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「カ ムカンムル!」

『ヨはバドレックス。豊穣の王と呼ばれし者』

基礎データ

全国図鑑No.0898
カンムリ雪原図鑑No.210
ローマ字表記Budrex
ぶんるいキングポケモン
タイプエスパー/くさ
たかさ1.1m
おもさ7.7kg
せいべつ不明
とくせいきんちょうかん
タマゴグループタマゴみはっけん

各言語版での名称と由来

言語名称由来
日本語バドレックスbud(英語でつぼみ)+rex(ラテン語で王)
英語・スペイン語・イタリア語Calyrexcalyx(萼、ラテン語でつぼみ)+rex(ラテン語で王)
ドイツ語Coronospacorona(ラテンで王冠)+Knospe(つぼみ)
フランス語Sylveroysylve(森)+roi(王)
韓国語버드렉스日本語名の音写
中国語蕾冠王蕾+冠+王
ロシア語Калирекс英語名の音写

概要

ポケモン剣盾』から新たに登場する伝説のポケモン

DLC第2弾『冠の雪原』におけるキーキャラクターで、過去にガラル地方一帯を統べていたと伝承で語り継がれる「豊穣の王」

鹿の様な顔立ちにエゾユキウサギを思わせる体格をしており、冠のような巨大な緑色の球体を頭上に戴せている他、小さな球体が連なった数珠のような首飾りを身に着けている。

華奢で小柄な見た目だが、立ち振る舞いは優雅で威厳に満ちている。また小柄といっても脚は非常に細長く、頭部が大きい為、全体的な身長は割と高め。

その異名の通り土地に実りを与える力を持つほか、広大な森とそこに棲む生物を一晩で別の場所に移し替えたり、過去・現在・未来の出来事すべてを見通す力をも持っていたという。

かつてはその能力で、隕石の襲来から森の生き物を救ったともいわれている。

また、戦う時は一切の容赦を掛けないが、それが終わると敵の傷まで癒しに行くという素晴らしい慈愛の持ち主でもある。

名前の由来は恐らく、"bud"(英:蕾)+"rex"(羅:王)。つまり蕾王という意味である。

身に着けている冠や首飾りは良く見ると植物の蕾のようであり、また分類が「キングポケモン」である事や、先述の実りを与える能力からも、まさしく「蕾の王」の名にふさわしいポケモンであると言えよう。

残念ながら、色違いは2024年現在も未解禁

解析によってその姿は判明しており、白色の体が淡い金色に変わる。

これは後述のフォルムチェンジでもバドレックスだけが対応し、合体時のブリザポスレイスポスの体色は通常時の物になる。たとえそれらが色違いであっても通常色に変わる。

第八世代の活躍

「冠の雪原」ではシナリオの序盤から登場。

カンムリ雪原のフリーズ村にある木彫りの像を修復するとプレイヤーの前に現れ、村のやや外れの広間へと誘い込み、力比べとばかりに勝負を仕掛けてくる。

勝負後、満足げな様子で主人公に何かを語りかけるが、バドレックスの操る言葉を理解出来ずに困ってしまう。そこにたまたま現れたピオニーの体を乗っ取り、バドレックスは自身の名前や何者なのかという話を語り始める。

このようにサイコパワーで人間の肉体を借りることで極めて流暢な人の言葉を用いた会話が可能

条件付きとは言え、流暢に人語を話せるポケモンはゲーム作品において非常に珍しく、バドレックス以外だとデバイス入りのロトムぐらいである。

かつては「豊穣の王」として人間からも崇められていたが、その信仰心も歴史と共に風化し、力も徐々に失われ、愛馬にも愛想を尽かされ逃げられてしまった……とのこと。そこで、悠久の時を経た現在でも自分のことを覚えている村人がいるかを確かめてほしい、と主人公に依頼するのだった。

以降もシナリオ中ではたびたびピオニーの体を乗っ取り、主人公に語りかけてくる(ピオニー自身は憑依されている間の事は覚えておらず、「何故か外で寝てしまっている」と思い込んでいる)。

紆余曲折を経て、カンムリ神殿にて愛馬を「キズナのタヅナ」の力で再び制御することに成功。「はくばじょうのすがた/こくばじょうのすがた」となり、かつての力と威厳にあふれた姿を取り戻した。恩返しの意味も込め、自分を捕獲することが出来れば主人公の力を認め力を貸すと言い勝負することになる(ただし、主人公が殿堂入りをしていない場合はオーラに圧倒され、捕獲戦を行うことは出来ない。大人しく引き返そう)。

Lv80で強力な専用技と「サイコキネシス」「ギガドレイン」を覚えており、捕獲は至難。一度でも味方を倒されると能力が上がって手に負えなくなるため、耐久特化させた上で挑もう。

オススメはとつげきチョッキを持たせたキリキザン。また、はくばじょうのすがたが相手ならヌケニンで完封可能。

「ヨ(余)」という一人称を使い荘厳な口調で話すが、立ち振る舞いは至って穏やかで、人間の技術の進歩に感心するなど、孤高または凶暴な者が多い伝説ポケモンの中でも友好度はトップクラスに高い。

その親しみやすさと隠しきれないポンコツ臭、端々で見せる可愛らしさから、一部からは「(自分の認識度を調べてほしいと頼んできたことから)エゴサポケモン」などと評されつつも、「バドレックス様」「バド様」「陛下」の愛称で呼ばれ愛されている。

しっかりとした会話には第三者を介する必要があるため、捕獲後に会話ができなくなるのが非常に残念である。

ゲーム上の特徴

種族値HP攻撃防御特攻特防素早さ合計
バドレックス1008080808080500

1つの世代に4匹目の禁止級が登場するのはこのバドレックスが初にして現状唯一。

特性だけは「きんちょうかん」とそれなりに強いのだが、草・エスパーの複合タイプは弱点が多く、強力とは言い難い。せいぜい粉系の変化技や「やどりぎのタネ」が効かない程度。しかも、タイプと数値だけを見れば、セレビィの完全劣化である。

習得技も草・エスパー・ノーマルで固まっているため通りが悪く、ラインナップもイマイチ。

バドレックス単体として見ると、伝説のポケモンとしてはあまりにも悲惨な性能である。パワーダウンしているとはいえ、ここまで情けない伝説ポケモンがいまだかつていただろうか……

ただし、それらはバドレックス単体での話で、に跨る事で真の力が発揮される

やはり先述の『蕾の王』の名の通り、本来の力を取り戻した形態に開花させてやることが重要なのだろう。

こらそこ、馬+鹿とか言わない。伝説ポケモンの中にはもっと鹿っぽいやつも居るし。

ちなみにバドレックスと愛馬がボックスにそれぞれ2体以上いたとしても、乗馬が可能なバドレックスは1体のみである。別のフォルムを使いたい場合は一旦合体を解除し、改めてキズナのタズナを使う必要がある。

なお、フォルムチェンジしてもしなくても禁止級であり、公式大会では使用出来ない。

またシーズン8からは他の禁止級同様に参加出来るようになった……が、1体しかない枠を種族値が禁止級にしては低いバドレックスに割くトレーナーはほぼいない。

しかしに跨ってならそれぞれ高い戦闘力を誇るため、共に採用率は高順位に位置している。

第9世代

次世代にも続投、今作の目玉要素のテラスタルは耐久に難があるバドレックスのタイプを上書きできシナジーは高いが相変わらず単体で使われることは皆無。2つのフォルムチェンジはお互いピーキーな耐性であり、こちらもテラスタルとの相性は良好と言える。

テラスタルジュエルは本体の頭部が巨大である分、その上に小さくちょこんと乗っかる。かわいい。

ただし、SV単体ではバドレックスは入手できないので注意が必要。

番外作品

ポケモンマスターズ

なんとダンデ(21シーズン)のバディとして『はくばじょうのすがた』で登場。本編ではピオニーの体を乗っ取って会話していたが、こちらではピオニー同様に色黒で大柄な男であるドリバルに乗っ取っていた。

ちなみにもう1匹の愛馬であるレイスポスは後日単体でマサルのバディとなっている。

性能については「はくばじょうのすがた」を参照

余談

ポケモンがダイマックスすると通常は赤い光を纏うが、バドレックスはい光を纏う。ダイマックスポケモンの頭上に現れる雲も青い(現れていないように見えるが、画面に見えていないだけで、技を放つときにそれを確認できる)。

ストーリー中ではダイマックスする機会がなく、言及もないため理由は不明だが、ダイマックスの要因であるガラル粒子とダイマックスポケモンが纏う赤い光が同じ色であることを考えると、バドレックスは何らかの理由によりガラル粒子の力を借りずに自力でダイマックスしている(その結果、他のポケモンと違う色で光る)のでは?そして赤と青の光はローマとケルトを表しているのでは?と考察されている。

ガラル粒子(及びムゲンダイナ)の起源が惑星外であることから、青いダイマックスは元から惑星に備わっている力、すなわち自然エネルギーが由来ではないか、とも考察されている。豊穣の神と称されるバドレックスは大地に係る権能を有しているため、地脈等を通じて自然エネルギーを利用できても全く不思議ではない(サーフゴーに「四災に対抗するためパルデアの自然が生み出した存在である」という考察があるのに関連して、「ガラルの自然によりムゲンダイマックスへの対抗手段として青いダイマックスが誕生した」という説も考えられる)。これが正しいとすると、ガラルリーグのシンボルマークにおける『赤と青の対比』に更なる意味を含ませることもできる。

バドレックスのように流暢に話せないだけで、言葉を話したり人間と意思疎通ができるポケモン自体は本編でも幾つかいる。

例えば『ブラック・ホワイト』のイベントではバックパッカーに化けたゾロアークが人の言葉を話す他、『サン・ムーン』ではカプ・コケコがカタコトながらもテレパシーで語りかけてくる場面がある。

赤・緑・青・ピカチュウ』及びそのリメイク作品におけるゆうれいも、一方的にとは言え「立ち去れ」という拒絶の意思を人間に伝えることには成功している。

アニメや映画、本編外のゲーム等の外部作品では更に多く、代表的なものだとミュウツールカリオ辺りが該当する。

『ソード・シールド』のストーリーは隕石と共に降り立ち「ブラックナイト」を引き起こした伝説のポケモンムゲンダイナが中心となっているが、バドレックスもそこかしこにムゲンダイナとの因縁を匂わせる描写が存在する。

まず、バドレックスの図鑑説明には「森と森に棲む生物を一晩で別の場所に移し替えた(はくば)」、「隕石から森の生き物を救った(こくば)」と記されているが、その隕石が二万年前に落ちてきたムゲンダイナの隕石であり、移転させた森が現在のカンムリ雪原なのではないかと考察するプレイヤーもいる。

また、カンムリ雪原に点在する台座の碑文には、大昔の人々とバドレックスの出会いが記されているのだが、その中に『手を 広げると それ(バドレックス)は 恐れたので みな 拳を 握り 接した』と記されている箇所がある。

ムゲンダイマックスしたムゲンダイナがまるで巨大な掌のような姿をしていた事を鑑みると、バドレックスは(ザシアン・ザマゼンタと同時期かは不明だが)「ブラックナイト発生時にムゲンダイナと交戦したが、負傷してしまいカンムリ雪原に逃げ延びて来た」とも考えられる(上記の青いダイマックスも自らの力でムゲンダイナに対抗した結果なのかもしれない)。

元ネタはブリテンのアーサー王、有角の豊穣神ケルヌンノスに加え、ダーナ神族の最高神ダグザが複合していると推測される。

ダグザは「Eochaid Ollathair(騎手、偉大なる父)」や「Fer Benn(角のある男)」などの異名を持つ最高神ながら世俗的でコミカルな面も持ち、自分の評判を気にしたりするバドレックスに通じるところがある。頭の大きなつぼみはトレードマークである魔法の大釜に似ている。

前述の通りシリーズ初の第4伝説なのだが、ムゲンダイナが完全な外部からの侵略者であることを考えると、ガラル本来の「第3の伝説ポケモン」はこちらである可能性が高い。

実際に、パッケージ伝説似たモチーフ共通点フォルムチェンジを持つなど、過去の第3伝説と同じ特徴はバドレックスの方に多く見られる。

ムゲンダイナのおかげで「シリーズ初」になれたと見るか、ムゲンダイナのせいで第3伝説から弾き出されたと見るかは人次第。

フリーズ村に建てられているバドレックスの木彫り像は、その後なんとポケモンセンターより発売されることになった。忠実に再現されたその何とも言えないクオリティは、ある意味一見の価値あり。「カンムリ」は、取り外し可能だよ!

関連タグ

ポケットモンスター ポケモン 冠の雪原

ポケモン一覧 エスパータイプ くさタイプ

伝説ポケモン ブリザポス レイスポス

0897.レイスポス0898.バドレックス(はくばじょうのすがた/こくばじょうのすがた)→0899.アヤシシ

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