概要
制作発表は2023年4月27日に行われ、主演を大河ドラマおよびNHKドラマ初出演となる横浜流星、脚本を『おんな城主直虎』(2017年)以来となる森下佳子がそれぞれ務めることなどが、併せて発表された。2024年夏にクランクイン。
なお、本作で主演を務める横浜は2021年の「青天を衝け」で主演を務めた吉沢亮以来史上2人目の平成生まれの俳優となる。
本作では江戸中期、18世紀後半の江戸を物語の舞台とし、「江戸のメディア王」とも言うべき快男児・”蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈に満ちた生涯、そして笑いと涙と謎に満ちた痛快エンターテインメントドラマが志向される。本作の制作決定により、2024年度放送予定の『光る君へ』に続いて、いわゆる「文化人」を主人公に据えた大河ドラマが2年連続で放送される格好となる。また生涯純粋な民間人で過ごした史実の人物が主人公になるのは1985年の『春の波濤』の川上貞奴以来、40年ぶりのことである(翌1986年の『いのち』は架空の人物)。
また、蔦重が生きた18世紀後半は、既に60作を超える大河ドラマ史上でも今まで取り扱われることの殆どなかった時期でもあり、同時に大河ドラマとしては異例となる「戦のない時代」でもある。
脚本の森下はこの点について、「(前略)「戦」がなくなった時代だからこそ、いかに生きるかどう生きるか、己の価値、地位、富の有無、誇りのありどころ、そんなものが新たな「戦」としておもむろに頭をもたげだした(後略)」と語っており、その中で繰り広げられる蔦重や彼にまつわる錦絵の作者たちの生み出した作品の数々、それにその周辺を取り巻く文化・事件・政治などといった様々な事象を通して、この時代に対して強い興味を抱いたこと、そしてそんな時代に自分が夢中になったように視聴者にも夢中になってもらえるドラマを目指せばいいんだなと考えていると、本作に対する意気込みを明らかにしている。
登場人物
重三郎と周囲の人々
演:横浜流星
主人公。江戸時代中期に活躍した日本のポップカルチャーの先駆けとなる版元(出版人)。
演:染谷将太
演:片岡愛之助
- 花の井
演:小芝風花
主人公・重三郎の幼馴染で伝説の遊女。
- 駿河屋
演:高橋克実
重三郎の育ての親。
- 次郎兵衛
演:中村蒼
- 松葉屋
演:正名僕蔵
- 扇屋
演:山路和弘
- 大文字屋
演:伊藤淳史
- 半次郎
演:六平直政
江戸幕府
徳川将軍家・御三家・御三卿
演:眞島秀和
演:生田斗真
8代将軍徳川吉宗の四男である一橋宗尹の四男。
11代将軍となる徳川家斉の実父。
幕閣・諸大名
演:渡辺謙
老中として徳川家重・家治父子の治政において実権を握る。重商主義的な政策を取り幕府財政の再建に乗り出す。
演:宮沢氷魚
意次の嫡男。若年寄となり父・意次からも将来を期待されていたが・・
- 田安賢丸→松平定信
演:寺田心→[[]]
吉宗の次男・田安宗武の七男。久松松平家を継ぎ陸奥白河藩主となる。意次の政敵。家治や治済と同じく吉宗の孫にあたる。
関連タグ
徳川家康、葵徳川三代、どうする家康:1983年と2000年と2023年の大河ドラマ。初代将軍徳川家康を主人公として家康が実現した「戦のない時代」への過程が描かれた。「葵」では家康没後の徳川秀忠や徳川家光の時代についても描かれている。
八代将軍吉宗、暴れん坊将軍、大岡越前:前者は1995年の大河ドラマ、後者二つはテレビ朝日とTBSで放送された時代劇。いずれも本作と同様に江戸中期を舞台としている一方、その範囲は17世紀後半~18世紀前半と、本作で描かれるそれの正に直前の時期である。
大奥:よしながふみ作のパラレル時代劇漫画。2023年よりNHKにて放送されている同作の実写ドラマ版の脚本を、本作と同じく森下佳子が手掛けており、このうち第2期(2023年秋期放送予定)については、本作とも舞台となる時代を同じくしている
風雲児たち:みなもと太郎作の歴史ギャグ漫画。同作のうち江戸中後期が舞台である「田沼時代編」を原作とした単発のドラマが、2018年の正月にNHKにて放送されている