英語で「世界」「地球」を現す言葉。本項では.hackの舞台となるMMOについて説明する。
ーーWelcome to 「The World」ーー
概要
「.hack」シリーズの舞台となる世界最大のMMO(オンラインゲーム)。
作中世界の2005年に起きたサイバーテロにより壊滅したネットカルチャーに対して「市場復興」の名目のもと、史上初・世界規模のネットゲームとして2007年12月24日にCC社からリリースされた。
発売直後から高い完成度を持っていたこと。そして、世界の人々がネット娯楽に飢えていたことなど要因が重なり歴史的な成功を記録。2000万本を売り上げる(*.1)ほどのすさまじいヒット商品となり、その後も10年以上、バージョンを変えながらリリースが続けられるという、世界で一番身近なMMOとなっている。
(*.1)....2000万本の知名度を実際の例で置き換えると、「ポケモン」シリーズがイメージとして近い。
特徴
「ALTIMIT」OS 対応、世界10ヶ国語で展開されておりプレイの際は映像・音響装置を兼ね備えたHMDと、ボイスチャット機能(ボイスチェンジ可能)を用いる。
プレイヤーは「神や精霊が存在し、魔物が闊歩する」という王道のファンタジーの世界で暮らす人々の一人として、自分の分身たるPC(プレイヤーキャラクター)を作成して参加。そこで他のプレイヤーやNPCと協力、あるいは競い合いながらイベントをこなして生活するという、いわゆるコミュニケーションのゲームである。
このゲーム自体に特に決まったクリア目標はなく「ハンターとして強いモンスターを狩り続ける」、「NPCの手伝いをしてヒーローになる」、「入手したアイテムで商売人になる」...などなど、とにかくプレイヤーごとにスタイルは自由。ただしたまに「The World」の世界観に関わる難関イベントを運営会社が出してくることもあり、これを見事クリアすれば他では入手不可能のレアアイテムと称号を手に入れることが可能。公式サイトなどで讃えられることとなる。
「The World」独自の特徴として
・完成度の高い世界観。
・現実のものに近い質感のグラフィック。
・遊びの幅の多様さ。
・あたかも生きているようなアルゴリズムを持つNPC。
などがあり、これらは他のオンラインゲームの追随を許さない強みとなっている。
あまりの需要の高さからこのゲームが社会に与える影響は強く、ネットカルチャーに多大な利益を与えた反面、中にはゲームの為に会社を辞める者や「アウトドア引きこもり」「ドール症候群」などと揶揄される危篤な人々がでてくるなど社会問題の一つとなってしまっている。
なお、このゲームのプロトタイプ製作においてはドイツ人のAI研究者「ハロルド・ヒューイック」が大きな貢献を果たしたとされるが、現在は行方不明となっているらしい。
歴史
「The World」は2007年に発表されて以降、長きに渡る歴史を持つMMOとなった。その過程で一度CC社本部が大火災に見舞われサーバーのデータが8割消失する大損害を受けたが、初代バージョン(R:1 <リビジョンワン>)の世界観を一新し、R:2を展開することで切り抜けている。
以後はバージョンの変化はあれど世界観やバトルシステムに大きな変更は見られず、実質R:2を流用したものとなっている。
世界観
R:1では「精霊が存在し、神々が近くにいた」時代に呪紋技術を用いて生活する人々が居るというケルト神話の様な世界が描かれていた。R:2以降ではその設定を踏まえたうえで内容を一新。R:1とほぼ同じ神話の世界から数百年ほどの月日が経過し、スチームパンク風の文明に移行したという世界観となっている。
なお、R:1の世界観には伝説のネット叙事詩「黄昏の碑文」との関連性が強く指摘されているが、CC社は公式には認めていない。
作中の「The World」公式サイトではR:2以降のバージョンでの世界観がまとめられている。以下はその内容を要約したもの。
世界の始まり
- 嘆きの創世
遠い遠い昔ーーまだ天上も地上も存在しなかった頃、『世界』には2人の兄弟神が居た。彼らは居るだけで、互いを満たすことができた。
ある日、ふとしたはずみで兄神は弟神の宝物を壊してしまい、激昂した弟神もまた兄神の宝物を壊してしまう。彼らは怒りを収める事ができず、そして兄神は怒りのままに弟神の命を奪った。
弟神の最後の吐息が天となり、亡骸は大地に、血潮は太陽となった。兄神は後悔に耐えることができず、涙を流し続け、それは海となった。
ーーこうして世界は動き始めた。
やがて孤独の辛さに耐えきれなくなった兄神『ソール』は次々と神々を、そして動植物を生み出していった。弟神の魂も死者の国へ封じ、死者の王『ケルヌンノス』とした。
そして、世界は生命で満ちるようになりーー最後に造られたのは『エルフ』であった。自身に似せたこの生き物をソールは非常に愛した。
- 純粋と暗愚
神々はエルフに地上を委ね、天上に自分達の国「アーセル・レイ」を創造して統べるようになった。神々の光と太陽の光。二つの光に守られて満ちる生命は繁栄し、平和は永遠に続くものと思われた。
ーーが、年月が経つごとにエルフは自分達の力が神に匹敵するものだと考えるようになってゆく。そして、ついに空中要塞「フォート・アウフ」を作り上げて神々を脅し、自分達を神と同格に扱うように求めた。
ソールはこれに激怒し、エルフから良いところを全て取り上げてしまった。ある神はこの愚かしい生き物を蔑んでこう名付けたーー「卑人(ひと)」すなわち『人』と。
- 影の力(R:1の時代)
知恵を無くした人は地上に戦禍と混沌をもたらし、神々の使者たる『グランティ』は猩々(しょうじょう)へと姿を変えた。その所業に呆れ果てた神々は巨大な門「モーリー・バロウ城砦」を築き上げ、「アーセル・レイ」へと閉じ篭ってしまった。
神々の守護を失った大地は次第に荒れてゆき、いつしかそこは「影」と呼ばれる闇の力に侵食されるようになったーーやがて魔物が溢れた。
魔物は地上のあらゆる生き物を滅ぼしていき、その手は人にも及んだ。人は都市に結界を張って魔物と戦ったが次々と分断、破壊されていった。そうして残る都市は5つだけになってしまったのである。
- 女神アウローラ(R:1時代の終焉)
人の危機を救ったのは一人の呪紋士見習いの少年であった。彼は「アルケ・ケルン」神殿で神々に祈りを捧げ、自らを犠牲にして6人の精霊神と2人の女神を呼び出したのである。
少年に応えた8人の神ーー炎の『ウルカヌス』、水の『メロー』、木の『クラケ』、地の『ヤースキン』、雷の『ランセオル』、闇の『ライネック』、明星の女神『アヌ』、光の女神『アウローラ』。彼らは再び人々を導き、「影」の力を封じ込めることに成功する。
訪れた平和により、人は繁栄の道を辿った。ーーーだが、それは長くは続かなかった。「影」が消滅したことで、今度は人同士で争いを始めたからである。8人の神々は次々と地上を去っていき最後にアウローラだけが残った。
地上から再び神々の守護が失われることを恐れた人は、アウローラに呪いをかけ「グリーマ・レーヴ大聖堂」に封印した。
- 神との戦い
女神が囚われたことを知った神々は、とうとう人を滅ぼしてしまうことにした。一方の人も大人しく滅びるはずもなく、兵器を開発して神に対抗した。
人はよく戦ったが、しかし神の敵にはなりえなかった。「フォート・アウフ」は落とされ「ドゥナ・ロリヤック」を押し潰し、「カルミナ・ガデリカ」は神の雷により消滅した。人は最後の手段としてアウローラの力そのものを呪紋の力に変えて"紋章砲・ヴァルドラウテ"として、神々の国「アーセル・レイ」へ撃ち込んだ。神々は炎にまかれて逃げ惑い、創造神ソールを含めた神々は皆死んでいった。
ーーーこうして神の時代は終わりを告げた。
- 起神(たてがみ)
戦いに勝った人は神々の国を目指し、神の生き残りである「モーリー・バロウ城塞」の守護者『フォルセト』の元へ押し寄せた。だが、彼は決して門を開けることは無かった。
フォルセトは言う、「どんな罪人にも償う権利がある。人よ、門を開きたくば失われし神を取り戻せ。神はお前たちの理(ことわり)のもとへ起つであろう」と。
そして人は「起神」のために様々な理想を掲げ、再び争いが始まった。
- 現れた者
神々の大戦から数十年が過ぎた頃、ある研究者が「フォート・アウフ」の廃墟に旅立ち、そして帰ってきた。人の身体と獣の頭を持った種族ーー『獣人』と一緒に。
最初、人と獣人は友好関係にあったが、次第に亀裂が生じていった。
『チムチム』なる生物を最初に見つけたのは獣人であり、彼らはそれを神々の遺産として崇めようとした。だが人はチムチムからエネルギーを抽出する手法を発見すると、それを利用した蒸気機械を開発し、呪紋を古い技術として切り捨てた。獣人は呪紋文化を守り、蒸気機械を嫌って排除した。
やがて獣人は自らも起神に参加することを宣言。両者の対立は深刻になり、ついに戦争になった。
- 三つの理(R:2以降の時代)
長期化した戦争に人も獣人も疲弊していた。そんな中、新たに生まれた勢力があった。
人と獣人で構成されたその勢力は、純粋に力を追い求め、呪紋も蒸気機関の力も手に入れていた。そして彼らは人と獣人に使者を送り停戦を求め、結局両者とも受け入ることになった。
こうして戦争は終わったが、争いは終わらなかった。獣人も新勢力も起神を行うことを主張・宣言したからである。
「蒸気技術と革新」を掲げる人族『アールヴァルク』
「紋章技術と守旧」を掲げる獣人族『オグミオス』
「純粋な力の希求」を掲げる新勢力『テウタテス』
彼らは武力を伴わない冷戦を始めた。
この三つ巴の戦いは現在でも終わることなく、静かに、しかし確実に世界を疲弊させ続けているーーー。
文明と技術
R:1
上記の通りR:1は呪紋文化が発達した世界。
物理界(マテリアルサイド)と魔法界(マジカルサイド)の二つの側面で世界が成り立っており、人々はそのバランスを操る呪紋(ウェイブ)と火、水、木、地、雷、闇の相克関係にある6属性(エレメント)の法則を見出し利用することで、襲いくる魔物を退けながらの生活を送っている。呪紋は物体に描くことでそれらを強化する作用があるため、強力な呪紋を刻める武器などの呪物が発達した。
ただし、その武器種ごとに扱いが異なるため、使用者は一つの武器種に依存した戦法を取る必要があったらしい。
ゲーム的にはそれらの設定から、プレイヤーは6種の武器に因んだ職業を一つ選び、その武器の扱いを極めてゆく形をとっている。武器が制限されている代わりに使用できる魔法は幅広く(ウルカヌスなどの精霊神の魔法も存在する)、装備次第で物理職でも高等魔法「オラ・オル」、最上級魔法「ファ」系統を使用できた。
物語は神話の時代。「The World」の世界観的にこの頃が一番魔物が強く、脅威に晒されていた時代であった。そのため人類は5つの都市「ルートタウン(*.2)」のあらゆる場所に呪紋を敷いて、強靭な結界を生成。外界との唯一の窓口としてワープ装置「カオス・ゲート」を利用している。
(*.2)....「The World」の人類が暮らす都市。ショップやセーブ機能、@ホームなどを備えたプレイヤーの活動拠点と言える場所。
- R:1に登場するルートタウン
水の都「マク・アヌ」
初心者のプレイヤーが最初に訪れることになる始まりの街。水路が張り巡らされたヴェネツィアを思わせる景観が特徴で、多くの旅人で行き交う商業が盛んな場所。
高山都市「ドゥナ・ロリヤック」
雲海を見下ろす高山地帯に造られており、他の都市よりも文明が遅れている。のどかな自然風景が広がり精霊の加護が強く芽吹く町。
文明都市「カルミナ・ガデリカ」
R:1時代における最先端の技術と軍事力を誇る大都市。高層ビルが佇む摩天楼の夜空には、熱気球を利用した飛空艇が飛んでいる。
空中都市「フォート・アウフ」
滅亡の運命を辿ったエルフ達が残した天空要塞。魔物の分布や動向を監視する街として機能している。
遺跡都市「リア・ファイル」
石柱が並ぶ都市。元々はタルタルガと呼ばれる部族の聖地であったが、現在はカルミナ・ガデリカ軍の攻撃で壊滅状態にある。
R:2以降
神々との戦争を経た人類が蒸気機関の発明により爆発的な進歩を遂げた世界。新たな種族「獣人」も登場し、プレイヤーのPCは人と獣人の二種類から選んで作成することになる。
生活のありとあらゆる面に蒸気機械が用いられており武器は勿論のこと、物品錬成やライフラインにも応用され、人々の生活水準は産業革命レベルにまで向上。バイクや蒸気客船、さらにはモノレールの開発にまで成功している。
反面、神々が死に絶えたことにより呪紋と6属性の恩恵は著しく低下。呪紋士の最高威力魔法ですらR:1時代の高等魔法「オラ・オル」系統に届くかどうかにまで落とされている。文明としても衰退しており、現在では「ドル・ドナ」などの一部の都市でしか見ることができない。
技術の発展に伴い扱える武器種も増えたようでプレイヤーの選べる武器は10種類。呪物による制約も無くなったためか、複数の武器を併用する「錬装士(マルチウェポン)」なる職業も登場している。
主要都市には未だに紋章技術である「カオス・ゲート」が用いられている。だが現段階では魔物全体が弱体化していることもあってか「マク・アヌ」では輸送船が自由に行き交い、「ルミナ・クロス」では高級ホテルの様な建物が乱立するなどR:1とは比較にならないほどに世界情勢は安定している。
- R:2に登場するルートタウン
悠久の古都「マク・アヌ」
R:1から引き続き登場した水の都。面影を強く残してはいるが、街中には蒸気機関のパイプが所狭しと並ぶ。やはり商業地帯であるようで、港には多くの船が停泊している。
闘争都市「ルミナ・クロス」
煌びやかなネオンで飾られた歓楽街。闘争都市の名の通り街の中心には巨大なコロシアムが設置され、人対人のアリーナバトルが行われている。
蒼穹都市「ドル・ドナ」
神々との戦争で落とされた「フォート・アウフ」の残骸にいつしか獣人が住み着き、形成された街。他の街とは異なり、呪紋技術を色濃く残したR:1さながらの質素な生活が保たれている。
双天都市「ブレグ・エポナ」
かつては街中が巨大な兵器工場であった都市でR:2最先端の技術力を持つ。ただしそれは都市の上層部分のみで、下層部には貧しい者達が暮らすスラム街が形成されている。
魔物(モンスター)
「The World」世界の人類を襲う、「影」と呼ばれる力の影響を受けた存在。死者の王「ケルヌンノス」の走狗であるとも言われている。
神話の時代(R:1)に人類を滅ぼしかけるほどに暴れまわったが、6人の精霊神と二柱の女神の力を借りてその殆どは排除された。その後は長きに渡り弱体化傾向にあるが、少しずつ勢力を増しているらしい......という設定。外見、能力ともに様々な種族がいる。
ゲームシステム的にも実際その設定通り。「R:1」はまさに魔物の全盛期時代であり、「R:2」におけるボスクラスの大型魔物が複数体で通常フィールドをうろつくなんて日常茶飯事。中級モンスター種以上なら属性1つ、物理、魔法に関する攻撃のどれかを無効化する能力を雑魚でも標準装備。極めつけにはそれらが複数種で襲いかかってくるといった、阿鼻叫喚の酷い有様であった。
この世界の人類は、よくR:2の時代まで生き残れたものである。
「R:2」では新実装された戦闘回避アイテム「逃煙球(にげむりだま)」の存在や、特殊能力を持つ魔物が一部のイベントに限定(弱体化)されたことで戦いの難易度はだいぶ微笑ましいレベルに落ち着いている。
ただしドッペルゲンガーなど、ごく一部の例外もいるので注意。
以下、主なモンスター種族。
R.1
ゴブリン | RPGでお馴染み、主にやられ役の悪鬼。鉄球や巨斧などの武器を振るう凶暴なものから、争いではなく遊びで交流を行う者も居るなど個性豊か。 |
---|---|
リザード | モンスターの王道、竜族系の種族。動きは鈍重ながらも他はトップレベルの能力を持っている。小型のリザードマン、中型のワイバーン、大型のドラゴン種で分けられ、特にドラゴンは6属性それぞれに対応した種族が存在している。 |
バード | 女性の体型を持つハーピー系の鳥類種族で、全種が木属性の加護を受けている。理不尽なほどの物理回避力を持つが、攻撃力は総じて低い。 |
スネーク | 人に寄生を行う生態を持つ蛇型種。人の女性と蛇の身体が融合したようなおぞましい姿をしている。全種が地属性であるため、弱点である木属性スキルで一掃するべし。 |
アンデッド | 死霊系モンスター。いずれも魔物や冒険者の死骸が動き出したものであり、大型種になるとかなりのタフネスさを持つ。弱点は雷属性だが接近戦はリスクが高いので魔法攻撃がオススメ。 |
宇宙人 | 剣と魔法の世界にあるまじき宇宙からの侵略者。どれもどこかで見たような姿をしているが戦闘面では中々強く、中には蘇生によるゾンビ戦法をしてくる者すらいる。睡眠魔法に弱いので、それで動きを封じればあっさり倒せる。 |
R:2以降
鬼族系 | R:1から続投の小鬼モンスター。彼らの文化も発展したようで大砲や蒸気銃を武器に使用する者もいる。ちなみにR:1からの好敵手(?)マルチナ率いる「ゴールドゴブリンズ」も進化を遂げている。 |
---|---|
竜族 | リザード系統の生き残りで、タツノオトシゴの様な種族が追加された。だがワイバーン種が消滅し、リザードマンは四足歩行に退化。ドラゴンはフィールドボスとして点在する程度にまで弱体化している。 |
魔獣系 | 巨大な牙を持つ犬型種。前作のハウンド系とは出自が異なり、人に捨てられた犬が「影」の力に侵食された姿であるとのこと。 |
植物系 | R:1にも存在していた樹木やキノコの姿をした種族。全体的に低ステータスであるためあまり脅威ではなく、公式設定でも冒険者の「錬成素材」扱い。 |
機獣系 | R:2から新たに登場。人族と獣人族の戦争後に打ち捨てられた呪紋兵器に、「影」の力が影響して魔物化したもの。無機質に敵を攻撃する姿から、冒険者から特別嫌われているらしい。 |
ドッペルゲンガー | ごく稀にフィールドエリアに乱入してくる謎のモンスター種。その場所に居るPCの姿、能力を模倣した上でそのPC以上のレベルと防御アビリティを用いて攻撃を仕掛けてくる。普通に戦えば無理ゲー仕様の難敵だが、倒せばレア装備が手に入る。.....実は逃煙玉とラッキーアニマル「はっしば」のコンボでハメ殺し可能。 |
マスコットキャラクター
「The World」を代表するマスコットキャラクター。いずれも個性豊かでファンシーな姿をしているが、中には世界観で重要な役割を果たすキャラも居る。
- R:1
プチグソ
「父上!! お腹すいたブヒ!」
『〜ブヒ』『〜ガキーン』『〜ブクブク』などの喋り方とブタを思わせる鼻が特徴の、世界を代表する神獣。
「胡座をかく者」と呼ばれ愛玩されてきた歴史を持ち、それを示す様に一部の偶像モンスターや「ドゥナ・ロリヤック」の装飾にその姿が象られている。成獣になるまでには数多くのエサを必要とするが、成獣になってからは食料を摂取することはないという。野良のプチグソは皆同じ姿となるが、プレイヤーがエサを選別して与えた個体の成獣はルートタウンごとに異なる姿となる。
だが、幼獣の育成を怠ると病気などにより死亡する場合も。成獣に至っても腐葉土のフィールドエリアにて野良プチグソの死骸が見られることから、決して強い生き物ではないらしい。
- R:2以降
グランティ
「お前を、"鼻毛"ほどには認めてやるブヒ」
『〜ブヒ』『〜メロ』などの喋り方が特徴のブタ鼻が特徴的な種族。
猩々(R:1におけるプチグソ)として家畜化したものが、解呪により本来の身体を取り戻した....つまり、プチグソが進化した姿という設定。ゲーム中ではギルド@ホームを管理するNPCとして登場。必ずギルドマスターを踏襲したデザインとなり、性格や口調をやや誇張して真似たものとなる。
チムチム
4本足にどこかぬけた印象の顔を持つR:2世界の立役者。
頭に乗せているのは「チム玉」と呼ばれるエネルギー源であり、蒸気文明の技術は全てこれを動力として動かしている。多くのチムチムは臆病な性格をしているが、中には他種族に襲いかかってくるチムチムもいるのだとか。
ラッキーアニマル
「我 理解せり!貴様、速い!然るに、授けるッ!」
ダンジョンやフィールドに出現する、幸運をもたらす聖獣。「みずち」や「てんぐ」など、妖物を愛らしくデフォルメした姿が特徴で種類ごとに効果が異なる。
特に上記のイラストにも居る子馬姿のアニマル「はっしば」の、敵全体へ強制ダメージを与える能力は強力。
フィールド・ダンジョン
プレイヤーの主たる冒険の舞台。フィールドでは魔物を倒してのレベル上げ、または武器素材やアイテムの回収。ダンジョンではトラップ部屋を潜り抜け、最深部まで辿りつければ祭壇に祀られている宝物を入手することができる。
この「The World」世界の住人たちは魔物の侵入を防ぐため都市に結界を張って生活しているので、フィールド・ダンジョンへ向かうには必ずワープ装置「カオス・ゲート」を利用する必要がある。
ゲートは3つの言葉「ワード」を組み込むことで、それらに対応したフィールドに転送可能。このワードによってフィールドの天候、昼夜、属性、魔物の強さ、あるいはクリア目標までもが左右されるので、プレイヤーは自身のPCレベルに合わせて慎重に選ばなければならない。
「The World」という名前だけあってそのエリアの種類は千差万別。草原、密林、荒野、高山、雪原、神社など様々。イベントでしか行くことのできない特殊エリアも存在する。
ロストグラウンド
「The World」の前身である「fragment」の時代より存在したエリア。今のバージョンに存在するはずのない「失われた土地」で、素晴らしい景観を持つエリアながら特別なイベントはおろかモンスターすら出現しない。現在では世界観の設定に組み込まれており、それに因んだ説明がプレイヤーになされている。
だが、それはCC社に後付けされた設定であり「黄昏の碑文」で果たしていた真の役割とは異なるという噂もある。
- 確認されているロストグラウンド
・〜始原の地〜「アルケ・ケルン大瀑布」
・〜最果ての門〜「モーリー・バロウ城砦」
・〜天隠すもの〜「グリーマ・レーヴ大聖堂」
・〜輝ける森〜「死世所 エルディ・ルー」
・〜永久楽土〜「王者の島 イ・ブラセル」
・〜誇れるあぎと〜「コシュタ・バウア戦場跡」
・〜たまゆらの炎〜「嘆きの都 エルド・スレイカ」
・〜黄金の乙女たち〜「糖蜜の館 シフ・ベルグ」
・〜死せる太陽〜「竜骨山脈 ブリューナ・ギデオン」
・〜千の夜〜「ギャリオン・メイズ大神殿」
・〜月蝕の迷い家〜「罪界 ラーンバティ」
関連タグ
.hack .hack// .hack//G.U. PlutoKiss 黄昏の碑文 CC社
『世界』の楽しみ方は一つではなく、また歩き方も一つではありません。
さぁ、あなたも『世界』の住人になり、あなただけの人生を歩みましょう!
※ この先にはThe Worldの核心に迫る記述が存在します。 |
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モルガナ・システム
実は「The World」の基幹部分には、ハロルド・ヒューイックによって仕掛けられた解析不能のブラックボックスが存在し、このシステムにより「世界中のプレイヤーの行動・思考を学習し、The World自身が自律進化を続ける」というオーパーツじみた特異の性質を兼ね備えている。
勿論これはモンスターやNPCといった膨大な数のAI達にも同様に還元されており、自然な振る舞いで会話する者や、イベントを無視した行動をとる者達には本当に自我に目覚めているAIも多数の存在している。(つまり、事実上生きている)
「The World」のシステム管理者達はこれらのAIの扱いに苦慮しており大抵の場合、状況に合わせたイベントやキャラ設定を追加する、またはバグという名目で容赦なく削除・抹消するといった強引な方法での管理が継続されてしまっている。
「フィールドの変化」、「未知のエリアの出現」、「プレイヤー毎に異なる特殊イベント」、「世界観に合わせた社会を持つ自律AIとの交流」など、このシステムによりダンジョン、フィールド、ルートタウンの構造は現実と遜色ないものとなっており、その恩恵は計り知れない。「The World」が世界最大のMMOとして君臨し続ける最大要因である。
だが言い換えれば、"もう一つの世界"となるべく不規則な自律進化を続ける「The World」は、もはや"ゲーム"と呼べるような安全に遊べる代物では無くなっており、世界の全プレイヤーは予測不能の事故に巻き込まれて生命を危険に晒す可能性を常に伴っている。
どう考えてもサービスを中止するべきシステムである。
しかし、運営会社であるCC社上層部はこのシステムを公表するどころか、「企業の恒久なる発展」のために利用するべく画策。政治圧力、情報操作、あるいは恐喝すらも用いた大規模な隠蔽工作を行なっている。
つまるところ、彼らにとっては「The World」によりもたらされる巨万の富とブラックボックスの研究産物に比べれば、プレイヤー達がどうなろうとも構わない....ということらしい。
そうしてCC社は責任逃れを続けながら、2年先も、4年先も、10年以上先の未来でさえ、プレイヤーを騙し、安全を軽視しながらの運営を続けている。
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