概要
『鬼平犯科帳』『剣客商売』と並ぶ、池波正太郎の娯楽時代小説シリーズ。「仕掛人・藤枝梅安」と中黒が付く。
1972年(昭和47年)『小説現代』3月号に掲載された『おんなごろし』から、1990年(平成2年)『小説現代』4月号で作者の死去によって中断するまで連載された。
内容は、江戸は品川台町で鍼医者を営む藤枝梅安が、裏家業として金で殺しを請け負い、標的を暗殺していくというもの。
1972年9月2日から1973年4月14日にかけて、緒方拳主演で本作と本作の原案となった短編『殺しの掟』を原作とするTVドラマ「必殺仕掛人」放映された。
放映開始時は本作の連載が始まったばかりで、ドラマの方には原作の主要人物である彦次郎や小杉十五郎が登場しておらず、本作には登場していなかった『殺しの掟』の登場人物である音羽の半右衛門がレギュラーとして登場しているなど原作とドラマでは大きく異なる部分があった。
ちなみに、音羽の半右衛門はドラマから原作小説に「逆輸入」されている。
1982年1月22日から1983年11月6日にかけて小林桂樹主演で、1990年12月26日から1993年10月6日にかけて渡辺謙主演でドラマ化された(共に全七回)。
また岸谷五朗版のドラマの他、萬屋錦之介主演の映画も作られた。
2001年、リイド社発行の漫画雑誌『増刊コミック乱』7月号より、さいとう・たかを作画、北鏡太脚色で劇画が連載。2003年に『増刊コミック乱』が『コミック乱ツインズ』と改題されてからも連載は続いたが、2015年2月に作者の体力面の限界から休載され、2016年4月号で連載の終了が発表された。
2016年6月号より、武村勇治の作画により改めて連載が開始された(全十巻)。こちらは原作者急逝の為に描かれなかった結末までが描かれており、最終巻は池波正太郎、さいとう・たかを両氏に対する謝辞で締めくくられている。