概要
核パルスエンジンを付けた小惑星アクシズを質量弾として地球に投下する、「コロニー落とし」に近似した戦略攻撃。
『ガンダムシリーズ』でも屈指の印象深いイベントのため、様々な作品においてパロディ・オマージュが見られる。
ストーリー
『逆襲のシャア』において、旧ネオ・ジオン本拠地である小惑星アクシズを地球連邦政府との政治取引で入手したシャア・アズナブル率いる新生ネオ・ジオンは、これに地球汚染のための核兵器を満載させたムサカ級巡洋艦を係留させた上で質量弾とし、連邦政府首脳陣粛清の為、核の冬によって地球を人類の居住不可能な惑星にすることで強制的に人類の宇宙移住を加速させる為、地球へ壊滅的被害を与える本作戦を決行する。
ロンド・ベルによる決死の抵抗により、核兵器が搭載されたムサカ級は撃破され、アクシズは内部からの爆破作業により半分に分断されたものの、小惑星後部(およそ1兆tとされる)は地球の引力圏内に引き込まれてしまい加速を開始。阻止可能限界速度(秒速約12km)領域を超えてしまうのであった。
この絶望的な状況を前にしてなお、アムロ・レイは自身の駆るνガンダムをアクシズ表面に固定し、全スラスター用いて巨塊を押し戻そうと、ひたすらにもがく。
大気摩擦の灼熱の中、彗星のように輝く一条のスラスター光を目にした兵士たち――地球連邦軍のモビルスーツ隊のみならず、ネオ・ジオンのモビルスーツまでもが地球を救うため、アクシズを押し戻そうと取り付き手を繋ぎ合った。
また、取り付いたジェガンの1機には、かつてEXAMシステムを巡る戦いに関わったユウ・カジマも居たという。
しかし途方もないエネルギー量を前に、両軍の傷ついたMSたちは大気との断熱圧縮熱とオーバーロードによって次々と爆散していく。
「νガンダムは伊達じゃない!」
そのアムロの声に答えるが如く、νガンダムが複数の思念によってオーバーロードを起こしたサイコフレームから虹色の帯が広がり、アクシズの後部を押し返すのみならず引力圏から引き戻したのだった。
これが人類史上において初めて観測された、サイコ・フィールドであった。
後にこの出来事は地球連邦軍上層部から「アクシズ・ショック」と命名され、詳細な情報は世間に対し隠匿される事になり、真実を知るのは地球連邦軍においてもブライト・ノア大佐のような一部の人間しか残らなかった。
マジレスすると…
地球(地面)に対して水平方向の速度が足りないから落ちてしまうので、作中のように前から押し返すとますます減速して逆効果になる、後方から押して加速させたほうが成功の見込みが高い。
ゲーム作品では
作品の枠を超えたゲーム作品において、参戦タイトルに逆襲のシャアが入っている場合、シャアは敵となってアクシズ落としを敢行、これを味方のロボット総動員で阻止するというシナリオがあることもある。
メタな視点で言えば小惑星を破壊できそうなスーパーロボットも参戦している場合もあるが、近年の作品では、アクシズを破壊できない、あるいは(二次災害等の懸念から)破壊してはいけない理由が説明されたりする。
また、シャア以外がアクシズ落としを敢行する場合もある。
スーパーロボット大戦シリーズ
- 旧シリーズ(第3次~F完結編)
インスペクターやゲストに拠点として利用された末、F完結編ではなんとシロッコが地球に落とそうとするルートがある。アクシズが落とされるのはこのルートだけで、他のルートでは何も起こらない。
原作通りシャアが地球に落とそうとするのだが、Gガンダムとのクロスオーバーで回収されていたデビルガンダムに取り込まれ、デビルアクシズと化した。
最終ステージがアクシズ内部となっている。今回はダイターン3のドン・ザウサーが地球に落とそうとする。
隠しシナリオでの戦闘中会話では、アクシズが地球に近づきすぎているため、地球の広範囲にアクシズの破片が降り注ぎ、かえって被害を拡大させてしまうという旨がキャラの口から語られている。後発作品ではあるが、イメージとしてもっとも近いのは「機動戦士ガンダムSEEDDESTINY」のユニウスセブン落下⇒ブレイク・ザ・ワールドであろうか。おそらく現実的な物理学的理由で破壊できないと云われた初の事例。
プレイヤー部隊がアクシズ内部でハマーンと決着をつけた直後に地球近海に転移させられ、ヴィンデルが地球に落とそうとするが、最終的にはツヴァイザーゲイン諸共消滅する。…時間制限がありそうな感じだが、実はいくら時間をかけてもアクシズが地球に落下してゲームオーバーにはならない。
ちなみに、没シナリオでは逆襲のシャアの再現が行われ、シャアによって地球に落とされる予定だったようである。全員が真ゲッターくらいのパワーがあれば破壊できたらしい…
冒頭で、ラー・カイラムの保護を受けると逆襲のシャアの再現となり、地球に落とされる(ちなみにスパロボオリジナルを除き、他作品のキャラクターはデキム・バートンとキラー・ザ・ブッチャーくらいしか登場せず、原作キャラもハサウェイ・ノアやチェーン・アギが自軍で使えたりと原作再現はシリーズ最高レベルとのこと)。しかし、アクシズ内部に潜んでいたデュミナスによってラー・カイラムが撃沈され、その余波により主人公達が5年前に転移したため、その後どうなったのかは不明(また、ナデシコBを選ぶと劇場版ナデシコのシナリオになるため、これも動向は不明)。その後、エンディングで元の時代に戻った際は歴史が改変されたためアクシズ落としは行われず、シャアは本来の名前で政界に進出したことになっている。
冒頭でアムロとブライトを軟禁した状態(またブライトの家族を作戦に巻き込まれないよう予め宇宙に上げており、作戦後にシャアから協力を求められた際にブライトは「隕石落とし以外なら協力してもいい」と言っている)でネオ・ジオンとホワイトファングがアクシズ落としを敢行し、アクシズは順調に地球へ落下しようとしていたがその矢先に地球が消えると言う異常事態が発生、それによりアクシズも破壊された事で作戦は大失敗してしまう。
シャア「バカな!? 地球が消えるだと!?」
- αシリーズ
原作再現が行われた第2次スーパーロボット大戦αではハマーンと敵対するルートを通れば、ネオジオン・木星帝国の連合軍によるアクシズ落下作戦が始まる。今回は内部工作ではなく、集中攻撃によって分割させることになる。
ハマーンとの共闘ルートではハマーンにアクシズを抑えられてしまい、代わりにオルファン落としを決行するというとんでもないクロスオーバーがある。
なお、α3ではハマーンと敵対したルートが正史となっている。
- Zシリーズ
三作目の第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇ではメタ的にアクシズを破壊できそうなスーパーロボット達をもってしても破壊できない(というより、破壊してはいけない)理由が「UCW(初代Zの多元世界)とADW(第2次Zの多元世界)を一つにした「新世時空震動」の大特異点であるアクシズは時間の流れが止まり、最終的に全ての生物が死に絶える世界を作り出す「時の牢獄」を破壊するための時空修復を実行するのに必要不可欠である」と説明されている(それどころかガドライト・メオンサムをして「破壊した方が楽」と言われる始末)。シャアもそれを分かった上でわざとアクシズ落としを敢行し、それをZ-BLUE(プレイヤー部隊)に阻止させることで世界中の意思をひとつに集め、時空修復を行うのがシャアの真の目的だった。しかし、それを望まない「もう一人の赤い彗星」が暗躍し……。
それどころか、世界が統合されたそもそものきっかけが別次元で行われたアクシズ落としだったりする。天獄篇でこれにも真の黒幕が関わっていたことが発覚。こちらの世界のシャアは、彼らの襲来を阻止するためにアクシズ落としを敢行したようである。この世界にプレイヤー部隊が転移し、真の黒幕と戦うことになる。
なんとアンゴル=モアが粉砕に成功してしまっている。
破壊できない理由としてスペースデブリが連鎖的に増加してしまうケスラーシンドロームが挙げられている。
なお、この世界(時代)ではケスラーシンドロームは中学校までに習う内容となっており、「なにそれ?」と言ってしまった者は「後で自習をしろ」と言われてしまった。
イベント中のフィフス・ルナ及びアクシズ落としの首謀者はハマーンであり(このイベント中の動向はほぼ原作のシャアと同じである)、ロンド・ベルと利害が一致するはずのティターンズ(というよりシロッコ)も表向きは協力しながらも、政治利用のためにわざと作戦失敗する有様だった。
シャアはカミーユと共にスウィート・ウォーターに隠遁していたが、フィフス・ルナ落とし阻止失敗後にカミーユやジュドー、シーブック、ヒイロら立ち合いの元、バーにてアムロとウィスキーを飲みかわして和解、ラー・カイラムのブリッジにて「私はロンド・ベルに協力する!(意訳)」と全勢力に向けた放送で宣言。最後に落下軌道に乗ってしまったアクシズを、アムロより先にシャアが押し返そうとしている。
新正暦世界と宇宙世紀世界双方で過去に決行されるも阻止されて破片になっており、シャアも消息不明(本作では死亡扱いで登場せず)。
新正歴世界では、約100年前に起きた出来事とされているため、それ以上の事は語られていない。
宇宙世紀世界ではアクシズの一部をナナイら穏健派のネオ・ジオン残党が「ラプラス」という組織を名乗って拠点としており、連邦と袖付きの戦争を終わらせる方法を模索している。なおアクシズ・ショックの際、アムロがνガンダムごと西暦世界へと転移しており、それとの入れ替わりで火星極冠遺跡の演算ユニットとイネスが宇宙世紀世界へと転移してきている。
アクシズショックも参照。
アムロ達宇宙世紀ガンダムの元の世界である「戦争の世界」にあり、ちょうどアクシズ落としの行われている最中、アムロ達がアル・ワースに召喚された。それよりも未来であるトビアの元いた時代では阻止されたことになっているが、アムロ達が元の世界に帰った後の動向は不明。
激闘ルートに突入した場合、アクシズ落としが行われる(ただしハマーンやシャアではなく、別の人物の思惑で)。ところが自分たちの計画にDG細胞を利用しようとするカギ爪一派が介入しアクシズをDG細胞で汚染させた状態で降下、地球中にDG細胞を拡散させるために利用しようとして余計に事態を悪化、さらに破壊した場合は無数の破片が地球に降り注ぎ、かえって危険にさせてしまう。最終的には、自らの本来の使命を思い出したデビル…アルティメットガンダムの助力により、落下は阻止された。
敵ボスとして登場するアクシズそのものの武器扱いで登場。規定回数攻撃されると発動し、味方を確実に全滅させ戦闘を終了させる。
第1章の〆となるシナリオ。
原作より遙かに戦力が充実してはいたが、インベーダーやボアザン星人の介入で、より厳しい戦いとなり、あわや破片の一部が地球に落下しかけるも、地球侵略計画が失敗する事を避けたいプリンス・ハイネルがプレイヤー部隊を援護した事で阻止される。
本編開始前に実行されており、原作通りアクシズ・ショックが起きた事によって地球への被害は皆無に終わり、その只中にいたアムロとシャアも奇跡的に生還を果たしている。
しかし、アムロはニュータイプの力を恐れた地球連邦政府によってシャイアン基地に幽閉。シャアもまたかつてグリプス戦役で名乗った4つ目の名を再び名乗り、密かに行動を開始する。
- その他
その他のSRWシリーズでシャアがアクシズ落としを攻撃として使っている画像がネットに出回っているが、コラージュである。
シャア「今計算してみたが、アクシズはお前に落ちる!」
ガンダム作品
- ガンダムVSシリーズ
逆襲のシャア関連のMSがGクロスオーバーを発動させると、巨大なアクシズがステージを横断し相手を跳ね飛ばす。
EXTREME VS.以降はフルブで実装されたサザビーのバーストアタックとして登場。相手目指して巨大なアクシズが落下、とんでもない大爆発を起こす。
その他のクロスオーバー作品
A世界において終盤でシャアの手によってアクシズ落としが決行され、作品の枠を超えて他作品の主役機総出で押し返しにかかる展開がある(真ゲッターやニルヴァーシュ type ZERO spec3なら破壊できるのでは? というツッコミは無しで)。しかしサイコフレームの光で最悪の事態は回避された……
ここまでなら原作通りなのだが、ベルクトがこの光のエネルギーを悪用し、本作の舞台となる2つの世界を繋げてしまう。このままいけば二つの地球が衝突するという最悪な事態に発展してしまう。
これを阻止するのが本作のラストミッションとなっている。しかし迎え撃つためにベルクトが用意した機体とはなんと…
本作の序盤は逆襲のシャア原作のストーリーを、ほぼ引用していると言ってもいいほど忠実に再現している為、原作と同じ経緯で実行されている。押し返す際にはまだ仲間が少ない為、他の世界から転移してきたカンジやドラグナー遊撃隊のみが協力している。こちらではサイコフレームの光によって惑星サンライズへのゲートが開き、アムロとシャアはそれに巻き込まれている。