CV:山寺宏一 (『機動戦士ガンダムめぐりあい宇宙』『機動戦士ガンダム戦記LostWar Chronicles』ほか)/諏訪部順一(『機動戦士ガンダムMS戦線0079』以降)
人物像
ジオン軍に対してモビルスーツ開発で出遅れた地球連邦軍が、その戦闘および運用データの収集を目的として編成した、通称「モルモット部隊」、そのひとつである地球連邦軍第11独立機械化混成部隊所属のパイロット兼、小隊長。階級は少尉。
寡黙な性格の持ち主だが、漫画版や小説版では、実験部隊ゆえ機体の新調を優先される事を他部隊に揶揄された時に語気を荒げるシーンもある。
名前の由来は「YOU(=プレイヤー)」。プレイヤーの分身と位置づけられているため、原点である『戦慄のブルー』シリーズでは台詞は存在せず、ドラゴンクエストの主人公のように一切喋る事は無い。
ゲーム『ギレンの野望』『Gジェネレーション』の各シリーズでは「全く台詞を発しない無口なキャラクター」として描写されており、「ユウ・カジマ=無口」という認識が広まったが、小説や漫画版では多弁でこそないもののセリフが存在し、後発のゲーム作品(リメイク版に近いものも存在する)においては、担当声優も用意されている。
モビルスーツパイロットとなる前は戦闘機のパイロットとしてルウム戦役に参戦。モビルスーツとの戦いを経験したことで身をもってその威力を知り、MSパイロットに転進した。尚、『サイドストーリーズ』とコミカライズ版『ザ・ブルーディスティニー』ではアンダーソンが艦長を務めるサラミス級巡洋艦サンタフェ所属のブルー小隊の隊員でセイバーフィッシュのパイロットと言う設定。
暴走したブルーディスティニー1号機と遭遇し、これを撃退した際の戦いぶりが評価され、その新たなパイロットとして選出され、EXAMを巡る戦いに巻き込まれることになる。その中で、同じくEXAMシステム搭載機を駆るジオン軍のパイロット、ニムバス・シュターゼンと激闘を繰り広げた。
戦場に於いては「蒼い死神」の異名で呼ばれる事がるが、これはブルーディスティニー1号機の機体色からの呼称で、ユウを指し示しての異名ではない。
また、小説版では小隊オペレーターのモーリン・キタムラが「蒼い稲妻」の異名を考案したが、ユウ本人が吹聴することもなく、結局敵味方からそう呼ばれる事は無かった。
“素養”を持たないオールドタイプではあるが、その腕前はシミュレーター上のデータとは言えアムロ・レイのガンダムに勝つ(可能性がある)ほどであり、名実共にエースパイロットに相応しい力と意識を有する。
しかしながら、EXAMシステム絡みの事件が解決すると共に、上層部の意向によって戦闘記録が抹消された為、ブルーディスティニー搭乗時のスコアもそれに伴い抹消された。
EXAMシステムを巡る戦いの後は、仲間達とア・バオア・クーの戦いに参加。ここでの乗機はジム・コマンドである。
上述のモーリンからは憧れとない交ぜになった好意を向けられていた。
皆河有伽の小説版では、ユウ自身もそれを理解しつつ、父親を失って悲嘆に暮れるモーリンと同衾する描写がある。一年戦争後もしばらくモーリンと付き合っていたが、結局モーリンは親が決めた本来の婚約者と結ばれる道を選んでおり、ユウも自嘲気味に「それでよかった」と振り返る形で物語は締められている。
後日談
ゲームのクリアランクによって彼の結末は変化する。
- Aエンド:宇宙世紀0093に、第二次ネオ・ジオン抗争の後、ユウ・カジマ大佐は軍を退役。
- Bエンド:宇宙世紀0088に、グリプス戦争において負傷したユウ・カジマ少佐は、そのまま軍を退役した。
- Cエンド:ユウが、その後どうなったのか公式の記録には何も残されていない。
- Dエンド:ユウが、その後どうなったのか公式の記録には何も残されていないのだが、フィリップ・ヒューズ少佐によれば、戦争終結後に、彼らしき人間を地球で目撃したという。
- Eエンド:公式の記録によるとユウはコロニーでの事件で死亡。また、フィリップ、サマナ達ジム部隊のメンバーもア・バオア・クーの最終決戦で全員が戦死。
皆河有伽の執筆した小説版では、Aエンドを元にしたプロローグとエピローグが書かれた。
一年戦争終結後も地球連邦軍に身を置き続け、第二次ネオ・ジオン抗争の際は大佐に昇進。88艦隊に所属した。
シャア・アズナブルによるアクシズ落としを阻止するべく、上層部の命令を無視して、ジェガンに乗りアクシズ落下阻止に尽力。その際、νガンダムの発したサイコフレームの共振によって発せられた蒼い光を見て、彼にとってEXAMシステムを巡る戦いと、ニュータイプ少女マリオン・ウェルチのことを思い起こしていた。
そして、第二次ネオ・ジオン抗争後、アクシズ降下時の命令違反を問われて予備役に編入され、その翌年に退役したことが語られている。
同小説内では、映画『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』にてアクシズから弾かれたギラ・ドーガの手を掴んだジェガンに乗っていたのはユウだったかのように描写されている。この設定はゲームには存在しなかったものだが、漫画『GUNDAM LEGACY』で採用された一方、PS3用ゲーム『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』では採用されていない。
余談
ギレンの野望で聞ける会話によると、同じ外伝作品の主人公であるマスター・P・レイヤーとは同郷らしい。ただし彼にはオーストラリア生まれの設定があり、それに従うとユウも豪州生まれということになる。
ただ、ここでいう同郷の意味は出身地の設定どうこうというより、お互いにゲーム出身のキャラであるというメタ的な意味で捉えることができる。更に言えば彼らは共にSEGAのゲームハード出身であり、レイヤーからは「ここ(SONYのプレイステーション)では肩身が狭い」というコメントも聞くことができる。
後にアニメ「ガンダムブレイカー バトローグ」にてNPCデータとして戦闘に参加している。
GUNDAM SIDE-Fのエースパイロット・ログでユウ・カジマ専用ジェガンが発売予定となっている。 胸部が蒼で塗られたジェガンとなっており、合わせてパーソナルカラーの設定も行われている。RGM-79GSジム・コマンド宇宙仕様やRGM-89ジェガンにも蒼での塗装が反映されている、となっている。
おそらく元ネタとなったのはPS2用ゲーム『機動戦士ガンダムめぐりあい宇宙』のエースパイロットモードで、ムービーの一カットで登場したジム・コマンド宇宙仕様は他の機体が胸部は赤のままなのに対し、ユウ機は胸部が蒼で塗られている。
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