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築山殿

つきやまどの

築山殿(天文11年(1542年)? - 天正7年8月29日(1579年9月19日))は、今川義元の姪(異説あり)で、徳川家康(松平元康)の最初の正室。本名は瀬名(せな)。別名を鶴姫という。また、築山御前(つきやまごぜん)とも呼ばれる。
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生涯編集

弘治3年(1557年)、今川家の人質だった松平元信(元康、後の徳川家康)と結婚。

永禄2年(1559年)に松平信康を、同3年(1560年)に亀姫を産む。


永禄3年(1560年)5月19日の桶狭間の戦いにて伯父の今川義元が討たれ、元康(元信から改名)は岡崎に帰還する事となった。永禄5年(1562年)3月、関口親永は家康(元康から改名)が信長側についた咎めを受け今川氏真の怒りを買い、正室と共に自害。

築山殿は、今川義元の妹の夫で上ノ郷城城主・鵜殿長照の2人の遺児と於大の方の次男源三郎(後の松平康元か)との人質交換により、駿府城から子供達と家康の根拠地である岡崎に移った。

しかし岡崎城に入る事は許されず、岡崎城の外れにある菅生川のほとりの惣持尼寺で、幽閉同然の生活を強いられたという。ただし、今川氏の正室は館の外にも別邸を持っていた事例もあり、彼女の家柄や三河家臣団との馴染みが薄い事を配慮した家康なりの配慮とする解釈もある。

永禄10年(1567年)、信康と織田信長の長女徳姫が結婚。しかし、築山殿は依然として城外に住まわされたままであった。


元亀元年(1570年)4月下旬、ようやく築山殿は岡崎城に移った。

徳姫は天正4年(1576年)には登久姫を、天正5年(1577年)には熊姫を産んだ。しかし、徳姫がいつまでたっても信康の息子を産まないため、心配した築山殿は、元武田家の家臣で後に徳川家の家臣となっていた浅原昌時の娘で部屋子をしていた女性を、信康の側室に迎えさせた。そのため、徳姫との仲はかなり険悪だったらしい。

天正7年(1579年)、徳姫は、築山殿が徳姫に関する讒言を信康にしたこと、築山殿と唐人医師減敬との密通、武田家との内通など、12ヶ条からなる訴状を信長に送り、これにより信長が家康に信康の処刑を命じたとされる。家康の命令により築山殿は8月29日に小藪村で野中重政によって殺害され、信康は9月15日に二俣城で切腹した。


築山殿の死後家康に正室はしばらくいなかったが、天正14年(1586年)、豊臣秀吉は政略結婚のために妹・朝日姫を強制的に夫と離縁させ家康の正室(実態は人質)として嫁がせた。



異説編集

一般的に今川義元の姪(妹と重臣関口親永との子)として知られる築山殿であるが、近年にて浅倉直美氏は義元の妹を妻に迎えたのは関口親永(氏純)の兄である瀬名貞綱であったという説を提唱しており、築山殿と義元は縁戚関係にあるが伯父と姪の関係でなかったとされる。その場合、築山殿の生母は井伊直平の娘とされ後述の大河ドラマおんな城主直虎ではこの説を採用している、ところが、その後歴史学者の黒田基樹が築山殿の父である関口親永はそもそも婿養子として関口氏に入ったのでは?とする説を唱えている。その場合、築山殿の母である親永の妻は養子先である関口氏の女性であったことになる。


ただ、関口氏は勿論、親永の実家である瀬名氏、更に母方の実家である堀越氏は全て「御一家衆」と呼ばれる今川氏に何かあれば継承権を持っていた分家の家であった。つまり、今川氏の分家の血筋3つを受け継いだ築山殿は超お嬢様であったことは間違いない。



創作編集

徳川家康編集

演:池上季実子

序盤は誇り高いが初々しい若妻として描かれていたものの、中盤以降は典型的な悪妻悪母として描かれている。

幼い頃は義元から「亀姫」と呼ばれていて、「鶴姫(椿)」と並んで義元お気に入りの可愛い姪だった。義元の御前で自分よりも鶴姫が美しいと言った家康に興味を持ち惹かれていく。やがて義元の命により家康と政略結婚する。政略結婚だが最初は仲睦まじかった。

名門今川家の出身であることを誇りとしているため、義元を討ち今川家没落の原因となった信長を憎み、信長に従属し続ける家康にも失望するようになり、離れ離れで暮らしていることや家康が側室を持ち続ける嫉妬もあって、家康への愛も徐々に冷めていく。やがて我が身と信康の安全を条件に武田家と密約を結ぶに至るが、それが自らの破滅を招いた。


信長 KING OF ZIPANGU編集

演:島村佳江

典型的な意地悪な姑として描かれている。


おんな城主直虎編集

瀬名ちゃん

演:丹羽せいら(子役)→菜々緒

主人公の次郎法師井伊直虎)の大叔母・佐名姫の娘。次郎とは文通友達で、元康が今川を離反した際にも命乞いに向かっている。

今川氏真との玉の輿を狙っていたがご破算となり、今川方の人質だった同い年の元康と結婚する。負けん気が強く、元康を尻に敷いているが、夫婦仲は良好だった。

元康の離反に憤慨した氏真に処刑を言い渡されるが、元康家臣石川数正の奇策により、子女と共に岡崎まで送り届けられた。この時母・佐名とは今生の別れとなり、母の残した「今川を必ず手に入れる」という野望を胸に生きていくこととなる。

しかし三河豪族からは今川一族の出自のためよく思われておらず、半ば幽閉のような状態に置かれることとなり、井伊直親の助命にも向かえなかった。

後に、織田信長から息子・信康に謀反の疑いがかけられると、罪を被ろうと武田との密通を示す偽書を残して石川数正と共に出奔してしまう。直虎や万千代の制止にあっても覚悟は翻らず、やむをえず家康の放った追っ手により斬殺され、その首は家康によって信長に届けられた。彼女の最期を描いた第44回「井伊谷のばら」は、自ら処刑されることを決意し、死の瞬間にも誇り高く向き合う瀬名の姿をマリー・アントワネットになぞらえられたことから、この作品にちなんでこのタイトルがつけられた。

瀬名の死に家康は悲嘆にくれるが、彼女が残した紅入れが万千代を通じて家康に渡されたことで、家康は再起を決意した。


どうする家康編集

演:有村架純

こちらは夫・元康(家康)の優柔不断で気が弱い性格を受け入れた上で、彼の無事を祈る心優しい良妻として描かれていた。

家康とは相思相愛で、家と血筋のために側室・お葉を迎え入れるなど、とてもよくできた妻で夫婦仲も円満。家康がお万にお手付きをしたときは「このあほたわけ!」と怒ったが(これは瀬名の立場からすれば当然なのだが)、最終的に家康やお万を許すなど懐の深さを見せていた。

築山で草木を育て薬作りをするなど、穏やかに暮らしていたが、信康が戦続きで心に傷を負ったのを見て、自分にできる方法で戦のない世を目指すことを決意。そのために武田勝頼に仕える千代と通じ、人脈を駆使して、安寧の世を作ろうと画策。その理想に賛同した家康、信康や五徳、北条氏真(今川氏真)と糸、お大、武田勝頼の協力もあってうまくいくかと思われたが、勝頼の裏切りで策略が世間にばらされて信長にも知られてしまう。家康は瀬名と信康を死なせまいと画策するが、責任を負い死を覚悟した瀬名と信康は拒否。瀬名は「うさぎは狼よりもずっと強うございます」と家康に安寧の世を作るように言い、それでも泣きじゃくり引き返そうとした家康の目の前で自害した。

瀬名の死は家康を変え、「天下をとる」という決意を抱かせるにいたった。

その後も回想シーンでたびたび登場し、家康の天下とりへの影響を与えた人物として描かれている。


戦国大戦編集

本名である「瀬名」の名義で、今川家の武将として参戦。見出し画像は戦国大戦のカードイラストが元になっている。今川家特有のフェイスペイントは、左頬の花模様。


『私を誰だと思ってるの?』(虎口攻め成功時)や、『ほら、ひざまずいて許しを請いなさい!』(落城勝利時)など、幼い外見に反した傲慢な台詞が特徴(史実でも「傲慢で嫉妬深い女性だった」とか)


スペックはコスト1 武力1/統率3の弓足軽で、特技は「魅力」。能力面だけで考えると戦力としては期待できないが、特筆すべきはその計略である。


持ち計略である「消失の呪い」は、「瀬名の撤退」を条件に、「範囲内に存在する全ての武将に掛かっている計略効果を打ち消す」という強力なイニシャライズ効果。

敵が計略を使用した後から効果をかき消せる唯一の存在で、陣形計略すらも「発信源になっている武将」が範囲に居れば消滅させられる。


ただし、敵の計略の対象にならなくなる織田家の「母衣武者の構え」(金森長近など)「母衣衆の采配」(佐々成政)は消せず、士気の丸損と瀬名が撤退するだけで終わってしまうので、うっかり使ってしまわないように気をつけよう。


計略コンボを狙うのなら、叔父である今川義元の「上洛の幻」の終了時デメリットを「消失の呪い」でなかったことにするのが大筋。


信長の忍びシリーズ編集

https://www.pixiv.net/artworks/94652102#big_0

今川義元の姪。人質に送られてきた元康と結婚した。非常に元康(家康)の事を思う気持ちは強いのだが、あまりに彼のことを思うあまり少しでも家康に近づく女には薙刀で斬りかかるというヤンデレになり果てている。長男・松平信康曰く「徳川家の恥」「母のことを知った貴女を口封じのために殺してしまいたいほどです」らしいが、家康からは「あんな妻でもワシの妻なのだ…」と大事に思われている。


戦国無双編集

瀬名姫

CV:照井春佳

5から「瀬名」名義での参戦。武器は薙刀(羽柴秀吉と共通)。


関連タグ編集

別名:瀬名姫鶴姫築山御前

徳川家康 松平信康

今川義元

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