概要
日本神話において天照大神と須佐之男が喧嘩になり、誓約(うけい)でスサノオに邪心が無いか確かめることに。アマテラスはスサノオから剣を受け取ってそれを三つに砕き、それによって三人姉妹の女神が生まれた。それがタキリヒメ、イチキシマヒメ、タギツヒメである。
現在、福岡県にある宗像大社で海上交通の守護神として祀られ、タキリヒメが沖津島の沖津宮に、イチキシマヒメが大島の中津宮、タギツヒメが田島の辺津宮に各々祭られている(諸説あり)。
『日本書紀』「雄略九年の条」には、当時の新羅との戦争に際して雄略天皇自ら戦勝と航海安全を祈願して宗像の神に使者を遣わし、その託宣により天皇親征を取りやめたという記述がある。宗像三女神が、朝廷の軍事及び外交においても、重要な役割を果たす神々であったと理解できよう。
創作作品では
百田尚樹氏の大ベストセラー小説『海賊とよばれた男』において、主人公国岡鐵造が創業した石油企業国岡商店が所有する石油タンカーである『日章丸』の神棚に、宗像三女神が祀られており、初めてイランへの航海をする時(日章丸事件)に、宗像三女神に祈る場面がある。
また、航海の途中でタンカーを拿捕して石油を奪おうとする英国海軍の追跡を振り切るべく、危険な座礁多発地帯を潜り抜ける際も、日章丸の艦長である新田辰夫艦長が、妻との思い出の腕時計を海に投げ入れ、宗像三女神に祈る場面も。
物語の後半、三女神に由来する名を持つ人(神)物が登場。それぞれが重要な役割を演じる。
⇒タギツヒメ(刀使ノ巫女)、イチキシマヒメ(刀使ノ巫女)、タキリヒメ(刀使ノ巫女)
⇒報復のドッペル、返報のドッペル、突貫のドッペル、誓約のドッペル