「父の仇!母の…仇…」
演:山本千尋
概要
第24回「変わらぬ人」
大姫の死を伊豆修善寺にした異母弟・範頼の呪いによるものと思いこんだ頼朝は、幽閉した修善寺に範頼殺害を梶原景時に命じ、景時は幽閉先に善児を派遣。
善児は命令通り範頼を殺害したが、その直前、範頼と一緒にいた農家夫婦も口封じに殺害。さらに殺害を目撃した娘にも刃を向けるが思いとどまり...
この殺害を免れた娘こそトウである。
劇中ではテロップなどでこの娘がトウであるとは明示されていなかったが、24話オープニングのクレジットや公式ガイドのシナリオ集でははっきりとトウであると記されている。また、シナリオ集では「村娘のトウ」としか書かれておらず、農家夫婦の一人娘ではないのでは?という考察の根拠になっていた。
が、第33話にて、トウが善児を刺殺した際に「父の仇、母の仇…」と発言したことにより、あの農家夫婦はトウの両親であったことが発覚した。
第29回「ままならぬ玉」
第29回より山本演じる成長した姿で登場。
自らの老いを悟った善児により義時に「二代目です」と紹介され、彼の前で己の技量を披露してみせた。
なお、育ての親である善児が「背後から忍び寄ってぶすりとひと刺し」する暗剣なのに対し、トウは「体術を生かしたアクロバティックな技を繰り出す」と見られる描写があった。
第31回「諦めの悪い男」
比企の乱において、比企の館に攻め入った北条の兵からせつと一幡を逃がそうとした道。
だが、二人が逃げた先にも北条の軍勢が待ち構えていた。
意を決して短刀を取り出し抵抗しようとするせつの腹部を、せつの死角から瞬時にトウが刺殺。
せつは「一幡…」と我が子の名前を呟きながら絶命。
育ての親・善児が見守る中での彼女の初仕事となった。
第32回「災いの種」
泰時の命で善児と共に一幡を匿っていたが、義時が訪れ、善児が暗殺を命じられる。
だが、善児は既に一幡に情が移っており、一度刃を手にしたものの、目の前で思い留まる。
トウは善児の躊躇いを察したのか、かつて善児が千鶴丸を殺した時と同様、「川遊び」と称して(本編では「水遊び」)一幡を連れて行った。
涙ながらに善児が一幡のブランコを壊した直後、描写されてはいないものの、公式サイトの登場人物紹介に「故人」のマークが付いている。
第33回「修善寺」
鎌倉から追放され幽閉された源頼家を善児とともに襲い、善児との戦いで深手を負った頼家にとどめをさし、直後に両親の仇を討つため、深手を負った善児を殺害する。
余談だがトウの両親の仇は確かに善児だが、彼の上司である景時に範頼の暗殺を命令したのは亡き頼朝でもある。そして今回の標的だった頼家は彼の息子でもある。
すなわち、トウにとって今回の暗殺事件は自分と両親の運命を狂わせた者とその黒幕の子に引導を渡したことになる。
第38回「時を継ぐ者」
33話以来久々に登場し、義時の命で食事を給仕する侍女に化けてりくを殺害しようとする。
だが、それを三浦義村に見破られて乱闘となり、あろうことか「俺の女になれ」とプロポーズ的な何かを受けてしまう。
トウは一瞬それに乗ったと見せかけて攻撃を繰り出し、そのまま逃亡に成功する。
第40回「罠と罠」
義時から「和田の館にいる平六(=義村)に兵を引き上げるように伝えよ」よいう命を受けるが、返事をするまでに一瞬間があり、同時に困惑の表情を浮かべていた。しかし時が遅かったようで…
ここから、視聴者は「そりゃいきなり『俺の女になれ』とか言ってくる人の所とか行きたくないよね笑」「(え、行きたくね…)わかりましたみたいになってそう」という声が相次いだ。
また、トウも平六に惚れたからこそではないかという全く逆の憶測もあった。
第44回「審判の日」
源実朝の右大臣拝観式が近づく中、公暁や義村による実朝暗殺計画が立ち上がる。政治手法などで実朝との確執が深まっていた義時は暗殺計画を知るが、実朝では北条の政治が乱されると悟った義時は、あえて暗殺を容認する。
そんな中、義時を良く思わぬ源仲章は北条を追い落とすべく、源頼家の死の真相について独自に調べ、彼を脅迫。それを知った義時はトウに命じて彼を暗殺させ、自身は儀式に何食わぬ顔で太刀持ちとして参加し、実朝が暗殺され次第自分で公暁を討ち取る、という計画を立てる。そして儀式当日、義時は太刀持ちとして参加しようとするが、何と彼の眼の前に死んだはずの仲章が笑みを浮かべながら現れた。
遡ること数時間前、トウは命令通り仲章邸に侵入し、仲章本人の背後から近寄り、暗殺しようとしていた。しかしいざナイフを突き刺そうとした途端、上から砂が落ちてきてその隙にトウは家来に捕まってしまう。仲章は暗殺されることを見越し、あらかじめ罠を仕掛けておいたのだった。全てを語った仲章は太刀持ちを自分に譲ることを要求、義時は悔しがりながらも太刀をよこす。
だが実朝暗殺の実行犯である公暁の本当の標的は実朝ではなく義時で、太刀持ちである仲章は義時と誤認されて実朝共々斬殺されてしまう。公暁が自分を狙っていたと知った義時は、トウの暗殺失敗により救われる形となった。
第45回「八幡宮の階段」
一方前話にて、義時の命で源仲章を暗殺すべく赴いたが捕らえられたトウは一切の口を割らずに仲章邸を脱走。
その後は自害を図ろうとしていた北条政子の手を「自ら命を絶ってはならない」という言葉と共に止める。ならば自分を殺せと言う彼女に対して更に「主の命が無ければ殺すことはできない」として去っていった。
両親の仇に属してまで生き延び、遂に仇討ちを成したその過去を踏まえれば(恐らく政子は知らないとはいえ)トウの自害を止める言葉は非常に重く捉えられるだろう。
最終回「報いの時」
朝廷軍も倒し終わり、もう粛清すべき人がいなくなった義時には、もうトウに対して暗殺の命令をする必要がなくなった。ちょうどその時政子がトウに、彼女の武術の腕を生かして孤児達に武術を教えて欲しいと頼む。
その願いを引き受け、庭で13人の子供に武術を教え始めたトウだったが、実衣には「殺気が強すぎる」と言われてしまった。
なお、その願いを実行した際のトウの表情は、かつて殺し屋として動いていた時よりも穏やかであった。
モデル
トウはオリジナルキャラであるが、モデルとされている人物がいる。
本ドラマの原作一つである「愚管抄」で、11月3日、源頼家の息子「一幡」が北条義時の郎党(部下)の藤馬によって刺殺された」とあり、この藤馬がモデルなったと考察されている。
暗殺リスト
<第31回> せつ(一幡の母)
<第32回> 一幡
<第33回> 猿楽能一座、源頼家、善児
関連タグ
鳥羽ライハ:5年前の特撮番組に登場した演者が共通のキャラクター。刀や武術に秀でた少女だっただけに、演者が発表された際には「あ、これ刀持たせたらやべえやつ...」と直感するファンがあとを断たなかった。
高坂キキョウ:7年前の特撮番組に登場した演者が共通のキャラクター。こちらも同じく刀に秀でた少女だが、1話限りのゲストキャラクターだったこと、同作品でレギュラーだった山谷花純氏や矢柴俊博氏も出演、しかも初仕事の相手の演者が山谷氏だったことにファンから歓喜とも驚きともつかぬ声が上がっている。
羌象:キングダムの登場人物。実写版の演者が同じ。暗殺術に長けた一族のなかで羌瘣を妹のように見守る。ちなみに羌瘣の方も10周年記念PVで山本が演じている。
女大鼠:次作大河・「どうする家康」の登場人物。忍びの娘であり、本編でも鮮やかな手腕を披露している。
新空港占拠:山本が武装集団「獣」のメンバーである羊/浜松詩を演じ、また山谷花純氏も同じ獣のメンバーである鶏/重原瀬奈を演じている。