概要
2022年6月12日放送の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第23話「狩りと獲物」において、満を持して坂口健太郎演じる金剛こと北条泰時が登場。
舞台は建久4年(1193年)5月下旬から6月初旬にかけて富士山の麓で行われた「冨士の巻狩り」、得意の弓で小鹿を仕留めた金剛が意気揚々と現れるシーンである。史実における泰時は、この時点では元服もすませておらず、幼名・金剛のままの10歳の少年だった。
そこに現われたのが坂口健太郎(放送当時30歳)演じる金剛である。彼が現れた瞬間、画面はストップ絵となり、でかでかと「成長著しい金剛」とのテロップが流れた。
あまりのギャップに視聴者の腹筋は崩壊、「確かに成長著しい」とのツッコみが入ることとなった。(しかも父・北条義時を演じる小栗旬は放送当時39歳と言うおまけつきである)
なお、ひとつ前の22話の時点ではまだ子役が演じていた。劇中での時間経過は一年にも満たないはずである。一体何があった。
余談
- 三谷脚本の大河では「主要人物は子役を経ず主演俳優が最初から演じる」と言う傾向があり、「鎌倉殿の13人」でも第一回では8歳にも満たないはずの義時・義村を小栗・山本両氏が演じた。またひとつ前の三谷脚本大河でも「げんじろう(15)」が話題になったこともあった。だが今回は、ひとつ前のエピソードからの変貌っぷりの点においてこれらの先例たちとは一線を画すと言えるかもしれない。
- 子役から主演俳優への交代というファクターは大体どの大河ドラマでも難しいものであり、エピソード毎に区切りをつけて一気に変えるものもあれば、ひとつのエピソードで一気に時間を経過させ交代させる、トンネルの中でバトンを渡す(物理)&浜名湖に飛び込んで浮かび上がったら阿部サダヲになっていたなどさまざまな変わり種もある。また古いものでは障子を通り過ぎる人影が次に父親の前に現れたとき大人に成長していた、疱瘡にかかって顔の包帯を外したら西田敏行になっていたなんてものもある。
- 演じた坂口健太郎に関連して「俺たちの金剛(泰時)」というハッシュタグも現れた。
- なお、このネタは義時役の小栗も知っていたようで、坂口がクランクインする際には「俺たちの泰時が来た!」というメッセージを書いたマスクを装着して迎えたらしい。ちなみにこのエピソードは「俺たちの金剛(泰時)」の元ネタ解説共々10月9日に放映された「NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』応援感謝!ウラ話トークSP ~そしてクライマックスへ~」で言及されていた。
- ちなみに同特番では「あのテロップのおかげでやりやすくなった」と泰時役の坂口は語っていた。
- 名前に引っ掛けて一部界隈出身の視聴者からは金剛改二とか呼ばれることもある。泰時になったら金剛改二丙か?
- また、第34回では前回まで子役で出演していた源実朝が、作中の時間経過が1年あるかないかくらいしか経っていないにもかかわらず、大人の姿で出演したことで、テロップこそ出なかったものの、ネット上では「成長著しい実朝」とネタにされた。第39回においては、同一回において子役が演じていた善哉が、ラストシーンで「公暁」と名を変え急成長した姿で再登場し、同様にネタにされた。
- 2022年12月17日、最終回に先がけて放送された『三谷幸喜の言葉~「鎌倉殿の13人」の作り方~」によると母・八重を亡くして落ち込む子役の金剛を義時が慰める感動的なシーンがあった第22回の直後に、坂口健太郎演じる金剛が第23回に登場するのは当初の予定だったとのこと、この構成ミスに困った三谷氏とスタッフは苦肉の策として「成長著しい金剛」というテロップを力技でねじ込むことを思いついたという。
などが挙げられる。
また、8代目市川染五郎(放送当時17歳)が演じた源義高も曽我十郎(一萬)・五郎(箱王)と同年代(しかも史実では十郎が1歳上)だが、年相応な一萬や箱王と比較して義高はあまりにも大人びていると話題になった。
- 金剛の子役・森優理斗は翌年の連続テレビ小説『らんまん』にて主人公・槙野万太郎の幼少期を演じているが、そちらは本役の前にもう1人子役を挟んだ3段階で成長を表現しており両極端な演出を経験することになった。ちなみに万太郎のモデル・牧野富太郎は『とと姉ちゃん』にて坂口が演じた役柄と因縁がある人物である。
関連タグ
後の伊東四朗…伊東四朗が演じた『北条時宗』での政村のこと。新原泰佑の政村と比較して「成長著しすぎる政村」と言われることも。