概要
宗像三女神のひとり市杵島姫(イチキシマヒメ)神を祭神とする神社。最も有名なものは総本社でもある広島県廿日市市宮島町(旧佐伯郡)のものであり、世界遺産にも登録されている。
水に浸かっている鳥居の写真を歴史の教科書で見た人は多数、いや、おそらく見ていない人はいないであろう。
宮島町の厳島神社が、海中に建てられている理由については「古代の宮島は、人の居住を許さぬ神の島であった為、海中に社殿が建てられた」と言われているが、これは何の根拠も無い説である。
(宮島の沿岸部には、縄文時代~平安時代にかけての遺跡が、数多く存在している)
近年の説では、平清盛の時代に流行していた「浄土式庭園」の影響を受け、海岸の土地を削って造られた人工の湾内に、朱塗りの社殿を建てたのではないか、と言われている。
(広島大学・三浦正幸教授の説)
見た目がいいからか、日本を舞台にした外国産のゲームで出てくる事がたまにある。
pixivでもその美しさが創作意欲を掻き立てるためか水没した鳥居のイラスト等多く見られる。
いつ頃からか、総本社の大鳥居の亀裂に小銭をねじ込む習慣(俗信)が生まれている。中には塗装に出来た隙間に入れ込む例もある。
他の木造建築にも言えることだが、宮島の総本社の場合、海に浮かび、その一部は海水に浸かっているのはもちろん、立地上、常に潮風にあてられる状態である。
挟み込まれた硬貨は楔や杭のように刺さり続けゆっくりと柱を裂いていく。塩水や潮風にあてられた硬貨は錆びやすくそれによって体積が増すことでヒビや隙間を広げてしまう。
この社の大鳥居の柱は一本の木から削り出されているが、このサイズのものを現代において再び確保することは不可能である。
徐々に鳥居を破壊する貨幣ねじ込み行為は厳禁である。お賽銭は賽銭箱に入れましょう。