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ヒスイヌメルゴン

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ひすいぬめるごん

『ポケットモンスター』シリーズに登場するリージョンフォームポケモンの一種。ヌメルゴンのヒスイのすがた。

基礎データ

全国図鑑No.0706
分類からこもりポケモン
タイプはがね / ドラゴン
高さ1.7m
重さ334.1kg
特性そうしょく/シェルアーマー
隠れ特性ぬめぬめ

進化

ヌメラヒスイヌメイルヒスイ地方でLv.40)→ヒスイヌメルゴン(Lv.50以上で天候が雷雨の時に進化)

※通常種と進化条件は同じ。

概要

LEGENDSアルセウス』に登場するポケモンで、ヒスイ地方の環境に適応したヌメルゴンヒスイのすがた

600族」としては初のリージョンフォームである。進化前及びヒスイクレベースと並んで、第6世代出身としても初である

進化前ヒスイヌメイルに引続き、尻尾が発達した巨大な金属質のと一体化している。体から垂れる粘液も、殻を作る金属成分が混じった銀色に変化した。

カタツムリ宜しく、殻の中に全身を引っ込める生態も継続(これは「りゅうのはどう」や「ラスターカノン」「アイアンヘッド」を放つ際のモーションにも反映されている(「アイアンヘッド」でこのモーションが確認出来るのは『LEGENDSアルセウス』のみ))。進化前とは異なり殻を立てているので倒れてしまいそうであるが、重心が安定しているのか常に真っ直ぐ自立する。

外敵に対しては殻と身体の剛軟を自在に操り対応(実際に「アイアンテール」を覚える)するが、やはり重いは重いらしく、原種と比べると「すばやさ」は遅い。

殻に対して本体は通常種と余り変化ない様に見えるが、良く見ると角は長めで、体型もややスリムとなっている。地味な所では進化前から変色していた頬と尾の丸模様や目の色が、完全に灰色となっている。また、丸模様がそれぞれ1つ減っている。

性格は通常種の人懐っこさとヒスイヌメイルの陰気さが合体事故を起こした様なヤンデレ気質。ドラゴンらしいパワーも合わさり、孤独を嫌い執念深く、好いた者が自分から離れると怒り荒ぶるという危険性が高いものとなっている。

それを表すかの如く、目付きもヒスイゾロア同様病んだ困り目に変化している。

色違い

色違い個体は通常種とは異なり本体部分はほとんど変わらず(一応、目と垂れている粘液と模様の色が異なっている)、殻色が金が掛かった茶色となる。

ゲームにおける特徴

HABCDST
ヒスイ種8010010011015060600
原種901007011015080600
差異−10±0+30±0±0−20±0

通常種から「HP」・「すばやさ」を削って「ぼうぎょ」に回したステータスをしている。「HP」減少は痛手ではあるものの、懸念点であった「ぼうぎょ」の脆さが補われたことは大きく、相対的に配分バランスは良くなっている。

特筆すべきは、やはりはがねを追加している点。はがね・ドラゴン複合は、弱点が2タイプに対して半減以下が10タイプもある優秀な複合である。加えて原種が苦手としていたこおりフェアリーを一致はがね技で返討ちに出来、ドラゴン技を等倍で受けられることも大きい。それ故にあのテツノカイナ程ではないが最強のテラレイドバトルでお呼びが掛かることも珍しくない。

先行するジュラルドンは「とくぼう」が極端に低いやや尖った配分をしており、それに比べるとこの優秀な耐性を全面に生かせる、重量級としては理想に近いステータスの持ち主といえる。

「すばやさ」についても、元々速いとは言い難かった種族であることから開き直って捨ててしまってもさほど惜しくはなく、使い勝手は上位互換といっても差し支えない。

通常種より多少落ち込んだものの、相変わらずクレセリアに匹敵する圧倒的な特殊耐久もあり、僅かな弱点さえ突かれなければ大抵の攻撃は耐えられる。

習得技も通常種由来の非常に豊富なラインナップに「アイアンヘッド」「てっていこうせん」「ラスターカノン」「アイアンテール」などのはがね技を追加する形となっており、新技で専用技たてこもるを始め耐久面をさらに強化する積み技も揃えている。

ただ、攻撃系ステータスには何も手が入っておらず並程度に留まるため、力業等で補う必要がある。

「すばやさ」の関係で被弾回数は増えがちであるが、相手によっては何発喰らおうが耐えながら反撃して強引に突破出来てしまうことも。

通常シリーズと比べると比較的ポケモンがひんし状態となりやすい『LEGENDSアルセウス』の仕様上、「耐性や『たてこもる』で耐えながらその間に裏のポケモンを回復して立直す」という噛み合いの良さで壁役として使いやすい。

また、今作のトレーナー戦では「死に出し」による高確率の先制攻撃が強く、それに耐えられる耐久型ポケモンの価値が高くなっており、総じて本作における強力なポケモンの一角である。

第9世代

SV』には『ポケモンHOME』連携と共に参戦。

パルデア地方では必ず通常種に進化してしまうため、寧ろ連携でヒスイ地方から連れて来る必要があった。ただし、ヌメイル時代から分岐している関係で、ヒスイヌメイル→ヒスイヌメルゴンの進化はパルデア地方でも可能であった。

特性は「うるおいボディ」が「シェルアーマー」に変更された以外は通常種と揃えられた。その「シェルアーマー」は急所による「事故死」を防げ、前述の優秀な耐性をより引立てる特性として歓迎された。かくとう弱点をケアする必要はあるものの、環境に多いウーラオスを止めるのにも一役買った。

そうしょく」も厄介な「キノコのほうし」や「やどりぎのタネ」を無効化出来るため、モロバレルチオンジェンに対して強く出ることが出来、特にモロバレルはタイプ上ほぼ無力化出来た

専用技「たてこもる」については引継げたものの、効果が一般的な「ぼうぎょ」2段階上昇に変更され、PP差から「とける」や「てっぺき」の下位互換技となってしまった。「アンコール」された際にPPが少ない方が解除されやすいが、微々たるメリットであった。

ちなみに「とける」についてはヒスイヌメイル時代にのみ覚えるという仕様があったので、PPを重視する場合にはしっかりと進化前に覚えさせておく必要があった。

優秀な複合と効率的なステータスはパルデア地方でも変わらず有効で、「とつげきチョッキ」を持たせれば相当な堅さとなった。

はがねポケモンは環境に多くいたフェアリーに抗う上でも機能しており、攻撃面においてもはがね技を一致で扱えるメリットは大きかった。「ヘビーボンバー」や「ボディプレス」を新規習得したこともあり、通常種では微妙に扱いにくかった物理攻撃も選択肢に入ってきている。「ボディプレス」は専用技「たてこもる」「とける」とのシナジーもあった。

回復技として「いのちのしずく」も習得。回復量25%と「じこさいせい」などに劣るが、それらの技がPP5となったので回数数で勝った。ダブルバトルでは相方も回復出来たのでより有効であった。

新要素「テラスタル」については優秀な耐性を崩してしまうので若干アンチシナジーではあったが、弱点のかくとう・じめんを1度にケア出来るひこうを始め、不利対面打開用に何らかの仕込みをしておくというトレーナーは少なくなかった。

その他の選択肢としては、ドラゴンやかくとうを返り討ちとするフェアリー、「そうしょく」と相性が良いみず、かくとうと特にダブルで「ねこだまし」等の対策となるゴーストなどがあった。

とはいえ、やはり攻撃一辺倒ではパワー不足が目立ち、補助技レパートリーも少ないので他の強豪に見劣りしてしまった。「火力も出せる耐久型」と見るのが妥当なところであろう。

当初は「とつげきチョッキ」を持たせた特殊受け兼アタッカーと「たべのこし」を持たせた場持ち優先の型が主流を成した。性格は「とくこう」を伸ばすものが多かったが両刀や物理系も少なくなく、技に至っては1位の「ラスターカノン」で5割前後、10位の技でも15%であり見事にバラけた。

「ヘビーボンバー」もハバタクカミに対する打点や、「ちいさくなる」を使って来るハリーマンへの抑止力として捨て難かった。

シーズン8最終上位構築には特に、カイリューランドロス4倍弱点を突ける「れいとうビーム」やヒードランの4倍弱点を突ける「じしん」を取入れた、より攻撃的な型が目立った。

DLC前編「碧の仮面」では耐久型との相性が良い「はたきおとす」を獲得した。

しかし、新たに登場したガチグマ(アカツキ)に不利なことや、同時期に復帰して来たエンペルトと競合したことから採用率は低下傾向となった。

続くDLC後編「藍の円盤」ではジュラルドンがブリジュラスに進化してさらなる競合が発生し、ますます需要が分散している。

レギュレーションGシングルバトルでは、ハバタクカミ、こくばじょうバドレックスミライドンに対する数値受けとして王道の「とつげきチョッキ」が再評価された。

ハバタクカミには「ヘビーボンバー」が、こくばじょうバドレックスには「はたきおとす」がそれぞれ有効で、「とつげきチョッキ」ミライドンですら「アシッドボム」+「りゅうせいぐん」で落とすことが出来た。

一方、ウーラオスは役割対象から外すケースも増えたため、「シェルアーマー」型は下火となって行った。

使用トレーナー

ゲーム版

余談

通常種がフランス伝承の「ル・カルコル」をモチーフにしていると思われるのに対し、こちらは巻貝ということから東洋伝承の「出世螺」や、金属のを持つ巻貝スケーリーフットに由来するのではと推測されている。

また、ヒスイ地方のモデルとなった北海道にあるイトムカ鉱山は、かつて豊富な自然水銀を産出していた希少な鉱山として有名。銀色となった粘液の正体はこれでは?という説もある。

さらに、北海道はアンモナイト化石が多産する。殻の形状が平巻きであるためモチーフに含まれている可能性がある。

ヤンデレじみた独特なキャラ設定であることは先述したが、パルデア生え抜きのマスカーニャもまた、トレーナーへの執着が強いポケモンと設定された。そのため、『SV』に参戦したら敵と戦う以前にこうなるというネタもちらほら…

正妻戦争」とはまさにこのことか。

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