平清盛(大河ドラマ)
たいがどらまたいらのきよもり
NHKが制作・放映する大河ドラマ(第51作)。2012年(平成24年)1月8日より放映開始。平清盛を主役とする大河ドラマは1972年の「新・平家物語」以来40年ぶりとなる。
序盤は平氏でありながら白河法皇の落胤という出生に悩みながらも、当時の「つまらぬ世」を「面白き世」に変えるため、様々な困難と立ち向かいながら成長していく。
特に、この時代の日本より先進的な海外(中華、当時の南宋)への憧憬から、漫画「ONEPIECE」の主人公のような台詞を言い放ち、視聴者に衝撃を与えた。
本気でこんな感じだから困る。
放映当時こそいろいろ難癖を付けられたり、人間模様の難解さ(特に清盛出生~忠盛逝去頃まで)などから視聴率的には振るわなかったものの、皮肉にも放映終了後に高い評価を得た。徒に平家を美化するわけでもなく平家の暗部(一例として晩年清盛の老害化や平家の堕落など)もきっちり描くなどスイーツ大河とは一線を画した骨太ぶりへの支持も高く、このドラマを応援する企画がpixivに多い。また、オリコンの歴代好きな大河ランキング(2012年アンケート調査)トップテンにもランクインした(集計結果)。
放送終了後も本作の人気は根強く、本作を愛するファンたち、通称「海の底の民」(※)たちが再放送のたびにタイムラインに「浮上」してきたり、本作の出演者に関するニュースが報じられるとざわつくなど、今なお大きな影響を残している。
- ※作品最終盤の壇ノ浦の戦いにおいて安徳天皇を抱えて入水する時子の「海の底にも都はございましょう」という台詞に由来。「海の底の都の住人」ともいう。
そしてこの作品よりTwitter発でキーワード:本作は「盛絵」を付けてファンアートを投稿し、大河ドラマを応援する動きが始まった。
平安朝末期。摂関政治を退けて院政を敷いた白河法皇は世を思いのままに操り、権勢を振るっていた。その繁栄の裏に武士の一団、平氏と源氏は朝廷・貴族の犬として汚れ仕事を背負わされていた。法皇の暴政に庶民は苦しみ、食い詰めて悪行に走った貧民をその朝廷に嘲笑される武士が討伐するという悲惨な時世が続く。
そんな中、法皇の妾・舞子が身篭ったまま宮廷から逃亡。「生まれてくる子は、王家に災いをなす忌むべき子だ」という陰陽師の不吉な予言により、白河院は舞子を殺そうと刺客を放っていた。だが偶然にその舞子を平氏の棟梁の息子・平忠盛が見つけ、事情を察した忠盛は舞子と産まれた子供を匿う。しかし院の命で捜索していた源氏の武士・源為義が舞子を捕えて院御所に連れて行ってしまう。これを知った忠盛は院御所に参内して必死に親子を助命嘆願するも、舞子は法皇に刃を向け、殺されることで子供の命を助けた。忠盛は舞子の遺志を受け継ぎ、この子供・平太を守り育てる事を誓う。
成長した平太は京で「無頼の高平太」と呼ばれる荒くれ者となり、平氏一門の中で浮いていた。それは自身の出生や朝廷に取り入る忠盛に強い憤りと苦しみを持つ裏返しでもあったからだ。
だが、悪鬼の如く立ちはだかる実父・白河法皇、漁師の子でありながら利発な青年・鱸丸(後の平盛国)、大学者と自称する下級役人・高階通憲(後の信西)、才色兼備の武士・佐藤義清(後の西行)そして、宿命のライバルとなる源氏の若き御曹司・源義朝と放蕩の皇子雅仁親王(後の後白河法皇)の出会いを通じ、清盛は次第に平家の御曹司、この国の武士としての意識を高めていく。そうしていく中で遭遇する政争と対戦、共和と対立の中で、清盛は日本最初の武士の頂上に立つ者として平安末期の乱世を進んで行く…。
注※歴史上・物語上の人物を分かりやす~く説明しています。
平家
朝廷や源氏と比べると実に和やか。しかし、清盛の死後は…
- 平清盛:松山ケンイチ - 主人公の海賊王。青年期はDQN。それでも回を重ねるごと成長し、父・忠盛を凌ぐ勢いで平氏を背負いたつ武士の棟梁。しかし平家興隆後は着実にダークサイドに堕ちつつある。
- 平忠盛:中井貴一 - 後世では甲斐源氏の子孫や征夷大将軍だった。平家繁栄の基礎を築いた棟梁。父より優れた息子など(ry。国際的に認められた最も強き男であり、清盛が受け継いだ宋剣はその証しである。
- 平忠正:豊原功補 - 忠盛の弟。反清盛の急先鋒。しかし、それは一門の事を思っての事であり、一方で清盛の息子たちには愛情をもって接し、清盛が棟梁になった後は次第に彼の才覚を認めるようになる。保元の乱での頼盛の反逆未遂を庇って、あえて敵となる…。
史実では藤原忠実・頼長と親しかったこともあり鳥羽院に近かった忠盛・清盛とは長らく対立していた。
清盛の兄弟・義兄弟
- 平家盛:大東駿介 - 清盛の異母弟、忠盛の次男であり池禅尼の実子。血はつながらなくとも本当の兄弟のように仲は良かった。しかし悪左府の魔の手にかかり…
- 平頼盛:西島隆弘 - 清盛の異母弟、忠盛の五男であり池禅尼の実子。青年期は頼りなさげだったが、成人後は威厳を発揮し出す。一門の中では各方面との繫がりでパイプ役になり清盛から頼られるも、微妙な立場として浮いた存在になる。
- 平経盛:駿河太郎 - 清盛の異母弟、忠盛の三男。明るい性格のくせに発言が悲観的。影が薄い。長男に平経正、末子に平敦盛がいるが登場しない。
- 平教盛:鈴之助 - 清盛の異母弟、忠盛の四男。熱血系。この人も影が薄い。本作に登場しないが次男はかの平教経である。
- 平忠度:ムロツヨシ - 忠盛の六男。清盛の異母弟であるが年はかなり離れており甥の重盛や基盛より若い。熊みたいな髭面で強いが歌詠みの才人。熊野で生まれ育ち、初めて六波羅へやってきた時には一門の誰とも面識がなかった。宴で九条兼実と歌詠みで戦い、僅差で勝利する。
清盛の子
- 平重盛:窪田正孝 - 清盛の長男。可哀想な人その1。父親とは似つかないほどの真面目な人。真面目すぎてどこか威圧的な印象を見る者に与える。要は苦労人である。文武に秀でた優秀な人となりだが、忠正曰く「真面目すぎる」。晩年は時忠や宗盛らとの対立、清盛と後白河院の対立、鹿ヶ谷の一件などで神経をすり減らし清盛に先立つ。
- 平基盛:渡部豪太 - 清盛の次男。お調子者。忠正曰く「要領が良い」。崇徳院の呪詛によって早世。もし生きていれば平家の、かつ重盛の運命は大きく変わったはず…。
- 平宗盛:石黒英雄 - ヘタレで有名な清盛の三男。少年時代からチキンっぷりを披露。時忠に乗せられて後継者の椅子を巡って優秀な長兄・重盛と争う。つまり平家没落フラグを持つ男。長兄と父の死後、平家の棟梁となる。
- 平知盛:小泉友 - 清盛の四男。苦労人の重盛とチキンの宗盛に囲まれて影が薄い。しかし重盛の死後は少しずつ有能さを見せ、壇ノ浦の戦いでは物凄い形相で碇を背負って入水した。
- 平重衡:辻本祐樹 - 清盛の五男。何気に演じている俳優は兄弟で一番年上。ってか松ケンと同じ年で生まれた月はこっちのが早い。重衡はイケメンで勇猛で教養があり性格もよく、女にモテる。何この完璧超人?
- 平徳子→建礼門院:二階堂ふみ - 清盛の長女。満16歳で満10歳の高倉天皇に嫁がされることになる。母・時子と高倉帝の母・滋子は姉妹であり、ふたりはイトコにあたる(この時代にはよくある話だが・・)。カオス。ちなみに長兄・重盛とは後世、夫婦になる模様。
清盛の家来たち
- 鱸丸→平盛国:上川隆也 - 清盛の家人で、元は漁師の子。曲者揃いの平氏の中で屈指の秀才にして常識人。…と思いきや酒癖が悪い。
- 兎丸:加藤浩次 - 本作のオリジナルキャラクター。盗賊の子で海賊王を目指すも、清盛お手つき後は貿易王を目指す。だが、方針を巡って清盛と対立し、時忠の放った禿によって謀殺されてしまう。何気に最終回まで生き残りそうなキャラだと思われたが、大河作品には珍しくオリキャラの名が入ったサブタイトルで死を宣告されてしまった。「兎丸無念」
- 平家貞:中村梅雀 - 平氏譜代の家人。清盛を陰から支える。唐菓子ウマー。
- 平貞能:田口浩正 - 家貞の次男。史実では勇猛な武人だがそんな感じはドラマでは全くない。史実では平家都落ち後に一門から離脱。
- 平盛康:佐渡井けん太 - 清盛の乳父。初期は清盛が騒動を起こす旅に「申し訳ございませぬ!!」と土下座するのが定番であった。兎丸討伐で名誉の戦死を遂げ、鱸丸を養子にして「盛国」の名を与える。
- 伊藤忠清:藤本隆宏 - 忠盛以来の平家の郎党。ガタイ系。富士川の戦いでの失態を清盛に責められた時、清盛に自ら手打ちにされそうになるが…
- 伊藤忠直:土平ドンペイ - 忠清の弟。2話限りの脇役。平安のモビルスーツの放った強弓の直撃をくらい敢えなく戦死。
平家の女たち
源氏方
荒んでいる。というより武家の暮らしぶりを忠実に再現しているのだが…。
- 源頼朝:岡田将生 - 本作の語り手でもある。清盛からバカにされたりぶん殴られたりするが、清盛を敵の大将としてではなく武士の世を築いた人物として一種の畏敬の念を感じている。平家の手の者に生まれたばかりの愛する息子を殺され、意気消沈としてしまうが、北条政子との出会いで武士としての自覚を蘇らせる。
- 源義朝:玉木宏 - 平安版関東のヤンキー。清盛の前ではツンデレ。登場当初は明らかに清盛の上を行っていたがいつの間にか先を越されてた。平治の乱で某北斗の敵キャラみたいな感じに変貌し、清盛との対決に挑む。最後は逃亡先の尾張で清盛にぶん殴られてこの世を去る(実際は正清と刺し違えた)。
- 北条政子:杏 - 頼朝の妻。馬に乗ったりイノシシを射止めたりとやたらはっちゃけている。初登場(時系列)した時は藤九郎よりもめっちゃ汚い格好だったが、頼朝を意識し始めると服装や身なりを気にし始める。
- 源為義:小日向文世 - 俗称、ダメ義。おそらく本作で最も可哀想な人。源氏を盛り立てようと必死に頑張るけど、いつも上手くいかない。ダメ義さんは何やってもダメ義さんなの…(´;ω;`)ブワッ
- 源義平:波岡一喜 - 義朝の長男。頼朝の異母兄。木曾義仲の父・源義賢を自ら討ったことから「鎌倉悪源太」の異名を持つ。好戦的な笑顔が素敵。最後は清盛に処刑されているがスルー。
- 源頼政:宇梶剛士 - 摂津源氏の棟梁。義朝と歩調を合わせたり清盛に寝返ったり独自路線を取る。鹿ケ谷の陰謀の際には同族の多田行綱に密告させるように仕向けたかと思えば、馬争いの件でブチギレて以仁王と野心家タッグを組み平家に逆らう。欲望が強いんだろう。素晴らしいッ!
- 源為朝:橋本さとし - 為義の八男。義朝の異母弟。勘当先の九州で「鎮西八郎」と自称しド派手にやらかしその後上京。崇徳上皇側の最終兵器である平安のモビルスーツ。その矢の威力はもはやビームライフル級。その後の捕縛~伊豆大島配流~自害の過程は当然省略。
- 鎌田通清:金田明夫 - ダメ義の家人。保元の乱で平安のモビルスーツのビームライフルを受けて戦死。
- 鎌田正清:趙珉和 - 通清の子。義朝の家人。苦労人だが義朝に絶対的な忠誠を誓い最後まで一緒だった。
- 由良御前:田中麗奈 - 義朝の正室。登場初期はツンデレだったが、頼朝に源氏の未来を託すあまり次第にヤンデレ化。最後の最後でツンデレに戻った。
- 常盤御前:武井咲 - 義朝の側室。牛若、後の源義経の生母。武家の娘であった由良を尊敬していた。清盛の側室となるが、それ(や)らしい描写は劇中殆ど語られず何時の間にやら別居していた。
- 藤九郎→安達盛長:塚本高史 - 後に頼朝の最も重要な家臣の一人となるが、元は身分が低いためやたら汚らしい。
- 北条時政:遠藤憲一 - 伊豆国の豪族。頼朝を色々贔屓し、娘のやんちゃ振りに頭を痛める。
- 鬼若→武蔵坊弁慶:青木崇高 - 何でか保元の乱前からしゃしゃり出て、源氏にあれこれ関わり、常盤御前を助け出した。平家の世では禿退治+打倒平家のために刀を集めていたが、謎の少年こと遮那王にやられたかと思うと、彼が牛若と気づいて再会に喜んで抱き上げる。最後は見事に立ち往生する。
- 牛若→遮那王→源義経:神木隆之介 - 後に平氏を滅亡に追いやり、兄に追われる、悲劇の天才貴公子スペックホルダー。中の人にとって『義経』以来、二度目の義経である。最期は奥州衣川で自害。
皇家
ドロドロしている。王家呼ばわりもありアレの方面から苦情殺到した。
- 雅仁親王→後白河天皇→後白河上皇→後白河法皇:松田翔太 - 鳥羽院の第四皇子。今様と双六大好きの日本一の大天狗。設定上では清盛の大甥に当たる。皇位継承順位は低かったが、父・鳥羽院と兄(?)・崇徳院の確執により父帝の意によって即位する。清盛・終生のライバル、日本国をめぐって清盛と楽しく双六したいがために国政を意のままに操ろうとする。8(゜∀゜ )8<アハハハハハハハ!けれども34話で清盛の前に姿を現した後白河はまさにツンデレだった。 。゚(゚`Д´ ゚)゚。<この死に損ないが!!
- 白河法皇:伊東四朗 - 幕末で新選組に家を貸すか貸さないかでおどおどしていた人も、この時代ではタフマンとして君臨。おっかないラスボスキャラなのに2~3話で退場。清盛が死の淵に瀕すると精神世界で復活。もう一度言うがすごくおっかない。ちなみに妾の舞子とは『新選組!』においては親子であった。
- 鳥羽天皇→鳥羽上皇→鳥羽法皇:三上博史 - 可哀想な人その3。待賢門院を白河法皇に寝取られるも、やっぱり待賢門院の事が好きだというヘタレ。しかし、政治的には藤原摂関家から実権を奪った偉大な治天の君であった。
- 顕仁親王→崇徳天皇→崇徳上皇:井浦新 - 鳥羽院の息子かもしれない人。可哀想な人その4。後に日本で最もおっかない怨霊となる。ドラマでは「生霊」として表現され、放送コードぎりぎりの異形と1時間もの放送延長をもたらした確かな怨霊っぷりで日本中の視聴者を震撼させる。無敵の呪文「遊びをせんとや~」と、降り注ぐ太陽の光と子供達の声により魂が浄化された(役者曰く後者が最も大きな理由とか)。
- 守仁親王→二条天皇:冨浦智嗣 - 後白河の息子だが、父とは大違いな常識人かつ賢帝。だが声と姿がマッチしていない。
- 憲仁親王→高倉天皇:千葉雄大 - 後白河と滋子の息子。満6歳で、満4歳ちょっとの甥(六条天皇)から皇位を譲られる。
- 祇園女御→乙前:松田聖子 - 清盛の生母・舞子とは旧知の仲。雅仁親王を覚醒させる今様の名手。京を出奔した後はすごい格好になってる。その後は乙前として登場し、最終的に廊下で清盛とすれ違って、清盛が振り返ると消えていたというホラー演出で退場した。(前の回で病床に臥せっており、彼女が退場する回のopで名前がそれまでの乙前からかつて名乗っていた祇園女御に戻っていたため、退場回で登場した時点ですでに死んでいたと思われる。)
- 舞子:吹石一恵 - 清盛の生母。幼き我が子を守るために、最期のシーンでは正に漢女。
- 平滋子→建春門院:成海璃子 - 時子や時忠の妹。平安天然パーマ。意地っ張りだが、後白河院と馬が合って皇后になる。皇后になった後は平家と皇室の仲を取り持つが、突如として病死。結果、後白河院と清盛の対立を深めることとなる。以仁王の親王宣下を妨害するなど黒い面もある。
- 藤原璋子→待賢門院:壇れい - 鳥羽院の后。マグロ。天然にも限度がある。
- 堀河局:りょう - 璋子の女房(侍女のこと)。西行と肉体関係を持ったが、璋子に手を出すのを止めさせようとする。昼ドラかよ。西行との絡みで終盤でも活躍。
- 藤原得子→美福門院:松雪泰子 - 鳥羽院の側室。見た目に反して策略を好む、昼ドラ女。
- 統子内親王→上西門院:愛原実花 - 後白河法皇の姉。あの後白河法皇の姉と思えないほどいい人+作中屈指のまともな人。当時の女性としては結構長生きだが、平治の乱以降めっきり出番が減った。
- 藤原朝子→紀伊局:浅香唯 - 信西の妻、後白河天皇の乳母。つまり帝の無茶振りに振り回されるのがお仕事。出番は多かったが西光の再登場と入れ替わりになるように姿を消した。
- 八条院暲子:佐藤仁美 - 鳥羽院と美福門院の皇女で近衛帝の姉で後白河院の異母妹。鳥羽院の遺産によるものすごい財力を持つ。母譲りの性格で以仁王の養母として擁立に暗躍する。ちなみに家ではかなり散らかしてたとか。
- 以仁王:柿澤勇人 - 後白河院の第三皇子。八条院の養子。美福門院や二条帝の正統後継者という強い自負を持つ。野心を警戒され滋子に親王宣下を妨害されたことなどから滋子ひいては平家を恨んでいた。皇位継承をスルーされたことが決定的な引き金となり皇位の野望を燃やして挙兵、各地に「平家追討」の令旨を発する。
朝廷(公家・貴族)
麻呂。とりあえず役立たずと腐敗した保守派が多い。
- 高階通憲→信西:阿部サダヲ - 「誰でもよーい!」穴から始まり穴に終わる男。学識は当代随一だったがうだつが上がらず下級役人で燻っていた。宋国に強い憧れを持ち渡航を目指すが失敗。出世を諦め出家するが、雅仁親王や美福門院のシンパとなり形勢逆転。権力を握るや宋のような国づくりをめざし独裁政治を行なうが貴族たちの反感を買い、信頼と義朝たちの叛旗によって不遇の最期を遂げる。ちなみに1972年の「新・平家物語」では、演じた小沢栄太郎の芝居があまりに憎々しかったため、視聴者から「早く殺せ」と投書が殺到したという。
- 藤原頼長:山本耕史 - 悪左府と畏れられる藤原ァッー摂関家のいい男。よかったのか?ホイホイついてきて。俺は従四位下だって構わないで食っちまう朝臣なんだぜ?…後世に遺した日記『台記』のおかげでネタ扱いされがち。だが信西と同じ様に国を建てなおそうとしていた…のだが、保元の乱ではやたらビビっていた。やっぱりネt(ry。数年前に鬼の副長を演じていた人とは思えない位の怪演である。可哀想な人その5とも言えるが、敵を作りすぎる性格もありドラマの描写では自業自得っぽく見える。ちなみにダメ義から賄賂としてもらったオウムを可愛がっている。最後に息子の兼長と師長に訓戒を与えたシーンも描かれた。なお、2016年の大河ドラマ「真田丸」ではダメ義と立場が逆転、振りまわされている。
- オウム:ココデコウタコトハナイミツニナ!→シュクセイ!シュクセイ!→チチウエ…チチウエ…
- 藤原忠通:堀部圭亮 - 頼長の兄。お歯黒まっくろ。武士を侮蔑していたが、鳥羽法皇死後に起こった保元の乱には信西、清盛・義朝とともに後白河帝につき、崇徳院・頼長失脚後も朝廷の有力者として生き残る。後に嫡男・基実と清盛の娘・盛子との縁組を進めた。後世における五摂家の祖。
- 藤原忠実:國村隼 - 頼長・忠通兄弟の父親。白粉まっしろ。頼長を溺愛し、長男・忠通と対立する。保元の乱で敗北した頼長が助けを乞うても無視した…が、頼長の死を知るとやはり人の親であったためか、号泣する。
- 藤原信頼:塚地武雅 - 後白河帝の側近。ドラマでは無能に描かれているが実際はそこまで無能ではなく、有能だったとの考えもある。おもしろくないのう。
- 藤原成親:吉沢悠 - 後白河帝の側近。清盛の嫡男・重盛に妹を嫁がせる。どっちつかずの陰謀メーカー。その割に小物。鹿ケ谷の陰謀がばれて島流しにされたうえ、食べ物を与えられず餓死という悲惨な最期を遂げる。
- 藤原師光 → 西光:加藤虎ノ介 - 信西の側近。信西の死後出家し後白河院側近となる。崇拝していた信西を貶めた敵将の息子・頼朝を生かした清盛を許さないでいる。鹿ケ谷の陰謀後に捕らえられるが、最後に清盛に正論を連発して煽りまくる。その結果フルボッコにされ結局処刑された。ちなみに家成の猶子で成親の義弟でもある。
- 藤原家成:佐藤二朗 - 鳥羽院の側近として権勢をふるう。良い人。貴族にしては珍しく平家に友好的、忠盛の依頼により、清盛の烏帽子親を務めた。成親と重盛の正室・藤原経子の父。
- 藤原(松殿)基房:細川茂樹 - 忠通の五男。内大臣。松殿家の祖。平家を敵視するが、ろくな目にあわない。一見策士だが実際はアホ。数年前は、立派(?)な平家の一員だったのにね。
- 藤原(九条)兼実:相島一之 - 忠通の六男。平家を敵視する(一方で認めている部分もある)世渡り上手で記録好きの九条・二条・一条家の祖。日記『玉葉』は一級の史料として評価されている。兄とは違って頼朝とも誼を通じるキレ者。鎌倉幕府・4代将軍・九条頼経の曽祖父。
- 藤原(近衛)基実:村杉蝉之介 - 忠通の四男。摂政・関白。美男子設定は生かされなかった。新平家派として平盛子(幼女)を娶った、近衛家の祖。↑の弟二人にも言えるが明らかに役者の年齢がおかしい(史実では24歳で亡くなっている)。近衛・鷹司家の祖。
- 秦公春:富岡一人 - 頼長の随臣でアレのお相手。家盛を話題に出す頼長に嫉妬の視線を送ってもいた。ウホッ。
- 藤原教長:矢島健一 - 崇徳院の近臣で、最後まで崇徳院を支え続けた忠臣。保元の乱終結後、常陸国に流される。この人もかわいそう。
- 藤原経宗:有薗芳記 - 二条天皇の側近。平治の乱首謀者の一人になるもあっさり寝返り、その後も院政界を巧みに泳いで権力を維持する。巻き込まれたにィ↓すぎませぬゥ↑♪に妙な色気を込めるのはお止め下さい。本作で描かれていないが重盛の末子・宗実の猶父でもある。
その他
- 佐藤義清→西行:藤木直人 - 平安朝のプレイボーイ。待賢門院に手を出して、未練たらたらの彼女を締め上げて、自分の娘を蹴り倒した挙句、出家する。登場初期は清盛・義朝と並ぶ若き武士の一人として良く登場していたが、出家後は殆ど出る幕が無くなってしまった。出家してから霊能力を持った。
- 明雲:腹筋善之介 - 天台座主。強訴(坊主のデモ)の度に山から下りて京にしゃしゃり出てくるエキサイティング座主。強訴を阻止してきた清盛を目障りに思っていたが、協力態勢を持ちかけられると一転して平家と仲良しになる。当時の腐敗しきった既成宗教を代表する人物。眉毛。史実では清盛死後、木曾義仲と戦い討死。
- 佐伯景弘:温水洋一 - 厳島神社の頼りない感じのする社司。
- 伊東祐親:峰竜太 - 伊豆国の豪族。平家の家人として張りきるが、清盛に声を掛けられると変にビビってしまう、いわゆるネタ+チョイ役要因。……と思われたが自身の娘と罪人の息子の間に生まれた孫を、保身のために手を掛けた外道(仕方がないとは言え…)。なお、史実ではその後捕えられ頼朝に助命されるがこの件を恥じて自害している。2022年の『鎌倉殿の13人』に登場する一万(曾我祐成)と箱王(曾我時致)は内孫、北条義時・三浦義村は外孫に当たる。
- 八重姫:福田沙紀 - 祐親の娘。流刑の身の頼朝と恋仲になり、子を儲けるが…
- 藤原秀衡:京本政樹 - 黄金と馬で清盛と対等関係を築き奥州の王者となったゴージャス豪族。
遊びをせんとや生まれけむ 戯(たわぬ)れせんとや生まれけん
遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそ動(ゆる)がるれ
生まれたばかりの清盛を抱えた舞子が歌い、後白河天皇も歌い、清盛にとっては童心の原点となり、OPにも使われた、いわばこのドラマのテーマソング。後白河法皇が編纂した今様(当時の流行歌)集『梁塵秘抄』所収。現代語訳例は「子供というものは遊びをするために生まれてきたのであろうか。戯れるために生まれてきたのであろうか。遊ぶ子供の声を聴いていると、私の体にもまた子供のように生きる力が生まれてくる。」
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