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全部大泉のせい

ぜんぶおおいずみのせい

「全部大泉のせい」とは、『鎌倉殿の13人』放送中、SNS上にあがった怨嗟の声である。
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概要編集

「全部大泉のせい」とは、2022年度大河ドラマ鎌倉殿の13人』放送中にSNS上にあがった怨嗟の声である。


元ネタ編集

元々は主人公:北条義時を演じる小栗旬が撮影現場につけていくマスク(※)に毎日メッセージを入れていくという小ネタのうちの一つ「全部大泉のせい」(メイン画像のとおりである)。

源頼朝役の大泉洋に絡んだネタということで、これも『水曜どうでしょう』が元ネタと勘違いされることも多いが、誤りである。


大河ドラマスタートに前後して各種タイアップ番組でも何度か触れられていたことからSNS上で話題になり、ドラマ冒頭では頼朝が転がり込んできたことにより激変した周囲に振り回されっぱなしの義時という状況もあって、ネタ的な意味で広く受け入れられた。


※ 当時世界的に流行していた新型コロナウイルス感染症対策のため


変遷編集

先述の通り、ドラマ冒頭では頼朝が転がり込んできたことで北条一族が時代の渦中に飲み込まれ振り回しっぱなしであることや、頼朝の都育ゆえの周囲との食い違いや何よりも女癖の悪さから義時のみならず坂東武者や鎌倉全体が振り回されることが多かったので「頼朝おいいい加減にせい」と苦笑混じりに放つツッコミとして使われることが多かった。

しかし、頼朝がのちの鎌倉幕府の礎を築き始めるに至り、単なるツッコミには収まらなくなってくる。

大きな転換となったのは第15回「足固めの儀式」である


第15回「足固めの儀式」(4月17日放送)編集

鎌倉にいまままさに起きようとする鎌倉殿・源頼朝に対する謀反。

事情を察した源頼朝大江広元は、義時を通じて上総介広常に事態をおさめるため、あえて謀反勢力につくことを依頼、穏便にことをすませる。

しかし、これは上総広常を抹殺するための源頼朝と大江広元の罠であり、計略にはまった広常は見せしめとして梶原景時に殺害されてしまった。


大江広元が鎌倉のオーベルシュタインと呼ばれる一方、この回以後、主要登場人物が頼朝の命で殺害されると

「全部大泉のせい」

と書かれるようになった。

とばっちりは同時期に放送され、大泉が主人公の一人・篠田敬太郎を演じていた『元彼の遺言状』(フジテレビ)にまで行くハメになり、「もしや篠田が黒幕」とまで書かれるようになってしまった。


第16回「伝説の幕開け」(4月24日放送)編集

源義経の策略にはまり木曽義仲が敗死、平家も源義経と後白河法皇が共謀して偽の和議を結ぼうとして大敗。

裏で源頼朝が糸を引いていることは明白だがこの回は一応、「全部大泉のせい」は下火となった。


しかし...


第17回「助命と宿命」(5月1日放送)編集

木曽義仲追討を命じた張本人でもあることから、頼朝は御家人に義仲の嫡男・義高の殺害を命令。

しかし、その命令は頼朝の妻・政子と娘・大姫の怒りを買い、ひそかに義高と結ぼうとする甲斐の武田信義・一条忠頼親子の策動を招いてしまう。

政子と大姫からの助命嘆願を受けた頼朝は義高殺害の命令を取り消すが一歩遅れてしまい、義高の首は彼を討ち取った藤内光澄によって届けられる。

武田親子の策動は頼朝の知るところとなり忠頼が成敗される一方、義高の死に怒った政子が「けっして許さない」と公言したため藤内光澄もその罪を問われ、首を討たれることになってしまった。


義時は一条忠頼と、(良心の呵責に耐えながらも)藤内光澄の処刑にも関与したため、「義時の目から光が消えた」「義時もこれから闇堕ちするのね」とSNS上に書かれ、「これも大泉のせい」と書かれるハメになってしまった。


第18~25回編集

その後も、後白河院から検非違使と伊予国国司を兼任させられたせいで一向に鎌倉に帰ってこない義経とは互いに不信感を募らせ最終的に死に追いやったり(しかも最後の一押しは義時にさせやがった)、富士の巻狩りで暗殺されかけた際に先走って次の鎌倉殿になる決意を固めた範頼を一度は修禅寺に幽閉するにとどめるも、大姫の死去に伴い「頼朝や源氏を呪詛している」と一方的に見做し暗殺を命ずる、そもそも大姫が亡くなった理由は頼朝が強硬に入内政策を進めていたためであるなどやらかしまくっている。


そして...編集

第26回、落馬して以来昏睡状態だった頼朝がついにこの世を去った。

鎌倉幕府の最高権力者として散々周囲を振り回したいった彼であったが、放映後SNSではそれまでとは打って変わって「ありがとう大泉」「お疲れ様大泉」と彼の名演を讃える声が溢れた。


第30回「全成の確率」編集

父・頼朝の跡を継いだ源頼家への呪詛が発覚して首を討たれた阿野全成

放送終了後・歴史紀行で紹介された全成ゆかりの寺が「大泉寺(だいせんじ)」と紹介されると、たちまち「おおいずみでら」と(わざと)誤読され、頼朝は全く関係ないにもかかわらず「これも全部大泉のせい」が拡散してしまった。


第36回「武士の鑑」編集

畠山討伐の一件で時政・りく夫婦を排除しようと、全くの無罪である稲毛重成に全責任を押し付けて処刑し、その行動になんの躊躇いも見られなくなった義時に政子が「あなた、恐ろしい人になりましたね」と言うと、義時が「全て頼朝様に教えて頂いたことです」と応じた。

これにより、ごく一部ではあるが「全部大泉のせい」がまたもや蒸し返される形となった


「全部大泉のせい」→「全部小栗のせい」へ編集

頼朝の死後、まだ年若く不安定な頼家の政や、比企と北条の権力争いの中で義時は次第に人間らしさを失っていき、やがて鎌倉-武家政権の安定のために非情な手を打ち始めるようになっていく。その姿はかつて人を信じられなくなり粛清を繰り返した頼朝と重なり、ついにはあの善児すら躊躇った相手にすら手にかける冷酷さを見せ、嫡男である泰時には「父上はおかしい!」と怒鳴られてしまう恐ろしい人物へと変貌してしまう。

これを見て視聴者からも「全部小栗のせい」と少しずつ声が上がり始めるが、「でも小栗がこうなってしまったのは元を質せばやっぱり全部大泉のせい」と結局蒸し返されてしまっている。


というか...編集

義時が非情な決断を下さざるを得ないことになったことの原因の多くは父・時政の独断でやらかしたいらんこと、突き詰めれば時政を裏でいいように唆している後妻・りく(演:宮沢りえ/史実における牧の方)のせいともいえる。そのため、視聴者の中には「全部宮沢りえのせい」と指摘する人も多い。

実際、りくの劇中の行動を見ると

  • 梶原景時への弾劾状に署名するよう時政を後押し→署名が多すぎると見るや時政の名を削る
  • 全成を頼朝亡き後の鎌倉殿にするよう暗躍→義時・政子と時政の断絶の原因に
  • 全成を唆して頼家を呪詛するよう差し向ける→そこを比企につけ込まれ全成は処刑
    • しかも全成が亡くなったことで比企との全面戦争が勃発、最終的にせつや一幡を処刑した上に朝廷と結ぼうとした頼家を謀殺することに

などと義時が暗黒面に走らざるを得なくなったきっかけとなる事件の数々がある。


ちなみに頼朝が殺せと命じた人間は伊東祐親・伊東祐清・上総広常・木曽義仲・源義高・一条忠頼・藤内光澄・源義経・藤原泰衡・河田次郎・曾我五郎・曽我十郎・源範頼……13人である。



余談編集

センシティブな作品

ちなみに、発端となった小栗のマスクの書き込みであるが、レパートリーは多数あったらしく、伊東祐親役の浅野和之と初めて撮影に臨む日には「じさまあああ!!」と、大泉がパンの差し入れをした際には「大泉パンありがとう」と書かれていたらしい。これ以外にも、「上総…」(後半左半分は写ってないので不明だが、おそらく「上総介(殿)」?)「初 二朗」「ガッキー」「条北(北条と書きたかったのだが左右逆になってしまったらしい)」「大谷くんが本日40号打ちました!」などが書かれたマスクが小栗を追った某ドキュメンタリーで確認されている。

ちなみにリハーサルの時もこのマスクは身につけていたらしく、「パンを〜」のマスクの際には大泉本人に「どこの時代に頼朝の目の前で『パンありがとう』って書いたマスクつけてる義時がいるんだよ!」とツッコまれていた。

また、シリアスなドラマの中でもユーモラスな一面を覗かせる登場人物が多い中、数少ないシリアス一本なキャラクターである大江広元を演じている栗原英雄にコミュニケーションの一環として「好きなものはなんですか?」と聞き「蕎麦が好きです」と答えたら、翌日には「広元公はそばが好き」とデカデカと書いたマスクをつけてきたという栗原自身の証言もある(該当インタビュー)。

撮影オールアップまでに使用された(メッセージ入り)マスクは特番やトークイベントによると164枚。うち一割ほどが大泉洋をイジるネタだったとか。


ちなみに小栗はマスクの他にもスタッフや関係者へ色々なグッズをプレゼントしており、和田義盛役の横田栄司には「K-13(鎌倉殿の13人)」という刺繍を入れた帽子:通称「オグリキャップ2022」なるものをプレゼントしている。



注意編集

大泉本人もタイアップ番組でこの話が出るたびに言っているが、「俺(大泉)が悪いっていうけど、やってんのは頼朝」である。また、「鎌倉殿の13人」が全く関係ない場所はもちろん、視聴者の間でもこの種のネタを好まない人がいることは留意すべきである。

ネタ・スラングは使う場所・使う相手をしっかりと見極め、TPOを弁えて使うようにしましょう


関連タグ編集

鎌倉殿の13人 源頼朝 北条義時 闇堕ち 大泉洋

鎌倉は恐ろしい所です

またしても何も知らない大泉洋さん 対義語?






んで、結局誰のせいなの?編集

大泉が世間的に「全部大泉のせい」といわれているのを聞いた「13人」の脚本を担当している三谷幸喜が「世間が皆嫌っても自分は味方」とメールを送ったところ「全部お前のせいだ」と返信が来たとの事。


お後がよろしいようで...

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