概要
生年1923年1月25日
没年1990年5月3日
東京都出身の時代小説・歴史小説家。司馬遼太郎・藤沢周平と並び、戦後日本を代表する時代小説作家の一人。美食家としても知られ、時代小説の描写に反映されている他に食に関するエッセイなども多く出版されている。
来歴
大正12年、1923年に東京都浅草区に生まれる。生後間もなく関東大震災に被災したことで居場所を転々とすることになり、最終的にちゃきちゃきの江戸っ子である祖父の元で育てられた。
小学校卒業後は家庭事情のため進学を諦め、丁稚奉公で日銭を稼ぐ生活に入った。この頃から小説や映画や舞台に興味を持ち、金を貯めてはそれらを鑑賞して回る日々を過ごした。
成人後は旋盤工として働く傍ら雑誌の文学欄にスケッチを投稿する生活を送るも、太平洋戦争の激化に伴い池波の元へも召集令状が届き、軍属となった。暴力的な職場環境に馴染めず反抗的な態度をとり続けたため最初の職場は退所し、通信士の任務に就くことになった。
終戦後は東京都職員となったが、この頃から劇団向けの戯曲の執筆を開始し、作家の長谷川伸の指導の下劇作のイロハを学んだことで劇作家としてのキャリアをスタートした。
同時に師の強い勧めもあって小説の執筆も開始し、短編連作を雑誌に発表した。
劇作家・演出家としてキャリアを順調に積み、小説家としての自信も付けてきたことから10年勤めていた東京都職員を退職し、本格的に文筆の道を歩む事になった。
最初期は現代を題材にした小説を多く執筆したが、時代劇小説で人気を博したことからそちらをメインに執筆を続けることになり、「鬼平犯科帳」や「剣客商売」、「仕掛人藤枝梅安」といった人気長編シリーズを生み出した。
1990年に急性白血病にて死去。
主な作品
※()内は主人公。