概要
2022年12月31日、第73回『NHK紅白歌合戦』で起きた一幕。
午後9時、司会を務める大泉洋の前に、に同年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で主人公・北条義時を演じた俳優・小栗旬が登場、
小栗が、源頼朝を演じた大泉を「佐殿」と呼ぶと、大泉も小栗を「小四郎」と呼びながら握手し、がっちりと抱きあった。
ここで源頼朝が大泉に降臨し、
「おまえ、おれの一族みんな殺しちゃったな」とクレームをつけ、
「おれも悪いけど、おまえも悪かった」と小栗に降臨し闇落ちした義時をいじり倒すのだった。
実際に劇中でどうだったかと言うと
頼朝存命時
- 源義円…実弟・義経に陥れられる。
- 木曽義仲…最後は朝廷の命により鎌倉から派遣された頼朝の弟・範頼の軍に討たれる。
- 源義高…義仲の子。頼朝に生命を狙われていると思って逃げ出したところを伊豆の在地武士・藤内光澄に討ち取られる。
- 一条忠頼(武田信義の次男)…父・信義とともに義高を奉じて反・頼朝の軍を起こそうとしたことが発覚、信義への警告として頼朝の命により討ち取られる。
- 源義経…平家滅亡後、頼朝の許しを得ずに朝廷から検非違使に任じられ、頼朝追討を叔父・源行家にそそのかされて失敗、その後、奥州藤原氏に身を寄せたところを頼朝の圧力を受けた藤原泰衡の軍勢に襲われる。
- 源行家…反・源頼朝の軍を起こしたが鎮圧され、処刑される。
- 源範頼…曽我兄弟に襲撃された頼朝が死去したとの誤報が鎌倉に届き、二代目鎌倉殿就任を承諾した範頼に兄・頼朝が刺客・善児を差し向ける。
頼朝死去後
- 阿野全成(頼朝の弟)…二代目鎌倉殿・源頼家に対する呪詛が発覚したため、頼家の命を受けた八田知家に処刑される。
- 阿野頼全(全成の三男)…比企能員により父・全成に連座させられ、京の都で源仲章の命により処刑される。
- 一幡(源頼家の長男)…比企の乱に巻きこまれ、北条義時が放った刺客・善児に匿われるが義時に催促されトウが殺害する。
- 源頼家…北条・比企のいずれにも信頼を寄せることがなく後鳥羽上皇に北条時政・義時親子の追討を命じる院宣を求めた後意識不明の重体に陥っため、比企氏の乱の終結後、北条親子をはじめとする幕閣により修善寺に幽閉、北条義時の命により善児とトウが派遣される。
- 平賀朝雅…義時の弟・政範、畠山重忠・重保親子の死の元凶、さらには実朝を廃して鎌倉殿の座を狙ったとして義時の命で討たれた。
- 源実朝…朝廷の意に沿う形で鎌倉から京に政庁を遷す構想をもったため、鎌倉に武士の都を作ったことの意味を実朝が全く分かってないことに絶望した義時が、あえて公暁(源頼家の次男)に実朝を討たせること、その直後に公暁を討ち果たすことを決意する。
- 公暁…三浦義村に父・頼家の死の真相を教えられ義時と実朝を狙い、三浦もともに立つと約束したが義時に密約を見破られた義村は計画を中止、そのことを知らずに公暁は義時の代理となった源仲章を人違いで殺害し、直後に実朝も殺害、しかし、このまま公暁に生きられては困る義村に公暁は口封じされる。
- 阿野時元(全成の四男)…母の実衣、三浦義村に謀反を起こすことをそそのかされるが、義村は義時と組んでおり、謀反の罪で自害に追い込まれる。
- 源頼茂(源頼政の孫)…実朝死後、将軍職を狙い京で挙兵するも後鳥羽上皇方に討たれる。
このように前半は頼朝の指示によるものが多く、源頼家も比企能員絡みで阿野全成・頼全親子の粛清に関与しているが、後半に起きた頼朝の子や孫の粛清の多くは北条義時が関与している。
会場には、審査員席に北条義時の父・時政を演じた坂東彌十郎と、仁田忠常を演じたティモンティ・高岸宏行もおり、笑顔で手を振りあって再会を喜んだ。
会場ではさらに、『鎌倉殿』の主人公・北条義時役の小栗から2023年度大河ドラマ『どうする家康』の主人公・徳川家康役の松本潤へのバトンタッチが行われ、小栗から松本へのエールが送られた。
なお、余談にはなるが紅白歌合戦を前に先だって放送されていた「おにぎりあたためますか」(HTB)で鎌倉を中心とした「全国制覇3周目・神奈川の旅」の3回目でも頼朝亡き後の北条一族の所業をボヤく場面が見られたのだが、その後訪れたレストランの名前が「奥鎌倉 北條」、名前こそ若干違えど場所は義時の邸宅跡かつ政子の寝所があった場所という事もあり、悪態をつきつつも矛を収めるのであった。
