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概要編集

八重姫とは、源頼朝の子・千鶴丸(千鶴御前)を生んだとされる女性である。


伊豆の在地豪族・伊東祐親の三人目の娘(三女)として生まれるが、正式な名前は伝わっておらず、生年もまた不詳、後述する記事から実在性も疑われる人物である。

祐親は平治の乱で敗れた源義朝の三男・頼朝の監視も行っていたが、大番役として京の警護に赴任、その間、八重姫は頼朝と恋仲となり、一子・千鶴丸(千鶴御前)をもうけたという。

平家ににらまれることを恐れた祐親は配下に命じて千鶴丸(千鶴御前)を殺害、娘を取り返して江間の小四郎に嫁がせたのち、頼朝の殺害も命じたが、祐親の子・祐清は頼朝にこのことを知らせる。

難を逃れた頼朝は祐清の烏帽子親である北条時政の邸に身を寄せ、そこで時政の娘・政子と恋仲になる。


以上の八重姫に関する記事は虚構が多い『曾我物語』や軍記物語の『平家物語』『源平盛衰記』『源平闘諍録』のみで、鎌倉幕府に編纂された歴史書『吾妻鏡』には一切登場しない。

ただし、『吾妻鏡』には頼朝と祐親の間にいさかいがあった記述されており、これによると

治承4年10月19日(1180年11月8日)条と養和2年2月15日(1182年3月21日)条に、安元元年(1175年、頼朝29歳)の9月頃、祐親が頼朝を殺害しようとした所を、次男・祐清がそのことを告げて、頼朝が走湯権現に逃れたこと、挙兵後の頼朝に捕らえられた祐親が恩赦によって助命される所を「以前の行いを恥として」自害したことが記されており、頼朝と祐親の間に因縁があったことは認められる。


関連タグ編集

平安時代 源頼朝

鎌倉殿の13人…彼女を演じたのは新垣結衣北条義時の初恋の女性として描かれ、父・祐親に子を殺された後もストーリーに深くかかわる。

平清盛(大河ドラマ)…彼女を演じたのは福田沙紀、父・祐親(演:峰竜太)に頼朝との子を殺されたうえ、仲を裂かれて嘆き悲しむ女性として描かれるが、その後のことは不明となる。

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