ヴィーナスの誕生
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ゔぃーなすのたんじょう
ルネッサンス期のイタリアの画家・ボッティチェリの作品をはじめ、複数の作品が存在する。
この作品は1483年頃、ルネッサンス期のイタリアの画家サンドロ・ボッティチェリにより発表された、キャンバス地に描かれたテンペラ画で、アプロディーテが、成熟した大人の女性として、海より誕生し、上陸する様子を描いている。
巨大な貝殻の上に立つアプロディーテを中央に、霊的情熱の象徴であるゼピュロス(西風)がアプロディーテを岸へと押し出す様子を左に、季節の女神であるホーラたちの一人が、花で覆われた外套を女神へと差し出している様子を右に配しており、主役たるアプロディーテのポーズは、当時発見された『恥じらいのヴィーナス』タイプの古代彫刻から得たものであるとされる。
アプロディーテの体や細かい補助効果は、レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロの作品に見られる厳格な古典的リアリズムとは一線を画しており、特にそれが顕著に表れているのが、アプロディーテの首が現実にはあり得ないほど長く、左肩の傾きが解剖学的にあり得ない角度をしている点である。これらの描写は、ただ絵画において純粋に美を強調するのが目的であり、後の様式であるマニエリスムに通じるものがある。
時代が下り、19世紀に4人のフランス人画家により、4者4様の「ヴィーナスの誕生」が次々に発表された。以後、発表された年代の順にご紹介する。
カバネル作品
1863年にアレクサンドル・カバネルにより発表された「ヴィーナスの誕生」は、まさしく海水の白濁した泡から生まれたばかりのアプロディーテが描かれているが、ボッティチェリ作品の立ちポーズに対し、寝ポーズになっている。
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