かおはいいのに
かおはいいのに
みなもとの なんかはらたつ なかあきら
かおはいいのに かおはいいのに
和田義盛の一件もあってから、源実朝は完全に義時たちを信用しなくなっており、今までも頼りにしていた朝廷をより一層頼るようになった。
この際、朝廷と鎌倉幕府の連携役となっていた源仲章も同時に信頼を得るようになり、北条よりも実朝に近い存在となる。
この時、仲章はすれ違った義時に対し、「私が執権になろうかな!?」と嫌味ったらしく煽った後に高笑いをして去って行った。
今までも視聴者を軽くイラつかせてきた仲章だったが、このセリフでより一層イラつかせていた。
ここから、(イケメンだと評判な中の人の顔や演技が相まって)最上に記載している短歌(?)が生まれることになった。
仲章劇場開幕。
義時の妻、のえが自分に気のあることを利用して頼家から実朝への代替わりの真相を聞き出そうとし、そのことを義時に話すことで少なくとも話すことが憚られるほどの後ろめたいことをやったことを察し、「あとは調べるのみ」と彼を恫喝。
さらに自らの目的を義時に聞かれた際には、ものすごく勿体ぶった態度で「人の上に立ちたいだけだ」と本意を伝えた。
その後、邪魔となった仲章の抹殺を決意した義時だったが派遣した殺し屋を捕縛され始末に失敗。
鶴岡八幡宮への参詣の準備を進めていくなか、義時が抹殺を確信しているなかまさかの登場(義時視点)を果たした仲章は渾身の煽り顔を披露した。
実際こんな感じだから困る。
この時点で仲章は義時が命令を下したことを確信しており、自らの勝利を確信していた。
そのためか、無言のまま太刀持役の義時から太刀を渡すよう強要...するのだが...。
仲章劇場閉幕。
こうして太刀持役を義時から取り上げ、意気揚々と実朝の鶴岡八幡宮拝賀に同伴するも、帰路につこうと大階段を降りていた最中、突然階段脇から公暁が現れ、「覚悟ぉッ! 義時ィィッ!!」と、義時と間違えられて袈裟斬りにされる。
突然の事に状況が理解できないまま、「あーっ! ああぁーっ!! あああぁぁっ!!」と女性の様な甲高く情けない絶叫を上げながら逃れようとするも、後ろから公暁の仲間の僧兵に刀を突き刺され、致命傷を負う。
血反吐を吐きながら雪積もる大階段に倒れ込んだ仲章は、「寒い…寒いぞ…」と呟き、自分を義時と間違えた公暁に対し、義時を蹴落としたも同然と高をくくっていた絶頂からのまさかの急転直下と言える己の破滅を嘆くかのように無念と怒り、憎しみを込めて「寒いんだよおおおお!!」と捨て台詞を吐き残しながら、首を斬りつけられてトドメを刺された。
義時に引導を渡すつもりで行った嫌がらせが、結果的に義時の命を救ったと同時に、彼の身代わりとなる形で自分が落命するという惨めながらも皮肉極まるその最期は、三浦義村から「笑えるな」と一笑に付され、大江広元さえも「自業自得」と一蹴するなど、朝廷の走狗として鎌倉を散々掻き回し、上述の二話にかけて十分ヘイトを稼いできた憎まれ役に相応しい清々する退場劇となった。
ちなみに仲章が斃れてまもなく、彼の屋敷に捕らえられていたトウも、混乱に乗じて自力で脱出する事に成功している。
主演の小栗もこの仲章の「ヤな奴」っぷりをいやというほど感じていたのか、恒例となっていたマスクネタでも「斗真うざいよ」と書いてきたことがあったとか。
なお、生田と小栗はドラマ版「花ざかりの君たちへ」などで複数回共演したことのある盟友同士であり、TBSドラマ「ウロボロス」では二人でW主人公を演じたこともある仲でもある。「鎌倉殿」への出演が決まった際にも生田は小栗について
「小栗さんとは久しぶりの共演となりますが、キャスト・スタッフの皆さんをいつも大切にしていて、本当に素晴らしい座頭です。ただ、私の長台詞を丸々覚えてきて『間違えたら、すぐ指摘してやろうて思って』と笑う彼は、20代の頃のイタズラ小僧の顔をしておりました。そんなところも素敵です。キュンです。シュンです」
と好意的かつ絶大な信頼を置いていることを明かしている。おそらく小栗の「うざいよ」マスクもそんな仲だからこそのネタだろう。
また、生田は2014年大河ドラマ「軍師官兵衛」では敬虔なキリシタン大名である高山右近、鎌倉殿の脚本を担当する三谷幸喜自身も出演した2019年大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」では日本初のオリンピアンの片割れである「明治の快男児」三島弥彦という好感の持てる人物を演じてきている。
特に後者は第一部「金栗四三編」前半「ストックホルム青春編」の準主人公でもあった。主人公・金栗四三(演:6代目中村勘九郎)の盟友で他の「天狗倶楽部」メンバーの押川春浪(演:武井壮)や吉岡信敬(演:満島真之介)などと共に鮮烈な印象を残し、役柄も仲章とはまるっきり正反対だったためより一層本作における仲章のいやらしさが際立ったという要因もある。
実際、ネット上でも仲章イジリには生田繋がりで「いだてん」でのネタが流用されしばしば投下されている。最初の頃はTNGポーズとかビールのラッパ飲みなどがネタにされたが最後の方ではほとんどがストックホルムにおける洋式便所ネタばかりになった。
(「あんだけうざいけど、そのうち洋式便所で足つかなくて泣くの知ってんだかんな」など)
そんな中、第45回放送後、同じく公暁の凶刃の前に斃れた実朝に対する同情やお悔みの感想が殺到する一方、仲章に対しては「ざまぁw」「死に際までうざい奴だった」「かおはいいのに情けない最期」と案の定、その死に喜んだり、揶揄する感想のが圧倒的に多かった。
ちなみに生田自身は仲章を演じるにあたって「『早く死んでくれねえか』と思われるくらい憎らしく演じたい」(要約)とも意気込んでおり、その点では俳優冥利に尽きる評価が視聴者からは下されたと言えるだろう。
無事に「鎌倉殿」もフィナーレを迎え、紅白歌合戦の一幕を挟みつつ年も明けた2023年。
この年はテレビ放映開始70年の記念すべき年であり、これを受けてNHKでは「大河ドラマが生まれた日」というドラマを同年2月4日に放映。
そのドラマの主演は仲章役のインパクトが冷めやまない生田であった。
このドラマ放映を受け、放映前日の2月3日の「あさイチ」にはゲストとして主演の生田が出演...
したのだが、やっぱり話題は仲章のことになり、ついでにこの記事冒頭の短歌も生田にも知られていることが判明した。なんなら、「鎌倉殿」主演の小栗からも「なんか言われてるぞw」とイジられてたことも判明した。
そして、当時全国的に大雪と大寒波が来襲していたことを踏まえ、番組のエンディングでは「鎌倉殿」での断末魔よろしく「今日は全国的に寒いんだよおおおお!」と(顔芸込みで)ぶっ放し、そのまま番組が終了した。どうしてこうなった。
ちなみに同日、東京・調布市の深大寺の豆まき式に「鎌倉殿」で範頼役の迫田と盛長役の野添が参加していたこともあり、「鎌倉殿」ファンの沸き立ちが尋常でなく、まさかの「#鎌倉殿の13人」がトレンド入りを果たした。