ヒスイクレベース
ひすいくれべーす
『ポケモンLEGENDSアルセウス』に登場するポケモンで、ヒスイ地方の環境に適応したクレベースのヒスイのすがた。
通常のカチコールから進化し、進化方法も原種と同じ。
タイプにいわが追加され、アマルルガと同じこおり・いわの複合に変化。(あちらは厳密にはいわ・こおりだが。)
身体の材質も氷と岩が混じったものとなり、土に覆われた氷のような頭部と背中以外のカラーリングが茶色になっている。
原種と比べると背中の表面積が減っており(公式のイラストが特にわかりやすい)、リクガメのような姿からトカゲやアンキロサウルスの様な装盾類を思わせる胴体で、頭部はワニやカミツキガメのように強靭そうな顎となっている。
また、微妙なところだが足の形状も変化し、足のスパイクの数が4本から6本に増えている。
また原種にあった下顎の菱形の部位から、開閉可能な氷塊の装甲を纏っている。
その装甲は鋼にも勝る強度を持つようで、行く手を阻む岩を砕いたり、深雪を除雪機のようにかき分けることが可能。
流氷のように海に浮かんで移動することもあった原種と比べると、陸上生活に特化した体になったと言える。
なお、体躯・重量ともに従来のクレベースより小さめかつスマートなのだが、下記の個体によりそういった印象は持てないだろう。
ストーリー中では、最後に鎮めることになる「雪原キング」としても登場するのだが、問題なのはその大きさで、ホエルオーやムゲンダイナすら上回る圧倒的な巨体がプレイヤーの前に立ちはだかる。
とにかく怪獣系シリーズに登場してもおかしくないくらいデカく、同作に登場するオヤブン個体を捕まえても全く及ばない。ダイマックス等もしておらず、素でここまでの体躯である。
世話をしているハマレンゲ曰く、古代には体高30m級のクレベースも現れたことがあるというが、この個体の巨体を見ればそれも納得できるだろう。四足歩行のクレベース基準で高さ30mとなると、その全長はもはや想像するだに恐ろしい。
フィールド上に出現する通常のヒスイクレベースたちが小さく見えること受け合いである。
主な攻撃
基本的に上記の通りの順番で放たれるが、三角型の足場がとても狭く、後ろまで退避しなければ回避不可能な技も多い。れいとうビームを放った後は疲れて動けなくなるためここでポケモンバトルを仕掛けるべし。
荒ぶりゲージが半分を切ると、氷山が発生した後に氷のトゲが残りただでさえ狭い足場での回避が困難になってしまう(幸い、れいとうビームを横方向に回避できるだけのスペースは残されている)。総じて、どれだけ狭い足場を活かして回避ができるかが勝負のカギと言えるだろう。
とはいえ、終盤は弾幕ゲーもかくやというほどの猛攻になる上、安全地帯も激減するため、被弾のリスクも大幅に増える。幸い、キング戦は力尽きてもある程度荒振りゲージを減らした状態から再挑戦できるため、どうしても回避が苦手という場合は、まずはこれを活用しながら少しずつ荒振りゲージを減らしていくことを考えよう。
なお例の如く開始前に回避行動の重要性を説かれるが、実は終盤には回避せず普通に走った方がうまく避けられる攻撃パターンが含まれている。
回避を十全に使えているはずなのに被弾する場合はこの可能性を考えて立ち回ってみよう。
ポケモンバトルでは、性能面で解説している通り絶望的な特防と素早さの低さ故、特殊型なら上からワンパンできることも。対して物理型だと防御が非常に高いため相性が悪い。使うポケモンにより大きく難易度が変わる。
群青の海岸の北西、しまなみ浜の海岸に出現するオヤブン個体のエンペルトを捕まえていてばラスターカノンで有利に戦えるだろう。
他のキングと違ってその時点では被害が出ていなかったことから、ラベン博士やハマレンゲは雪原キングを鎮めることを疑問視していた。
ただ、他4体同様の暴走を始める可能性もゼロではないし、あの巨体で暴れたら雪崩や地震といった天変地異級の災害が起こるのは想像に難くないので、先んじて沈静化するデンボクの判断も間違ってはいないし、セキやカイも沈静化に異議を唱えずハマレンゲを説得していた。ラベン博士も、事件後に結果的に沈静化して良かったとコメントしている。
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ヒスイ種 | 95 | 127 | 184 | 34 | 36 | 38 | 514 |
原種 | 95 | 117 | 184 | 44 | 46 | 28 | 514 |
変化分 | ±0 | +10 | ±0 | −10 | −10 | +10 | ±0 |
ただでさえ低かった原種の特攻と特防を更に削り、それぞれ攻撃と素早さに回している。
攻撃面は一層ムダが無くなった反面、素早さは元から絶望的だったものを僅かに10上げたところで大差無く、特防が余計に下がってしまっただけという感覚は否めない。
…何故その素早さに回した分の10を攻撃なり特防に回してくれなかったのか。
一応本編視点で考えると、鈍足の激戦区である30族が少しSに振ったぐらいでは抜かれない素早さラインであるという利点はあるにはある。
いわタイプが加わったことで耐性も原種以上に悲惨な有様になっており、凄まじい防御を誇るとはいえ弱点6つ・うち4倍弱点2つでは全く安心できないどころか原種クレベースで可能だった数値受けが不可能になってしまっている。ただ、これでも半減タイプは4つで原種より増えてはいる。
ついでに原種の時点でいわ技やじめん技を豊富に習得していた為、技のラインナップも原種から殆ど変化が無い……とは言え「ストーンエッジ」や「いわなだれ」をタイプ一致で撃てるようになったのは長所である。
いわ・こおりの組み合わせは抜群を取れる相手も多く、ここで強化された火力が活きてくる。
新技の「ひょうざんおろし」は「つららおとし」を優に上回る高威力の物理氷技であり、こおりタイプの物理アタッカー垂涎の逸品。クレベースさんには専用技と言わずに是非とも配っていただきたいところである…
第9世代
ポケモンホーム連携と共に解禁。
上述の通り、複合タイプは攻めとしては優秀だが、受けとしてはかなりひどいものなので、ヒスイクレベースの種族値には全く合っていない。アタッカーと受け、どちらで使うにしろテラスタルはほぼ必須となるだろう。(じゃくてんほけんを発動しやすいメリットはあるにはあるが)
しかしその攻めとしてのタイプは、ランクマ環境上位のカイリューやパオジアンに強いこともあり、刺さる相手にはとことん刺さると言った所だろう。また、幸いというか隠れ特性としてがんじょうも持っているのである程度は安心できる。悲惨な素早さもトリックルームを貼ればなんとかなるし、その数値と特性がんじょうのおかげでハッサムなどといったはがねタイプ相手にもある程度は強気に立ち回れる。
他にも、悲しいほど低い特防はともかく物理方面の硬さは本物なので、ほのおタイプなどにテラスタルさせれば弱点でも突かれない限り生半可な物理技では落ちなくなる。
ちなみに、ヒスイクレベースはゆき状態とすなあらし状態の恩恵を両方受けられる数少ないポケモンである。
…まあ、こいつの特防で砂嵐の恩恵を受けたところで結果はたかが知れているが。
ただ、これだけ書いても目の上のたんこぶになる存在が一匹。
そう、原種である。
ヒスイクレベースが刺さる相手は原種でも刺さりやすく、4倍弱点がなく耐性もマシで、おまけにトリックルームとの相性も原種の方が良い。やる事が被り過ぎている……。
「こおりのつぶて」を覚えるままだったらまだ差別化は効いたのだが。
それによりレギュレーションDが始まると、なんとヒスイ組の進化系で唯一シングルダブルともに使用率圏外になってしまった。
しかしオーガポンの解禁に伴い、竈門オーガポンの攻撃(「ウッドハンマー」以外)を受けて「ロックブラスト」で返り討ちにできる役割が評価されるに至り、テラスタイプ炎・厚底ブーツの構成で、シングルバトルにおける受けループ構築に組み込まれる数が増えており、その結果未だ使用率こそ原種と違って圏外ながら、最終順位については原種入り構築より高い順位を残すという、「知る人ぞ知る」実力を示している。