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正式タイトルは「いだてん~東京オリムピック噺~」だが、
pixivでは「いだてん」タグを使って作品が投稿される事が多い。
またファンアートタグである「絵だてん」が用いられる事もある。
概要
2019年に放送されたNHKの大河ドラマで、1986年放送「いのち」以来33年ぶりに近現代を舞台にした作品。
初の4K制作大河ドラマ。
2020年東京オリンピックの開催を記念し、前半は「日本マラソンの父」と呼ばれる金栗四三を主人公に、日本が初めて五輪に参加した1912年のストックホルム五輪を中心に、日本体育会の黎明期の様子が描かれる。関東大震災をターニングポイントとして物語は後半に突入し、今度は田畑政治を主人公に、日本がどうやって1964年の東京オリンピックを招致したかが描かれる。
脚本には宮藤官九郎を起用。主演の金栗は中村勘九郎、田畑は阿部サダヲが演じ、また語り部兼狂言回しとして落語家・古今亭志ん生も登場し、ビートたけしが演じている(なお本作は古今亭志ん生の創作落語という設定のため、たけしの役割は"語り"ではなく"噺"とクレジットされている)。また、金栗の故郷・熊本ことば指導で前年に亡くなった俳優の志水正義も参加している。
ちなみにサブタイトルは、小説、絵画、演劇、映画、音楽(クラシックや歌)などのタイトルから取っている。
例:「夜明け前」(第1話)、「真夏の夜の夢」(第10話)、「新世界」(第14話)、「ヴィーナスの誕生」(第22話)、「時代は変わる」(第25話)、「トップ・オブ・ザ・ワールド」(第31話)
近現代を舞台としていることもあり、これまでの大河ドラマにはない実験的かつ革新的な試みが多数なされている(たとえば、演出もそれまでの歴代大河とは全く違い、アニメーションやCGは勿論メタフィクションから実況中継まで何でもありのクドカン仕様全開となっている)。比較的新しい時代を取り扱っていることや、これまでの大河ドラマと比べるとかなり明るめの作風であることもあり、作品のノリとしては朝の連続テレビ小説に近いものがあるという指摘もある(もちろん、軍部によるクーデターや、太平洋戦争の描写など、これまでの大河ドラマに負けず劣らずの極めてシリアスなエピソードもある)。
ただ、歴史的に知名度が高くない人物を主人公に据えたことや、比較的現代に近い時代を舞台としたこと、当時東京オリンピック特集ばかりで食傷気味だったことなどから、放送開始前から大河ドラマファンからの注目度は高いとは言えなかった。視聴率も初回から15.5%と躓いてしまった上、第6回で早々に10%台を切ってしまい、以降一度も10%台に返り咲いていない。後半の田畑編に至っては概ね6~9%台で推移する等低迷が続いている(第32回で遂に歴代大河ドラマワーストとなる5.0%を記録してしまっている)。
その一方で、情報密度の高い描写や、徹底的な取材や調査を基に繰り広げられる物語(フィクションとししか思えない描写が実は史実だったというパターンが、この作品では頻繁に存在にする)、ひと癖もふた癖もある個性豊かな登場人物達などが視聴者の間で話題を呼んでおり、それに引き込まれていったというファンも少なくない。
前述のように、大河ドラマとしては異色尽くめの作品ながらも、時代の流れに翻弄されながら変化していくスポーツの在り方・そして現代にも通じる様々な問題や課題の提起などが高く評価され、2019年度ギャラクシー賞月間賞を受賞。
また、脚本を手掛けた宮藤官九郎も本作品における挑戦的な作風を「テレビドラマの作風を広げた」と評価され、第12回伊丹十三賞を受賞した。
登場人物
主人公
演:中村勘九郎
前半第一部「金栗四三編」の主人公。
「日本で初めてオリンピックに参加した男」。
人びとから走りの神様である「韋駄天」と呼ばれる。
ストックホルム五輪で「日本人初のオリンピック選手」となる。
ベルリン五輪の中止を経て、アントワープ五輪及びパリ五輪に出場。
箱根駅伝の創始、「日本の女子体育スポーツ」の発展、そして「日本のマラソンの普及」に貢献する。
弟子である「小松勝」を戦争で喪いながら、「いだてん」として激動の時代を駆け抜ける。
演:阿部サダヲ
後半第二部「田畑政治編」の主人公。
「日本にオリンピックを呼んだ男」。
愛称「まーちゃん」渾名は「河童のまーちゃん」。
幼い頃から水泳に慣れ親しんできたが、病により続けられなくなってしまい朝日新聞政治部記者と両立しながら「水泳指導者」となる。
頭の回転が口が追い付かないほど速く、尚且つ超せっかちで超毒舌で超失礼。
そのため敵も多いが、何故か多くの人を惹きつける。
ロサンゼルス五輪、ベルリン五輪、そして第二次世界大戦、「幻の東京オリンピック」。
激動の時代の荒波を乗り越え、日本にオリンピックを呼ぶために奮闘していく。
前半 第一部 金栗四三編
:1912年ストックホルム大会
:女子スポーツ黎明編
:関東大震災編
熊本の人々
金栗実次 演:中村獅童
四三の兄。病弱な父に代わり子供のころから金栗家を支えてきた。父の死後軍人になる夢をあきらめ、進学を躊躇う四三を全力でサポートするが、競技マラソンにのめり込むことは猛反対している。しかし四三が世界記録を打ち出したことが新聞に載ると考えを改め四三を一家の誇りと思い彼の夢を応援する。オリンピックの渡航費の無心を頼む四三のため富豪の池部家へ嫁ぐスヤを頼り渡航費を持参して上京した。
遠縁でもある池部家へ借金と縁談、スポンサーの確保などを餌に四三を強引に養子に出したはいいものの、四三が帰郷しないことを幾江から「ペテン」と詰られる羽目に。
昭和5年(1930年)、嘉納のもとに挨拶に赴いた直後、急性肺炎により死去、四三が熊本に帰るきっかけとなる。
金栗信彦 演:田口トモロヲ
四三の父。病弱で床で臥せっていることが多かったため先祖代々営んでいた酒蔵を廃業することになる。息子四三の体の弱さを心配した信彦は、当時第五高等学校にいた嘉納治五郎に息子を抱っこしてもらうことで健康にあやかろうと考えるが・・・
金栗シエ 演:宮崎美子
四三の母。みずから畑仕事に汗を流す、たくましく包容力のある女性。読み書きが出来ないために彼女の手紙は実次が代筆している。
金栗スマ 演:大方斐紗子
四三の祖母。
四三の幼馴染。医者の娘で女学校に通い自転車を乗りこなす、村一番のハイカラお嬢様。
四三を少なからず想っていたが卒業後は地元の富豪・池部家へ嫁ぐ。ストックホルム五輪後に前夫の重行を病で失い、実次や幾江の意向もあり養子に入った四三と再婚(そのため四三の実際の本名は池部四三となっている)。東京と熊本を行き来しながら四三を支え、四三が熊本帰郷以降も夫にある程度の理解を示している。なお、四三との間には最終的に6人もの子宝に恵まれた。
なお綾瀬はるかは「自転車で並走しながら汽車の四三を見送るシーン」をスタントなしの一発撮影で成功させた。
春野先生 演:佐戸井けん太
スヤの父親。四三の父・信彦の最期をみとった医師でもある。
池部幾江 演:大竹しのぶ
米の買取と出荷を商う池部家の女主人。嫁のスヤを気に入り、重行の死後に春野家に戻っていたスヤに四三との縁談を薦める。
後継ぎとして養子に迎えた四三が東京から戻らず、スヤも東京と熊本を往復する生活となって「話が違う」と事あるごとに実次に怒鳴り込むのがお約束。
池部重行 演:高橋洋
幾江の息子で池部家の後継ぎ。スヤの最初の夫だが体が弱く、ストックホルム大会からほどなくして死去。
長らくその存在は知られておらず、ドラマ化するにあたり池部家の墓石を調べて初めて判明した。
四三の幼馴染で玉名中学の同級生。夏目漱石に憧れて四三と共に東京高等師範へ進学するが、少しづつ心の距離が開いていく。
ストックホルムから帰国以降消息不明だったが、高師を中退してから小梅のヒモと化していたらしく、三角関係で揉めた末に播磨屋の二階へ逃げてくる。後にその小梅にも見限られた模様で、路地裏で女性のいかがわしい写真を売りさばく等の怪しげな商売で生計を立てていた(彼の売っていた写真の中に金栗の教え子:村田富江のものがあったため、これが原因で四三は危うく教師の座を追われかけた)。
関東大震災後は日本各地を転々とした後、故郷の熊本で喫茶店を経営する。
その後は満州に渡ったらしく、日本へ渡ろうとした孝蔵と会っている。
なお、スヤからは播磨屋で色々とトラブルがあったことからあまり良い感情を抱かれていない模様。
濃い登場人物が犇めく今作にあって一際濃いキャラ立ち故に登場しただけでトレンド入り、登場しなくても話題に上がるという極まった存在だが、実は創作ではなくれっきとした実在の人物(高師を中退後に水産技術者として満州に渡り、1940年に49歳で逝去)。
五条 演:姜尚中
旧制玉名中学の教師。生徒たちに冷水浴のやり方と効能を教える。
東京高等師範学校師:東京高師・大日本体育協会:体協
「講道館柔道」の創始者であり、アジア初のIOC委員として「日本のスポーツとオリンピック」の発展に貢献した「日本スポーツの父」と呼ばれる人物。
「金栗編」では東京高師の校長及び体協会長として金栗四三を導き、
「田畑編」ではIOC委員として田畑政治を導く。
大言壮語や借金癖など「大義の為には後先を考えない」性格で周囲を巻き込んでいき、反発もされるが相応のカリスマ性も持つ。
「主人公以上の重要人物」であり、最後の最後まで物語を牽引する。
岸清一 演:岩松了
大日本体育協会副会長で弁護士。
スポーツにそれほど興味があるわけではなかったが、第1回箱根駅伝を見て感動したのを機に、主に会計の面からスポーツを支えるようになる。
嘉納の片腕として1940年東京五輪招致に力を尽くしたほか、ロサンゼルス五輪の際は昭和天皇に結果をご進講するなどの活躍を見せるが、その直後の1933年10月に肺炎で他界した。
余談だが、本人の遺影と岩松了はそっくりさんかと思われるほど似ている。
副島道正 演:塚本晋也
明治の元勲・副島種臣の三男、伯爵。夭折した兄に代わって副島家の家督を継ぐ。
IOC委員に登用され、亡くなった岸に代わって嘉納の片腕となる。
ぎっくり腰で寝込んだ嘉納の代理としてイタリアのムッソリーニに会見、ムッソリーニからオリンピック招致取り下げの約束を取りつける。
政治・軍事の道具に成り下がっていく1940年東京オリンピックに否定的な見解を示し、開催返上を近衛文麿首相に直訴、あくまで開催を目指す嘉納との対立を深める。
嘉納の死後、JOCを率いて東京オリンピック開催に邁進するが、軍事を優先する軍部に絶望、イギリス・フランスがオリンピックをボイコットしたことが引き金となり、大会自体を独断で中止、「非国民」「売国奴」という批判を一身に受けてしまう。
杉村陽太郎 演:加藤雅也
語学堪能なエリート外交官。嘉納の弟子であり柔道6段と文武両道の男である。日本の国際連盟脱退後にIOC委員を務め、1940年の五輪招致にあたりムッソリーニとの会談をセッティングした。
永井道明 演:杉本哲太
東京高師教授。スポーツの理想と現実を巡って嘉納と事あるごとに衝突し、生徒には厳しく接するいわゆる鬼教官であるが、生徒の安全を最優先する現実主義者でもある。
教え子に東京女子高等師範の二階堂トクヨがいるが次第に方針の違いで対立し、アントワープ五輪後に嘉納と共に体協を去る。その後は竹早高女にテニスを教えに来ている様子。嘉納が死去した際には葬儀に参列していた。
学生時代はテニスボーイで、作中ではその頃の回想シーンも登場している。ちなみに中の人は史実の永井とは違い左利きなので回想シーンの撮影にはかなり苦労したとのこと。
可児徳 演:古舘寛治
東京高師助教授。破天荒な嘉納校長に振り回される苦労人。酒が入るとテンションが上がる。
実は日本にドッジボールやフォークダンスを導入した人であり、また米国留学後は女子高等師範学校の教員になって女性のスポーツを奨励した。1962年の東京五輪組織委員会本部には、存命しているにもかかわらず彼の意向で肖像画が飾られている。
長らく五輪への帯同を希望するも実現せず悔しがっていたが、1964年、齢90にして初めてオリンピックを見る夢が叶い、東京五輪の開会式を嘉納の遺影と共に観戦している。
余談だが、前述した彼の功績が紀行で紹介された際、「多くの小学生のトラウマを作った」と視聴者から非難される羽目になった一方、彼の故郷・岐阜県中津川市では本作を機に忘れ去られていた可児の業績を顕彰する動きがはじまり、2019年夏には「可児徳杯小学生ドッジボール大会」が開催された。
野口源三郎 演:永山絢斗
金栗の東京高師での後輩(年齢は一つ上)で、ストックホルム予選ではマラソン、その後は十種競技(デカスロン)に転向してアントワープ五輪に出場。帰国後の報告会で陸上と水泳での惨敗を報道陣に非難されるが、「やりきった、悔いはない」と毅然と言い切った。
高師の卒業後は松本で教職に就いていたが、永井と嘉納が去った体協を支えることになる。
二階堂トクヨを「高師のじゃじゃ馬」と呼ぶがそのトクヨからの片想いには全く気付いていないどころか松本時代に結婚して既に子供がいる。
四三が現役を引退し熊本に帰ってからも体協に残る。田畑とは当初から何かといがみ合っていたが、何だかんだで認め合う間柄となる。
1964年東京オリンピック開催時には、四三や可児らと伴に観客席から開会式を観戦する。
公式でフルバージョンの動画が配信されている。
武田千代三郎 演:永島敏行
大日本体育協会副会長。「駅伝」の名付け親となる。
大森兵蔵 演:竹野内豊
バレーボールとバスケットボールを日本で初めて広めた人物。ストックホルムオリンピックの日本代表監督を務める。肺を患っており、道中や宿舎でも病で伏せることが増えていく。
ストックホルムの翌年、安仁子の故郷であるアメリカで死去。
大森安仁子 演:シャーロット・ケイト・フォックス
アメリカ人の画家で、兵蔵がアメリカで彼女の家のボーイをしていた時に出会い結婚。ストックホルムに向かう四三、弥彦にテーブルマナーを指導し監督として向かう兵蔵に同行する。兵蔵の死後も日本に留まり、社会福祉事業を手掛ける。
ドラマでは兵蔵と同年齢か年下に見えるが、史実では兵蔵より21も年上である。
三島家・天狗倶楽部
三島弥彦 演:生田斗真
金栗と共に、初めてオリンピックに参加した男。
名家に生まれ、東京帝国大学に通うトップエリートでありながらあらゆるスポーツに秀でる、文武両道を地で行くような青年。人呼んで「運動会の覇王」であるが、家名を至上とする兄や母と自身の希望との間で揺れ動くという年相応の悩みも抱えている。
嘉納の口車に乗せられる形でストックホルム行きを決意して四三と出会い、マナー教室を開いたり写真を撮ったりと協力する中で友情を深めていく。
ストックホルムで敗退後はすっぱりとスポーツから足を洗い、兄の銀行のサンフランシスコ支店へ赴任。アントワープ五輪の頃にはロンドン支店におり、四三たちの応援に駆け付ける。
1954年に死去したが、長男の嫁が東京五輪のIOC委員長の通訳を務めている(史実)。
三島弥太郎 演:小澤征悦
弥彦の歳の離れた長兄であり三島家当主で銀行家。当時ベストセラーとなった「不如帰」で描かれた海軍少尉川島武男のモデルでもあり、家名に泥を塗られて忸怩たる思いをしている。
シマに「経済バカ」と陰で言われるほどに弟へ無関心と思われていたが、ストックホルムで精神的にどん底にいた弥彦からの文には取り乱して心配していたことから、弟に対しては彼なりに愛情を注いでいた模様。
作中では語られていないが1919年に死去している。
三島和歌子 演:白石加代子
弥太郎・弥彦の母で三島家を取り仕切る女主人。夫の生前から刀を帯刀し、自ら抜刀して身辺警護にあたったため「女西郷」の通り名を持つ女傑でもある。不如帰による周囲からの好奇の目や家名を守る重圧などで弥彦との間に距離が出来ているが、カメラを向けられて笑んだりテーブルマナー教室に付き合ったりと決して邪険にはしておらず、ストックホルムへの出発の際は泣きながら見送った。
なお史実では弥彦は妾腹であり実子ではなかったが、兄弟分け隔てなく育てた。
「天狗倶楽部」創設者で日本SF小説の祖。新渡戸稲造の「野球害毒論」と戦う羽目になる。
吉岡信敬 演:満島真之介
「天狗倶楽部」の名物男で日本で最初の応援団長。天狗倶楽部の解散後は読売新聞社へ就職する。
三島を通じて四三を知り、ベルリン五輪中止後の駅伝大会開催に一役噛むことに。
中沢臨川 演:近藤公園
「天狗倶楽部」の頭脳派。
京浜電気鉄道の社員だったため、ストックホルム五輪予選会場となった羽田運動場【現在は羽田空港の用地の一部】の建設に関わった。
本庄 演:山本美月
雑誌「冒険世界」の女性記者。天狗倶楽部周辺を追っかけていたが、のちに女子スポーツの普及に奔走する金栗を取材するようになる。
三島家に勤める女中。弥彦の本音を知る数少ない人物でもある。
弥彦が開催したテーブルマナー教室で四三と知り合い、のちに三島家を辞して播磨屋の隣の下宿に住みながら東京女子高等師範への進学を目指す。
弥彦や四三の影響でスポーツに憧れ「いずれ日本も西洋のように女子スポーツが盛んになるかもしれない」という弥彦の言葉を信じて女子高師に入学するも、現実とのギャップに戸惑う羽目になる。
高師を卒業後は竹早高女の教員として四三と共に女子スポーツの発展に取り組み、遠征先の岡山で人見絹枝を見出す。
増野との間に長女のりくを授かるも、翌年関東大震災にて行方不明となる。
後に、五りん(小松金治)の祖母であったことが判明。五りんの手元には彼女が増野と結婚した時の写真がある。
増野 演:柄本佑
日本橋の百貨店に勤める。トクヨの見合い相手の予定だったが片想いを理由に縁談を押し付けられたことでシマとの見合いになり、スポーツに取り組むスタンスを理解した上で結婚した。
妻・シマを関東大震災で亡くし、娘・りくを男手ひとつで育てていく。
増野りく→小松りく 演:杉咲花
増野シマの忘れ形見。母・シマに生き写し。
1936年時点で播磨屋で働いている。
小松勝と結婚、息子の金治(後の五りん)をもうけるが、夫を満州で失った後1959年に死去。
竹早高等女学校(※)
※ 通称。正式の校名は東京府立第二高等女学校
村田富江 演:黒島結菜
竹早高女に通う女学生で浅草の開業医の娘。お嬢様然としたクラス内のリーダー格で、当初は四三の熱血指導に正面から反発していた。
「一度だけ」と言われて投げた槍投げをきっかけにスポーツの楽しさを知ってからは、四三のことを“パパ”と呼び慕うようになり、テニスウェアを自らデザインしては人気となったり、陸上大会に日本記録を出して優勝するなどのめり込んでいく。
大会で靴に合わない靴下を脱いだことで周囲からの好奇の目を招き、四三の進退問題にまで発展したことで、級友共々教室に立て籠もって四三の退職に反対するが、父・大作との競争で辞職依頼を撤回させることに成功する。
震災では父と共に被災者の手当に回っていた。
1964年の時点での生存は不明だが、知恵は五りんとの子供を浅草の村田医院で出産している。
梶原 演:北香那
竹早高女の生徒で四三の教え子。村田と同じく当初は四三に反発していたが、スポーツを始めてからは一緒にテニスウェアをデザインしたりテニス遠征に出たりと熱中していく。
溝口 演:松浦りょう
白石 演:百瀬さつき
いずれも竹早高女の生徒。
四三をとりまく人々
茗荷谷で足袋の専門店「播磨屋」を営む足袋職人。マラソンの才能を開花させる四三のために走りやすい足袋の改良に励む。
高等師範を卒業後の四三の下宿先でもある。
1960年代には店の名前を「ハリマヤシューズ」へと変えていたが、辛作もまだまだ現役で職人として活動している。
アベベに足袋を作ってあげた。
辛作の息子。
徳三宝 演:阿見201
東京高師の学生であり国内最強の柔道家。
ストックホルムから帰った四三の慰労会で四三を叱責した女性。実は東京女子高等師範の助教授であり、永井の教え子でもある。「たかだか女が」という周囲の発言に「男に生まれただけの男をぼんくらと言う」と反論する女傑だが、野口に報われぬ片想いを寄せている。
英国に留学して先進的な女子体育教育を学ぶが、欧州の惨状をも知る立場から四三のベルリン行きに反対する。シマは女子高師の教え子。
のちに日本女子体育大学を創立し、日本の女子スポーツの草分けとなっていく。なおこの際スポーツの普及へ身をささげる覚悟で剃髪を行い、以降はカツラを愛用している。
余談だが、中の人は「歌舞伎の名家に生まれながら女子という理由で歌舞伎役者になれなかった」という過去が存在する。
ポルトガル初のオリンピック選手でありマラソン選手。ストックホルムオリンピックに出場する。
最初のうちは四三を遠巻きに見ていたが、四三の履く足袋に興味を持って話しかけたことで会話が始まって次第に打ち解ける。裕福ではない家庭で育ち、四三と同じくいだてん通学をしていたこと、本職は大工であることなどから親近感を持たれるようになる。
ストックホルムの異常な暑さに正気を失ってフラフラとし、コースをまちがえる四三をなんとか呼び戻そうとするが・・。
作中では好人物として描写されているが、その実登場直後から彼の史実は検索してはいけないと言われるほど騒がれた人物であり、生半可な覚悟でググってはいけない。
四三達がテニスの岡山遠征で出会った岡山高女の選手。170cmという高身長と恵まれた体格に加えて身体能力もずば抜けて高く、村田と梶浦を完膚なきまでに負かす腕前を持ちながらも自分の体格に強い劣等感を持っている。
シマに「陸上を始めたら大成するかも」と言われながらも一度はその誘いを断るが、関東大震災後の1924年に上京、後に日本人女性初の五輪選手となる。
ラザロと同じくオリンピック後の彼女も生半可な覚悟でググってはいけない。
なお中の人はダンサーであり、身長も史実の人見と同じ。
ペトレ家の人々
ストックホルム大会でマラソンコースを外れて迷い込んだ四三を介抱した。
当時のペトレ家の子孫にあたる現在のペトレ家の人々が演じている。
ダニエル 演:エドウィン・エンドレ
ストックホルム大会で日本選手団ガイドを務めたイケメン。
内田定槌 演:井上肇
在スウェーデン公使。ストックホルム大会では初めての経験すぎて勝手がわからない日本選手団をサポートした。
村田大作 演:板尾創路
富江の父。医者。「女にスポーツは必要ない」との信念をもつ保守的な人物。
娘が足を出して徒競争に励んでいることを知り、女生徒を指導する四三を辞めさせようとして竹早高女に乗り込むが、娘をはじめとする女生徒たちの反発を買い、四三の進退を賭けて富江と100m競走を行うハメに追いこまれ、惨敗を喫する。
四三を辞めさせることはあきらめたが、その直後に関東大震災が起こり経営した病院が焼けると、娘とともに焼け出された人たちの医療にあたる。また、四三が訛りがあることを理由に自警団から危害を加えられそうになった際には彼を庇っている。
南昇竜 演:布江剛士
1936年ベルリンオリンピック、朝鮮出身でありながらマラソン日本代表として孫選手が1位、南選手が3位となり、日本人マラソン選手として初のメダルを獲得する。
当時、祖国・大韓帝国が既に日本に併合されていたため、表彰式であげられる国旗「日の丸」と国歌「君が代」に複雑な表情を浮かべる。
小松勝 演:仲野太賀
架空の人物で、熊本県出身のマラソン選手。
四三にあこがれて弟子となり、四三にも期待されるほどの選手となる。
シマの娘・りくとは互いに好意を抱くようになり結婚、一人息子の金治(五りん)をもうける。
1940年東京オリンピック中止後も1944年ロンドンオリンピック出場を目指しトレーニングを続けていたが、第2次世界大戦の激化により1944年大会も中止、なおも続く戦争に動員命令を受けてしまう。
満州に渡り、志ん生に出会う。沖縄戦に参戦しようとしたところ、隊長が「沖縄戦が終わったこと」「日本はもうだめだ」と部下に解散を告げ逃げ出したために逃亡兵に。志ん生と再会、圓生とも同道し満州を逃亡中、自暴自棄になりかかる落語家2人に「会いたい人がいるのなら、何としても帰るべきだ」と自分にも言いきかせる。その後、ソ連兵に見つかり射殺。直前まで見ていた「富久」に感銘を受け、絵葉書をりく宛てに出した直後だった。
孝蔵をとりまく人々
若き日の古今亭志ん生。ドラマのナレーターをつとめる。
尋常小学校を退学後、父の煙管を盗んで質に入れて勘当されて以来浅草で飲むわ打つわのその日暮らしを続けてきた。ある時偶然落語の高座に迷い込み、橘家圓喬の寄席に心酔したこと、車夫を経て正式に圓喬に弟子入り、「朝太」の高座名を与えられ落語の道を目指す。
ドサ回り中の浜松で無銭飲食で逮捕され、獄中で圓喬の死を知った後は心を入れ替えて芸の道へ精進しているのだが、後述する癖の悪さから借金取りから逃げるため高座名をよく変えている。
気が弱く、他人に貰った一張羅をすぐに質入れしては酒を飲む悪い癖がある。そんな生活態度を改めさせようと"真打ち"に昇進させたり、小梅の仲介で志水りんと見合い結婚をさせられてもなお、その荒んだ生活は収まらなかったが、子どもを授かったことや関東大震災に被災したこと等を契機に少しずつその生活も落ち着いたものになっていく。
太平洋戦争の開戦とほぼ同時期に縁起が悪いと言われた志ん生の名を襲名する。
圓生らと慰問団の一員となるが、日本の降伏により圓生・逃亡兵の小松と満州を逃げまわることになり、あきらめかけるが、「息子が落語家になった」ことが話題に上ったことで、小松から生きることを諭され気力を取りもどす。が、直後に落語の力に感銘を受けた小松の最期を看取ってしまう。
橘家圓喬 演:松尾スズキ
明治きっての落語の名手。押しかけて来た孝蔵の熱意を買い、車夫として雇った後、家への出入りを許し、弟子として正式に「朝太」の高座名を与える。芸に対しては真摯だが、その厳しさゆえに意地の悪い一面も持つ。
孝蔵に「胸の病にかかっているから、(自分の)湯呑みには触らないよう」警告した通り既に病状が悪化しており、孝蔵をドサ回り兼武者修行の旅に送り出した後に死去。
「こいつにはフラがある、大化けするからしっかり育ててくれ」と言い遺した。
三遊亭小圓生 演:八十田勇一
圓喬に代わって孝蔵の師匠となった落語家。一度は孝蔵を追い出すも、圓喬の死後に再度彼を受け入れる。
万朝 演:柄本時生
三遊亭小円朝の弟子。一度引退して太鼓持ちとなるも、孝蔵がヤクザに追われている間に復帰した。
小梅 演:橋本愛
浅草の遊女。浅草見物に来た美川に一目惚れされ、やがて懇ろの仲になった末にヤクザに言い寄られてひと悶着起こす。その美川を振って最終的には清さんと所帯を持つ。
清さん 演:峯田和伸
浅草を拠点に活動する朦朧車夫で、孝蔵・小梅とは腐れ縁。小学校しか卒業していないため漢字の読み書きが出来ないが健脚。播磨屋の常連客で、旅に出る孝蔵の一張羅を播磨屋に依頼した。
ストックホルム五輪の東京予選に(早稲田生と嘘をついた上、「田せ早」のゼッケンを自作して)出場し、優勝した四三と播磨屋の前で知り合う。ベルリン大会中止後意気消沈する四三を「お前がそうやって腐ってたら、日本人みんな腐っちまう」と励ました。
すったもんだの末小梅とくっつき、車夫を廃業して小料理屋を営むことに。
その後、東京オリンピック招致訪問のために日本を訪れたIOCラトゥール会長を人力車で案内する運転手となった。
嘉納の葬儀にも車を引いて駆け付け、彼の出棺を見送った。
長らくオリジナルキャラクターと思われていたが、志ん生の「昔盛さんという車夫の人に世話になった」という一文が残っており、そこから派生したと思われる。
清水りん(美濃部りん) 演:夏帆
高田馬場の下宿屋の箱入り娘。親の勧めるままに孝蔵と見合い結婚するが、極貧と酒癖と身勝手に苦労させられる羽目に。
それでも愛想をつかすことなく、夫を献身的に支え続ける良き女房である。
ちいちゃん 演:片山萌美
浜松勝鬨亭の席亭で、後の志ん生曰く「小股の切れ上がったいい女」。落語家たちから慕われると同時にエロい目線もむけられている。
牢名主 演:マキタスポーツ
孝蔵が浜松で無銭飲食をして入牢した際、同室となった男。孝蔵が圓喬の死から立ち直るきっかけを作る。
戦時中から落語の名手としてたたえられた落語家。
軍部に制約を受けたなかでも「人を笑わせることができる」と嘯く自信家。
慰問団の一員となるが、日本が降伏したことにより慰問団に同行していた志ん生・逃亡兵の小松と満州を逃げまわることとなり、あきらめかけた自分たちを諭した小松の最期を看取る。
辛酸をなめたすえ日本に帰国、戦争前と芸風が変わったと評される。
史実の6代目圓生は5代目三遊亭圓楽の師匠で6代目三遊亭円楽(楽太郎)の大師匠で歌舞伎座で初めて落語会を開催している。中の人は言わずと知れた歌舞伎俳優で金栗四三を演じた中村勘九郎の実弟。
満州に渡ったときに出会った、NHKアナウンサー。
後に大御所俳優になる男である。
政治家・教育関係者など
元内閣総理大臣で、早稲田大学の初代学長。
嘉納に選手派遣のスポンサーになるよう依頼される。
加納久宜 演:辻萬長
日本体育会会長。日本のオリンピック参加に反対の立場をとる。なお、辻は2022年の『鎌倉殿の13人』にも出演する予定だったが放映前に病気で降板しのちに死去したためこれが最後の大河ドラマ出演になっている。
ストックホルムへ向かう道中に立ち寄った哈爾濱にて、本編開始の三年前に暗殺されたことが回想と後ろ姿でのみ語られる。
2018年の大河ドラマ『西郷どん』と役者が同じであり、一種のファンサービスでもある。
田島錦治 演:ベンガル
京都帝国大学教授。ストックホルム大会における日本選手団の入場行進が人がいなくて寂しいという理由で、留学先のベルリンから嘉納によって急遽呼び出される。
永田秀次郎 演:イッセー尾形
東京市長。
関東大震災被災後に陣頭指揮を執り、わずか5年で復興を成し遂げたのち、「皇紀2600年記念事業」も兼ねて「1940年東京オリンピック」誘致に乗り出す。
1932年ロス五輪後に、銀メダルを獲得した前畑に対し「何故金メダルを取らなかったのかね」と告げ、田畑や岸を激怒させる。
とは言え、その失言について批判された際には申し訳なさそうな表情で素直に謝罪したり、前述の通り震災時においては東京復興のため奔走し、最後は部下の汚職の責任を取り市長を辞する(そのため、後世では“震災市長”のあだ名で親しまれた)など、政治家としては立派な人物である。
牛塚虎太郎 演:きたろう
永田の後任の東京市長。1940年大会の東京招致に参加する。
立憲政友会代表、政界に君臨する大物。
当記者になった田畑政治の熱い性格に閉口、「なんとかしてくれ」という苦情の電話を朝日新聞社編集局長・緒方竹虎にかけるが、田畑の説得に心を動かされ6万円という多額の予算を手渡す(当時の6万円は現代では約4億円相当の価値)。
オリンピックの意義を説く田畑の「大会を政治利用すればいい」という一言に苦笑するが、田畑は後にそれが文字通りになって帰ってきたことに愕然とする。
犬養毅からの要請を受けて、昭和7年、大蔵大臣に就任するが、1936年2月26日、軍部の青年将校の襲撃を受けて暗殺される。
なお萩原健一はこの年3月に死去しており、今作が遺作となった。
昭和7年、軍部の台頭に懸念をもちながら総理大臣に就任、新聞記者出身ということもあって「話せばわかる」という信念をもつが、5月15日に起きた軍部のクーデターにより殺害される。
後半 第二部 「田畑政治編」
:水泳日本躍進
:幻の東京五輪編
:戦後・東京オリンピック編
田畑をとりまく人々
村山龍平 演:山路和弘
朝日新聞社社長。就職試験の面接でパリオリンピック惨敗の理由を熱く語る田畑に閉口、本来は不合格とするところを、「顔がいい」との理由で採用する。
朝日新聞社編集局長。田畑の就職面接に同席、パリオリンピック惨敗の理由を語る田畑を不合格と一度は認定するが、同社社長・村山の「顔がいい」との一言で一転採用。直接の上司として振りまわされることとなる。
朝日新聞社校閲部記者。早稲田大学時代から金栗の弟子で、第一回箱根駅伝では7区を走った。陸上を扱き下ろす田畑とは何かと対立する。
軍部の台頭に「言論の自由」「報道の自由」が脅かされるのではないかとの危惧をもち、政治家の道を志す。
1940年東京オリンピックに当初から好意的な印象をもっていなかったが、開催決定後、軍事・政治の道具に成り下がっていくことに否定的な見解を示し、東京オリンピック開催返上を提言する。
戦後は農林大臣や建設大臣を経て、1964年には副総理兼オリンピック担当大臣に就任する。
東京オリンピック開催当日は、観客席から開会式を観戦した。
尾高 演:じろう(シソンヌ)
朝日新聞社の運動部記者で田畑とは犬猿の仲。アムステルダム、ロサンゼルスの両大会で取材を行う。
内田正練 演:葵揚
浜松中学校の学生で、少年時代は田畑とともに浜名湖で泳いでいた。アントワープオリンピックに日本泳法で挑むも惨敗し、帰国後はクロール習得の必要性を強く訴える。
田畑うら 演:根岸季衣
田畑の母親。43歳で死没した夫を看取り、女手一つで田畑たちを育てたほか、田畑が五輪に参加する際はそのたびに家の土地を切り売りして資金援助している。
酒井菊枝→田畑菊枝 演:麻生久美子
江戸時代から続く日本橋の老舗「酒井商店」の長女で、後に田畑の妻となる女性。朝日新聞社で速記係を務めており、田畑の早口や悪筆を正確に聞き取り、解読することができる。偶然にも緒方が紹介した田畑のお見合い相手でもあったが、当の田畑が多忙であったため実際の見合いはできなかった。
無口で物静かな性格であり、残業する田畑に夜食を差し入れしたり、彼の話し相手を務めるうちにその人柄を見初められる。田畑との結婚後も夫のオリンピックや水泳への情熱を理解し、陰で支える。
田畑が大松を説得しに再び大阪に出向いた際には、娘のあつ子と共に同行した。
平沢和重のファンでもあり、平沢が訪問した際はおめかしをして応接した。
田畑あつ子 演:吉川愛
田畑と菊枝の次女。家庭そっちのけでオリンピックに邁進していた父に対しても、母と同様に一定の理解を示しており、田畑を訪ねてきた岩田達にも声をかける。
その際英語を話せることと器量の良さが岩田の目にとまり、東京オリンピックのコンパニオンにスカウトされる。
マリー 演:薬師丸ひろ子
日本橋のバー「ローズ」のママ。その不思議な魅力に惹かれて政界や文化の要人が店に集う。趣味の占いも珍重される。田畑からは「占いババア」と暴言を喰らいつつも縋られており、ついつい世話を焼いてしまう。
口の悪い田畑の相談に乗るいい人には違いないのだが、作中で彼女が田畑やオリンピックに関することで占った際はことごとく逆の結果になっている。(例:田畑は30歳で死ぬ→30どころか80過ぎてもスポーツ業界に貢献し続け大往生、ロス五輪で水泳全種制覇→選手の体調不良により全種制覇は逃す など)
なお、彼女がタロットカード占いをしていたことから、一部視聴者からは占いの結果は彼女とは反対側の方から見た結果が正しい=彼女は反対側から見てしまってるから毎回逆になっているとの考察も。
水泳日本代表チーム
松澤一鶴 演:皆川猿時
1932年ロス日本代表水泳監督。「カクさん」と呼ばれる落ち着きのある堅実な人物で、「口が韋駄天」の田畑とは名コンビで日本水泳界を牽引する。帝大施設を巧みに活用して温水プール建設を実現し、通年の練習環境を整えた功労者でもある。
戦後は田畑や東と共に体協を再建し、以後は東京オリンピック招致や運営にも関わることとなる。田畑の事務総長解任後も岩田らと共に田畑家に頻繁に訪れ、「裏の組織委員会」として活動するようになる。
1928年アムステルダム五輪自由形銅メダリスト。甘いマスクの好男子で、女性人気も高い大スター。しかし色々と不遇である。大阪府出身であるためか、感情的になると関西弁が出る。(松澤や鶴田曰く「関西の顔になってる」)
1932年ロサンゼルス五輪では、年齢故に若手に追い抜かれる現実や、代表選手でありながら試合には出られないことに苛立ちを募らせ、それを決めた田畑の方針に反感を覚えていたが、彼の真意を知り態度を改める。
1964年東京オリンピック開催当日にはかつてのチームメイト達と共に、観客席から開会式を見届けた。
1928年アムステルダム五輪平泳ぎで日本水泳界初の金メダリスト。普段は華やかな高石の陰に隠れて黙々と練習に励んでいる。
1932年ロス五輪では高石同様に若手に追い抜かれていく現実に苦悩していたが、200m平泳ぎではアムステルダムに引き続いて見事金メダルを獲得する。
宮崎康二 演:西山潤
競泳自由形の選手。アムステルダム五輪後は高石のライバルになる。
大横田勉 演:林遣都
競泳自由形の選手。ロサンゼルス大会では400m自由形で金メダルが期待されていたが…。
小池礼三 演:前田旺志郎
競泳平泳ぎの選手。女子選手とともに練習したせいでムラムラが抑えきれなくなり苦悩する。
野田一雄 演:三浦貴大
競泳自由形の選手でパリ五輪に出場…したのはよかったが、大会後田畑の判断により強制的に引退させられた。その後は助監督としてチームに帯同している。
田畑が見出した水泳界期待の新星。弱冠16歳で新記録を叩き出したことで、日本代表としてスカウトされる。鶴田に憧れており、彼が現れた際に舞い上がるといった年頃の少女らしさもある。
1932年ロス五輪の200m平泳ぎで女子水泳選手としても初のメダルとなる銀メダルを獲得。しかし帰国後の永田市長からの言葉や日本全国からの手紙、夢枕に立った亡き両親の言葉を受けて、現役続行を決意する。
1936年ベルリン五輪では、自身の不調もあり極度のプレッシャーに押し潰されそうになるもそれを跳ね除け、悲願の金メダルを獲得する。
それと女子更衣室に侵入したそこの男は、署まで同行しなさい。
松澤初穂 演:木竜麻生
小島一枝 演:佐々木ありさ
ともに競泳自由形の女子選手。
1948年の裏五輪に参加した自由形選手。
日本の国際水泳連盟復帰が認められた翌年、全米選手権に招待され「フジヤマのトビウオ」と言わしめた。
しかし、1951年のヘルシンキオリンピックでは全盛期を過ぎており、不調に終わった。
演者の北島康介にあやかって、彼の名言のセルフパロディとして「気持ちいいじゃんね~」と叫ぶシーンがあった。
因みに古橋は、北島の現役時代に国際水泳連盟副会長、アジア水泳連盟会長(のち名誉会長)、日本水泳連盟名誉会長の役職についており、2009年に亡くなるまで任に就いていた。
その他の五輪に関わる人物
河西三省 演:トータス松本
NHKアナウンサー。「前畑がんばれ」の名実況で知られる。
山本照 演:和田正人
NHKアナウンサー。
ナオミ 演:織田梨沙
ロサンゼルスに住む日系人。リトルトーキョーの飲食店に勤めるウエイトレスである。
ゲネンゲル 演:マルテ・オームントゥ
ドイツの女子平泳ぎ選手。前畑のライバルであり、ヒトラーから金メダルを期待されていた。
ヤーコプ 演:サンディー海
ベルリン大会の日本代表チーム通訳で、ユダヤ人として迫害されていたものの大会期間中の緩和策により採用されていた。田畑は1940年東京大会に彼を招待するが…。
アレン 演:エドワルド・マナル
アジア競技大会ジャカルタにおける日本代表チーム通訳。柔道家でもあり、「サカラワズシテ、カツ!」が口癖。1964年東京五輪の際はインドネシア代表通訳として来日するが…。
外国の要人
クーベルタン男爵 演:ニコラ・ルンブレラス
フランスの貴族。世界平和の崇高な理想のもと近代オリンピックの開催を提唱。
ラトゥール伯爵 演:ヤッペ・クラース
ベルギーの貴族。IOC第3代会長。
国際情勢が悪化し五輪の開催が危ぶまれる中、1936年に来日するなど1940年東京オリンピック開催に協力するが、副島からの大会返上の書簡を受け取り、悲痛な表情を浮かべる。
1940年ローマオリンピック開催を目指していたが、副島の直談判を受けて立候補を取り下げる。
ドイツの独裁者。
日本に恩を売ろうとIOCに圧力をかけ、1940年東京オリンピックが開かれるよう根回しをしたとされる。
これまでの「人種差別主義」「反体制派弾圧」という非人道的なナチスの政策を一時的に封印し、1936年ベルリンオリンピックを国の威信をかけて開催、オリンピックの政治利用が始まったことに田畑は危機感を覚える。
GHQ最高司令官。
1960年代のインドネシア大統領。
1962年のアジア大会で台湾とイスラエルを締め出し、日本チームが開会式出場すべきかと悩む原因を作った。
ちなみに当時の第3夫人が裏番組で活躍中のデヴィ・スカルノである。
1964年の人々
オリンピック組織委員会
岩田幸彰 演:松坂桃李
田畑の秘書。通称は岩ちん。実はヨット競技でオリンピックを目指していたが、病気により断念。その後商社勤めを経て実行委員会に転職、1960年ローマオリンピックを取材し、どのようなオリンピックにすべきか調査した。
オリジナルキャラと思いきや、れっきとした実在の人物である(しかも演者の松坂に劣らないイケメン)。
委員会の中では若年にあたるが、田畑と始めとした目上の人物に対して失礼と思えるほどはっきりと物申すことが多く、その姿はどこか若き日の田畑を彷彿とさせる。
自分をもう一度オリンピックに関わるようにしてくれた田畑を慕っており、彼が事務総長を解任させられた際は強い怒りを露わにした。田畑が委員会を去った後、彼から嘉納のストップウォッチを託されることとなる。
絵が下手。
平沢和重 演:星野源
外交評論家、ジャーナリスト。"マダムキラー"としてお茶の間の人気も高い。
元外交官で、カイロで行われたIOC総会の帰路にあった嘉納と同じ船に乗船したことがある。数日間の海路の中で嘉納と親交を深め、その後体調を崩した彼の最期を看取った。帰国後、嘉納のストップウォッチを田畑へと託している。
1964年のオリンピック開催地を決めるIOC総会で急きょ最終スピーチに立つことになり、その後もワシントンハイツ返還交渉など、実行委員会の困ったときの知恵袋として活躍した。
東龍太郎 演:松重豊
東京都知事。元医師で、嘉納治五郎を診察したこともある。
1940年の東京オリンピック招致活動にも参加しており、田畑とはその時からの付き合い。
「残念です」が口癖。
戦後は田畑や松澤と共に体協の再建に関わり、その後もオリンピック招致に協力する過程で、田畑によって都知事選への出馬を打診され、家族からの反対を受けるも説得に成功。見事知事選でも当選を果たす。
知事という立場上川島と密接に関わり、田畑の事務総長解任においては長年の盟友である田畑を裏切る形となってしまい、東自身もそれに強い負い目や引け目を感じることとなる。最も当の田畑は自身にも省みるべき点があったことや東の立場を考えると仕方がないところがあったと理解しているのか、東のことは一切悪く言っていない。
田畑が組織委員会を去った後には、オリンピックの開催によって急ピッチで進められるインフラ整備に対する批判の矢面に立たされる。
聖火ランナーが日本全国をめぐるアイディアが田畑のものであることを察し、委員会に殴り込みをかけてきた田畑に声をかけたことで彼と和解し、以後は共にオリンピックの運営を行った。
北原秀雄 演:岩井秀人
外務省の高官。もともと1964年大会の東京招致にむけて最終スピーチを担当するはずだったが、直前に職場の運動会でアキレスけん断裂のけがを負ってしまう。
戦前、戦後に渉って活躍した大物政治家。
初のオリンピック担当大臣で、自民党幹事長。
花柳界にも通じる文化人でもあった。
田畑と意見対立し、彼を失脚させる引き金になった。
作中では主人公を陥れ、最後には勝ち逃げという形で物語の舞台から去るといった完全なる悪役として描かれている。フォローを入れておくと、オリンピックを足掛かりに日本が経済大国へとのし上がる基盤を作ったという点も事実であるため、俗物ではあるが悪人とも言い切れない人物でもある。
スカルノとデヴィ・スカルノ夫人の縁を取り持ったとも。
津島寿一 演:井上順
2度も大蔵大臣を務めているオリンピック組織委員会会長。
1962年のアジア競技大会をめぐり、田畑とともに政治スキャンダルに巻き込まれる。
村上信夫 演:黒田大輔
東京オリンピック選手村の料理長。
岩田とともに、ローマオリンピックで取材する。
大島鎌吉 演:平原テツ
1932年ロス五輪三段跳び銅メダリストにして、東京オリンピック組織委員会選手強化本部、副本部長。
五りんにネタにされる。
森西栄一 演:角田晃広(東京03)
タクシー運転手だったが、田畑たちが乗り合わせたタクシーの車内で聖火リレーの相談を聞きつけて踏査隊の一員に。
半年間タクラマカン砂漠をさまよって帰国後は式典課で働く。
松澤からは「森やん」と呼ばれており、空気を読まない発言を窘められる場面もあった。
なお作中で着用している赤いネクタイは、ご遺族提供の本人の遺品とのこと。
吹浦忠正 演:須藤蓮
大学在学中に国旗の知識を見込まれて、オリンピック組織委員会にスカウトされた国旗のスペシャリスト。
松澤がアジア大会にて、誤って国旗を掲揚してしまったことを改めて指摘した。
開会式では不参加を表明したインドネシアの国旗と北朝鮮の国旗を事務所内から掲げている。
閉会式の日に北ローデシアがイギリスから独立することを事前に聞かされており、閉会式当日までに新国旗を準備して間に合わせた。
実際の吹浦氏は当ドラマにて国旗監修を行っているため、大河ドラマ初の「本人が役と制作の両方としてクレジットされる」という珍事が起きた。
大河原やす子 演:川島海荷
ボランティア通訳。コンゴ共和国選手団(といっても2人)を担当し彼らから可愛がられる。
与謝野秀 演:中丸新将
田畑の後任として事務総長になった元外交官。与謝野鉄幹と晶子の次男、政治家・与謝野馨の父親。
女子バレーボール"東洋の魔女"
鬼の大松の異名を持つ、女子バレーボール実業団「日紡貝塚」の名監督で、インパール作戦の生き残り。
女子バレーボール日本代表を「東洋の魔女」と呼ばれる選手に成長させる。
マスコミによって選手たちが魔女と呼ばれる事実や、自分が選手たちを引っ張ることで彼女らの婚期を遅らせていることに思い悩み、一度は1962年いっぱいでの辞意を表明するが、それを受けての手紙(賛否どちらからも)が5000通も殺到。さらに河西を始めとした選手たちの本音に触れたことで、監督業の続行を決める。
なお初登場直前に中の人が不祥事を起こしたが、すでに収録をすべて終えていたため一部出演シーンのカット・再編集で対応した。
女子バレーボール日本代表の主将を務めた。
ポジションはセッターであだ名は「ウマ」。
東京五輪開催直前に父をなくし、翌年の結婚式には大松監督が父親席に座った。
宮本恵美子 演:泉川美穂
女子バレーボール日本代表。ポジションはライトであだ名は「オチョコ」。
谷田絹子 演:堺小春
女子バレーボール日本代表。ポジションはレフトであだ名は「パイスケ」。
ご本人が第45回のいだてん紀行に登場した。
半田百合子 演:松永渚
女子バレーボール日本代表。ポジションはセンターであだ名は「フグ」。
磯辺サタ 演:北向珠夕
女子バレーボール日本代表。ポジションはレフトであだ名は「アチャコ」。
松村好子 演:田中シェン
女子バレーボール日本代表。ポジションはレシーバーであだ名は「力道山」。
鈴木恵美子 演:渡辺悠子
女子バレーボール日本代表のマネージャー。9人制時代は選手だったが6人制への移行に伴い引退した。通称エミ。
東京五輪にかかわるその他の人物
時の内閣総理大臣。
「所得倍増計画」を打ち出し、高度経済成長期を牽引する。
福島県出身のマラソン・ランナー。金栗にあこがれていた。
1964年東京オリンピックに日本代表として出場、アベベに次ぐ2位で国立競技場に帰ってきたが、イギリスのヒートリーに抜かれ惜しくも3位に終わる。
ラザロ、人見絹枝に次いで、この人の東京オリンピック後も生半可な覚悟でググってはいけない。
エチオピアのマラソン・ランナー。
1960年ローマオリンピックで優勝した「はだしの英雄」。
金栗と黒坂に足袋をプレゼントされる。
1964年東京オリンピックにも出場、圧倒的な強さで連覇をかざる。
かつて、大河ドラマでもリスペクトされた「七人の侍」でおなじみの映画監督。
オリンピックの記録映画を撮ることになるが、田畑の事務総長解任の件を受け、「田畑さんのいないオリンピックに情熱を失った」という理由で自ら監督の座を降りる。
日本のデザイン界を代表するグラフィックデザイナー。
1964年東京オリンピックのシンボルマークやポスターなどをデザインする。
劇中ではシンボルマークはマリーさんのお店で即興制作していた。
日本建築界の巨匠。国立代々木競技場などを手がける。
三波春夫 演:浜野謙太
「お客様は神様です」でおなじみ、元浪曲師の演歌歌手。
「東京五輪音頭」を歌ったことで有名。
作中、志ん生の下を去った金次(五りん)が、「満州で父が浪曲を絶賛していた」ことを口実に弟子入り、紅白歌合戦のバックで踊っている。
映画監督。黒澤の降板に伴い記録映画の監督に就任する。
市川が撮った記録映画は現在も名作として名高く、作中でも要所で引用されている。
中の人は一昨々年の大河脚本家で、クドカン共々最終回に並んでクレジットされた。
東照子 演:筒井真理子
東龍太郎の妻。実は山川健次郎の三女。
松下治英 演:駿河太郎
航空自衛隊ブルーインパルス編隊長。「開会式では大空に五輪のマークを描いてみせる」と岩田たちの前で宣言するも、練習では一度も成功していない。それどころか開会式前夜は天気予報で「明日は豪雨」と伝えられたことから、残念会と称しマリーさんの店で酒盛りをやっていた(史実)。
当日の晴天に青ざめて大慌てで機体に乗り込み、見事一発成功させた。
坂井義則 演:井之脇海
早稲田大学の学生で陸上選手。
原爆が投下された日に広島で生まれたという理由で最終聖火ランナーに選ばれたことから、極度のプレッシャーを抱えナーバスになっていたが、ランナーとして走る直前に四三や他のランナーからの励ましを受けてそれらを振り切り、堂々と聖火ランナーの役目を完遂する(なお四三の励まし方は大量の冷水を坂井にぶっかけるというなかなかの荒療治であった。)
「水明亭」店主 演:カンニング竹山
国立競技場の近くにある食堂の大将。
店は2019年に閉店したが竹山がこの店のファンであり、自ら志願して2年後に実現した。
新タクシー運転手 演:宮藤官九郎
東京五輪開会式の当日、芝へ向かう志ん生と美津子を乗せたタクシーの運転手(ちなみに役名に"新"がついているのは、第一話における角田の役名が「森西栄一」ではなく「タクシー運転手」となっていたため)。
大根監督曰く、「脚本の時点でやりたがっているオーラが出てた」とのこと。
志ん生一門と家族
五りん(小松金治) 演:神木隆之介
第一話で美濃部家に押しかけて来た青年で、小松りくと小松勝の息子。1940年生まれ。
人懐こくどこか飄々とした性格で志ん生の懐に入り込み、彼の弟子兼付き人となる。
祖母のシマを関東大震災で失い、父は生前箱根駅伝に出場していたが顔も覚えていない頃に戦死、母のりくが生前播磨屋で働いていたらしい。
母へと宛てられた葉書が父の唯一の形見であり、冷水浴が日課。
古典落語は苦手でオリンピック落語を創作し、志ん生・孝蔵(若き日の志ん生)と共に、3人目の語り手として作中の物語を語っていく。
高座名の由来は「五輪」(オリンピック)……ではなく、志ん生(孝蔵)が圓喬から「古今亭朝太」の前座名とともに初めて受け取った「5厘」(1/200円)である。
師匠志ん生の迷惑になると思ったのか、彼の下を去り、三波春夫に弟子入り。1963年の紅白歌合戦でしれっと登場したものの、その後何かしらしくじったらしく三波の元からも去っている。
紅白のテレビを観ていた美津子からの説得と提案を受けた末に、父が成し得なかったオリンピック参加を、聖火ランナーの随走者という形で実現。その後志ん生の元に戻り高座に復帰した。
若い頃の志ん生と瓜二つの容姿をしている。
孝蔵の成長した姿。高座で四三たちの成長していく姿を語る。
落語家らしく大抵のことは綺麗にオチをつけるが、関東大震災や二・二六事件などは、数十年が経過しても笑い話に出来ないとこぼす。
1961年に読売巨人軍の優勝祝賀会へ出席した際、脳出血を起こし病院に搬送、一命は取り留めるが半身不随になってしまう。
意識を取りもどすと高座への復帰を目指し、五りんを相手に稽古を続けるが、医者にとめられた酒をついにやめることはできなかった。
五りんが自身の元を去って以降も気に掛けており、東京オリンピック開催当日には、寄席にて「富久」を披露すると同時に、自分と五りん、五りんの父である小松の不思議な縁について語る。
「富久」を語った直後に戻ってきた五りんを温かく迎え入れ、3年後の寄席で四三や田畑のその後を語り、これにて「東京オリムピック噺」は閉幕を迎える。
りん 演:池波志乃
志ん生の妻。
中の人は志ん生・りんの孫にあたり(馬生の娘)、以前にも民放のドラマでりんを演じており今回が二度目。
美津子 演:小泉今日子
志ん生とりんの長女で父のマネージャーを務める。
関東大震災の時期にりんが身籠っていた子供で、両親の苦労を一番間近で見ていた人物。
今松や五りんといった父の弟子にも愛情をもって厳しく接する。
喜美子 演:坂井真紀
志ん生とりんの次女。
脳出血を起こし病院に搬送された父を心配し駆けつける。
今松 演:荒川良々
志ん生の弟子であり、五りんの兄弟子にあたる人物。後の2代目古今亭圓菊。
師匠である志ん生を慕っており、彼が倒れた際には自身の不甲斐なさに憤りを抱くほど。その一方で弟弟子であるはずの五りんからの扱いが雑だったり、不用意な発言を怒られたりと少々不憫である。
知恵 演:川栄李奈
五りんの恋人で、苗字は阿部。五りんからは「ちーちゃん」とも呼ばれている。
五りんが志ん生を探すのに付き合い、彼と共に志ん生の自宅を訪れ、五りんの弟子入り以降は自身も頻繁に美濃部家に足を運ぶこととなる。
人懐っこく物怖じしない性格で、今松を呼び捨てにしたり、志ん生を「おじいちゃん」と呼び対等に会話を交わす。
1964年には五りんとの子を身籠っており、東京オリンピック開催当日の10月10日夜に女の子を出産。「富恵」と名付ける。
余談
- 冷水浴や水泳のシーンなど、とにかく登場人物がよく脱ぐ(特に男性)。女性は脱がないと思われたが綾瀬はるかは脱いだ(嘘のようだが史実準拠)。
- OP映像が物語の進行に合わせて細かく差し替えられており、主役の二人の他にも15話以降はスヤ(綾瀬はるか)がOPに登場している。田畑中心となる25話以降は田畑編仕様に変更(陸上の映像から、水泳の映像に)、更に40話以降は64年の東京五輪を中心とした映像となっている。
- 前述のとおり最終回では脚本家の宮藤官九郎が"新タクシー運転手"役でゲスト出演し、ネット上などで話題になったほかスポーツ新聞でも取り上げられた。このシーンで客として乗っていたのは寄席に向かう志ん生であり、同時期に放送されている缶コーヒー「ワンダ」のCM(こちらは運転手役がたけし、乗客役がクドカン)とちょうど俳優が逆になっている。
- 金栗四三を演じた中村勘九郎と、前畑秀子を演じた上白石萌歌は、本作放送の翌年に公開されたアニメ映画『ポケットモンスター ココ』でも共演している(『いだてん』では殆ど絡みがなかった両者だが、こちらではかなり関係の深い役柄での共演となっている)。ちなみに、知恵を演じた川栄李奈も別のポケモン映画に出演したことがある。
関連項目
絵だてん・・・ファンアート