CV:咲野俊介
概要
「第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇」に登場するバンプレストオリジナルキャラクター。
新生時空振動後の世界で暗躍する組織「UG(アンノウンG)」こと「ジェミニス」の隊長を務める男。
飄々とした性格で酒と怠惰をこよなく愛するダメ男だが、戦場に置いては一騎当千の実力を発揮し、ジェミニス隊員からの信頼は厚い。
彼の専用機「ジェミニア」はヒビキ・カミシロのジェニオン・ガイと容姿が酷似しており、ガドライトはジェニオンを「ジェミニアのイミテーション」と言い張って嫌悪している。
スフィアの一つである「いがみ合う双子」のリアクターであり、「いがみ合え」というキーワードを発することで、それを聞いた人間がその時抱いている感情とは正反対の感情を強制的に励起させる能力を持つ。
これまでのリアクター以上にスフィアとの適合が進んでおり、スフィアを搭載した機動兵器に乗らずともスフィアの能力を使用することが可能。
嘗ては辺境の惑星「ジェミナイ」の住人であったが、突如襲撃してきた「サイデリアル」という謎の一味によってジェミナイは滅ぼされ、ジェミニスはサイデリアルの傘下に置かれる。
その後、地球を時の牢獄によって封じ込める「エタニティ・フラット」完成の監視を任命され、地球へとやってきた。
しかしガドライトは「いがみ合う双子」の能力によって地球とコロニーの抗争を深刻化させ、人間同士の争いによって地球が滅亡へと向かうように仕向ける。
その結果「Z-BLUE」の結成とエタニティ・フラットの存在が世界に露呈することの原因となり、サイデリアルの思惑からは大きく外れることとなった。
その後もZ-BLUEに対してエタニティ・フラットの情報を敢えて漏らしたりといった行動を繰り返し、世界の混乱を加速させる。
これらの行動は「どうあがいても時の牢獄の完成は防げない」「どうせ地球は滅亡する」という挑発目的の行為でしかなく、その行動の真の理由は「自分達の星は問答無用でサイデリアルに滅ぼされたにも拘らず、地球は(時の牢獄に永遠に封じられるとはいえ)エタニティ・フラットに守られるのが気に食わなかった」という、地球からすれば完全なる八つ当たりでしかないものであった。
しかしガドライトの思惑とは裏腹に、Z-BLUEは地球とコロニーの争いやバアルの襲来などのあらゆる困難をすべて跳ね除け、遂には時の牢獄も打ち破り、時空修復を成し遂げてしまう。
これに逆ギレしたガドライトは自らZ-BLUEを亡き者にしようと襲い掛かるが、アドヴェントの挑発でスフィアの能力維持に必要な精神のバランスを崩され、その隙にヒビキのジェニオンに「いがみ合う双子」のスフィアを奪われ敗北。最後は意味深な負け惜しみと共に機体毎爆散した。
本編中では狭量且つ傲慢な小悪党といった人物として描かれていたが、ボーナスシナリオ「ラスト・デイ」における過去のガドライトは、窮地においても決して諦めず、仲間を守るために戦う熱血漢であった事が明かされている。
また、故郷を滅ぼした怨敵であるサイデリアルに協力したり、ジェミナイの民を守りたいと言いながら余計な私闘を繰り返したりと彼の行動には矛盾点が多く見られる。
そのため、ガドライトがこのような人格になってしまったのは「いがみ合う双子」の反作用によるものではないかという見解もある。
ゲーム中の性能
上記の様にストーリー的には余り良い扱いではないが、ゲーム上の性能は本作の事実上のラスボスであるアンチスパイラルをも凌ぎ、間違いなく時獄篇最大の難敵。レベル差もあって能力値の百の位が違う等序の口で、具体的な特徴としては
- 彼しか持っていない特殊技能「3回行動」。その名の通り1ターンに3回行動をするというシンプル且つ凶悪な技能であり、これによってステージ最奥から登場しておきながら凄まじい勢いで自軍側に突っ込んできて壊滅的な損害を与えてくる。過去作でも「2回行動」+「覚醒」などで疑似的に3回行動を行うキャラはいたが、技能として正式に3回行動が実装されたことは非常に印象的で「3回行動おじさん」の愛称を付けられることになった。
- 「念動力」「天才」「見切り」によって命中補正が凄まじいことになっており、これに上記の3回行動が合わさることでただでさえ広範囲で厄介なMAP兵器の性能が更に底上げされている。
- 「底力」とジェミニア自体の恐ろしい程高い装甲によって信じられない程固く、「熱血」や「魂」込みでもまともにダメージが通らなくなる。
- 「精神耐性」によってボス相手の定石である「脱力」も効かず、強化パーツの「GEMアーマー」の効果で装甲ダウンなども通用しない。
…と、凶悪な要素のオンパレードとなっている。
指揮官なのに「指揮官」の技能を習得していないことを時々突っ込まれるがゲームのボスキャラとして見ると単体では無駄な技能を一切習得していないことに繋がり、全てが戦闘と関わる技能で埋められることを意味する。
ガドライトのキャラクター的に見ても違和感が一切無い……正規の軍隊の隊長としてそれで良いのか?と疑問を抱くだろうが副隊長であるアンナロッタが指揮官の技能を習得しており、彼女が部隊を指揮して、ガドライトは前線で一騎当千の活躍をしていたと推測される(実際過去のガドライトも指揮官の技能を習得していない)。
勿論、バサラの歌など付け入る隙は勿論存在するが、まともな殴り合いだけで戦おうとすると最悪詰む可能性すらある。逆に言えばこいつを倒せればこの後に控えている敵は楽に倒せるということでもある。
そして・・・・・・
※以下、ネタバレ注意!!
・・・実は生きていた。
アムブリエルがスズネとして復帰した際に乗り捨てられていたジェミニアを駆って戦場に現れる。
性格は相変わらずだが、酒に溺れたダメ男の面影は最早何処にも無く、アンナロッタが遺した双子の娘の未来のために諦観も憤怒も棄て、父親としてジェミナイドの戦士として戦っている。
それ以前からもサイデリアルから「槍」を盗み出す、クィーンに情報を流す、クロノやレナード・テスタロッサと接触するなど、戦いの裏で暗躍していた模様。
「いがみ合う双子」は奪われたために人造スフィアを使用しており、問題無くジェミニアを操っている。
ラース・バビロンでの決戦にも現れ一時共闘するが、次元将としての正体を現し覚醒したヴィルダークにジェミニア毎撃破される。
最期はその圧倒的な力にエルーナルーナと尸空の心情を理解し、娘二人の未来を次元将たる彼の守る未来に託し、ヒビキに激励とも負け惜しみとも取れる一喝を投げ、今度こそ散った……。
が、最終決戦後の超時空修復にもリアクターとして力を尽くしてくれていた模様。
「で、ヒビキは何処だ?」
その際発した一言がコレ。何だかんだ言って気に掛けていたのは本当の様だ。
余談
外見がガンダムビルドファイターズに登場するリカルド・フェリーニに似ていることから「きたないフェリーニ」と呼ばれることもある。因みに、そのフェリーニの中の人も早乙女アルトやグラハム・エーカー役で出演している。
故郷の星を滅ぼされたという境遇を持つスパロボオリジナルキャラは彼の他に
スーパーロボット大戦Kの主人公のミスト・レックスなどがいる。
ただ、ミストさんは(地球人類に偏見こそ抱いていたものの)最後まで地球の為に戦ったのに対し
ガドライトは前述の通り地球に対する八つ当たり同然の行動を行っている。
ある意味
「堕ちるとこまで堕ち切ったミストさんの成れの果て」
「ユーザーが抱いていたOG版のミストさんの立場やキャラの理想像をスタッフが予想して作り上げたキャラ」
と呼べる存在と言える。
しかし、上述した過去の描写や天獄篇での活躍から彼もまたスフィアの犠牲者かもしれないとの声や、何だかんだで主人公を気に掛けていたことから彼を見直したとの声も少なからずある。
関連タグ
類似人物
ダイマ・ゴードウィン:同じく「ミスト・レックスの影」と呼ぶべき存在。