概要
「快なり」とは、大河ドラマ『青天を衝け』の徳川斉昭の台詞である。
徳川斉昭亡き後は、『青天を衝け』第14話最終盤、一橋慶喜が家臣たちの士気を鼓舞する為の檄として上げたのをきっかけに、栄一と喜作、慶喜、そして幕臣達がめでたい時に上げる快哉としてたまに登場するようになった。
第14話最終盤にて
参与会議の一員となった将軍後見職・一橋慶喜は、会議が薩摩藩の実権を握る島津久光が中川宮を買収、思惑通りに動かしていることを察して不満をもち、久光に同調する宇和島前藩主・伊達宗城、越前前藩主・松平春嶽を朝廷の実力者・中川宮の前で
「ここにおります三名は天下の大愚物、天下の大悪党でございます」と糾弾、
将軍・徳川家茂を守ると決意した慶喜は、結果的に栄一が献策した
「外様大名を力で抑え、一橋が乱れた世を治めるべきだ」
と同じ道になっていることに哄笑すると、
家臣たちを集めて、前祝の桝酒をふるまい、
亡き父・徳川斉昭の姿を思い浮かべながら、
「快なり」と家臣たちと快哉を上げるのだった。
久々の「快なり」コール
2021年12月5日放送第38話「栄一と嫡男」冒頭で、渋沢栄一を含む旧徳川家幕臣達が開催した徳川家康の江戸入城300年の節目を祝う「東京開市三百年祭」にて、名を正為と改めた猪飼勝三郎が「快なり!」と音頭を取り「徳川、万歳!」の声と混ぜる形で参加者と共に快哉を上げた。
慶喜、最後の「快なり」
2021年12月20日放送第40話にて、邸宅の自室で渋沢栄一にしみじみと
「これまでいつ死ぬのがいいか考えてきたが、生きていて楽しかった」
と語った後に「快なり!」と三回叫び、快心の笑みを浮かべた。
撮影時は斉昭を真似た力強い「快なり」にしようか迷ったそうだが、最終的には慶喜らしく静かだが込み上げてくる気持ちを表現した「快なり」を選んだそうである。
撮影後は慶喜を演じた草彅剛が普段のテンションで「快なり」を披露する姿も公開されている。