「仮面ライダー…ようやく会えたなあ」
変身する仮面ライダー
概要
MOVIE大戦フルスロットルの登場人物で、伝説の怪盗「アルティメットルパン」の正体である青年。白いシルクハットにスーツ、そして黒いマントと、まるでマジシャンを思わせる装いをしており、初登場時は素顔を隠す為に仮面を顔に着けていた。※怪盗としての彼の来歴についてはこちらも参照。
なお、この「ゾルーク東条」と言う名前が本名なのか偽名なのかは不明。
映画本編でも久留間市で幾つもの事件を起こして警察を振り回しており、その事件の捜査に参加した泊進ノ介と遭遇、彼と彼に同行していた詩島霧子に自らの素顔を晒した。
しかし、現さんこと追田現八郎によると、本来彼は数十年前に活躍していた怪盗であり現在は高齢の老人であるはずなのに前述の青年の姿をしている、劇中冒頭の事件では重加速の中で動けている等、彼には幾つかの不審な点があり…
彼の真実(ネタバレ注意)
「人を殺すのは主義に反する…。だが!殺されはしないだろうと思われるのも…嫌だな!!」
「『仮面ライダー』の名前…確かに、頂いた!!」
「俺を追っていたら彼女が危ないぞ…?さあ、どちらを選ぶ?怪盗か?美女か?ハッハハハハ!!」
実は現在の彼は人間では無く、その正体は強化ロイミュードの「サイバロイドZZZ」。
前述の様に、本来の彼は高齢の老人で(回想シーンでは杖をついて歩いていた)、年老いて全盛期の力を失い既に怪盗稼業も引退していたが、半年前に勃発したグローバルフリーズによって「ロイミュード」と「仮面ライダー」の存在を知り、その力に魅せられ行動を開始。
独自の調査でドライブやロイミュードの事を調べ上げ、遂にベルトさんことクリム・スタインベルト氏がとある古城に封印していたサイバロイドZZZを発見、自らの魂をZZZのボディにインストールして現在の姿になった。
以上の経緯で全盛期以上の力と不老不死の肉体を得た彼は、自らがかつて夢見た「英雄」になることを次の目標に定めた。しかし、自らが憧れていた英雄であるドライブの正体が「俺に精神力で及ばずベルトに成り下がった男」と「そいつに力を分け与えられ浮かれている青二才」の組み合わせである事を知ると落胆・激怒し、ドライブから『仮面ライダーと言う英雄の称号』を奪う為に彼らと特状課に挑戦状を叩き付けた。
そして、事件を追う中でZZZの存在に気付いて前述の古城を訪れた進ノ介達と対峙し、魔進チェイサーのブレイクガンナーをコピーしたルパンガンナーを使って仮面ライダールパンに変身。人間がロイミュードの力を使う事を許さず彼を排除しに来たチェイス達を圧倒的な戦闘力で撃退し、更にドライブをも圧倒して変身解除に追い込んだ。その果てにドライブドライバーを破壊して進ノ介から『仮面ライダー』の名前を奪った。
なお、モデルとなった某怪盗と同じく変装術に長け、仕事の前には予告状を送り付けたりする他、本来は『悪人からしか盗まない』『殺人は決してしない』という信念を持っており、義賊として名を馳せた紳士的な性格の人物であった(「type TV-KUN」の西城究の発言によると誰かを誘拐した事も無い模様)。しかし、実は知らぬ間にZZZのボディの影響を受けており、彼自身の自覚が無いところで精神が暴走状態に陥っている。
その為、目的の為には手段を選ばない非道な性格に成り下がってしまっている。劇中でも、ライダーの名を掛けた最初の戦いで進ノ介を殺害しようとしたり、2度目の対決では彼にスペリオルタワーに集まっている一般人の虐殺と別の所に捕えてある霧子の命を天秤に掛けさせる等の卑劣な行動を見せていた。
しかし機能を停止したはずのドライブドライバーが再起動した事(後に、後述の『type LUPIN』で詩島剛がマッハドライバー炎を通じてシステム復旧プログラムをドライブドライバーに注入した事が原因と判明した)、ドライブの援軍に魔進チェイサーが現れた事、そして進ノ介が再び自信を取り戻してベルトさんと心を一つにした事で形勢が逆転。最終的にはドライブの猛攻の前に敗北。潔く負けを認め、仮面ライダーの称号を彼に返上して爆死した。
「この勝負に悔い無し…!泊進ノ介、君にお返ししよう…『仮面ライダー』の名を…!」
衝撃のラスト(こちらもネタバレ注意)
…と思われていたが、事前にロイミュード達から盗んでおいたバットバイラルコアに自身の魂(一度ZZZを経由した為に「銀色のOLOの形をしたコア」になっている)を再インストールして生き延びており(胸のプレートは立体映像で投影された姿が不明瞭だった為に断定はできないが、通常のバット型ロイミュードの姿を得ている)、事件収束後に再び進ノ介の前に現れ、彼との再対決を予告して去って行った(更に言えば、彼本人の肉体が消滅したりしている描写は無いし、変身に用いたルパンガンナーもドライブの猛攻を受けて取り落としてしまっただけで、破壊された描写は無い)。
その為、いつかまた、進ノ介達のライバルか、味方として登場する可能性は高い。
その時こそ、彼は真の意味で『仮面ライダー』の称号を得る事になるかもしれない。
ちなみにこの際の言動から、ZZZによる感情の暴走から解放され元の紳士的な人物に戻った様子。
また、彼のコアの形状について、上記で述べた様に「銀色のOLOの形状」の他の解釈として、向きを変えた「010」や「070」と言う可能性もあったが、既に「010」のロイミュードは登場済みで、更に彼とは別にロイミュード070が本編終盤で登場した為にこの可能性は無くなった。
なお、OLOが何の事を表しているかは不明だが、恐らく人の顔を表していると思われる(Oが目でLが鼻)。
「また会おう!我が宿敵、仮面ライダードライブ!泊進ノ介!!ハーッハッハッハ!!!」
そして最後の挑戦状
作品の説明
仮面ライダードライブの外伝作品である『シークレットミッションシリーズ』の最後の作品である『シークレット・ミッション type LUPIN ルパン、最後の挑戦状』にて、遂に仮面ライダールパンと仮面ライダードライブの本当の決着が描かれた。
※シークレットミッションシリーズについては、仮面ライダードライブの個別記事を参照。
なお、この作品は、2015年10月1日発売の小学館『てれびくん11月号』、または同年10月31日発売予定の小学館『仮面ライダードライブ超全集』で応募可能な、応募者全員有料サービスDVDであり史上初のハイパーバトルビデオ第2弾と言う扱いである。
同作での動向
進ノ介「ルパン、逮捕だーーっ!!」
同作において、実はMOVIE大戦後も幾度と無く進ノ介に挑戦していた事が判明。とは言え、彼のお気に入りのミニカーや霧子からの贈り物であるひとやすミルクを奪っては彼を挑発して追いかけっこ…といった感じで、大怪盗とは思えない程のイタズラレベルの事件ばかりだったが。
※この件について関係者各位は、「小さすぎないか犯罪のスケールが!」(チェイス)・「それってルパンが進兄さんが好きなだけなんじゃないの?」(剛)・「泊さんと戦えれば何でも良い様なムードにはなってるかも」(霧子)と、辛辣なコメントを残している。
そんな中、遂に最後の挑戦状が届く。
なお、この挑戦状は久しぶりに届いた物であり、最近は挑戦状が途絶えていたらしい。
その挑戦状の文章から、ルパンが次に事件を起こす場所を「久瑠間歴史博物館」と断定し、単身で決着の場所へ向かった進ノ介。そこに待ち受けていたのは、博物館を爆破し名刀を奪った仮面ライダールパンの姿だった。
以前と異なり、刀や鎌、銃等の多種多様な武器を操るルパンと交戦する仮面ライダードライブ。ドライブと互角以上に渡り合い「100の武器と技を持つ男」を名乗って高笑いするルパンにドライブは言い放つ。
進ノ介「何故ルパンに成りすましたかと聞いてるんだ。ロイミュード!」
そう、この仮面ライダールパンは偽物だったのだ。実は今作の少し前に何者かの暗殺依頼を受けた死神の内の1体、ロイミュード100によって本物のルパンは倒されており、その際にルパンガンナーを奪った100が彼に化けて悪事を働いていたのだった。
なお、同作冒頭でイタズラレベルの事件を起こしていたルパンについては、前述の挑戦状が一時期途絶えていた事実から、本物である可能性が高い。
しかし、仮にも義賊として名を馳せた彼が決してしないはずの破壊行為や、以前の死闘の際に仮面ライダーの名前を進ノ介に返却したはずなのに「"仮面ライダー"ルパン」を名乗った事等から、進ノ介に正体を暴かれ、本当の姿を現した。
つまり、最後の挑戦状も本物のルパンが進ノ介に事件の事を教えて100を追い詰める様に仕向け、ルパンガンナーを奪還する為の策だったのだ。
そして100の正体が暴かれた際に本物のゾルーク東条が合流、ルパンガンナーを奪還し変身。仮面ライダードライブとアルティメットルパンのコンビが誕生した。その後に合流したマッハとチェイサーと共に100と彼が生み出したコピーロイミュードと交戦。無事に100を撃破した。
しかし、皆が気が付いた時にはルパンは姿をくらませていた。そこにはルパンガンナーとルパンブレードバイラルコア、そして最後の手紙が残されていた(後述)。
実は彼は100との交戦の際にコアを損傷しており、もはや僅かな時間しか残されていなかったのだ。もう自分が長くない事を悟った彼は、大怪盗のプライドから自分の名を名乗り悪逆を行う偽物を倒すことを決意し今回の行動に移ったのだ。
そして、自分の汚名を晴らし心残りを消した彼は、何処かのビルの屋上で誰にも看取られず1人静かにその生涯を終えた。
全てが終わった後進ノ介達は、怪盗とは言え誇り高くあり続け最後まで己の生き様を貫いた彼の死を悼み、嘗ての経験から彼をあまり快く思っていなかったチェイスも「いけ好かない奴と言った俺の言葉は取り消す。こういうタイプの男は嫌いでは無い」と彼の事を認めたのだった。
なお、上記の経緯を得て特状課に回収されたルパンガンナーとルパンブレードバイラルコアは、他のコア・ドライビアが搭載された装備一式(各シフトカー・変身ベルト・ライダーマシン等)と共に本編第47話で地下深くに封印されている。
余談
同作品では、前述のドライブドライバー復活の真相などの伏線も回収されている。
この作品での"仮面ライダールパン"のスペックについてだが、前述の様にボディが強化ロイミュードサイバロイドZZZから通常のバット型下級ロイミュードにダウングレードされている事から、ある程度弱体化していると思われる。
100撃破時の「美しい…俺の幕切れに相応しい"火花"…いや、"花火"だ」と言う台詞だが、東条を演じた綾部氏の相方の又吉直樹氏の小説作品『火花』(芥川賞受賞作品)を意識した台詞と思われる。
究極の怪盗より永遠のライバルへ
泊進ノ介殿
俺の最後の挑戦を受けてくれて感謝する。
実は俺は最初に100に襲われた時にコアを損傷し、もう長くはなかったのだ。
最後に自分の汚名だけは消して、この世を去りたかった。
気高い生き物程、死に様を見せないものだ。
世紀の大怪盗、アルティメットルパン。
今、此処に伝説と消える。
怪盗・アルティメットルパン
※以上、type LUPIN劇中における彼の最後の手紙より抜粋。
関連項目
仮面ライダールパン ルパンガンナー サイバロイドZZZ アルティメットルパン
泊進ノ介・・・最初は見下していたが、後にライバル認定。
詩島霧子・・・劇中で彼女に変装したが、終盤にて進ノ介に見破られた。