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転生しまして、現在は侍女でございます。

てんせいしましてげんざいはじじょでございます

ウェブ小説投稿サイト「小説家になろう」にて、玉響なつめ氏により投稿されている作品。アリアンローズより書籍化・コミック化されている。
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ユリア・フォン・ファンディッド。


ひっつめ髪に分厚い眼鏡、不愛想な王女専属の侍女。

そんな彼女は実は転生者で、メインキャラとはまったく関係ない位置にいたのにヒロインのライバルキャラとなる王女のお世話係になった途端、子供好きで世話好きの火が点いた!


王女のことが可愛すぎて、彼女が結婚する時にはついていくなんて言い出した日には王女の方がユリアを心配するのだ。

「ねえユリア、そばに居てくれるのは嬉しいけど、あなた結婚しないでいいの・・・?」


果たしてユリアは恋愛に目覚められるのか?

目覚めたとしてちゃんと成就できるのか?


概要編集

小説家になろうに投稿されているウェブ小説作品。

アリアンローズより書籍化及びコミック化されている。

著者は玉響なつめ氏。

イラストは仁藤あかね氏、漫画は田中ててて氏が担当。


所謂悪役令嬢モノの作品であるが主人公が悪役令嬢本人なのではなく、その人物に仕えるメイド(侍女)であることが最大の特徴。


剣と魔法の中世ヨーロッパ風の世界を舞台に、悪役令嬢モノの設定や展開を下地にしつつ、主人公を取り巻く環境や恋愛模様に着目した、少女漫画のようなラブストーリーとなっている。


登場人物編集

  • ユリア・フォン・ファンディッド

アルダール×ユリア(転生しまして、現在は侍女でございます。)

本作の主人公。21歳。ファンディッド子爵令嬢にしてプリメラ王女の専属侍女であり、当代の王女宮筆頭侍女。すなわちただの侍女ではなく王女宮で働く全ての侍女を統括するトップ。(ただし宮廷内各宮にも、それぞれの宮の侍女を管轄する「筆頭侍女」がおり、それを統括する「統括侍女」もいるので、いわゆる宮廷内における中間管理職のひとりでもある)

転生者であり、この世界が自身が前世で好きだった乙女ゲームと酷似していることに気が付いている。

基本的に、この物語は主人公の一人称視点で物語が進んでいく。


行儀見習いとして奉公している際に王女プリメラの母である側室様に見出だされ、彼女の元で見習い侍女時代を過ごした。しかし側室様はプリメラ出産後に産後の肥立ちが悪くなり、そのまま亡くなってしまう。

母を亡くした赤子のプリメラは非常に疳の虫が強い子であり、その様は王家に認定された乳母全員が匙を投げ王様が「プリメラをあやした者には褒美をやる」と御触れを出したほどだった。

慕っていた側室様を亡くしたユリア自身も悲しみの底に沈んでいたが、その側室様が遺したプリメラが気になり「あやし役」に志願する。その見習い侍女の身の程知らずに周囲の貴族は失笑したが、ユリアは見事にプリメラを泣き止ます事に成功し、以降世話係を任される事になった。

その結果ユリアはプリメラの可憐さに心を奪われ「側室様の遺したこの姫様を、あんな悪役令嬢には絶対にしない!」と絶対の誓いを立てて誠心誠意に彼女の世話を焼き、またプリメラに取り入ろうと彼女を甘やかそうとした他の侍女たちとも全力で戦い、プリメラが甘やかし侍女たちへの迎合を示そうとした時には涙を流して理を以て諫言を呈して諭した。最終的には、その姿勢を王太后さまから評価された事で王女宮筆頭侍女の地位を手に入れる事に。

その熱心さとプリメラ(と今は亡き側室様)に対する無私の忠誠、部下である後輩侍女らへの面倒見の良さから「侍女の鑑」と評される。が、その忙しさから浮いた噂も全く無かった(どんな男性にもなびかず自覚無く袖にしまくった)ため、王宮の下世話な男どもからは「鋼鉄侍女」(鉄壁の侍女)と揶揄されていた。


一応、魔法は使えるものの、その力は限りなく弱く「少量の水を出す」「弱い炎を継続的に出す」「そよ風・冷風を起こす」程度のもの。しかしユリアはそれと自身の侍女経験を組み合わせ「最高かつ最適のお茶を煎れる」「ものを急速に冷やす」「適度な気温を保つ」「生鮮品を保存する」など生活を快適にするための魔法として見出だし、宮廷において魔力の弱い人材を活用させる道を拓いている。王女宮筆頭の地位は、この実績を評価されてのものでもある。


自身の容姿が優れていないことを自認し、またファンディッド子爵家の継母との関係が悪いため半ば絶縁していること、王女の世話を焼くことに生き甲斐を感じていることなどが重なって結婚適齢期を過ぎても独身を貫いている。

本人は特に結婚するつもりはないのだが、王女には心配されている。

ちなみに眼鏡をかけているが、実は目は悪くない。いわゆる伊達眼鏡。これは前世に眼鏡をかけていた影響で「冷静な思考を保つためのツール」として必要としているため。


なお権謀術数渦巻く貴族王族の世界で、ただひたすらに打算無くプリメラのために忠誠を尽くすユリアの姿は、上位の貴族や王族たちの目からしてみれば非常に眩しくも尊く映るもの(いわば上位の貴族たちが子どもの頃に憧れた主従の姿)であるため実は結構理解者(ファン)が多い愛され侍女でもある。本人に自覚は無いが。


  • プリメラ

第一王女。10歳。現国王と側室との間に生まれた。

元のゲームでは「ぽっちゃり」「我儘」「食欲」(そして「孤独」)がキーワードライバルキャラの一人。


明るい金髪に空色の瞳かつ白い肌を持つ人形のような容姿を持つ、聡明な美少女。

国王から溺愛されており甘やかされているが反面叱られることも褒められることもなく、反対に王妃は厳しく実の母親を貶めるような言葉を投げかけられ、自身はどこかへ嫁がされるための姫という道具として愛されているのではないかと考えてしまい、そういったストレスが原因で過食に走ってしまっていた。

しかしユリアが代わりに諫言を呈し、あるいは称賛することで不安が解消され、美しい容姿のまま健やかに成長していった。

自らに時に涙を流しながら厳しく接し、また慈愛に満ちた接し方をしてくれるユリアの事を第2の母として心から慕っており、二人きりのプライベート時にはユリアの事を「かあさま」と呼ぶ。


  • ディーン・デイン・フォン・バウム

バウム伯爵家令息。13歳。騎士見習い。プリメラ王女の婚約者

ゲームでは攻略対象の一人で隠れた性癖の持ち主。ゲームの裏エンドでは、この隠れた性癖が全開になってしまい、前世のユリア含む全プレイヤーをドン引きさせたという。

ゲームではプリメラ王女の一目惚れで婚約したのだが、本編では彼の方が一目惚れをしている。

兄のことを尊敬しており、彼のことを認めない周囲の人間に不満を抱いている。

ちなみに本編ではユリアの機転により「隠れた性癖」に関しては永遠に隠れたままになった。(ただしプリメラにリードして貰った時には嬉しそうにするなど片鱗が垣間見える事はある)


  • アルダール・サウル・フォン・バウム

ディーン・デインの兄。近衛兵の一人。26歳。独身。

バウム伯爵家の長子だが庶子であるため、家の継承権はない。

元のゲームでは本編にはほぼ絡んでこないモブキャラだった。

弟と王女の婚約を機にユリアと知り合い、彼女を意識するようになる。


  • アルベルト・アガレス

王弟。30歳。

仕事から逃げだしユリアの私室に窓から乗り込んで隠れたりするなど気さくで豪快な人物。


  • アラルバート・ダウム

王太子。13歳。ゲームでは攻略対象の一人。

元のゲームでは本来は聡明で自身を凌ぐような優秀さの片鱗を見せるプリメラのことを快く思っていなかったのだが、本編では非常に仲が良い。

それ故プリメラを支えてくれているユリアに感謝しており、彼女が今後もプリメラの傍にいられるように便宜を図ってくれている。


  • メイナ

王女宮の侍女。平民出身ではあるもののユリアによって、その勤勉さを見出だされ才覚を伸ばされた、ユリアの腹心の部下のひとり。とても真面目で根気も強く素直。

後輩となるスカーレットとは彼女が問題行動でユリアの手を焼かせていた事から当初は衝突を繰り返す険悪な間柄だったが、やがて彼女が成長して自らの役割を見出だすようになると共にユリアの部下として互いに背中を預ける事ができる相棒として成り立っていく。


  • スカーレット・フォン・ピジョット

もとは内宮の下っ端侍女で、ピジョット侯爵家の七女で末娘。もともとピジョット侯爵家自体が多産の家系であるため上下問わない様々な貴族と血縁関係を持っている。が、侯爵家自体はともかくとして、自身はそれを鼻にかけており「貴族の誇り」というものを盛大に勘違いしている超問題侍女として知られていた。

ピジョット侯爵家の特別な事情から「家内(血縁)上の立場」と「王宮内の侍女としての立場」が壮絶なねじれ現象を呈しており、また末娘として甘やかされた立場から自身が「優秀である」と勘違いしている。

(自身の上司である内宮筆頭はピジョット侯爵家の分家出身であり、スカーレットが家系をガチで振りかざせば逆らえない身の上であった。また後宮筆頭侍女もピジョット家の家系であるためスカーレットの言動には恐れを抱いていた)

この事からトラブルを巻き起こしたため、統括侍女よりピジョット侯爵家と血縁のしがらみが無いユリアに「あの問題児を教育せよ」と強制的に預けられるハメになった。

王女宮に来てからはプリメラの可憐さによって鼻っ柱を豪快にへし折られた末、スカーレットの人格を把握したユリアに適切に対処(操縦)された結果「文字の綺麗さ」と「書類文書の的確さ」を評価され、王女宮の書類事務を引き受ける文官侍女として真の才覚を顕す事となった。

メイナとは、その鼻っ柱から衝突する事が多かったが、のちには親友となり、彼女と同じくユリアの腹心の双璧として成り立つ者となっている。


そしてスカーレットの教育を成し遂げたユリアは、自らの管轄する王女宮だけでなく内宮と後宮のバックアップも受ける事が可能な立場となった。(内宮・後宮の両筆頭から「あのスカーレットを、よくぞピジョット家の令嬢に相応しいマトモな侍女にしてくれた」と涙を流して感謝されている)


  • ミュリエッタ・ウィナー

原典世界のヒロインプレイヤーキャラクター)であり、本作における敵役的なヒト。元は平民の少女、しかも僻地で活躍していた学も礼儀も無い冒険者の娘だったが、父親が強大なドラゴンを討ち果たすジャイアントキリングを果たしたことで王家より力を認められて男爵として取り立てられ、その娘として男爵(貴族)令嬢としての地位を得るに至った。

ユリアと同じく転生者であり、原典ゲームの超ヘビープレイヤー。前世では超平凡かつ頭がお花畑ヲタ女子高生だった。

ヒロイン転生を果たしたことで図に乗ってしまい、前世にネットで読みまくった「作品知識を駆使して活躍し作品世界のみんなを幸せにするチート主人公」になる事を目指して暗躍。ゲームプレイヤーとしては隠し攻略キャラだったアルダール推しであり「かわいそうなアルダールをヒロインの私が救ってあげる(ついでに他のみんなも幸せにしてあげる)」ために「ミュリエッタを演じた」行動をしている。

しかし(主に自身とユリアの行動のせいで)ゲーム世界と現実世界の間には齟齬が生じている事には気付いておらず、あるいは受け入れる事ができず、現実の世界とゲームの世界を混同した認識に基づいた行動は結果的に「自らの妄想による都合を他者に押しつけ、思い通りにならないとキレ散らかす」という始末に負えない、とても痛々しいものとなっている。

そもそも前世からして超重度の中二病とスイーツ脳とお花畑脳を併発しているコミュ障という事実は本人も気付いてない事からいかんともし難く、原典ゲームの「ミュリエッタ」とは著しく乖離した人格と成り果てている事が示唆されている。

結果としては本作の読者からは(それがキャラとしての役割でこそあるものの)ヘイトを集めまくる事になり、結果「ミュの人」「ミュの字」などと呼ばれる事になり、あげく墓穴掘りの名人としてネタキャラ化している。


関連タグ編集

小説家になろう モブ転生 悪役令嬢 ラブストーリー


転生先が少女漫画の白豚令嬢だった:乙女ゲームのサブキャラクター(悪役令嬢の取り巻き)に転生した主人公の話。元は太っていたがダイエットをして美しい容姿を手に入れている。



外部リンク編集

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