概要
2022年11月20日放送の『鎌倉殿の13人』第44話「審判の日」冒頭、義時の夢の中に現れる白い犬のことである。
「戌神」のお告げを受けた鎌倉幕府2代執権・北条義時の発願により、建保6年(1218年)12月2日、落成した大倉薬師堂(後の覚園寺)。
仏師・運慶の手により薬師如来像も完成したことを喜ぶが、十二神像が未完成なことに一抹の不安をのぞかせる北条一族をよそに、義時もまた浮かぬ表情を見せる。
聞けば、
「半年ほど前、夢に白い犬が現れて。それが妙に引っ掛かって。」
「もちろん、私は夢のお告げを信じてはいないが」
言葉とは裏腹に明らかに気にする様子を見せる。
夢の中に現れた犬は義時に
「今年の将軍(源実朝)の参拝は無事であったが、来年の拝賀の日には供奉しないように」
と告げたのだという。
周知のように、建保7年(1219年)1月27日には右大臣に昇叙した源実朝が鶴岡八幡宮で公暁に暗殺される事件が起きており、犬のお告げはその前触れとして記憶されている。
このお告げは
鎌倉幕府が編纂した歴史書「吾妻鏡」に載っており、
建保6年(1218年)7月9日の記事にも「北条義時が大倉郷の南の山裾に寺院を建立するように命じました。これは昨日、夢の中に薬師十二神将のうちの戌(いぬ少女神が現れ、『今年の参拝は何事もなかったが、来年の拝賀の日は将軍・源実朝の供をしない方がよい』と告げたためです」と残されている。
が、このお告げのことを知らない視聴者は、犬のビジュアルがお父さん犬ににていることもあって
- 「ソフトバンクのお父さん?」
- 「SoftBankユーザー義時?」
- 「ソフトバンクの犬→北大路欣也→こんばんは徳川家康です」
などとソフトバンクのCMを思い浮かべる投稿がSNS上に続出することとなった。
なおこの回が放送された直後(11/20)に開かれたトークショー(11/22)にて制作統括の清水拓哉氏から正式に「某有名な白い犬」と発表されたため、「似ている」どころではなく「全く同じ」が正解だった模様。
余談
上記の記事にもある通り、義時が夢のなかで白い犬にお告げを受けたというのは、吾妻鏡に記載されている逸話である。
この後の展開としては、実際に義時が鶴岡八幡宮に行った際に白い犬を実際に見てしまい、不吉なものを感じて気分を悪くしてしまい、源仲章に代わったところ義時自身は難を逃れた、というものである。
本作のオープニング映像の一部に鶴岡八幡宮を模したと思われる像があるが、実は1話より画面の端っこに白い犬が小さく映っている。
これを機に探してみるのもいいかもしれない。
そして運命の45回冒頭、参詣を終えた実朝の前にある人物が姿を現すのだが、その手には犬のものと思わしき動物の頭蓋骨をもち、真っ白な装束と白髪という姿であった。
そのため、視聴者の中では「白い犬の正体って...」と考察する人もいる。