「キ…… ル……」
「キル!! キル!!」
基礎データ
全国図鑑 | No.1002 |
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パルデア図鑑 | No.394 |
ローマ字表記 | Paojian |
ぶんるい | さいやくポケモン |
タイプ | あく / こおり |
高さ | 1.9m |
重さ | 152.2kg |
せいべつ | 不明 |
とくせい | わざわいのつるぎ |
タマゴグループ | タマゴみはっけん |
他言語版の名称
ドイツ語・フランス語 | Baojian |
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英語・フランス語・イタリア語 | Chien-Pao |
韓国語 | 파오젠 |
中国語(簡体字) | 古剑豹 |
中国語(繁体字) | 古劍豹 |
概要
初登場は『ポケモンSV』。
今作の準伝説ポケモンの1種で、パルデア地方に封じられた4体の災厄ポケモンの1体。
遥か昔に剣の呪いで露と消えた者たちの憎しみが雪を纏ったことで生み出され、2つに折られた剣が牙になったユキヒョウまたはサーベルタイガーのような姿をしている。
よく見ると折られた剣の先端が上顎から突き出しており、ヒゲや模様は結晶になっている。
100トンの積雪を操り雪崩を起こして、その中を出入りして無邪気に遊ぶという。
元となった剣がパオジアンになった際に折れたか、それともなる前にすでに折れたかはわからないが、ただの折れた剣を王が買うことはありえないとして、折れた状態で使用するものであった可能性があると、レホール先生は推測している。
名前の由来は中国語の「豹剣」をそのまま読んだもので、意味もまんま「豹の剣」となる。
色違いは未解禁だが、体の白色だった処が茶色になる。綺麗な雪から汚れた雪になったと言うべきか。
性能
同複合 | HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
パオジアン | 80 | 120 | 80 | 90 | 65 | 135 | 570 |
マニューラ | 70 | 120 | 65 | 45 | 85 | 125 | 510 |
攻撃と素早さに優れる種族値を持ち、後者はあくタイプ最速。同期のテツノツツミよりは1遅いがそれでも十分なレベル。
また、相性上苦手寄りなハバタクカミと同速でもあるので、その辺は良調整と言える。
「あく・こおり」の複合タイプはマニューラ系統以来の登場となり、そちらの上位互換めいたスペックを持っているが、パオジアンの真に恐ろしいところはそこではなく、特性「わざわいのつるぎ」による疑似的な火力の増強である。
「わざわいのつるぎ」の効果は戦闘に出ているだけで自身以外の全ポケモンの物理防御が0.75倍に下がった状態になるというもの。
これ込みの攻撃の実数値に換算すると、攻撃特化の場合252相当となる。これは禁止級伝説であるブラックキュレムの攻撃特化時の実数値244を上回ると聞けばその凄さが分かるだろう。禁止級やメガシンカを除けばパオジアンの実質実数値を超えることができる攻撃種族値を持つポケモンはカミツルギしかいない(カミツルギを始めとするウルトラビーストは全員SV未登場)。
ただ、後述するがこおり・あくタイプの宿命で技威力に欠ける為、実際の火力は高すぎると言う程でもない。この辺りもカミツルギに似ている。
技に関してはタイプ一致では威力80命中100にして場のフィールドを解除する「アイススピナー」、威力が高くひるみ効果もある(クソ外しという問題が付きまとうが)「つららおとし」、音技対策の「じごくづき」、さらに相手の物理防御を下げられる「かみくだく」、先制攻撃技の「ふいうち」・「こおりのつぶて」、火力を引き上げる「つるぎのまい」、補助技への牽制となる「ちょうはつ」など、アタッカーとして必要なものは揃っている。
サブウェポンもはがねタイプ対策やあくタイプ同士の戦いにおける打点となる「せいなるつるぎ」、ドヒドイデやドオーなどの高耐久どくタイプへの有効打兼壁破壊技となる「サイコファング」……といったように痒い所に手が届くものがある。
また、全身雪であるためか「じこさいせい」も習得できる。
更に固定ダメージの「カタストロフィ」やしれっと一撃必殺技の「ぜったいれいど」なども覚える為耐久型もできそうに見える。
しかし、元々耐性は劣悪で受けるような性能はしていない上に、火力に振らないと技の威力不足に引っ張られてどっちつかずの性能になってしまう。大人しくアタッカー運用の方がいいだろう。
ダブルバトルにおいては、相手2体(+味方)にも特性の効果が及ぶため、かなり強烈。
A特化「こだわりハチマキ」カイリューがテラスタイプノーマル状態で「わざわいのつるぎ」込みの「しんそく」を放てば、ノーマルタイプ等倍で生半可なAS・CSベースの耐久種族値に優れないポケモンはバタバタと確定1発に沈む。しかも「しんそく」は優先度+2なので、ダブルバトルで対策が困難なエルフーンやファイアローといった優先度+1の「おいかぜ」を使うサポーターにも効果が大きい。パオジアン自体が「こおりのつぶて」を覚えるため、いざという時は集中砲火で「きあいのタスキ」を潰すことができる。
この世代におけるパオジアンは耐久調整の指標として重要視され、低耐久アタッカーはようきA252パオジアンの「つららおとし」確定耐えぐらいに調整されることが多い。
高速紙耐久物理アタッカーかつ、マリルリ・ヘイラッシャ・「きあいのタスキ」持ちが苦手という強い・弱いがハッキリしたわかりやすい性能故か、ランクバトルでの人気は常に高い。
時に種族値上向いているとは言い難い「ゴツゴツメット」「じこさいせい」型や「とつげきチョッキ」を持たせて場持ちを良くした型などが登場することも。
ダブルバトルでも前述の説明通り活躍。「くろいきり」で相手のパオジアンの「つるぎのまい」やカイリューの「りゅうのまい」による無双を防ぐ型もある。
テラスタイプはかくとう対策のゴースト、遂行速度を上げられる一致のこおり・あく、みず及びでんじは対策のでんきがめぼしいところ。シーズン5終盤からは四災同士やかくとうタイプに対してテラバーストで抜群を取れるフェアリーが急増している。
藍の円盤配信に伴いステラテラスタイプが登場。ステラテラバーストは露骨なテラスタル受けに対する抜群打点として役立ってくれるだろう。
この通りかなり強力なポケモンなのでランクマッチでの使用率は高いが、ポケモン竜王戦2024でも出場選手の多くの構築に入っており、その力を存分に振るった。
大会中では「つららおとし+ひるみ」や「ぜったいれいど」による運も加味したゴリ押しや「つららおとし」を外して戦局をひっくり返されたり、不意の格闘技で撃沈したりなどの場面が見られ、パオジアンというポケモンがどういうものなのかを体現していた。
この大会の決勝戦でも使用していたアダチミズキ選手を優勝に導いている。上述の例のように不意のはどうだんにやられてしまう場面もあったが、ハチマキ+悪テラスで強力な一撃を何度も試行回数を稼いで勝利に貢献した。
優勝者の構築↓
(https://adamspoke.hatenablog.com/entry/2024/02/26/182028)
レギュレーションGでは禁止級がパーティ内1体限定で解禁されることになったが、パオジアンはドラゴンタイプに滅法強いこともありランクバトル上位を堅持すると予想されている。禁止級伝説の超スピードにこおりのつぶて叉はふいうちで喰らい付けるのも利点である(ただしふいうちはリスクも大きい。詳しくは後述)。
ただしザシアンに対してはタイプ相性が最悪かつ素早さでも上を取られており、対抗策としてテラバーストほのおの採用が増えるという予想も。またバドレックス(こくばじょうのすがた)に対してもあく技で4倍弱点を付けるのだが、テラスタルで半減されたり下手にふいうちを出してアンコールでハメられたりするというリスクもある。
レギュレーションGでも持ち前のパワーとスピードを活用し、レギュレーションF以上に活躍。この頃になると素早さをある程度まで抑えることで特性「わざわいのつるぎ」を使って素早さ判定をしやすくしつつ、ステラテラスタルを使った広い技範囲で素早さ判定を有効活用する型が散見されるようになった。
レギュレーションHでは禁止級・準伝説・パラドックスポケモンが全て使用不可となったため、当然これまでランクバトル使用率上位を堅持していたパオジアンと他の四災も出禁を喰らうことになってしまった。四災が揃ってランクバトルから姿を消したため、あくタイプが相対的に減少したことでレギュレーションGで鳴りを潜めていたサーフゴーが再びランクバトルTOP3に返り咲くことにもなった。
なお、余談程度の話にはなるが、個体値C0を厳選する理由があるポケモンとなっている。
その理由はC0にするとAが2段階下降してもA>Cとなり、テラバーストを物理技として撃てるため。相手の防御を下げる特性を持つパオジアンならではの理由である。具体的にはようき・A252振り・C0の条件での実数値は攻撃172、特攻85。
とはいえ前述の通り技には特別困っておらず、テラバーストを採用せずとも十分な技範囲であり、そこまでC0にこだわる必要もない。
だが、シーズン5で初解禁となり、当初は23.2%程度だったテラバースト採用率もシーズン9でのシングルバトルのテラバースト採用率は54.0%で、半数が採用するようになった。
一番人気なテラスタイプは苦手な水高耐久ポケモンであるヘイラッシャやドヒドイデ、タイプ一致技を両半減されてしまう連撃ウーラオスへの打点を持つことができるでんきタイプで、同じくみずタイプなどへの打点となるくさタイプ、ウーラオスやパオジアンミラーなどの打点として、補完のとれたフェアリータイプなどが多く見られる。
テラバーストを採用する型の場合は、なるべくなら特攻の個体値を低くする方が良いと言えるだろう。
初期Lvは60であり、ポケモンリーグ直前の戦力増強としても最適。と言うのも、今作のポケモンリーグは四天王の内3人がじめん・ひこう・ドラゴンであるため、こおりタイプの通りが非常に良く、さらにチャンピオンの手持ちもLv61~62で尚且つあく・こおり・かくとうの3タイプで全て弱点を突ける故、もはや特効とも言える凄まじい戦力で安定して突破が狙え、過去作においては第5世代におけるズルズキンが該当。
残りの四天王ははがねタイプだが、前述の通りかくとう技で対処できる。不安ならばラウドボーンや同じく四災のイーユイで焼き払ってしまえば良い(ウェーニバルやディンルーで粉砕できなくもないが複合タイプによっては逆に不利になる危険性も)。
ただしテラレイドバトルは若干不向き。「わざわいのつるぎ」の効果で敵どころか他の味方の防御も等しく下げてしまう欠点を持つ。
捕獲に関しては、他の四災と比べても状態異常を無効化しないことから捕まえやすい部類に入る。
ただし捕獲要因としてよく使われるキノガッサやキリキザンは弱点を突かれてしまい、特性の効果も相まってレベル差があってもダメージが嵩みやすいので注意。
関連イラスト
関連タグ
1001.チオンジェン→1002.パオジアン→1003.ディンルー
四災(災厄ポケモン)
同複合タイプ
準伝説
世代 | グループ | ポケモン |
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第1世代 | 三鳥 | フリーザー/サンダー/ファイヤー |
第2世代 | 三犬 | ライコウ/エンテイ/スイクン |
第3世代 | レジ系 | レジロック/レジアイス/レジスチル |
ラティ兄妹 | ラティアス(メガラティアス)/ラティオス(メガラティオス) | |
第4世代 | UMAトリオ | ユクシー/エムリット/アグノム |
ヒードラン、レジギガス、クレセリア | ||
第5世代 | 聖剣士 | コバルオン/テラキオン/ビリジオン |
四神/コピペロス | トルネロス(けしん/れいじゅう)/ボルトロス(けしん/れいじゅう)/ランドロス(けしん/れいじゅう) | |
第6世代 | - | - |
第7世代 | タイプ:ヌル→シルヴァディ | |
カプ神 | カプ・コケコ/カプ・テテフ/カプ・ブルル/カプ・レヒレ | |
ウルトラビースト | ウツロイド/マッシブーン/フェローチェ/デンジュモク/テッカグヤ/カミツルギ/アクジキング/ベベノム→アーゴヨン/ツンデツンデ/ズガドーン | |
第8世代 | ガラル三鳥 | ガラルフリーザー/ガラルサンダー/ガラルファイヤー |
ダクマ→ウーラオス(いちげきのかた)(れんげきのかた)→キョダイマックスウーラオス(いちげきのかた)/れんげきのかた | ||
レジ系 | レジエレキ/レジドラゴ | |
ポス馬 | ブリザポス/レイスポス | |
四神 | ラブトロス(けしん/れいじゅう) | |
第9世代 | 四災/災厄ポケモン | チオンジェン/パオジアン/ディンルー/イーユイ |
ともっこさま | イイネイヌ/マシマシラ/キチキギス | |
オーガポン(みどりのめん/かまどのめん/いどのめん/いしずえのめん) |
関連ポケモン等
- ザシアン(れきせんのゆうしゃ/けんのおう):剣に関係する四足歩行の伝説級ポケモン繋がり。特性によって自らの火力を上げられる点も一致する。ただしタイプは真逆である。
- 三闘 :ザシアン同様、剣と関係する四足歩行の伝説級ポケモン達。ただし彼らはパオジアンとは異なり、聖剣士と呼ばれた事もある正義の剣士達である。
- トバリのしんわ:シンオウ地方に伝わる神話。ポケモンを剣で無闇矢鱈と殺生をしていた若者の話。最後にはその剣を"叩き折った"とされる。言うまでもなくパオジアンの剣もちょうど折れており、もしこの話の通りなら剣が呪いを背負う理由としては充分である。また、パオジアンはうらみ、くろいまなざしといった技も基本技として習得出来る。
- 猫ポケモン:スイクン、レパルダスに次ぐ豹モチーフのポケモン。