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概要編集

2021年度NHK大河ドラマ。脚本は過去に連続テレビ小説『風のハルカ』『あさが来た』などを手がけた大森美香。OPテーマを指揮する尾高忠明は渋沢栄一、尾高惇忠の曾孫にあたる。

豪農の息子として生まれ、一橋家の家臣から幕臣、新政府役人や実業家などの数奇な人生を駆け抜けた、明治・大正・昭和三代に渡り活躍した実業家・渋沢栄一を主人公とする。


2021年2月14日放送開始。前作『麒麟がくる』の放送スケジュールの遅延により、シリーズ初の2月スタートになった。前年開催予定だった東京オリンピックによる休止もあったため、話数は41話と少なめ。


主演の吉沢亮は、大河ドラマ主演としては初の平成生まれの俳優である。


表題「青天を衝け」は渋沢自身が詠んだ漢詩の一節「勢衝青天攘臂躋 気穿白雲唾手征」(意:青空をつきさす勢いで肘をまくって登り、白雲をつきぬける気力で手に唾して進む)から取られており、作中でもこの漢詩が実際に取り上げられた。


発表会見において、制作統括の菓子浩は「今の閉塞感が感じられる時代だからこそ、大きな時代のうねりを描きたいと思って、幕末から明治を題材に選んだ」と説明し、さらに大森も「得意とされている時代」だとした上で、「時代が動く変革の時期を描きたいと思った。他の時代も考えたが、早い段階で幕末に絞ってた」とコメントした。

また、菓子は「渋沢は主役候補に挙がっていたが、一万円札の肖像に決まったという発表が後押しになった」と新紙幣の肖像に決定したことも理由の1つであるとしている。


例年より話数が少なかった影響もあってか後半でやや尺不足感があったことを惜しむ声もあるがそれでも評価は比較的高く、平均視聴率も14.1%と前作を僅かに下回ったものの十分に健闘したと言える数字だった。(幕末ものは視聴率が取れないというジンクスの存在を考えると尚更である)


登場人物編集

渋沢栄一

 演:吉沢亮/小林優仁

 主人公。「中の家」の長男

 幼いころから人一倍おしゃべりで剛情っぱり。従兄の尾高惇忠から学問と剣術を教わる。

 一橋に仕官し、武士の身分となってからは渋沢篤太夫と名乗る。

前作の主人公ともども誰に対しても物怖じせずずけずけと物申すことから「二代目マジレス蛮族」とも呼ばれるが、天性の商いへの才と、そこから来る合理性も持ち合わせている。また、愛妻家である一方で出張先で出会った女性と愛人関係になったり、芸者や留学先の女性に鼻の下を伸ばすなど、女性にだらしないところがある。

 岡部の代官や尾高家からの影響で攘夷思想に染まり、嫡男(市太郎)の死で更に暴走して高崎城の乗っ取りや横浜居留地焼き討ちを企てるが、長七郎の説得で断念。自分たちがやろうとしていたことが間違いであったことを悟り、新たな攘夷の道を探るべく、そして親族へ累が及ばないよう喜作と共に京都へ向かう。

 辿り着いた京都で攘夷志士として活動しようとするも、数ヶ月を燻って過ごす(この間に親から渡された資金を浪費したどころか借金まで作っていた)。京に滞在する志士達が口ばかりで行動を起こさないことにも痺れを切らし、倒幕の決起を促す書状を長七郎に宛てるものの、その長七郎が事件を起こし幕府に捕縛されたため、計画の内容が露見してしまう。

 八方塞がりな中で以前栄一と喜作を一橋家にスカウトしていた平岡円四郎からの呼び出しがかかり、彼から改めて仕官を勧められる。喜作と話し合った後に「慶喜に直接対面し、自分たちの意見を建白する」ことを円四郎に頼み、慶喜に建白した後に一橋家の家臣となり、幕府や慶喜の周りを取り巻く現状や世の中の現実を知っていくこととなる。

 一橋家家老並に出世した円四郎の命で喜作と共に関東へと一橋の新たな家臣をスカウトするために京を発ち、四十人の志願者を集めるが、江戸にて恩人である円四郎の死を知り愕然とする。

 その後は再び一橋の兵を集めるため、慶喜から軍制御用掛・歩兵取立御用掛に任命され、関西を周り多くの兵を集めることに成功する。それと同時に、先の天狗党の挙兵と失墜から志だけではなく金銭も重要であることと考え、一橋家の懐を豊かにし、土台を強固なものにすることを慶喜に提案し、彼から勘定方に命じられる。

将軍・家茂の死後、慶喜が徳川宗家を継ぎ次期将軍職を継ぐことに失望したが、彼から徳川昭武つきの直臣としてパリ出張を命じられ快諾する。

 徳川幕府終焉後に帰国した後に、静岡で隠棲する慶喜と再会し、彼の無念の想いを汲み傍で支えることを決意。パリで学んだ民間の資本を集める「合本」の仕組みを試すため、「商法会所」を設立。

 その最中、大隈重信に才能を認められたことから、新政府への出向を命じられる。当初は拒否するつもりだったが、慶喜の後押しもあり新政府入りを決意。その際、名を栄一に戻した。

新政府の中では「改正掛」を立ち上げて改革を推し進め、銀行の設立にも奮闘する。三井組と小野組による合本銀行を指揮するが、高所から物を言い、かつて嫌っていたはずの『お役人』になっている己に嫌気が差し、大蔵省を辞める決意をする。

 大蔵省を辞めた後は自ら「第一国立銀行」を設立、頭取となって日本を豊かにする為に尽力を尽くす。

 第一国立銀行の頭取を辞職した後もインフラや産業の起業を助け、資本家を引退した後も諸国と友好な関係を築くにはまず国民同士の理解が必要であると信じ、「民間外交」としてアメリカをはじめとする海外へ何度も渡り、移民してきた日本人たちへの差別撤廃を訴え続けた。

 財界や政府の協力に応じる一方で戦争へ向かいつつある日本を危惧し、警告を続けた。そのせいで反対する一般市民から襲撃されたり、新聞で非難されたりなど敵を増やしてしまう。

 一方で自身の家庭には無頓着で、千代に内緒で大内くにと関係を持っていたことを隠していたり、千代との死別後に再婚した兼子から一度は離縁を切り出されるなど、家庭人としては合格とは言い難い。また、嫡男である篤二の辛さを理解できずにいたせいで、晩年大きな問題を抱えることになる。

 一度病に倒れて命の危機に至るも慶喜の見舞いや周囲の尽力もあって立ち直り、他の仲間たちが少しずつ減っていく中で彼だけは生き残る。関東大震災時は自身の家も被害を受けるも、その後も老体ながら友に被災者の支援を求めたり、精力的に活動した。

 中国が災害に遭った後はラジオを通して国民へ義援金を募ったが、集まった義援金は満州事変のせいで受け取ってもらえず、栄一もとうとう力尽きて91歳でこの世を去った。


ラストシーンでは血洗島を訪れた敬三の前に青年の頃の姿で現れ、彼に日本の現状を尋ねる。敬三には「恥ずかしくて、とても言えません」と返されるが、栄一は高らかに笑うと「まだまだ励むべ!」と叫び、これまで出会ってきた人々に導かれるように走り出していった。

この描写は作中としての意味は栄一の願いに反して日本が大戦に突入してしまったこと(もしくはその末に敗戦したこと)を踏まえたものと思われるが、それ以上に現代の日本に対するメッセージでもあるのかもしれない。

渋沢家・中の家(なかんち)編集

渋沢市郎右衛門

 演:小林薫

 栄一の父(とっさま)。厳格な頑固親父で見立てや学の浅い栄一を度々説教する。東の家から婿入りして中の家を一代で立て直した実力者で、栄一の商才をよく見抜いている。

栄一が大蔵省に務めることになった際には栄一を「殿様」、千代を「奥様」と呼んでへりくだる姿勢を見せる(史実)。明治3年、栄一夫妻に看取られ「俺は、お前を誇りに思っている」と言葉を残し、永眠。

渋沢ゑい

 演:和久井映見

 栄一の母(かっさま)。栄一たちを愛情深く育てた女性で、お人よしで情け深い。

渋沢なか

 演:村川絵梨/小田菜乃葉

 栄一の姉。一度は婚約が決まるものの先方の「狐憑き」の噂が祟って破談となってしまい、うつ状態に陥ったところを却って狐憑きと噂されてしまう(史実)。修験者事件の解決後に無事に他家に嫁いだ。

渋沢てい

 演:藤野涼子/吉田帆乃華

 栄一の年の離れた妹。

尾高千代→渋沢千代

 演:橋本愛/岩﨑愛子

 惇忠、長七郎の妹。栄一の1歳下の従妹で最初の妻。

無口だが意志の強い働き者で、幼少期から栄一を慕っていた。喜作と栄一の両方から求婚された末に兄の提案の剣術勝負に委ねられるも、咄嗟の栄一への声援で本音を見抜かれたことで栄一との結婚が決まる。

長男(市太郎)を授かるも生後半年で麻疹により夭折、その後長女のうたを授かる。

その後二人の子供を授かるも、明治15年、コレラを発症し、この世を去る。

渋沢市太郎

 栄一と千代の最初の子供。生後半年で当時の流行り病である麻疹に罹患し早世。市太郎の誕生で一度は攘夷思想から離れるも、夭折がきっかけで再びのめり込んでしまう。

渋沢うた(穂積歌子)

演:小野莉奈/11歳:山崎香歩

 栄一と千代の第二子。市太郎を失った後に授かるも、長男同様の夭折を恐れた栄一に遠ざけられてしまう。長七郎の説得で目を覚ましたことで漸く和解。穂積陳重(演:田村健太郎)と結婚する。

渋沢こと

演:池田朱那/7歳:森美理愛

渋沢篤二

演:泉澤祐希/齋藤絢永

 渋沢家嫡男。しかし、行動的な父に比べると内向的で、幼い頃に実の母(千代)を失った心の傷と向き合うことができず、栄一が病に倒れて次の当主として期待された時にはその重みから雨の中「僕も逃げたい」と嘆いた。慶喜との出会いで少し心情の変化が見られたが、結局妻を捨てて芸者の玉蝶とのスキャンダルを起こし、栄一に廃嫡させられた。

 栄一はこのことで国や世の中のために生きようとし過ぎたせいで、息子と向き合えなかったことを後悔していた。

 その後関東大震災で再会したときには抱き合って生存を喜び、ようやく家族の絆を取り戻した。

渋沢敬三

演:笠松将 / 塚尾桜雅

篤二の長男で栄一の孫。

 学者気質で才能もあったが、父の廃嫡を受けて栄一に頭を下げて頼まれ、渋沢家を継ぐことを決意する。岩崎弥太郎の孫登喜子と結婚した後は第一銀行ではなく横浜正金銀行に勤め、ロンドンに赴き、そこで長男の雅英が誕生している。

 最終回は彼の視点で物語が語られており、栄一の死後に開かれた追悼式では、参列した人々へ栄一の言葉を伝えた。ラストシーンでは血洗島を訪れ、農民時代の栄一の姿を見つけ言葉を交わした後、かつての祖父のように青天へ手を掲げたところで物語は幕を閉じる。

伊藤兼子→渋沢兼子

 演:大島優子

 栄一の二番目の妻となる女性。

 「伊勢八」の名で知られた豪商・伊藤八兵衛の娘だが、明治維新後、家業が大損失を出して没落の上、父の死や自身の離縁といった境遇に遭う。路頭に迷う妹たちを女手ひとつで養うため、芸者として身を立てようと平岡の妻・やすが働く置き屋の門を叩く。

 その後、縁談により栄一と再婚。病没した千代を忘れられず、家庭も顧みない栄一に対し一度は離縁を申し出るほどに思い悩む。しかし己の過ちに気付いた栄一の「家族を守りたい」という想いに触れたことで彼と心を通わせ、以後は子供にも恵まれ公私両方の面から夫を支えていく。


大内くに

 演:二村紗和

 夫が戊辰戦争に出たまま行方知れずとなり、戦争未亡人となったことから女中として生計を立てていた女性。大阪造幣局へ出張していた栄一と宴の席で知り合い愛人関係となった末に彼との子を身籠る。

 当初は1人で産もうとしていたものの、千代のはからいで渋沢家に住む事となり、娘であるふみを出産した。母子共に千代や千代の子供たちと良好な関係を結び、穏やかに暮らす。

 千代の病死や栄一の再婚後も渋沢家で暮らしていたが、娘のふみ(文子)が結婚をした事を機に、自らも新しい人生を送るために兼子や歌子たちに見送られながら渋沢家を後にした。

渋沢ふみ(渋沢文子)

演:山本理楽

栄一とくにの長女。後に尾高惇忠の次男である尾高次郎と結婚する。


渋沢家・新屋敷編集

渋沢喜作(成一郎)

 演:高良健吾/石澤柊斗

 「新屋敷」の長男で栄一の2歳上の従兄(父親同士が兄弟)。栄一とはいわゆる幼馴染で生涯の相棒となる。

当初は千代へ縁談を申し込むつもりだったが栄一の反対や惇忠・長七郎によって栄一と剣術の対決をさせられ、試合には勝ったものの千代の心が自分にないと見抜いて身を引く。その後すぐによしと結婚した。

栄一と共に一度は攘夷思想に染まるも長七郎の説得で断念し、栄一と共に京都へ旅立つ。

 焼き討ち計画の内容が幕府に露見し、進退窮まった状態での円四郎からのスカウトにも攘夷志士としての意地から難色を示していたが、栄一の言葉に納得し彼と共に一橋家の家臣となる。当初は慶喜に対して懐疑的であったが、慶喜との直接の対面、円四郎からの言葉を受けて認識を改め、慶喜に興味を抱くようになる。

 一橋家への仕官から正式に武士の身分となったことで名を変えることとなり、円四郎から与えられた渋沢成一郎を名乗る。

 天狗党の乱の際には、慶喜の書状を首領である武田耕雲斎のもとへ渡すために陣へと赴き、その中で困窮し、飢えに苦しむ水戸の兵士を目の当たりにしたこと、そして後日天狗党の幹部や志士達が次々と処刑をされたことを受け、自身が信じていた攘夷の成れの果てと現実を知る。そのことから攘夷思想に見切りをつけ、一橋と慶喜を守るために生きることを決意する。

維新後は名を喜作に戻し、政府で働くが、最終的に生糸商人になる。

 劇中ではわずかな台詞描写のみに留まるが、何度も米相場や株で大損しており、栄一に尻拭いをしてもらっていた。

 父の廃嫡や自身の道に迷う敬三に対し栄一や篤二の適性や弱さを説き、最後は故郷の血洗島にある大木前で栄一と共に昔を懐かしんだ後、お祭りの獅子舞に混ざって踊り、栄一より一足先にこの世を去った。

福田よし→渋沢よし

演:成海璃子

 隣村の福田家の二女で喜作の妻。祭りでみかけた喜作に一目惚れし、縁談を申し込む。千代を巡って敗れた喜作に「惚れ直した」と声をかけてそのまま嫁いだらしく、千代や渋沢・尾高との関係も良好。


尾高家編集

尾高やへ

 演:手塚理美

 栄一の伯母。惇忠、長七郎、千代、平九郎の兄妹の母で市郎右衛門の姉。

尾高惇忠(新五郎)

 演:田辺誠一

 尾高家の長男で栄一の従兄。自宅で私塾を開いて漢学を教えているが、次第に攘夷思想に巻き込まれていく。栄一たちと共に過激な運動に身を投じそうになるが、長七郎の説得で断念。

 水戸で天狗党が挙兵をした際には協力の要請を断るものの、攘夷思想に染まっていたころの活動などから岡部藩から関与を疑われ、平九郎と共に捕縛されるが、証拠不十分として後に解放された。

当初は戦死した弟の平九郎の一件で政府を憎んでいたが栄市の真摯な説得により新政府入りを決意し富岡製糸場の初代場長、第一国立銀行の盛岡支店、仙台支店の支配人を務めた。

 晩年には栄一に連れられて喜作と共に巣鴨の徳川慶喜邸を訪問し、慶喜と初めての対面を果たす。慶喜からこれまで生きて国の為に尽くして来たことへの労いの言葉をかけられ感動で胸を震わせた。この対面から数年後の1901年にこの世を去る。

尾高長七郎

 演:満島真之介/須東煌世

 惇忠の弟で栄一の従兄。剣才に長け、早くから江戸での遊学を許された。その江戸で過激な攘夷思想に染まってしまい、血洗島を攘夷の流れに巻き込んでしまう。坂下門外の変に関与しかけるも惇忠の反対で京都へ逃亡し、坂下門外の変で同志を多く失った上に京都で八月十八日の政変に遭遇。更に兄達の過激な計画を知って死に物狂いで実行を阻止する。

 その後は精神的に不安定な状態となり、栄一から送られた「攘夷を起こす気概のない幕府を倒すため決起せよ」との書状を受け、付き添いの志士と共に京に向かうが、幻覚による錯乱から偶然通りかかった飛脚を斬り殺してしまい、幕府に捕らえられる。

 徳川幕府が終焉を迎え、明治の世になってから釈放されるが、程なくして病死する。


尾高平九郎

 演:岡田健史/高木波瑠

 栄一の従弟で尾高家の末っ子。篤太夫のパリ出張に伴い、彼の見立て養子となる。

 徳川幕府終焉後には彰義隊および振武軍に参加。飯能戦争にて新政府軍からの追っ手による重傷を負い、自刃して果てる。その首は今市宿に晒された上、犬に咥えられ行方知れずとなる。

尾高きせ

 演:手塚真生

 惇忠の妻


渋沢家・東の家(ひがしんち)編集

渋沢宗助

 演:平泉成

 「東の家」の当主。栄一の伯父でやへ・市郎右衛門の兄。

渋沢まさ

 演:朝加真由美

 宗助の妻であり、栄一の伯母。市郎右衛門曰く「根はいい人」だが甥たちの嫁にいちいち一言多い。


徳川家編集

徳川家慶

 演:吉幾三

 江戸幕府第12代将軍。

 当初は「より君主らしい」との評があった徳川斉昭の子・慶喜を嫌っていたが、亡き子の面影があって才知に優れることを気に入り、家祥以上に目をかけ、徳川家の行く末を託して亡くなる。

徳川家祥→家定

 演:渡辺大知

 江戸幕府第13代将軍。旧名・家祥。

 病弱で子ができないであろうことを見透かされ、自分を蔑ろにして一橋慶喜を擁立しようとする老中・阿部正弘、堀田正睦、越前藩主・松平慶永を嫌い、井伊直弼を大老にする。

 死に際して紀州藩主・徳川慶福(後の徳川家茂)を次期将軍にすえることを言い残し、一橋派を罰することを井伊に厳命する。

 作中では芋を使って菓子を作る様子がたびたび見られ、それを指して「芋公方」と影で揶揄されてもいた。

徳川慶福→家茂

 演:磯村勇斗

 江戸幕府第14代将軍。紀州藩主から将軍に迎えられる。

 若年ながら思慮深さを見せ、和宮にも丁重に接する。

篤姫(天璋院)

 演:上白石萌音

 島津の名家の出身で薩摩藩より輿入れした家定の正室。薩摩藩より「慶喜を後継ぎに擁立する」命を受けて嫁いだが、家定との関係は良好だった模様。

和宮

 演:深川麻衣

 孝明天皇の妹宮。将軍・徳川家茂に嫁ぐことを天皇に命じられる。当初は攘夷志士による事件が相次いでいた関東の地に嫁ぐことを嘆いていたが、家茂の真摯な態度に心を動かされる。

歌橋

 演:峯村リエ

 家定の乳母。


小栗忠順

 演:武田真治

 徳川家の勘定奉行。遣米使節として渡米し、帰国後は勘定奉行として幕府の財政や軍備の拡大のために奔走し、フランスとの協力を進言する。

 かつて欧米で見かけた圧倒的な工業力への象徴として、欧米では工作機械による大量製品である「ねじ」を常に懐に入れている。

 昭武の随行として渡欧する直前、勘定役である栄一と短い邂逅を果たし、欧州の工業力や日本の国力増強に関する想いを伝えたあと、「自分が役職にあるうちは昭武一行への送金は絶えさせない」と約束する。

 ちなみに、演者の武田は、翌年NHKスペシャルで放送された『新・幕末史』内の再現ドラマで再び小栗忠順を演じている


水戸藩編集

徳川斉昭

 演:竹中直人

 水戸徳川家第9代藩主。先進的で実行力に富む一方で、気性が激しい人物。カリスマ性故に慕う者が多いが、その過激な言動が原因で敵も多い。喜ぶ際に「快なり!」と大声で叫ぶ癖があり、後に息子である慶喜もある場面で口にする。

 早くから海防に通じ寺から没収した鐘や仏像を使って大砲を作り軍事訓練をするなどしたため、幕府から隠居を命じられていたが、家慶の逝去に際して赦され海防参与に就任、「黒船を打ち払え」との強硬策を主張する。家定の遺命を受けた井伊直弼による安政の大獄で失脚し、永蟄居中に水戸で妻に看取られて死去。この時慶喜はまだ蟄居中であったため、斉昭の死の知らせを聞かされ「蟄居というのは、親の死に目にも会えないものか」と悔し涙をこぼす。

 死後に「烈公」と称されるほどの苛烈な人物であるが、妻や子供たちなど家族に対しては愛情深い。また、水戸藩の金銭面の工面のために影で奔走したり、農民たちに敬意を持つなどの一面もあった。

徳川慶篤

 演:中島歩

 水戸徳川家第10代藩主、慶喜の長兄。斉昭が隠居を命じられたため家督を相続する。隠居をして以降も、老公として君臨する父に振り回される苦労人。安政の大獄の際には登城禁止を命じられた。

 演者の中島氏は慶喜役の草彅氏よりも一回り以上年下である。

徳川昭武

 演:板垣李光人

 水戸徳川家第11代藩主、慶喜の異母弟。斉昭の十八男であり、最後の水戸藩主でもある。

 慶喜に600万ドル借款の締結を命じられ、それがかなわず幕府が倒れたことを見越してヨーロッパ留学を秘かに命じられる。

吉子(登美宮)

 演:原日出子

 徳川斉昭の正室であり、慶喜の母。宮家出身。波乱が続く水戸藩を見守る良き母であり、夫である斉昭とも仲睦まじい。

藤田東湖

 演:渡辺いっけい

 斉昭の腹心。暴走しがちな斉昭を抑えていたが、安政の大地震に巻き込まれて死亡する。斉昭はその死を深く悲しんだ。

武田耕雲斎

 演:津田寛治

藤田東湖と並ぶ斉昭の腹心。東湖の死後、暴走する斉昭や水戸藩士を抑え込めなくなっていく。天狗党の挙兵後、当初は小四郎を説得するために赴くが、逆に小四郎から説得を受け、情に流されるような形で天狗党の大将となってしまう。

 その後、慶喜からの書状を受けて自分達にはもう先がないこと、慶喜を追い詰めてしまったことを悟り、幕府に降ることを選ぶ。降伏後は田沼意尊の意向により鰊蔵で監禁状態とされた末、小四郎らと共に罪人として斬首刑となる。

藤田小四郎

 演:藤原季節

 藤田東湖の息子。父の死後長らく燻っていたが、江戸で栄一に活を入れられ奮起、筑波山にて挙兵し、その軍勢は「天狗党」と呼ばれるようになる。

 そして幕府の追討軍に敗れ斬首される。

 彼や耕雲斎の首は塩漬けにされた上で、水戸で晒し首とされた。


一橋家編集

徳川慶喜

 演:草彅剛/笠松基生

 徳川斉昭の七男・のちの江戸幕府第15代将軍。幼名・七郎麻呂(しちろうまろ)。

 幼い頃から斉昭から水戸徳川の男子としての教育を叩きこまれており、それ故早くに才覚を見出されて将軍候補として一橋家の養子となる。頭の回転の速さと実父からの重圧故に他人に心を開かなかったが、円四郎との出会いで表情も豊かになっていく。また、斉昭に似て頑固で強情な一面もある。斉昭のことは思想としては合わない部分はあったものの、一人の父親としては尊敬し、慕っていた模様。

 安政の大獄で父共々蟄居に追い込まれ、蟄居中に死別。政治への復帰後は父の掲げた攘夷思想を「絵空事」と冷徹に俯瞰しつつ、家茂の後見として京都へ向かう。

 薩摩を始めとする外様大名たちが力をつけ始め、さらに幕府と朝廷との板挟みの状態に苦悩する中で、円四郎を通して栄一と喜作に出会い、彼らを一橋家の家臣とする。

 後日、参与会議を通して薩摩と朝廷の癒着を察知し、中川宮を詰問した上でそれを確信。さらには島津久光・松平春嶽・伊達宗城らを指して「ここにおります三名は天下の大愚物、天下の大悪党にてございます」と糾弾し、参与会議を解散させ、自分が幕府と天皇、それぞれを守る決断をする。また、「一橋の懐」を豊かにするとして財政政策を推進する栄一に惹かれていき、次第に信頼を寄せるようになる。

 参与会議解散後には将軍後見職を辞し、薩摩の朝廷取り込みを阻止するために禁裏後守衛総督に就任するが、その直後に腹心である円四郎を失うこととなる。

 長州藩の攘夷派が兵を挙げて京へと向かった際には自ら幕府軍の指揮を執り、薩摩と共に長州の兵を撃退する。天狗党の乱の際には直接の戦を避けるために幕府へ降ることを伝える書状を成一郎を通して武田耕雲斎に伝え、降伏させることに成功するものの、耕雲斎ら水戸の者達の処遇では慶喜の意志は幕府に聞き入れられず、結果として天狗党の多くの人間が処刑されることとなった。

 長州征討の最中に突如家茂が病死し、栄一の反対を押し切って徳川宗家を継ぎ、15代将軍に就任。だがその後も栄一への信頼は変わらず、彼に弟・昭武の渡仏に同行してフランスからの大借款を成功に導くという任務を任せる。薩摩の動きが不穏になっていく中でも、将軍として次々と幕政改革を打ち出し、近代化に努め、四侯会議の解散や欧米諸国からの信頼回復などの手腕を発揮していく。

 薩摩藩の大久保一蔵が公家の岩倉具視と結託して討幕の密勅を引き出そうとしているのを察すると、先手を打って政権を帝に返上。討幕実行を企てる薩摩藩が江戸の天璋院の屋敷近くで騒擾を起こすなどしたため、これに幕臣・旗本が激怒し、罠であると知りつつも開戦を命ずる。こうして勃発した鳥羽伏見の戦いで旧幕府軍が敗北し、錦旗の御旗が立てられると、やむを得ず単身江戸へ引き返す。この退却を天璋院に責められ、小栗忠順らからも抗戦を主張されるも、新政府への恭順を示して上野の寛永寺に謹慎。

 その後水戸、次いで駿府で謹慎生活を送り、そこでフランスから帰国した栄一と再会を果たす。栄一が新政府から出向を命じられたと知った際には彼の背中を押し、栄一を東京へと向かわせる決意を固めさせた。以後も栄一は度々慶喜と面会し、助言を得たり昔を懐古したりするよき話し相手となる。

 晩年は栄一が倒れたことをきっかけに自身の記録を残す『徳川慶喜公伝』の編纂を許可し、幕末時の苦悩をかつての幕臣たちに伝えた。自分の存在が新たな戦の火種になることを避けるために隠遁生活を送ったことを語り、「隠遁は私の最後の役割だったのかもしれない」とも伝えた。また、この言葉は栄一が実業界からの引退を決意するきっかけともなった。

 伝記の完成が間近となった際には、栄一と互いにこれまで生きてくれた事への感謝の言葉を交わし、「尽未来際(じんみらいさい)、共にいてくれて感謝しておる」と栄一へ告げた。大正2年に77歳で天寿を全う。徳川幕府歴代将軍の中で、最も長く生きた将軍となった。

美賀君→徳川美賀子

 演:川栄李奈

 慶喜の正室。慶喜の本来の婚約者が病にかかったため、その代わりとして嫁いだ。当初は慶喜と徳信院の仲を疑い、自殺未遂を起こすなど不安定な面を見せていたが、以降は慶喜の妻として付かず離れずの距離を持ちながら彼の理解者となっていく。

 長らく慶喜とは離れて暮らしていたが、明治維新後に謹慎を解かれた慶喜と再会し、静岡で共に暮らすようになる。その間に天璋院ら旧幕府側から慶喜に切腹をさせるよう圧力をかけられていたが、それを拒否し、逆に慶喜の子を世に残す決意をする。自身は子に恵まれなかったものの、慶喜と側室との子達を我が子のように育て上げる。

 明治27年に乳がんを患い、治療のために東京に移るが、その甲斐なく死去。

徳信院

 演:美村里江

 徳川慶寿の正室であり、慶喜の養祖母。慶寿とは若くして死別し、嫡男も亡くなった後に慶喜が養子となったため、僅かな年齢差で養祖母となった。その経緯のためか慶喜とは信頼関係を築いている。

平岡円四郎

 演:堤真一

 慶喜の側近。旗本の息子ながらうだつが上がらない日々を送っていたが、慶喜の諍臣を求めていた川路聖謨に見出され、小姓として慶喜に仕えることとなる。当初はお役所勤めを好まなかったが、慶喜に心酔していく。安政の大獄で一度は側近を解任されてしまうが、慶喜の復帰と同時期に江戸に戻る。

 粗野で雑ながらも気風のいい江戸っ子気質であり、「おかしれえ(当時の江戸の庶民が使っていた言葉で、「面白い」と「おかしい」を合わせた造語)」が口癖。川村恵十郎の推挙で栄一と喜作に目を付け、一橋家に仕官するようスカウトする。

 栄一たちを「馬鹿だがただの馬鹿じゃねえ」と評し、強情な二人に呆れながらも栄一と喜作が慶喜に謁見し、一橋家に仕えるための手助けを行う。その一方で一橋に仕官することとなった栄一たちに、現在の幕府や慶喜が置かれている状況を説明し、攘夷思想の古さを指摘した。

 栄一(篤太夫)たちの直接の上司として彼らに様々な仕事を命じ、自身も一橋家家老並に出世するも、その後間もなく暴発した水戸藩士により志半ばで暗殺されてしまう。それを知った慶喜は「円四郎は私の身代わりになった」と深く嘆いた。

平岡やす

 演:木村佳乃

 円四郎の妻。元は吉原の芸子だった。美人だが勝気な性格であり、円四郎も頭が上がらない存在。なんだかんだでお互いに惚れ込んでおり、夫とは現在でもおしどり夫婦である。

中根長十郎

 演:長谷川公彦

川村恵十郎

演:波岡一喜

 無口だが腕の立つ一橋家家臣。酒場で気炎を上げていた栄一たちに陰ながら目を付け、スカウトするよう円四郎に推挙する。

 円四郎が暗殺された際には近くにいたが、自らも顔を斬られる重傷を受け円四郎を助けることは叶わなかった。明治に入ってからは慶喜のいる静岡に身を寄せるが、栄一の立ち上げた商人との合同の事務所への参加を渋る武士側で最初に参加を表明し、算盤の弾き方を栄一に教えるよう請うた。

猪飼勝三郎

 演:遠山俊也

 一橋家側用人。人のいい性格で、一橋に仕官したばかりの栄一らに25両(現在の貨幣価値で約125万ほど)の借金があると知った際には、呆れながらも金を貸してやるなど世話焼きで面倒見がいい。

 かつて慶喜の小姓を勤めていた頃、不注意から慶喜に怪我をさせてしまったが、それを許し不問にしてくれた慶喜の寛大さに感服し、彼に忠誠を尽くす決意をした過去がある。

 その過去に違わず、明治に入っても静岡に逼塞している慶喜の元に残っている。史実では慶喜死去から2年後に病没している。

黒川嘉兵衛

 演:みのすけ

原市之進

 演:尾上寛之

徳川慶喜の重臣であったが、栄一や昭武らがパリへ留学する直前に数名の水戸藩士に襲撃され殺害される。


江戸幕府編集

井伊直弼

 演:岸谷五朗

 彦根藩主。庶子の十四男という生い立ち故に後継ぎとは縁遠い立場におり、藩主の兄の急死で着位したという経歴のため自信を持てない穏健な保守派。南紀派でもあり、かつ自分を軽んじてきた幕臣や慶喜を憎んだ家定によって江戸幕府大老に任命される。

 一橋慶喜を、彼の父でもある水戸藩・徳川斉昭の傀儡と侮っていたが、慶喜と会ったことでそれがまちがいであると気づき、家定の遺命を受けたこともあり、安政の大獄で反対派を苛烈なほどに弾圧、却って桜田門外の変を招いてしまう。

その翌年の雪の降りしきる日に、水戸浪士らの襲撃で命を落とす。

「茶歌ポン」とあだ名される程度に茶道や華道といった文化面に精通していたが、本人はそう呼ばれることに劣等感を抱き、悪夢を見るほどに苛まれていた模様。

阿部正弘

 演:大谷亮平

 老中、一橋家次期当主に徳川斉昭の七男・慶喜を養子にすることを家慶に勧める。

 黒船来航対策に苦慮し、幕閣だけでなく各地の大名から一般庶民にいたるまで建白書を募集、強硬策が多いなか日米和親条約を締結する。

 一橋慶喜に将軍に就任することを説得していたが、急な病に倒れ死去する。

堀田正睦

 演:佐戸井けん太

 老中。阿部正弘亡き後、開国派をまとめ、一橋慶喜擁立の建白書を将軍・徳川家定に提出する。

安藤信正

 演:岩瀬亮

 老中。大老・井伊直弼の死後、幕政を担い、孝明天皇の妹宮・和宮と将軍・徳川家茂の政略結婚(公武合体)を画策、尊王攘夷派に憎悪され坂下門外において6人の浪士に襲われ負傷してしまい、老中職を罷免される。

川路聖謨

 演:平田満

 勘定奉行。老中・阿部正弘の腹心。円四郎を慶喜と引き合わせた。

 開国派の重鎮で、円四郎とも親しい幕臣。安政の大獄で隠居に追い込まれるも円四郎や彼の妻やすと変わらぬ友誼を交わす。円四郎亡き後も未亡人となったやすのことを気遣うが、幕末最終盤では病に倒れ、幕府が倒れたことを聞くと「幕府、万歳(ばんぜい)」と呟き拳銃自殺を遂げた。

永井尚志

 演:中村靖日

 海防掛

酒井忠績

 演:小山力也

 老中

※酒井忠績は元治2年(慶応元年、1865年)に大老に就任、『江戸幕府最後の大老』となった。

田沼意尊

 演:田中義央

 天狗党征討総督。各地で敗れ、京に逃れようとした天狗党を捕らえた後、慶喜や朝廷からの言葉を無視する形で、天狗党の人間たちを悉く斬首刑とする。

※田沼意尊は江戸時代中期の老中・田沼意次の曾孫。

栗本鋤雲

 演:池内大作

 勘定奉行。小栗の盟友。600万ドル借款締結のためパリに派遣される。

 パリで欧米人と同じ様式になるよう伝えられた際には真っ先に洋装に身を包むなど結構ノリノリだったが、幕臣としての誇りは帰国まで保ち続けた。

 明治に入ってからの消息はしばらく不明だったが、蚕卵紙の一件で新聞記者になっていたことが語られ、栄一たちの蚕卵紙焼き払いの一部始終を世間に大きく広める役割を担った。

杉浦愛蔵(譲)

 演:志尊淳

 昭武の随行員の1人。栄一の噂を聞いてたらしく、横浜で初めて会ったときも真っ先に栄一に声をかけた。昭武随行員として渡欧するも、栄一たちに先駆け帰国。その際には栄一の家族への手紙を託されるなど特に親交を深めていた。

 明治に入ってからは一時は徳川宗家のある静岡県に身を寄せるが、政府に出向することを告げた栄一に「見せてやれ!幕臣の意地を!!」と背中を押した。その後、栄一に招かれる形で政府に加わり、郵便制度の設置などで辣腕を振るう。史実では西南戦争の勃発した1877年に若くして病死しているが、本作では触れられずにフェードアウトする形となった。

高松凌雲

 演:細田善彦

 昭武の随行員の1人の医師。栄一と同じく低い身分から幕府お抱えの者として取り上げられた過去を持つ。パリで見かけた廃兵院(傷痍軍人などを収容する医療福祉機関)に感銘を受ける。

 栄一たちに先駆け帰国後、戊辰戦争では佐幕派として各地を転戦。函館では喜作(成一郎)と面識を持つ。その際には、負傷者であるなら敵味方分け隔てなく医療行為を行なっていたことが語られた。

大久保一翁

 演:木場勝巳


福井藩編集

松平慶永(春嶽)

 演:要潤

 越前藩主で一橋派。才あるものを好む気質故に家定を露骨に嫌い、慶喜の擁立を目論むも、その家定の遺命に縛られた井伊直弼の安政の大獄の中で蟄居に追い込まれた上に腹心の左内を失ってしまう。

 島津久光の運動により幕政に復帰、一橋慶喜を利用しようともくろむ。

橋本左内

 演:小池徹平

 福井藩士。藩医から慶永の側近となる。円四郎とも親しく付き合い、慶喜擁立の建白書に参加するも、安政の大獄で処刑されてしまう。


薩摩藩編集

島津斉彬

 演:新納慎也

 一橋慶喜擁立に動く。

 演者の新納慎也氏は島津一門の武将・新納忠元庶流の末裔。

島津久光

 演:池田成志

 斉彬の弟で兄の死後に島津藩主に息子を就任させ、藩の実権を握る。

 その後、幕府に影響力を増すことを目論んで一橋慶喜を復帰させるよう働きかける。

維新後はストレスのためか、顔の筋肉が若干ピクピクと震えている様子を見せた。

西郷隆盛

 演:博多華丸

 薩摩藩士。禁門の変では薩摩軍を率いて会津軍、一橋軍とともに長州軍を撃退する。

 一見人当たりはいいが頭が切れ、相手に腹の内を見せない策略家の面を持つ。

 平岡円四郎を高く評価していたが、先が見えすぎるが故の危険性も指摘し、視聴者からは平岡に死亡フラグを付けたとSNSで話題になる。

戊辰戦争では「戦をしたくないというなら、戦をする気にさせればいい」という意味の発言をし、御用盗を用いて幕府に挙兵させる。

維新後は陸軍大将に就任するも、後に政府を離脱。西南戦争を起こして敗死。

大久保利通

 演:石丸幹二

 薩摩藩士。薩摩藩の実権を握る国父・久光の側近として、公武合体を実現するために上京。同郷である西郷や五代とは昔馴染みであり、特に五代とは談笑しながら囲碁の対局をしたり、五代からのアドバイスを素直に受け入れるほど親しい。

 明治新政府では大蔵卿に就任するが、部下となった栄一とは近代化を巡って、立場や考えの違いから対立する。外国人の蚕卵紙の買い付けを拒否した問題を受け、五代の助言もあり栄一へ解決するよう依頼し、栄一もこれを快諾した。

後に紀尾井坂の変で落命したことが、岩崎弥太郎の弟の弥之助の口から語られた。

五代才助→友厚

 演:ディーン・フジオカ

 薩摩藩士。同局の朝ドラでの演者が再び登板したことが話題となった。

 藩命によりイギリスからベルギーに留学、薩長同盟締結のため武器調達に動く。

 栄一ら昭武一行が欧州遊学に向かった際には彼らのもう一つの目的である借款の阻止のため暗躍。才能を欧州の商人たちに高く飼われていたこともあり、見事借款の阻止に成功。

 帰国後、江戸(東京)の市場で偶然栄一と邂逅し良い品の見分け方を教わるなど立ち話をした。

 栄一が東京に出てきてからは、大阪を中心に手広く商売を扱っていることが度々描写されている。また、短気ゆえ敵をつくりがちな大隈に敢えて換言する手紙を送ったり、厳格すぎるゆえ他人に心を開かない大久保に率直に意見を述べるなど、相手が政府関係者でも物怖じしない言動も目立つ。大久保とは同郷のためか縁が深く、本来の人柄を隠して厳しい態度で政府での職務に務める姿を危惧し、彼が紀尾井坂の変で暗殺された際には、静かにその死を悼んだ。

 紀行でも「東の栄一、西の五代」と語られるライバルともいうべき存在だが、栄一自身は借款の一件の文句を言おうとしたこともあったが五代の才能は認めている。五代の方も栄一の才能を高く評価しており、栄一が「商法会所」を開いたと聞いたときは「してやられた!」と先を越されたことを悔しがると同時に、「さすが渋沢くんじゃ!」と評価していた。

 栄一が岩崎弥太郎の三菱に対抗して共同運輸を設立した時には、採算を度外視した三菱との競争が多大な損失を生んでいることを危惧。勝ちに固執する栄一にもっと大きな目で日本を見るよう厳しく言い放つ。その最中だった1885年2月に弥太郎が亡くなり、弥太郎の弟・弥之助が三菱の社長となった後、再び共同と三菱を説得し、両者の合併を実現させる。この時既に重度の糖尿病から死期が近くなっており、栄一に「商いで日本が変わるところをこの目で見たかった」「日本を頼む」と告げて別れ、その年の秋に死去。

折田要蔵

 演:徳井優

 薩摩藩・摂海防禦御台場築造御用掛。

 役職を鼻にかける俗物と見なされながらも、篤太夫が作った方言解説書に素直に礼を言ったり、他藩のものにもわけへだてなく知識を教える懐の深さもあることから他藩のものに慕われる不思議な人物。

 篤太夫も彼から地図や書物を書き写すよう命じられたことにより、尊皇攘夷論がもはや時代遅れであることを知らされる。

新納刑部

演:藤井宏之

 薩摩藩士。島津氏庶流・新納忠元の末裔。

 五代才助とともにイギリスからベルギーに留学。藩のためにカンパニー設立を画策する。


長州藩編集

井上聞多(馨)

演:福士誠治

長州藩の尊王攘夷派のひとり。伊藤俊輔らとロンドンに渡り、開国派に転じた。下関戦争で長州が敗戦すると、伊藤とともに英国公使との調停にあたる。維新後は大蔵省に入り、その右腕となったのが栄一。気性の荒い井上と馬が合った栄一とのコンビは「雷親父と避雷針」と呼ばれるほどだった。

伊藤博文

演:山崎育三郎

長州藩士族。イギリス公使館焼き打ち事件を起こした攘夷派の志士であったが、井上聞多とともにロンドンに留学してから一転、開国論者になる。維新後は新政府に出仕し、大蔵少輔として栄一の上司に。主に貨幣制度の改革に注力した。やがて初代内閣総理大臣に出世する。

SNSでは中の人と相まって、歌がうまそうともてはやされる。


朝廷編集

孝明天皇

 演:尾上右近

 時の天皇。国内が攘夷と開国に揺れる中、公武合体策として妹の和宮を家茂に嫁がせる。

岩倉具視

 演:山内圭哉

和宮降嫁の件で京の岩倉村に蟄居していた。後に朝廷への復帰を許される。

 復帰後朝廷側から新政府軍の支援を行い、明治政府でも活躍するが、なかなか愉快な性格をしており、本人は真面目でも水を差されたり取り乱したりなど初登場から最期までコントのような演出が目立ち、視聴者を爆笑させた。

中川宮

 演:奥田洋平

三条実美

 演:金井勇太

 公家の中でも特に急進的な攘夷論の持ち主で、即時攘夷を求めて慶喜に「無茶苦茶だ」と嘆息される。八月十八日の政変で失脚。

正親町三条実愛

 演:置鮎龍太郎

 反幕府派公卿。薩摩藩とつながりをもち慶喜と対立する。


岡部藩編集

利根吉春

 演:酒向芳

 血洗島村を治めている岡部藩の代官。藩を支える御両金を渋沢家ほか豪農に頼り切りながらとかく態度が横柄で、十代の栄一に幕藩体制への疑問を抱かせた最初の人物。


三菱

岩崎弥太郎

 演:中村芝翫(8代目)

 土佐藩出身の財閥・三菱創始者。

 栄一のことも会う前から一目置いている切れ者だが、経営に周囲との協力を考えている栄一とは逆にトップの指示で動く経営を考えている。

宴の席で理想を同じとすることから栄一と意気投合するものの、考え方の違いから決裂する。

 その後、三菱の海運独占に対抗すべく栄一らが東京風帆船会社を発足すると、社員らを使って栄一のあらぬ風聞を流し、事業を頓挫に追い込む。明治十四年の政変で大隈が追放された後に政府の支援を受けた栄一らが新たに共同運輸会社を設立すると、両社は採算を度外視した熾烈な値下げ合戦を展開するが、その最中に病に倒れる。病床で弥之助に後を託し、日本の繁栄を願いながら死去。その死の報せに栄一も大きなショックを受けていた。

岩崎弥之助

 演:忍成修吾

 弥太郎の年の離れた弟。兄の死後に三菱商会を引き継ぐ。

 五代の仲介で行われた共同運輸との対話の場で、三菱・共同共に限界が来ていること、このまま共同が潰れ三菱が勝っても、満身創痍の状態で外国に吸収されることを受け入れ、苦渋の決断の末共同運輸との合併を了承(因みにこの時、五代から「あとどれぐらい持つ?」と訊かれ、三菱は1年、共同は100日と返答した)。二年半に及ぶ激しい競争を収束させる。


その他編集

高島秋帆

 演:玉木宏

 洋式砲術家

 長崎で生まれ、出島のオランダ人からオランダ語や洋式砲術を学ぶ。

 長崎会所の運営問題で捕縛され、岡部藩の牢へ移される時に栄一と知り合う。

 数年後に幕府の一大事の為要人として釈放され、栄一と再会した時には感謝と激励の言葉を送った。

 黒船来航に関して、国を開いて交易し利益を得るべきとの建白書を提出する。

大橋訥庵

 演:山崎銀之丞

 過激な尊王攘夷派として名をはせ、開国派の井伊直弼や安藤信正を憎悪、門弟たちと開国派や異国人の襲撃を目論む。

伊達宗城

 演:菅原大吉

 宇和島藩主

山内容堂

 演:水上竜士

 土佐藩主

黒田長溥(くろだながひろ)

 福岡藩主。黒船来航に関して、「黒船を打ち払え」との強硬策が多いなか、国を開いて交易することで利益を得るべきとの建白書を提出する。

松平容保

 演:小日向星一

 会津藩主で京都守護職。

松平定敬

 演:小日向春平

 桑名藩主。容保の弟。

なお高須兄弟を実際の兄弟が演じるのは今作が初めて。因みに演者の父親は小日向文世氏である。

土方歳三

 演:町田啓太

 新選組副長。

 栄一とは不穏分子の下へ詰問のために向かう際の護衛として出会い、不穏分子に襲われた栄一の一歩も引かない立ち振る舞いに感銘を受ける。出身が共に武蔵国(栄一は現在の埼玉県深谷市出身、土方は東京都日野市出身)であることから親近感を抱く。なお、栄一から「故郷ではどんなものを作ってるんだ?」と聞かれた際には「忘れた」と言った。

 その後、同じ「渋沢」の苗字を持つ成一郎(喜作)と出会い「もう1人の渋沢」と呼ぶようになる。戊辰戦争では佐幕派として各地を転戦、死場所を求める成一郎に生き残るよう伝え、自らは敵陣に突入して果てた。

 最終回にて孫たちが渋沢の前で土方歳三の物語を読んでいた時には彼のことを「友」と呼んでかつて共闘した時のことを懐かしんだ。

三野村利左衛門

 演:イッセー尾形

 豪商・三井の番頭。

 欧州から帰国した栄一と偶然出会ったことをきっかけに、何度も顔を合わせることとなる江戸時代・明治時代を通しての「商人」を象徴する人物。

 当時江戸(東京)を牛耳っていた小野組と並んで新政府側に資金を提供した功績で政府の御用金取り扱いを許されていることをいいことに、経済改革を進める栄一の前に立ちはだかる。その後も一度は政府を離れた栄一の三井入社を勧めたが、栄一を「商売敵」と見做すと宣言。演者であるイッセー尾形氏の怪演もあって、明治編前半の印象深い敵役となった。

 一見すると腰の低い好々爺のように見えるが、その実は三井組の利益を確実に懐に収める抜け目のない商人。栄一を取り込もうとした際には、栄一の家族へ接近するなど周りから攻略する策士でもある。この策によって、栄一の子供たちにはめちゃくちゃ好かれているが、三野村自身も子供好きな一面があり、晩年渋沢との対立関係が解消した後も子供と遊んでいた。

 彼もまた貧しい出自であり、自分では字が書けないことを度々口にしている。栄一との最後の戦いとも言える第一国立銀行の倒産危機の後、三井組に入ったのは当時の勘定奉行である小栗に商才を見出されたことがきっかけであることが語られ、同じく小栗と縁を持つ栄一と小栗を懐かしんだあと、拝金主義へと向かいつつある世の中への警告を栄一へ告げた。

福地源一郎

 演:犬飼貴丈

東京日日新聞(現在の毎日新聞)記者。

小野善右衛門

 演:小倉久寛

大隈重信

 演:大倉孝二

新政府の政治家の一人。栄一の才能を認めて新政府への出向を命じる。

国のためを思って行動する人物ではあるが、「~で、あーる!」という尊大な態度や、頑固なところがある。それもあって栄一とはどこかそりが合わないが、お互いの能力は認めており、新しい日本のために利用しあう関係となる。

 終盤渋沢と同世代に活躍した人々は次々と病や暗殺で亡くなっていくが、彼だけは最終回まで生存していた。その時には栄一と「アメリカと戦争をするべきではない」という意見は合致しており、久しぶりに両者は笑顔を見せた。

 栄一がその後アメリカで民間外交を行っている間に病死。

大隈綾子

 演:朝倉あき

大隈重信夫人。

前島密

 演:三浦誠己

玉乃世履

 演:高木渉

益田孝

 演:安井順平

徳川家康

 演:北大路欣也

 徳川家初代将軍。既に故人だが、物語の案内人として視聴者へ語りかける。通称Youtuber家康(下記参照)。


海外編集

マシュー・ペリー

 演:モーリー・ロバートソン

 米国海軍軍人。黒船を率いて捕鯨の補給基地としての開国を求め、日米和親条約を締結する。

余談だが、中の人は日本語に堪能なことで有名。


アーネスト・サトウ


モンブラン伯爵

五代友厚と協力し、パリ万国博覧会で薩摩が幕府から独立して展示を行うように働きかけた人物。栄一は渡仏する際に福地源一郎から「モンブランというフランス人に気をつけろ」と忠告を受けていた。


パークス


ユリシーズ・S・グラント

元アメリカ大統領。引退後夫人を連れて世界中を旅行しており、日本でも国賓としてもてなされた。


余談編集

話題編集

  • キャスティング

発表から放送開始までの期間で特に話題となったのは徳川慶喜役の草彅剛だった。

草彅はこれまでドラマ出演する時は殆どが主演であったことや、SMAP解散以降は(ブラタモリでナレーションの出演があったとはいえ)テレビドラマ出演の機会が激減していたため、このキャスティングには驚きの声が上がった。

他には五代友厚役に連続テレビ小説『あさが来た』で同役を演じたディーン・フジオカが抜擢されたり、高須兄弟に実の兄弟がキャスティングされたことも話題となっている。

第14話、ベテラン声優・小山力也が幕府老中・酒井忠績役で出演、このキャスティングもサプライズとなった。

そして第19話でも、同じく声優の置鮎龍太郎が公家の正親町三条実愛役で出演。

  • 徳川慶喜

物語上の主人公は渋沢栄一であるが、徳川慶喜も事実上裏主人公と呼ぶに相応しい活躍を見せていた。歴代の大河では(過去の大河『徳川慶喜』でさえ)江戸幕府の無血開城以降フェードアウトしていくことの多い慶喜だが、本作では隠居生活、そして渋沢栄一の終盤における一大プロジェクトとして現代に残る『徳川慶喜公伝』の編纂に協力するなど天寿を全うするまでを丁寧に描かれている。それもあってかニュースサイトで行われた印象に残った登場人物アンケートでは1位に輝いており、「草彅演じる慶喜がいたから視聴を続けた」という声は多い。


記念すべき第一話の冒頭、語り部として登場したのは幕末の偉人でも明治時代の政治家でもなく、前作でも重要な役割を担っていたあの徳川家康で、視聴者を驚かせた。故人の為か映像効果など現代的な凝った演出も使いながら歴史の紹介をしており、ネットでは「Youtuber家康」などと言われる。

また、演じる北大路欣也は過去の大河ドラマでも徳川家康を演じており、本作を合わせると昭和(映画『徳川家康』)・平成(『戦国最後の勝利者 徳川家康』・『江~姫たちの戦国~』)・令和(本作)三つの時代で徳川家康を演じたことになる。


  • 徳川斉昭

また、徳川慶喜の父・斉昭を演じた竹中直人と言えば大河ファンからは大河ドラマ「秀吉」の主人公・豊臣秀吉役で有名だが、第一話の公開演習で見せた鎧姿が「そのまんま太閤(秀吉)殿下」とSNSで話題となり、Twitterでは有名な石田三成を名乗るアカウントも(上記の家康と共に)取り上げていた。

と、このように半ば秀吉扱いされて違和感を感じるとまで言われる斉昭だが、一方で徳川斉昭の肖像画と竹中直人が似ているのでベストマッチだという声も少なからず存在する。

第18回では栄一(篤太夫)が亡き斉風昭を「雷神みたいな人」と表現して慶喜が大爆笑するシーンがあったが、視聴者の中には演じた竹中直人の過去作品から雷神っぽい姿を探す動きがみられた。

  • 水戸の御老公

失脚し、幕府に逼塞を命じられた水戸藩前藩主・徳川斉昭のことを指すが、第三話で第12代将軍・徳川家慶の病気をきっかけに老中首座・安部正弘の働きかけにより復権、幕政に復帰したことを喜んだ藤田東湖ともども斉昭のことを「(水戸の)御老公」と呼んだことがT○Sで放送されていた『水戸黄門』を連想させるとSNS上で話題となった。

  • 木綿のハンカチーフ

第二十四話、パリ出張中に洋装した篤太夫から贈られた写真に失望する千代からの「昔の猛々しいあなたに戻って」との書状に、SNS上に入ったツッコミ。千代の中の人(橋本愛)は「木綿のハンカチーフ」をカバーしている・・らしい・・。

  • リモート廃藩置県

第三十回、明治政府の現代に繋がる一大改革「廃藩置県」が行われたが、このシーンではポンという時代劇らしからぬ効果音と共に突然画面が分割されて各藩主が従う姿が映された。その様子がまるで現代のリモートワークのようであったため、リモート廃藩置県オンライン廃藩置県などと呼ばれた。

岩倉具視は困難と思われた土地制度の改革がスムーズに行われたことにうろたえていたが、「うろたえたのはこんな演出を見た視聴者の方だろ」とツッコまれた。

また、このシーンの前には語り部の徳川家康がタブレットを使っており、後でデジタル風の演出を行う為の伏線だったのではという声もある。

  • マスク

第四十一回(最終回)では医師の北里柴三郎と面会するシーンがあり、柴三郎が感染症を予防するためにはマスクが一番と実物を付けて力説した。この時代もスペイン風邪の流行で、予防のためマスクが一般に普及しており、現代でもこの時代以上に感染症が世界規模の問題となっていることを受けて作られたシーンだと推測されている。

なお、北里柴三郎は渋沢栄一と同じく2024年度から新しい紙幣に描かれる人物である。

  • 渋沢雅英氏出演

最終回には渋沢敬三の長男、渋沢雅英氏が誕生している。同氏は今も存命の人物で、過去には公益財団法人渋沢栄一記念財団の理事長を務めていた。本編終了後の歴史紀行コーナーは雅英氏インタビューで締めくくられている。


  • 演者ネタ
    • 武田真治演じる小栗忠順は株式会社の設立や幕府軍の近代化といった政治面で活躍した人物なのだが、演者はNHKではみんなで筋肉体操にも出演していたせいか「諸問題を筋肉で解決しそうな勘定奉行」とネタにされた。
    • 第1話のエキストラの中に漫画家・にわのまことが参加しており、『徳川斉昭の右手に座る藤田東湖役の吹き替え』『葵の家紋の「旗持ち」の足軽』をしたことを公表した。⇒公式ブログ
    • 第17回の禁門の変で長州軍の兵士が幕府軍の盾を跳び蹴りで倒し「ライダーキック」と言われた。兵士の演者は元JAE所属だった横田遼氏。
    • 第21回では「新旧一万円札の顔」渋沢栄一と福沢諭吉が対面した。ばかりか吉沢亮、志尊淳犬飼貴丈といったニチアサヒーロー経験者3人が同じ画面で共演するという事態が発生した。
    • 第23回放送日には慶喜を演じる草彅剛が自身のYoutuberチャンネルにて徳川慶喜にまつわるクイズに挑戦。役を演じるにあたって受け取った資料や劇中のやり取りをヒントに次々正解していくのだが…
    • 9月13日放送の『ワルイコあつまれ』のコーナー「慎吾ママの部屋」に徳川慶喜(演:草彅剛)が登場、慎吾ママとトークをくりひろげる。
    • 『あさが来た』以来6年ぶりに五代友厚を演じることになったディーン・フジオカはインタビューで「『あさが来た』とは全く違う五代像となる」と答えている通り、「青天」の五代は終始薩摩弁なのに対し、『あさが来た』では維新後ネイティブ英語交じりの標準語で話していた。それでも根本的な五代としての国と企業への取り組み方等芯の部分は両作ともよく似ており、最期となる第37回では『あさが来た』の第17週を思い浮かべた視聴者も多かった。
    • 第41回(最終回)の震災の後、栄一が各知人へ支援を求めるために手紙で連絡を取り合うシーンで、東京市(当時)の永田秀次郎市長だけ名前を思い出すのに時間がかかるという場面があるが、実はこの永田市長は本作で三野村利左衛門を演じたイッセー尾形が『いだてん』で演じていた人物で、どこか掴めない性格も似ている。そのため視聴者からは「利左衛門と似ていたから思い出すのに時間がかかってしまったのでは」と考察された。
    • 渋沢敬三を演じた笠松将は、最終回放送の翌日に放送された『岸辺露伴は動かない』にも出演しているが、そこでは怪異に取りつかれ、徐々に狂気に染まっていく男性という実直な性格の敬三とは対照的なキャラを演じており、そのギャップが一部で話題となった。
    • 物語の終盤に差し掛かかった12月にはSMAP解散以降も草彅と共に活動する香取慎吾山本五十六役で主演を演じる『倫敦ノ山本五十六』が発表され、時代の近さもあって「戦争を回避するために抗った悲劇の人」という共通点を指摘する声も見かけられた。また、この物語では青天で喜作を演じた高良健吾が物語の語り部となる富岡定俊役で出演したが、戦後の姿が短髪でひげを蓄えた紳士服と、喜作と非常によく似た姿ということで話題となった。他には本作でペリー提督を演じたモーリー・ロバートソンも出演。番組終了直後のCMでは『ワルイコあつまれ』の告知で草彅も登場している。


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大河ドラマ 江戸時代 幕末 明治 こんばんは、徳川家康です


麒麟がくる→青天を衝け→ 鎌倉殿の13人



ジュラシック・ワールド…2015年から公開している映画シリーズ。特に接点はないが、どちらも平和への思いを重視した作品であるという共通点がある。また、作中ではオマージュのようなシーンがあるとの声もある。また放送から翌年の新たなる支配者などでは作中キャラが視聴者に挨拶するところも同じ。

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