮絶な戦闘を繰り広げた。
バナージとの戦いを経てニュータイプとして覚醒するが、『ラプラスの箱』に示されたニュータイプの存在を災厄のように忌み嫌い、自身がニュータイプである事実をただひたすらに否定する。
オードリー達の呼びかけで一時は正気に返りかけたものの、バンシィのNT-Dによって増幅されたニュータイプへの憎悪に再び呑み込まれてしまい、リディを止めに来たマリーダにビームマグナムを放って殺めてしまう。
しかし、ニュータイプ同士の感応によるフィードバックに悩まされ、マリーダの導きとミヒロ、オットー艦長らの呼びかけを受けて再起し、バナージと共にネオ・ジオングと対峙した。
そしてユニコーンガンダムと共にサイコ・フィールドを展開してコロニーレーザーからオードリーと『箱』を守り通すのだった。
「ラプラス事変」後はオードリー、バナージとは別れ、バンシィ・ノルンを地球連邦軍に持ち帰っている。そしてアクシズ・ショックの再来に驚愕した地球連邦政府から、半年間の軟禁を受けた。それからは軍に戻るも、とある事件を切っ掛けに退役。
宇宙世紀0097年には「自分にできる事」を果たすため政治家“マーセナスJr.”の道を選び取り、父・ローナンの秘書として新たなスタートを切った。
なお、アルベルト・ビストとは、「ラプラス事変」で同じ境遇を経た縁で、現在も交友関係が続いている。
余談
リディがシャンブロをビームマグナムで撃墜するが、これは「ギルボア・サントの死から完全に脱却できていない状態のバナージが、既に見知った仲であるロニ・ガーベイを撃つには荷が重すぎる」と判断された為。
また原作小説とアニメとで、シャンブロとロニの設定が大きく変化していた状態もあり、「展開を収束させる為にはどのようにすれば良いのか?」とスタッフ間で打ち合わせが行われた結果、リディが歪んでいくターニングポイントを描写する意味合いを含めて、以上の展開が用意された。
外部出演では、UCが参戦しているコンパチヒーローシリーズでは両作とも悪役にされていたりする。
関連イラスト
関連項目
搭乗機
所属艦
その他
ジョッシュ・オフショー:ほぼ同類の先輩もっとも、こちらはリディと違い特攻じみた最期を迎えた。
ラウダ・ニール:機動戦士ガンダム水星の魔女に登場する、経緯こそ違うものの悪感情を拗らせ、ガンダムタイプに乗り、主人公陣営にとって最悪のタイミングで乱入してくる後輩。そのせいで一部視聴者から令和のリディ少尉のあだ名を授けられた。
だが唯一違うのは、とある人物の活躍により、誰かを撃墜することがなかった点である。
アルフレッド・イズルハ ヨウラン・ケント(スペエディ版) ゼラ・ギンス:浪川氏が演じてきたガンダム作品のキャラクター。