概要
江戸幕府において征夷大将軍に次ぐ地位とされ、老中の中の老中といった扱いである。朝廷の太政大臣同様、有事など必要に応じて就任する役職であり常設されていたわけではない。そのため、就任したのは歴代で12人と征夷大将軍よりも少ない。
大老と聞くと幕府の重要職とイメージされるが、幕府以外の諸藩でも藩主が幼少など、特に補佐を必要するときに一部の藩で設置されていた。
大老一覧
- 井伊直孝:井伊直政の次男。近江彦根藩主。初代大老。
- 酒井忠世:酒井重忠の長男。上野厩橋藩主。
- 土井利勝:下総古河藩主。
- 酒井忠勝:重忠の弟・忠利の子。若狭小浜藩主。
- 酒井忠清:忠世の嫡男・忠行の長男。上野厩橋藩主。
- 井伊直澄:直孝の五男。近江彦根藩主。
- 堀田正俊:堀田正盛の三男。上野安中藩→下総古河藩主。
- 井伊直興:直孝の四男・直縄の長男。近江彦根藩主。
- 井伊直幸:直興の十三男・直惟の次男。近江彦根藩主。
- 井伊直亮:直幸の六男・直中の三男。近江彦根藩主。
- 井伊直弼:直中の十四男。近江彦根藩主。桜田門外の変で暗殺。
- 酒井忠績:重忠の子・忠正の子孫(九代後)。播磨姫路藩主。最後の大老。
なお就任できたのは徳川四天王・井伊直政の子孫である井伊掃部頭家、酒井重忠(徳川四天王・酒井忠次の同族)の子孫である酒井雅楽頭家の2家のみで、例外として家康・秀忠・家光の3代にわたって仕えた土井利勝、家光の乳母・春日局の養子である堀田正俊のみとなっている。