概要
VOWというのは、「Voice Of Wonderland」の略である。
町の変な看板やスポーツ新聞のアホ写真、誤植等を集めた本。掲示板の画像スレの元祖とも言える。
歴史
元々は雑誌『宝島』(実際にはその前身となる『ワンダーランド』からの継続)の中で情報コーナーとして掲載されており、のちに一般読者からの投稿コーナーとなった。
1980年代からはカーツ佐藤こと「佐藤克之」(※)が新聞での変な名前の老人をコラムで紹介し、初代VOW総本部長・渡辺祐が触発された事で妙な新聞記事を紹介するようになり、さらにそれに触発され、読者からも同様の投稿が掲載されるようになった。
その為、独立企画として「新聞・雑誌の誤植や、街で見つけたヘンなもの」の写真を投稿するコーナーを作成。大人気を博した。
※…もともとは常連投稿者で、のちに執筆者へと昇格した。
1987年にネタをまとめた単行本を発行。それ以降毎年のようにナンバリングのVOWを発行しており、それ以外にも…
- 漫画の中の変なものを集めた「コミックVOW」
- 特撮作品の中の変なものを集めた「怪獣VOW」シリーズ(※)
- 大阪の変なものを集めた「VOWやねん」シリーズ
- インターネットからの投稿作品中心の「まぐまぐVOW」シリーズ
- 2ちゃんねるの面白投稿等を集めた「2ちゃんねるVOW」シリーズ
- 番外編である「VOW王国」シリーズ
- みうらじゅん監修の「VOWでやんす!」
- 文庫版としてこれまでのVOWを再編集した「VOW全書」
等、多くのシリーズ物が発刊され、単行本ではショート漫画や特別コラムがあり、著名人インタビューも掲載されている。
※…これは特撮ファンからしてみれば、かなりウケの悪い内容どころか誤植や事実誤認が多く、シリーズ最終巻「さらば!怪獣VOW」ではこれらのフォローを、編集部側が開き直ってしないと宣言して反感を買うことになった。
連載は一度は2001年に終了したが、2010年に復活。しかし、2015年に『宝島』が休刊となったことで一時休止となる。その後、宝島社の女性向けファッション誌である『sweet』に移籍し、現在も連載を続けている。
また、2000年代からはインターネット上でもネタを募集しており、2013年には公式サイトが設立されている。
関係者
- 渡辺祐…初代VOW総本部長
- 古矢徹…二代目VOW総本部長。(古谷徹とは別人。ガンダム絡みのネタでたまに引き合いにされたりする。)
総本部長は何故かヒゲが特徴である事でも有名。
ネタの傾向
宝島は10年おきに雑誌のスタイルが変わるものだった為、VOWの単行本をそれぞれ読んでみると投稿ネタの傾向が少し違っている。これは読者層の変化によるものと思われる。
宝島がビジネス雑誌となっていた頃に、内容にそぐわない為か休止期間があった。その後コーナーとして復活するも、対象読者層が中高年が多かった為か、VOWネタの投稿者はその世代が多く見受けられた。
初期は駄菓子のパッケージや、置き薬のブッ飛んだセンスのパッケージを沢山寄せ集めて丸ごと特集した事もある。→たこぶえなど
果ては点取占いの中身をほぼ網羅した特集までやってのけた。
また、レア(?)なアイテムとして大木凡人の名刺がVOWネタで紹介された事もある。
中島らもネタも定番で、ぎなた読みで「中島ら、も」が「中島らも」と読めてしまうネタが少しだけ流行した。
元力士の敷島勝盛のユニークなコメントを採り上げた事もあり「角界のコメント王」の愛称はVOW発祥である。
ラコステのパチモノ「タチワニ」もVOWネタとして掲載されたが、実は岡田斗司夫の実家の刺繍店が作ったものである事が後に判明している。
雑誌の文通・仲間募集コーナーのVOWネタでは若き日の大槻ケンヂ(筋肉少女帯)が対バンを募集していた事が発掘された他、ゲイ雑誌の出会い募集のブッ飛んだ内容や、ヤンキー御用達雑誌の『チャンプロード』『ヤングオート』もDQNセンス全開のブッ飛んだ内容であった。ジャンルの特殊性ゆえ、これらの雑誌は総本部長のコメントでついに反則扱いにされてしまっている(『「アドン」「薔薇族」は反則とする(笑)』・『ヤングオートも反則だぁぁぁぁぁ!!』)。
なお、運転中のネタ採集に関しては、例え停車中であっても運転手自身が採集する事が禁じられている為、同乗者によるネタ採集が推奨されている。
問題となった投稿
投稿されたものの中には問題となったものがあり、誤植系では「殴られた老人死ぬ」が「殴られた老人死ね」に誤植された新聞記事はその新聞社に誤植で抗議があったという裏話があったりする。
また、「コーマン総合病院」というヘンな看板があったという投稿は実は捏造されたものだった事が判明している。これは「キッコーマン総合病院」の「キッ」をわざと入れずに撮影されたものだったからである。
北九州市広報紙でCHAGE&ASKAの「SAY YES」を税金と絡めたイラストパロディー「ゼイ・イエス」が所属事務所の目に留まり、総本部への抗議によりこのネタが掲載されたVOW6ではある時の増刷以降から別のネタに差し替えられた。
VOWBOY
王冠を被った変なキャラが単行本等で挿し絵のごとく各コーナーにいるが、これは「VOWBOY」というキャラクター名がある。
なお、これを描いているのは長年「空耳アワー」でお馴染みだった安斎肇である。
関連タグ
空想科学読本 - 怪獣VOWからの派生系に近い書籍。ある事情により宝島社と袂を分かっている。
超芸術トマソン - 建造物系の変なもののジャンル。VOWにもこれ系統のネタが含まれる。
みなもと太郎 - 常連投稿人の1人で、特集記事も組まれた事があった。
景山民夫 - VOWに投稿経験あり。
『ナニコレ珍百景』 - 方向性が似ているテレビ番組。
外部リンク
VOW公式サイト:こちらのサイトからネタの閲覧・投稿が出来るようになっている。