概要
『機動武闘伝Gガンダム』に登場するデビルガンダムの身体を構築する金属細胞。
重力制御機関に用いられる「第3類ディマニウム系合金」から派生した「ガンダリウム合金」の精神感応物質としての特性をより先鋭化させたもので、元々はモビルファイターのメンテナンスフリーを目的として開発されたもの。「アルティメット細胞(U細胞)」と名付けられていた。
アルティメット細胞は自己増殖・自己再生・自己進化能力の3大理論を兼ね備えており、それらはマトリョーシカの様に相似形状の構造に繋がり増殖する。機械だけでなく生物にさえ入り込み物質構造を記憶し、破損を修復する作用を持つ。汚染された物質の元の構造を記憶すれば汚染そのものを除去が可能であるとされ、地球環境再生の一助にもなるとして大きく期待されていた物質だった。
元が精神感応物質性なので細胞の働きには一定の精神エネルギーが必要であり、エネルギーの供給源として生体ユニット(=生身の人間)が必要となる。
だが、
- 細胞自体に強いショックが加わる
- 生体ユニットとなった人間に憎しみなどの強い負の感情が生じた
などの場合、アルティメット細胞に変異が生じ暴走する危険を孕む。アルティメットガンダム暴走の一因もこれに纏わっており、地球降下の際からの衝突(加えて漫画版『超級』では軍の陰謀で目の前で母を殺されたキョウジ・カッシュの憎悪の感情も加わったこと)により完全に暴走。以来、アルティメット細胞はデビルガンダム細胞と呼称を改められるようになり、地球に様々な災いを齎す(一応は「地球環境保全」がデビルガンダムの目的である。やっている事はお察しだが)。
DG細胞に感染した対象は狂気的な性格へと豹変し、周りを見境なく襲う。
尖兵であるデスシリーズはDG細胞によって創り出された機体で、パイロットであるゾンビ兵は脳まで侵食され文字通りの完全な生きた屍と化した人間たちである(目玉に見える部分はコードの接続部分である。それにしても、東方不敗のダイレクトアタックによって荼毘に付された辺り、燃えやすいのだろうか?)。
3大理論に従い、ひたすら増殖をし続けていく本能から、デビルガンダム軍団に襲われた一般人やガンダムファイターたちは例外なく細胞を植え付けられている。ゾンビ兵は製造施設が存在し、その一つが新宿に存在していた。
また、死体を(狭義の)ゾンビに仕立て上げる事も可能で、ネオエジプトのGFダハール・ムハマンド、ネオイングランドのジェントル・チャップマン、『スパロボX-Ω』の東方不敗がコレに該当する(この東方不敗は自我を保っていたが、師匠だから仕方ない)。
シュバルツ・ブルーダーも彼らと似たタイプなのだが、こちらは自我のベースが彼となっている。
ただし、元が精神感応物質であるため、強靭な意思を持つ者であれば感染しても細胞自体を制御下に置くことで浸食を抑えることができ、感染自体を防ぐことも可能(該当者は東方不敗(厳密には感染したのは愛機の方)、シュバルツ・ブルーダー、トライエイジ版のドモン・カッシュなど)。
また、脳中枢を犯され切ってしまう前であれば物理的な除去で感染者を救うことも可能(シャッフルの紋章でも治療できるが、原理は不明)である。
作中ではジャン=ピエール・ミラボー、ネオトルコのセイット・ギュゼル、ネオスウェーデンのアレンビー・ビアズリー、(ドモンを除いた)シャッフル同盟の面々がDG細胞の除去に成功している。
DG細胞に感染した生物や乗っ取られた機械は六角形の金属のような表皮が表面に浮き上がる。
人間以外の生物ではネズミが実験として注入されているが、これも凶暴化してしまった(第11話)。
以上諸々のデメリットからDG細胞では地球環境再生は無理ではないか?という指摘をしている作品もあり、『スーパーロボット大戦A』では四ツ谷博士がデビルガンダムは自らの維持の為に他の生き物を取り込まねばならないというデメリットを指摘、デビルガンダムが行うのは地球の改造であって、地球再生は不可能と断じている(一応、断っておくと彼は「地球のためには人類滅亡やむ無し」という思想の持ち主である)。
ちなみに早乙女博士、弓教授、兜博士、宇門博士、左近寺博士、和泉博士も結論は同じとのこと。
『超級!機動武闘伝Gガンダム』
ゴッドガンダムが、アルティメットガンダムに不測の事態が起こった際の制御をするための機体としてライゾウ博士が製作したことになった。そのためゴッドガンダムが出すエネルギー波にはDG細胞を消滅させる特効効果が持たされているという、デビルガンダムを倒せた理由付けがなされている。
また、ゴッドガンダムを参考にしてシャイニングガンダムが製作されたことにもなったため、シャイニングガンダムの出すエネルギー波にも完全ではないがアンチDG細胞効果がある。
さらに「目の前で母を殺されたキョウジの憎しみもデビルガンダム暴走の一因となった」という設定が追加されている。
外部作品
スーパーヒーロー作戦やスーパーロボット大戦では幾度となく地球を滅亡の危機に晒し、ザラブ星人、メトロン星人、ゼットン、パンドン、ユーゼス・ゴッツォ、ゴステロ、フィフス・ルナ、アクシズ、ギガノス機動要塞、マスドライバー、ウルタリア、などシャレにならない連中と同化することもしばしばある。
「ロストヒーローズ」では超獣の強化に使われており、ドーピングアイテムとしての立ち位置も健在。
続編の「ロストヒーローズ2」では本格的に物語に絡む事となり、ネオジャパンコロニーの代わりなのかウルトラマンたちの故郷である光の国を侵食してデビル・キューブに仕立て上げた。
DG細胞持ちのエネミーは攻撃された属性に耐性を持つ厄介な特性を持っているので長期戦は禁物。
また、これらの作品においてはゲッター線とは相いれない存在として書かれており、イデに近い存在と化している(ゲッター線に近いビムラーとの関係は不明だが、ゲッター線とビムラーは互いに歩み寄っているため、相いれない可能性が高い)。
類似するものとしてチェンゲのインベーダーや勇者王のゾンダーメタルがあるが、この3つが共演したスーパーロボット大戦Tでは三者間で喰い合う存在となっている。
「Gジェネレーション」シリーズではオプションパーツとユニットのアビリティとして登場。
ZEROとFでは毎ターン、機体のHPを10%回復という効果で、ユニットのアビリティの方は「DG細胞感染」という名義で登場。
NEO、SEEDではリストラされてしまったが、PではHPだけでなくENも回復する様になって復活。OWまではHPとEN同時回復の機能として登場し、クロスレイズでHPのみを回復する機能に戻った(回復量は15%)。
ウォーズではパイロットのアビリティとしても登場。毎ターンごとにHPが10%回復するがENまでは回復しない模様。敵キャラクター限定。
ちなみにDG細胞を装備させたまま機体を交換しようとすると、交換先の機体が全てDG細胞関連の機体に変更される。ただこの現象はDG細胞をオプションパーツから外せば解消できる為実質的にデメリットは無い物となっている。
また、デビルガンダムやその眷属達はこのアビリティを所有しているのにもかかわらず、マスターガンダムだけはZERO~ワールドまでは一切所有していない。
単なるスタッフのミスか、若しくは原作でDG細胞に一切感染せずに戦い抜いた東方先生への敬意なのかは解釈が分かれるところだが、OP無しでは毎ターン自動回復の恩恵は受けられない事は留意しておきたい。
スーパーロボット大戦でもHPを毎ターン回復させる強化パーツとして登場するが、味方側が使うもののイメージの都合か、「アルティメット細胞」名義となっている。
関連項目
デビルガンダム アルティメットガンダム 東方不敗 キョウジ・カッシュ シュバルツ・ブルーダー
ファラオガンダムIV世 ミナレットガンダム ミラージュガンダム
スパロボ関連
イデ サイコフレーム:スパロボでは近い存在。『機動戦士ガンダムUC』(アニメ)ではサイコ・フィールドがDG細胞と同じく六角形の集合体で描かれる。
ズフィルード ベルゲルミル アウルゲルミル メディウス・ロクス:スーパーロボット大戦OGシリーズにおけるDG細胞的ポジション。ズフィールドに使われているズフィールド・クリスタルの元ネタがDG細胞で、それを地球技術で再現したものがベルゲルミル・アウルゲルミルのマシンセルやメディウス・ロクスのラズナニウム。
その他ガンダムシリーズ関連
ELS:様々な物体を模倣する金属生命体。『ロストヒーローズ2』などクロスオーバー作品で共演。
月光蝶:ボンボン版『∀』では汚染物質除去型ナノマシン拡散システムであると語られており、関連性がうかがえる。