曖昧さ回避
- アニメ『機動戦士ガンダムZZ』に登場するネオ・ジオン(アクシズ)の量産型分離可変モビルスーツ「𪚢(バウ)」のこと。本項にて記述する。
- テリー山本の漫画作品。及びその主人公である犬(ブルテリア)の名前。テレビアニメ版タイトル『平成イヌ物語バウ』を参照。
- ゲーム『どうぶつの森』シリーズのキャラクター。→ バウ(どうぶつの森)
- MMORPG『エミルクロニクルオンライン』に登場する野犬型モンスター。アルマ化した姿に関しては「バウ・アルマ」を参照。
- 宝島社の雑誌『宝島』(※現在は休刊)に掲載されていたネタ投稿コーナー。→VOW
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AMX-107 𪚢(バウ)の概要
型式番号AMX-107。ジオン公国系MSでも数少ない分離可変型MSでもある。
映像作品での初登場は『機動戦士ガンダムZZ』第15話「幻のコロニー(後編)」で、左フロントアーマーに「𪚢」の文字がマーキングされた試作機にグレミー・トトが搭乗した。
アニメ本編でも「AMX-107 𪚢(バウ)」というテロップが流れており、漢字表記が正式名称という珍しいモビルスーツ。
英語表記は「BAWOO」とされている。
𪚢(バウ)という漢字について
龍と飛を縦に並べて一文字にしたマイナー漢字で、ピク百上ではシステム上の不具合により他の記号と同一視され、単独記事を作ることができない。
本来の発音は「mǎng」で、日本語の音読みでは「ボウ」あるいは「バウ」とされる。
歴史的にもあまり使用されず、意味する所も研究中で不明な点が多く、実質的にこのモビルスーツの固有名詞と化している。
機体データ
型式番号 | AMX-107 |
---|---|
所属 | ネオ・ジオン |
開発 | ネオ・ジオン |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 22.05m |
頭頂高 | 18.5m |
本体重量 | 34.7t |
全備重量 | 67.5t |
出力 | 2,410kW |
推力 | 75,040kg |
センサー有効半径 | 12,200m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
固定武装 | ビーム・サーベル×2、4連装グレネード・ランチャー×2、ミサイル×6、他 |
携行武装 | ビーム・ライフル、メガ粒子砲付シールド |
開発経緯など
アクシズはグリプス戦役末期から可変MSであるガザCを実戦投入していたが、ガザCの変形機構は簡易型であったため、敵対勢力であるエゥーゴやティターンズが投入する可変MSに対して十分な戦果を発揮することが出来なかった。
結果、本格的な可変MSとして本機の開発が急がれる事になった。
本機はアナハイム・エレクトロニクス社の「Ζ計画」に携わっていた旧公国系の技術者が開発を主導したとも、アナハイム提携会社であるカムダック社が開発したとも言われており、所々の形状がΖガンダムに酷似している。
最大の特徴は、飛行形態において機体の上下を分離して運用ができることである。
便宜上、上半身はバウ・アタッカー、下半身はバウ・ナッターと呼称される。
当初は機体制御に複数のパイロットを搭乗させる案や、バウ・ナッターを遠隔操作で運用する案も上がっていたが、アクシズの人員不足やミノフスキー粒子散布下での制御困難から一時は可変機構を排して騎士(士官)専用機として改修された経緯を持つ。
しかし、パイロットを務めたグレミー・トトの手によって本来の開発案に戻され、下半身には慣性誘導装置と弾頭が積み込まれるに至っている。
これにより下半身を大型ミサイルとして射出し、敵機にぶつけるという戦法が可能となり、変形分離することで攻撃機としても運用可能な機体となった。
完成した朱色の試作機には士官に成り立てのグレミー・トトが搭乗し、後に士官用として緑色の量産機が開発された。(一部資料では、量産型には分離可変機構はオミットされたとされている。)
グレミーがハマーン・カーンへの反乱を企てた際には、反乱軍で量産型をグレーにリペイントした機体が運用された。
武装
ビーム・サーベル
出力0.88MW。前腕部にグレネードとの選択式で収納されている。
グレネード・ランチャー
先述の通り、サーベルとの選択式で4発内蔵する。
ビーム・ライフル
出力3.6MW。モードの切り替えでアサルトライフルのような速射が可能。
第23話ではロング・ビーム・サーベルを発生させ、ジュドーのZガンダムとつばぜり合いを行った他、第32話では、オウギュスト・ギダンのドライセンがこれを装備していた。
ミサイル
背面のフレキシブル・ウイング・バインダーに計6発を装備する。
メガ粒子砲付シールド
出力0.77MWのメガ粒子砲を5門内蔵したシールド。
バリエーション
リバウ
型式番号AMX-107R。
アニメ『機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two』に登場。
バウの現存機を基に「袖付き」が大幅な改修を施した機体。
リバウ・アタッカー、リバウ・ナッターへの分離機構はそのままに、それぞれの機首部分にサイコフレームを搭載している。
詳細はリバウを参照。
袖付き仕様
『機動戦士ガンダムUC』に登場した「袖付き」が運用する機体。
人員不足で採用されなかったバウ・アタッカーとバウ・ナッターそれぞれにパイロットを充てがう2人搭乗方式になっている。
バウ・ナッターの弾頭が外されコックピットブロックが増設されている他、腰部サイドアーマーがリバウと同型のものに変更されたことでバウ・ナッター時でも使えるマシンキャノンが追加された。
他の袖付き所属機と同じでエングレービングが施されている。
サイコバウ
型式番号AMX-107P。
漫画『機動戦士ムーンガンダム』に登場。
新生ネオ・ジオンがサイコプレート・システムの実証試験機としてバウを改修した機体。
こちらもサイコバウ・アタッカーおよびサイコバウ・ナッターへの分離変形機能は維持されていると同時に、背部に開閉式の8基のサイコプレートを装着し、これによって機動性は大きく向上している。
バウと同様に指揮官機は赤系、それ以外の部隊機は緑系で塗装されており、頭部および胸部の装飾にも差異がある。
宇宙世紀0092年、ネオ・ジオンがその勢力圏に築いた南極基地で運用試験を行っており、南極に降下してきたムーンガンダムと交戦している。パイロットは強化人間部隊の隊員が務めており、ギュネイ・ガスも部隊機の1機に搭乗している。
バウbis
型式番号AMX-107bis。
ゲームブック『機動戦士ガンダムΖΖ ヘルメス夢幻』に登場。
量産のためにバウから分離変形機構をオミットした機体。外観は通常型のバウと同様。
サダラーン級機動戦艦「サザダーン」に艦載されており、同じく艦載機のガザTを強奪して艦内から脱走した主人公を追撃している。
バウ=ドラゴ
漫画『Gの影忍』に登場。
忍・紅龍(コウリュウ)が自身の専用機としている、バウを基にした「MS忍者(モビルニンジャ)」。
一見するとベース機がバウとは判別できないレベルで改修が加えられており、バウの意匠が残っているのは胴体周りのみ。分離合体機構も省かれているのか、作中では使用されていない。
隠密性を重んじるMS忍者の常として熱や光を発する火器の類は装備していないが、頭部後方に装備された弁髪状の可動肢を始め、前腕部を切り離して基部からビーム・サーベルを展開できるなど、全身が武器として機能するようになっている。
宇宙世紀0093年、木星圏で生じた108騎の忍と正体不明の生命体との大規模戦闘「百騎夜行」に参加しており、これを生き延びている。
バウ GPBカラー
型式番号AMX-107。
アニメ『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』に登場。
コウジ・マツモトの追っかけの女性ビルダー・オオイガワが製作・操縦したガンプラ。全体的にピンク色で塗装されている。
分離変形機構を活かして善戦していたが、イレイ・ハルのビギニングガンダムに敗退した。
ガンダムリントヴルム
型式番号AMX-107L-2。
模型企画『ガンダムビルドダイバーズ Genius Head Line』に登場。
バウをベースにガンダムタイプへとカスタムビルドされたガンプラ。
詳細はガンダムリントヴルムを参照。
立体物
『ZZ』放送当時に1/144スケールのプラモ(旧キット)が発売。
その後HGUCとして1/144スケ-ルでグレミー機、量産型が一般販売。実はHGUCブランド初の可変機だったりする。GPB仕様は、もう1人の追っかけ女性ビルダー・イワモトのザクⅠ・スナイパータイプとセットでプレミアムバンダイ限定で販売された。
そして1/100スケールとしてRE/100にてグレミー機が発売。量産型及びリバウがプレミアムバンダイ限定で発売されている。
いずれも分離変形ギミックが再現されているが、旧キット以外は手首を外す必要がある。
SDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。グレミー仕様で、ライフルとシールドを構えている。※現在、入手困難。
食玩「GUNDAM CONVERGE」シリーズにラインナップ。グレミー機と量産型の2種類がラインナップされている ※現在、入手困難
ゲームでの活躍
- Gジェネレーションシリーズ
グレミ―専用のオレンジカラーと量産型が別ユニットとして扱われることが多い。
基本性能はガンダムMkⅡよりは強いが百式には劣るレベルにされることが多いが、盾に仕込んだメガ粒子砲やグレネードランチャーなど火器が充実している。
また、変形したときには基本威力が高いバウナッター攻撃ができることもある。
コンセプトからVガンダムの設計材料となる。
- ギレンの野望シリーズ
アクシズの脅威無印とVに登場。グレミ―カラーのワンオフ機と一般兵仕様の高級量産モデルが登場。
ワンオフ仕様は登場した作品双方でプレイヤーからバランスブレイカーと認識されるほどの強機体。
無印での世代はアクシズ世代中盤で機体性能は限界性能が185%とやや下がり大気圏突入ができなくなったかわりにかなり安くなったΖガンダムといったところ。185%はオールドタイプなら格闘以外まず頭打ちにならないほどの性能で火力が充実していることも相まってオールドタイプ同士が戦うならZと互角以上に戦うことができし、豊富な手数のおかげで先手を取ればZZガンダムやリ・ガズィやサイコフレームなしのνガンダムを仕留めることも可能。逆シャア世代のギラ・ドーガ指揮官機を上回る性能を持ちオールドタイプ用指揮官機としては最高クラスの運動性と盾で防御もばっちり、更には変形で移動もスムーズだし燃費も20/190(移動&戦闘など1行動あたりの消費量/総物資。エネルギー量)と非の打ち所が全くと言っていいほどないほどの高性能機体。(あえて言えばハマーンなどの高レベルNTでは限界が頭打ちになってしまうぐらいだが、そもそもそういう類の人材はキュベレイというもっとおあつらえ向きの機体がある)。
ぶっちゃけ開発が終了すれば限界を150%以上出せる人材全員をこれに載せてしまっていいレベルで強く、近い世代のリゲルグ・ザクⅢ(サイコミュがついてる改でないほう)・ジャムル・フィン・ガズエル&ガズアル、後世代のギラドーガ指揮官機はこれの所為で出番を奪われてしまうほど。
「無印で強すぎたからV弱体化は必至か…」と思われたがふたを開けてみれば全くそんなことはなく、それどころかVでは体感的な強さはそのままで開発時期がグリプス戦争中盤相当とかなり前倒しされてしまいバランスブレイカー度がさらに上がってしまった。おかげでR・ジャジャまで割を食ってしまう羽目に。量産型のズサのMA形態が支援機として強化されたため、複数射程を持つハンマ・ハンマやガズエル&ガズアルやジャムル・フィンはズサの護衛役という抜け道があるのだが・・・。
ちなみに開発にはゲルググJが絡むのだが、この機体はシリーズを通して残念スペックにされるためアクシズの脅威では『バウ引換券』呼ばわりされることも。
新ギレンには未登場。機体所持制限性が復活したとはいえ登場すればZなみに高性能にせざるを得ず、そうするとアクシズの脅威のように他機体の出番を奪ってしまうことを避けるためか。
一方の量産タイプは「コストや生産ターンが多めな代わりに少し早く生産できるジェガンやギラドーガクラスの量産型」として登場。
ギラドーガ量産型のメイン火器であるビームマシンガンが命中が低めなこと変形のおかげで地上の移動がスムーズなこともあり、ズサが弱機体な脅威無印ではこれがフィニッシャー量産型となる。
脅威Vでも機体性能そのものは悪くないのだが、ズサのブースター形態がバランスブレイカー急な為居場所が狭くなってしまった。縛りプレイでズサブを封印するなら主戦力にはなりうるのだが。
小話
- 最初は、バーザムなどの生みの親である岡本英郎氏によるデザインだったが、途中で岡本氏が出渕裕氏に渡している。
- 本機は「バーザムを分離可変型としてデザインしたもの」で、鶏冠の造形はその名残である。ラフスケッチの段階での名前は「飛竜(ヒリュー)」で、「コウリュー」と呼ばれる量産タイプの頭部パーツのデザインが存在していた。
- 出渕氏がクリンナップを行う際に本機を『「モノアイのZガンダム」をイメージしてデザインした』とコメントしている。
- 腰部アーマーに施された文字は、監督の富野氏がプラスしたものだったのだが、出渕氏はアニメーションに起こす時に困難になってしまうため『これは、監督の指定だよ』(要約)と但し書きをしたという。
関連動画
※この動画での英語表記は「BAW」であるが、商品名として主に使われているのは「BAWOO」である。
関連イラスト
関連タグ
袁紹バウ、龍将飛将:SDガンダムにおけるバウがモチーフの敵キャラ。
ガンダムビルドメタバース:第1話にて肩関節改造の作例として登場。
ゾロ:同じくコクピットブロックのある上半身と無人の下半身が分離して飛行形態となる、およそ半世紀後のMS。
Vガンダム:こちらもおよそ半世紀後のMS。コクピットブロックのある戦闘機とそれに付随して飛行するオプションに分離する飛行形態に変形し、更にはそのオプションを質量爆弾として敵にぶつける戦法が使えるという共通点がある。そのためGジェネレーションではバウがVガンダムの設計素材となることも。