「これが世界の真の姿だ」
CV:諏訪部順一
概要
「第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇」に登場するバンプレストオリジナルキャラクター。
人類の進化を監視することを目的としているという謎の組織「クロノ」に所属する青年。
クロノには「保守派」と「改革派」の2つの派閥があり、彼はその内の改革派に属しているとのことだが、クロノや彼自身の真の目的については謎に包まれている。
改革派で量産されている機動兵器「アスクレプス」を乗機としている。
温和な性格で丁寧な物腰だが、掴みどころが無く、得体の知れない部分も持つ。
ジェニオンのパイロットの一人、ヒビキ・カミシロに対して何かを期待しているようで、彼のことを何かとサポートする。
また、彼の持つ「血塗られた目」の症状を和らげる能力も持っている。
また、保守派の傘下にあるジェミニスと、それを率いるガドライト・メオンサムに対しては明確な敵意を露にしている。
元は「第3次Z」の舞台である多元世界とは別の世界の住人であり、ヒビキが遭遇した「テンシ」と接触し、彼同様「呪われし者」となった過去を持つと語っている。
ジェミニスとの最終決戦に駆け付け、ガドライトを挑発することで「いがみ合う双子」の能力バランスを崩すことに成功するが、それに逆上したガドライトの攻撃により機体毎爆散し、消息不明となる。
結局、彼の正体や真意等は時獄篇内で明かされること無く出番を終えてしまったため、その素性に関しては謎に包まれており、劇中で彼が語ったことの真偽も不明。
何処となく胡散臭い言動や、ガドライトに対する辛辣な言葉等から多くのプレイヤーからは黒幕サイドなのではないかと疑われている。
また、言動の端々から彼もスフィアリアクターである可能性が示唆されており、乗機であるアスクレプスも十二星座と併せて十三星座として扱われることがあるへびつかい座をモチーフとした機体である。
因みに、メタ発言でお馴染みの中断メッセージでは「時獄篇の周回リンクボーナスは5周でマックスになる」という情報を教えてくれる。
ネタバレ
天獄篇では、何と序盤より火星での戦いで生存していたことが判明。
相も変わらずZ-BLUEのメンバーが危機に陥った際に駆け付け、何度もその窮地を救っている為、ヒビキを始め、Z-BLUEのメンバーからは、ほぼ全幅における信頼を得ている。
その反面、ガロード・ランやレド、ノノといった出会って日も浅いメンバーからは、どうしてそこまでの信頼が出来るのか疑問を抱かれており、クロウ・ブルーストからも、次第に疑いの目を向けられることになる。
その正体は、全ての宇宙で最初にオリジン・ローに触れ、それによって1億2000万年前に転生した惑星エス・テランより生まれし者で、「御使い」という4人の存在の一人であった。喜怒哀楽の内、「喜」を司ることから「喜びのアドヴェント」を自称している。
また、ヒビキから父や姉、そして母を奪った張本人「テンシ」その人であったのだが、ヒビキは視界にフィルターのようなものを掛けられていたことから、アドヴェントとテンシが同一人物であることを認識出来なかった。
時折の言動から見ても、アドヴェントが腹に一物を抱えているのはあからさまであったのだが、初登場の時よりずっとヒビキやZ-BLUEの窮地を何度も助けてきた事実から、次第に彼等の疑問は忘れられていくことになり、本人達も気付かない内に「アドヴェントの考えが正しいこと」を前提とした歪んだ思考を刷り込まれてしまっていたのである。
この手口は、「Z」の時におけるギルバート・デュランダルに全幅の信頼を置いてしまっていた「ZEUTH」のケースと非常に似通っている。
自らの裏の内面をクロウによって暴かれた後、アドヴェントはZ-BLUEが自らの同志に成り得ない存在であると判断。遂にその牙を向く形でZ-BLUEに襲い掛かる。
そしてヒビキのジェニオン・ガイにアスクレプスを撃墜されたアドヴェントは、自らの「真の力」を解放。
機動兵器に搭乗しない生身のままで超常的な力を発揮し、ジェニオン・ガイを木っ端微塵に破壊した。
Z-BLUEに一方的な決別を言い渡した後、ZONEから開放されたアサキム・ドーウィンと利害の一致により結託することになるも、元から自身が復讐の対象の一人であった上に、嘗ての仲間であった御使い達から追放され敵対してもその本質が「独善そのもの」に何ら変わりが無かったため、結局は彼の反感を買うことになり、衝突。
ヘリオースとしての力を解放したアスクレプスによってシュロウガを攻撃するものの、これはオリジン・ローの力をアサキムとシュロウガに体得させ、シュロウガ・シンへの変貌を招くことになっている。
その後も、Z-BLUEやアサキムと対立しながらも、自身を崇拝する部下達を失ったことで結局はエス・テランにいる御使い達の元へと戻っているのだが、哀しみのサクリファイが己の過ちに気付いてZ-BLUEと和解しかけた隙を突く形で、彼女をヘリオースで吸収。
そして、アサキムにも「真実」を明かして彼の精神を崩壊に追い込んだ上で吸収した。
拠点に帰還後、白々しい態度でサクリファイがZ-BLUEに倒され、アサキムも姿を消したと嘘を吐き、黒き太陽の存在するエス・テランのラース・バビロンでZ-BLUEとの決戦を迎えるが、ソーラリアンの次元結界によって封じ込められる。
しかし、それは芝居であり、怒りのドクトリンとテンプティがZ-BLUEに追い詰められ、ゼロのギアスによって一時的に力を奪われた時に再び姿を現す。
実は、アドヴェントは、追放されてから1万2千年もの膨大な時が流れていたにも拘らず、未だに他の御使い達への恨みを根に持ち続けており(しかも、生かされた上に、嘗ての同胞への最後の情けとしてヘリオースという恩情までも貰っている)、殆ど弱っていた二人に宇宙を救う資格は無いと断言。
二人からは必死に謝罪されるものの、既に自らこそが「神そのもの」であるとまで傲慢さを肥大化させていたアドヴェントはそれを聞き入れず、サクリファイやアサキムと同様に吸収。
彼等4人を「奪還出来なかったスフィアの代用品」としてしまう。
擬似的ながらも12のスフィアの力を揃えたアドヴェントは、ヘリオースとプロディキウム、黒い太陽を融合する事で、至高神ソルを「至高神Z」として再誕させ、御使いを超えた存在となった自らは、「聖アドヴェント」を名乗り、宇宙の大崩壊を放置して全てが滅んだ後の宇宙で神となった自分だけに都合の良い理想郷を創り出すという、究極の独善的な野望を果たすべく、Zシリーズ最大最後の敵としてZ-BLUEとの最終決戦に突入する。
しかし、3人の御使いを取り込んだことで、失われていた「怒り」「哀しみ」「楽しみ」の感情を取り戻し、人間としての感情をほぼ復活させている。
このため精神面では完全に人間そのものとなっており、言い返されて反論に詰まったり、逆上したり、あるいは困惑したりと御使いの時よりも感情の発露が豊かになっている。
人々の想いを受けたZ-BLUEに敗れ、半ば自暴自棄気味に口汚く悪態をつくも逆に彼らの説得を受け、自身の敗北と己が神の器ではないことを認め、高次元生命体として超時空修復に協力。
最後に残った「消滅しようとする力」の余剰を抱え、ヒビキ達人類の未来に祝福と幸運を祈り、AGと共に因果地平の彼方へと去っていった……。
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類似人物
エンブリヲ:同じように自分に都合の良い世界を作り出そうとした独善者(但し、彼の方がより下衆い)
更なるネタバレ
スパロボ30周年記念のスーパーロボット大戦30に至高神Zと共にまさかの参戦。
最終盤に現れるミッションの『未知との戦線』を選択すると異空間にいるアドヴェントと遭遇出来る。
Zシリーズの結末を経たせいか、大それた野望は捨て去っており、腕試しという理由で自軍に挑んでくる。 自軍の嘗てのZ-BLUEのメンバーの同一存在に懐かしさを覚えたり、「今は聖ではないただのアドヴェント」「今考えると至高神なんて大それた名前を付けてしまったよ」と自嘲する等、すっかり毒気は抜けた模様。
戦いに勝利すると、自軍を通常空間に戻してくれるとともに、強化パーツを報酬として与えてくれる。
至高神Zは本来の力を取り戻していない様で(サイズ自体も2Lで、図鑑によると300mとマップの大部分を占める巨大ユニットだったZ時代よりも大分小さくなっている)、自軍との交戦の度に強くなっていき、9回ミッションをクリアすると本気の至高神Zと戦う事が出来る様になる。
本気バージョンではHP70万にHP回復大と数値だけならZ時代以上。しかし本作では強烈な性能になった底力がなく、脱力でその他の技能も大半を封じる事が可能な為、見た目よりかなり脆い。