概要
フランスのランスにガリア人が建てた、アポロンとメルクリウスを脇侍とする像では角は小さく、子ヤギのようでもある。
牡鹿を従えていることが多いが、牡牛や犬、ドブネズミを侍らせている事もある。手には蛇を持ち、ケルト美術に登場する「羊の頭や角を持つ蛇」であることもある。
同じケルト神話でもトゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)と異なり、彼についての神話エピソードは現存していない。
彼の名前は発掘された「船乗りの柱」などの碑文によって判明したものであり、
上記の属性(神徳)も古代美術、彫刻から推察されたものである。
ただし「鹿角を持つ人型の存在」の彫刻すべてにケルヌンノスの名が付く訳ではなく、
それらの像が全てケルヌンノス像なのかは不明。
地獄の猟犬を従えワイルドハントを行う鹿角の狩人ハーンやキリスト教の聖人達で「アイルランドの十二使徒」の一人で、動物を従えたという、サイギルの聖キアラン(Saint Ciarán of Saighir)の伝説にケルヌンノスの残滓をみる説も有る。
新異教主義
現代において勃興した古代多神教を復興する宗教運動「新異教主義(ネオペイガニズム)」において、信仰対象として返り咲いている。
角を男根に見立てているのか、豊穣神としての特徴が強化されており、死と再生のサイクルを司る存在として認識されている。
イングランド出身のオカルティスト、ジェラルド・ガードナーが興した流派「ウイッカ」でも取り込まれており、ここではケルンノ(Kernunno)とも呼ばれる。
創作作品において
女神転生シリーズ
種族は”死神”で鹿の頭蓋骨に乗って角をつかむ、牛の角が生えた赤い鬼のような姿。
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作中におけるオンラインゲーム『The World』の隠しシナリオにて同名のボスが登場。見た目は元ネタの死神要素を強調してか、刺々しい鎧に身を包んだ一つ目の骸骨といったデザインになっている。
劇中設定においては先の大戦で滅んだ神々の生き残りの一人である冥王で、死世所 エルディ・ルーに封印されている。シナリオを進めると狂信者達の手によって復活を果たし、襲いかかってくる。
純潔のマリア
同名の存在が登場する。
「人々から忘れ去られ、姿形を失った古い時代の神」であり、不定形の黒い靄のような姿。
ポケットモンスター ソード・シールド
伝説ポケモン「バドレックス」のモチーフの1つがこのケルヌンノスではないかと言われている。
世界樹の迷宮シリーズ
Fateシリーズ
『Fate/Grand Order』に登場する存在。
リンク先2部6章のネタバレ注意。
黙示録の四騎士(漫画)
異世界「煉獄」に生息する幻獣として登場。
姿は巨大な犬に似て、ヤギのようにねじれた角を生やしている。直接の登場は無いが前作でも特殊な祭器として角を用いて作られた角笛が登場している。
デジタルモンスター
ケルヌンノスをモデルにしたデジモン・ケルヌモンが登場。
その他、『フルボッコヒーローズ』や『シャドウバース』では前述のハーンと習合したようなデザインで、『モンスター烈伝オレカバトル』では色鮮やかな鬣を持つ燃えるような雄牛の姿で描写されている。
関連タグ
クロム・クルアハ……ケルヌンノス同様神話エピソードが現存しない神