「リノ………!!」
基礎データ
全国図鑑 | No.0800 |
---|---|
アローラ図鑑 | No.400 |
UBコードネーム | UB:BLACK |
ローマ字表記 | Necrozma |
分類 | プリズムポケモン |
タイプ | エスパー |
高さ | 2.4m |
重さ | 230.0kg |
せいべつ | 不明 |
特性 | プリズムアーマー |
タマゴグループ | タマゴみはっけん |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | ネクロズマ | necro-(英語で「死」を現す接頭辞)+prisma(ドイツ語でプリズム) |
英語・ドイツ語・スペイン語・フランス語・イタリア語 | Necrozma | 日本語名に同じ |
韓国語 | 네크로즈마 | 日本語名の音写 |
中国語(簡体字) | 奈克洛兹玛 | 日本語名の音写 |
中国語(繁体字) | 奈克洛茲瑪 | 日本語名の音写 |
概要
太古の時代に全く別の異次元から現れたと噂される謎の生命体。
目撃したハンサムはUBと疑ったが、エーテル財団や国際警察のデータには存在しない。
真っ黒に染まった鋭角的な水晶のごとき身体を持ち、半分に割れた頭部と一体化した胴体部、両腕は巨大なクローのようになっている反面、それを繋ぐ二の腕部分と両足はかなり細いという何ともアンバランスな体型をしている。
顔にあたる部位は様々な色のパーツが混ざった結晶になっており、一対の目や牙口らしく見えるが、実際は偶々それっぽい配置になっているに過ぎない。
光がエネルギー源であり、掌や後頭部など体の一部からは、内部に蓄えられた膨大な光エネルギーが白く透けて見えている。その身体のプリズム器官から放射するレーザーで、周囲の者全てを容赦なく攻撃する非常に凶暴な性格。
これほどの光を蓄えた存在であるが、光への飢餓は解消されず、戦闘中に度々頭を押さえるような仕草をして苦しんでいるかのようなモーションを見せる。
図鑑ではソルガレオ・ルナアーラ同様金枠(つまり禁止伝説級)に設定されている、レックウザ以降お馴染みのマイナーチェンジ版等で正体が明かされる第三の禁止伝説級ポケモンに相当する存在。戦闘時のBGMもガレアラと同じであり、通常の対戦やバトルツリーでは使えない。
名前の由来はNecro(英語:死の)+Prisma(スペイン語等:プリズム)だとされているらしいが、Phantasm(幻、幻影、幻想、死者・不在者の幻像、幽霊)もかかっている可能性がある。
また、ウルトラムーン版の図鑑説明文から、「黒ずむ」まで含めた複雑なネーミングだとも推測される。
またUSUMで追加された鳴き声は、ハワイ語で「光」を意味するlinoからきている。
形態
通常形態
SM発売後〜USUM発売前まで知られていた、メイン画像の通常形態。
一部のユーザーの間では、頭部と胴体が龍の頭部のように見えることが話題となっており、胴体の裏側が斬り落とされた首の断面のように見える事も相まって、この姿は本来の姿ではないと考察するユーザーが多かった。
また、コスモッグ系を含む全てのUB共通の特徴である「種族値が全て素数」かつ「鳴き声の終わり際に、ある特殊な音がかかる」というのをネクロズマも持っており、ネクロズマも「特性“ビーストブースト”を持たない上位のUB」であるのではないかと話題になっていた。
しかし、アローラ地方にはネクロズマ自身にまつわる文献や資料が皆無に等しく、SMでは「UBである」との明言もなされなかった。
太古の昔アローラを覆い、人々とポケモンの光によって打ち消されたとされる「闇」の伝承との関連が指摘されてはいたものの、詳細な設定はマイナーチェンジ版であるUSUMの発売を待つこととなった。
そして発表されたマイナーチェンジ版『ウルトラサン・ウルトラムーン』の発売前プロモーションムービー中にて、かつてのブラックキュレム・ホワイトキュレムの如くソルガレオとルナアーラに襲い掛かり、その存在を取り込んだ2つの新形態が公開された。
たそがれのたてがみ
ソルガレオを取り込み、その力を侵食した姿。
通称「日食ネクロズマ」。
あかつきのつばさ
ルナアーラを取り込み、その力を侵食した姿。
通称「月食ネクロズマ」。
ウルトラネクロズマ
日食/月食ネクロズマの状態で『ウルトラバースト』なるコマンドを行うにより変化することができる形態。
なお、ウルトラサン・ウルトラムーンにおいては、初登場時ネクロズマを捕まえることはできない(捕まらないのではなくボール自体使う事ができない。融合キュレムと同じ仕様)。
後にラナキラマウンテンの中腹付近で、力尽き跪いたネクロズマを発見でき、主人公が近づくと襲いかかってきて捕獲戦闘となる。
ゲームでの特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
97 | 107 | 101 | 127 | 89 | 79 | 600 |
「サン/ムーン」ではウルトラビースト5種類を捕獲した後のイベント後、テンカラットヒル奥の草むらに行くと野生のポケモンに混じって出現する。レベルは75。
能力は素早さが若干不安だが、他の能力は特攻を筆頭に高水準と言う伝説ポケモンのそれ。
但し合計種族値は600。この辺も「まだ隠された力があるのでは」と言われていた要因だったりする。
習得技はかなり癖が強い。
なんと自力習得できる従来のエスパー技は「ねんりき」「アシストパワー」「サイコカッター」と専用の「プリズムレーザー」しかない。
また他の習得技も物理・特殊がまばらだったりタイプも安定していなかったり、わざマシン対応技も特殊寄りにもかかわらず物理技が殆どを占める等変な事になっている。
地味に「あさのひざし」と「つきのひかり」を両方習得できる稀有なポケモン。
専用技「プリズムレーザー」は使うと1ターン反動で動けなくなってしまう「はかいこうせん」のエスパー版。但し威力160と「サイコブースト」を超えるエスパータイプ最強の威力を持つ。
USUMから追加されたもう一つの専用技「フォトンゲイザー」は攻撃と特攻の高い方の数値で放つエスパータイプの特殊技。物理型となる日食ネクロズマと、特殊型となる月食ネクロズマのどちらでもメインウェポンを務められる優秀な技である。
特性は新登場の「プリズムアーマー」。弱点の技の受けるダメージが軽減されるハードロックと同じ効果であるが、隠し効果でテラボルテージとターボブレイズを無効化することが出来るためハードロックの上位特性と言える。またこの隠し効果はソルガレオとルナアーラの特性も共通している。
番外作品
ポケモンGO
2024年6月開催の「GO Fest 2024」で通常ネクロズマが先行実装され、翌月のグローバルイベントで全世界のレイドバトルに登場。
ネクロズマ単体では通常技が「サイコカッター」「シャドークロー」「メタルクロー」の3つ、ゲージ技が「みらいよち」「げきりん」「あくのはどう」「アイアンヘッド」。
通常技の「サイコカッター」はともかく、「みらいよち」はフルゲージ技であり、小回りの利かない大味なエスパー枠といった性能。
もちろんこれでも戦えないことはないが、何とキュレムより先に合体機能が追加されており、本領を発揮するのは合体後となる。
- 「サンエナジー」を使い、ソルガレオと合体した日食ネクロズマになると、ゲージ技に「メテオドライブ」を覚え、通常技の「メタルクロー」と合わせた強力な鋼アタッカーに変貌。
- 「ムーンエナジー」を使い、ルナアーラと合体した月食ネクロズマになると、ゲージ技に「シャドーレイ」を覚え、通常技の「シャドークロー」と合わせた強力なゴーストアタッカーに変貌。
合体はメガシンカやゲンシカイキの発展版とでも言えるものになっており、自身とコスモッグのアメ30個+各エナジー1000とかなりのコストが必要。
8/14に日食/月食ネクロズマがレイド出現し、倒しても捕獲できるのは通常フォルムだが、合体に必要な上記アメ/エナジーが少しづつもらえる為、レイドを熟せば十分な量は確保できる。
任意の解除コマンドを選択するまでは合体したままだが、一度分離すると再びアメとエナジーを要求されれる上、回数を重ねても変わらないので注意。
惜しむべきは、メガエナジーやゲンシエナジーとは異なり、現時点ではそれら全てがイベントを逃すと入手すら出来ず、また対象イベントを待たなくてはいけない点(アメに関してはふしぎなアメを使えばどうにかなるが)。
ただ原作同様個体値はネクロズマ依存なので、そちらだけを厳選すれば良いのは救いか。
上記の通り融合状態のネクロズマは、レイド戦は元より対人戦においても強力な性能を持つ。
最大CPはレベル50時点で4800台の大台に乗る上、専用技の「メテオドライブ」と「シャドーレイ」は火力なども優秀。それ以外にも技のレパートリーが豊富なので汎用性も高い。
有識者によると100%CP(およびそれに肉薄するだけの高個体値)を手に入れられた場合、CP無制限のマスターリーグでは多くの伝説ポケモンと渡り合える性能を持つとされる。
参考として環境トップのオリジンディアルガやミュウツーなどに比肩し、特に日食は月食と比べても耐性の多さから大半を相手取れる。
一方で、実装時点のマスターリーグの環境トップは霊獣ランドロスやホウオウといったオリジンディアルガのメタが多いため、日食では分が悪く、技の通りの良さや耐久性で月食の方が有効とも言われる。また、現時点では未実装であるが、ドドゲザンに対してはすべての技が軽減されてしまうため、今後実装された際には天敵に近しい存在になると考えられる。
いずれにしても、対戦環境を一変させるであろう強力なポケモンと言える。
ちなみに、この初登場時点で色違いも解禁されているが、初登場で色違いが解禁される伝説という措置はポケモンGOでは珍しい部類に入る。
最初から個体値と色違いの厳選が同時に出来る大盤振る舞いも合まり、先行実装の時点からGOのレイドバトル招待の掲示板では昨今では珍しい大盛況ぶりを見せ、一度レイドバトルの招待を送ればタイムラグなしにマッチングが決まるほどであった。
グローバルイベントはリモートパスの使用制限が期間内に限り撤廃された事もあり、世界中でさらに多くの招待が飛び交った。
直前のチャレンジでウルトラボールも使える様になり、USUM以来の適用対象となった為、非常に捕まえやすく厳選もアメ稼ぎも大いに捗り、オシャボ勢にとっても貴重なウルトラボール入り色違いを入手できると大いに注目されたことは言うまでもない。
レイドバトル
一方レイドで相手をする時は、ネクロズマ3種ともに上記の技のレパートリーが一転して厄介な点となる。
技の等倍範囲が広く、全ての技が軽減ができるのはキリキザンくらい(上記の通り、イベント時点ではドドゲザンは未実装)なので対策が難しい。「メテオドライブ」や「シャドーレイ」といった強力な専用技は一切使ってこないのが救いか。
火力で劣る通常ネクロズマや二重弱点を突ける(さらに言えばゴーストとあくの2パターンを用意できる)月食はまだしも、日食は耐久の高さ故にソロ攻略はまず不可能なため、普段より多めの人数を確保して臨むことが必要。
逆にきちんと強化した個体を揃えて臨めば、日食でも5人程度でクリアすることは可能である。
なお、レイド戦ではなんと原作の「戦闘!ネクロズマ」と「戦闘!ソルガレオ/ルナアーラ」をポケモンGO仕様にアレンジしたものが流れる特別仕様になっている。
これまで、原作で専用BGMを持っていた伝説ポケモンも、本作のレイドバトルでは汎用BGMで済まされてしまっていたことが多かった(※)ことを踏まえると、こちらも破格の好待遇であると言えるだろう。
※ これ以前にも、ゲンシレイドおよびメガレイドでのレックウザ、シンオウイベントでのオリジンディアルガ・オリジンパルキア等、原作のBGMのアレンジが使われた前例は一応あるものの、単一の伝説ポケモンに原作のものをアレンジした専用BGMが割り当てられたのは今回が初。
ポケモンマスターズ
イベント「光を喰らう黒の化身」にて登場。
主人公が連れている個体とは別個体のソルガレオを取り込んだ状態でパシオへと現れる。
アニメ版
アニポケ・第1~7シリーズ
サン&ムーン87話の最後で本格的に登場。エーテル財団からは「UB:BLACK」というコードネームで呼ばれていた。
設定通り光に飢え荒れ狂う存在で、ソルガレオやルナアーラを獲物として追い、サトシ達のいるアローラへ辿り着く。
その影響でアローラには暗雲と共に小さなウルトラホールが出現しており、ネクロズマによるウルトラオーラ吸収によって島中の大人達がやる気を失ってしまう。だが子供とポケモンには効果が薄かったため、ウルトラガーディアンズが対応に奔走することに。
漫画版
ポケットモンスターSPECIAL
14章で登場。
過去に起きた戦いで体の一部が欠け、傷を治そうにも光エネルギーが漏れ出るようになってしまい、ウルトラスペースにある光という光を食い尽くして世界から光を消し去ったが、それでもなお完治には至らず、メガロタワーの人工の光で抑えられていた。
月と太陽の化身と一体化して光をもらい受けなければ傷は治らないが、脅威に感じたソルガレオ・ルナアーラはウルトラスペースから姿を消し、アローラ地方に現れて「太陽と月の伝説」になったという。
余談
モチーフ
通常形態の"龍の首だけしかない"外見と、"光を喰らい日食や月食を引き起こす"という点から、元ネタはインド神話に伝わる悪魔「ラーフ」であったと思われる。なお、本来は「かがやきさま」と呼ばれていた辺り、ゾロアスター教に伝わる光の至高神アフラ・マズダーをも彷彿とさせる。
ちなみにラーフの所属はアスラ神族であり、このアスラがアフラ・マズダーと同一起源だという説がある。
ネタ扱い
このポケモン、何かと作中でネタ的なところがあり…
- 初登場のサンムーンでクリア後イベントを終えるととある場所のふつうの草むらから出現する。この点は他のUBも同じだが、ネクロズマに関しては作中でノーヒントなので分かりにくい。
- ハンサム達UB関連のNPCに見せてみても無反応だったりと、SM黎明期当時は掘り下げもないので誰もネクロズマのことが分からなかった。
- マイナーチェンジ版のウルトラサンムーンでは、主役兼実質的なラスボスとして立ちはだかるも、その後ラナキナマウンテンで冷やし土下座をしながら捕獲できる固定シンボルとしてひざまづいている(しかも「ひざまづいている」はちゃんとゲーム内テキストである)。
- 更に作中で明かされた設定では神として崇められる存在でありながら、その力をコントロールして支配しようと科学に溺れた大昔のウルトラメガロポリスの住人達によって、最終的にネクロズマの身体が爆惨し欠損するという最悪の結果を招いてしまった。
- 上記の冷やし土下座も栄養原かつ、自身の身体を構築する上で必須な光を失い命が危うい状態だったりする。
- 剣盾の冠の雪原ではピオニーから「プリズムのかけらもねぇぞ」と言われてしまう。しかし、悲しい過去があるのを知ると不器用ながらも彼なりに元気づけるアドバイスをくれる。やさしい。
- SV藍の円盤にて、暴れようとした所をおやつおやじに一喝され、ビビって退散する。…伝説ってなんだっけ。
- 暴れようとした理由として考えられるのは、知らない世界に来て混乱しているか、光を求めて荒れているのかのどちらかだろう。
- 剣盾までは悲しい過去を背負って生きてきたポケモンと解釈できるが、おやつおやじのお話に関しては伝説の威厳はない。おやつおやじ自身が数多の伝説ポケモンと邂逅している規格外の人間ではあるのだが……。
- その後、おやつを持ってきたSV主人公に(ほとんどの場合)捕獲される。しかも剣盾と違いソルガレオとルナアーラも同世界内で捕獲できるので、場合によってはネクロズマ達の経緯をよく知らないまま興味本位で合体させられる。
- 本作の図鑑に歴代伝説ポケモンは載らず、おやつおやじも前述の遭遇譚しか教えてくれないので、本作ではじめて会ったトレーナーはネクロズマの悲しい過去や光の喪失という現状を知る余地が全くない。他の伝説ポケモンも同じとはいえ、ネクロズマにとっては割とアイデンティティも生命維持的にも危うい。
関連イラスト
関連タグ
【図鑑番号順】
0799.アクジキング→0800.ネクロズマ(たそがれのたてがみ/あかつきのつばさ/ウルトラネクロズマ)→0801.マギアナ(500ねんまえのいろ)
第3伝説
世代 | ポケモン |
---|---|
第3世代 | レックウザ(メガレックウザ) |
第4世代 | ギラティナ(オリジンフォルム) |
第5世代 | キュレム(ブラックキュレム/ホワイトキュレム) |
第6世代 | ジガルデ(10%フォルム〜パーフェクトフォルム) |
第7世代 | ネクロズマ(たそがれのたてがみ/あかつきのつばさ→ウルトラネクロズマ) |
第8世代 | ムゲンダイナ(ムゲンダイマックス) |
第9世代 | テラパゴス(ノーマルフォルム→テラスタルフォルム→ステラフォルム) |
関連ポケモン等
- キュレム(ホワイトキュレム/ブラックキュレム)・バドレックス(はくばじょうのすがた/こくばじょうのすがた):特定のアイテムを用いる事で他の.伝説.ポケ.モン達と一体化するポケモン達。
- レジドラゴ:同じく不完全な「竜の頭だけ」の姿を持つ結晶のポケモン。
その他
参考文献(外部リンク)