アデナウアー・パラヤ
あでなうあーぱらや
クェス・パラヤの父親で、地球連邦政府参謀次長。
政府の密命で、ロンド・ベルを相手にせずネオ・ジオンとの和平交渉を進めようとする。
典型的な連邦の腐敗官僚であり、人のいる場所ではカッコつけて真摯にふるまっている(なおそういう魂胆はミライ・ヤシマから見え見えだった)がナチュラルにスペースノイドや軍人を見下しているほか、ネオ・ジオンとの交渉の場に愛人(後妻とする媒体もある)のキャサリンと娘のクェスを同伴させるというどうしようもない人間。命の危機に陥ると神に祈る臆病者。
また家庭を顧みない人間で、クェスが父性を求めていたことにも気づかず、それ故にクェスからは軽蔑されている。
一応フォローすると、セリフを追ってみればアデナウアーも彼なりにクェスのことを父親としてその身を案じて気にかけていることがわかるのだが、如何せん、彼はあまりにも娘の気持ちに対して鈍感過ぎた。
キャサリンが自分の前では淑やかに振る舞いながら、実は陰でクェスを邪険に扱っていることにも全く気づいておらず、あまつさえそんな二人を一緒に同居させるなど、その「空気の読めなさ」と「察しの悪さ」によって構築された険悪な家庭環境の反動により、繊細で鋭敏な感性を持つクェスは「正しくない大人」を一方的かつ狭量なまでに嫌悪して見下す反発的な精神性と、強烈なファザコン気質を併せ持った少女として育ってしまった。
『ベルトーチカ・チルドレン』では虚栄心は強いが皮肉を投げかけられても気が付かないような鈍感な人間として描写され、家庭に関しても妻は家を出て宇宙移民となっており現在は音信不通とされ、クェスからは愛人がアデナウアーから実母を奪ったと思われていることが描写されている。
シャア・アズナブルの真の目的に気づかないままアクシズと核ミサイルを引き渡してしまい、最終的にはネオ・ジオンの武装解除という名目で立ち会ったルナツーにおいて乗艦していたクラップのブリッジをヤクト・ドーガに破壊され死亡する。
この時のヤクト・ドーガのパイロットは娘のクェスだったのだが、最後までそれに気づくことはなかった。
ネオ・ジオンとの和平交渉へと向かう際に政府高官の特権を使い、シャトルに割り込んだのだが、その行動が一人の若者の運命を大きく変えることになる。
その若者の名はハサウェイ・ノア。
アデナウアーの割り込みによってハサウェイは家族と別れて一人で宇宙に上がることになり、そこでクェスと出会い、第二次ネオ・ジオン抗争を経験し、マフティー・ナビーユ・エリンへと変貌するのである。
第二次ネオ・ジオン抗争の途中で戦死したアデナウアーはあずかり知らぬだろうが、彼のシャトルへの割り込みという軽率な行為が後のマフティーの動乱の遠因となったのである。
名前の由来は、西ドイツ連邦の初代首相コンラート・アデナウアー
スパロボでは
αシリーズ
第2次スーパーロボット大戦で初登場。
原作同様の役割だが、序盤から三輪防人と交渉したりするので割と目立つ。
ネオ・ジオンとの交渉後、いつの間にか登場しなくなるため、原作のようにクェスに殺されたりはしない(単に死亡イベントが描かれなかったとも言えるが…)。
ちなみに娘は死亡してしまうが、ハマーン休戦ルートではアデナウアーの交渉が報われるので、原作よりはよほどマシな扱いであろう。
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