概要
正しくは「オシャレボール」。ポケモンを捕獲する際デザインやエフェクトが似合うような特定のボールを選んだり、あるいはボールそのものを指す事の総称。
あまり浸透していないが、DPtとリメイクであるBDSPに登場したボールカプセルシステムによるデコレーションの事を指す場合もある。
「オシャボ」という名称は公式によるものではなく、あくまでプレイヤー間での呼称ではあるが、過去にポケモンだいすきクラブにおいて「モンスターボールにこだわってみよう」という形で珍しいボールにする事が提案されており(該当のページ)、同コラムでボール遺伝についても説明されていた事がある。
基本的にゲーム中に登場するNPCのトレーナーはモンスターボールを使用し、それ以外のボールを使うケースは稀であったが、『サン・ムーン』以降は、一部のトレーナーたちがバトルで使用する手持ちポケモンを専用のボールに入れている場合があり、使用するボールに拘りを持っていることを窺わせる描写がある。
もっとも、これは他と違うボールに入れておいた方が見分けがつきやすく、管理も楽だからという事情で行っている可能性も考えられるので、プレイヤーのようなオシャレの一環として行っているのかどうかは不明である。スター団のボスたちのように、単にトレーナーのキャラ立ての一環で使うボールを統一していると思われるケースもある。
現在はどちらかと言えばガンテツボールやコンペボールと言った入手難易度の高いボールに対して使われることが増えているが、お洒落の定義は人それぞれであるため、具体的にこのボールを指してオシャボである、と言う基準は無い。
自分のポケモンに似合うと思えばモンスターボールをはじめとしたショップで簡単に購入できるボールであっても、それは立派なオシャボなのである。
オシャボの歴史
第1世代・第2世代
第2世代まではゲーム内でボールのエフェクトやステータス画面のアイコンは存在しなかった為、「オシャボ」という概念は存在しなかった。VCで捕獲したポケモンをポケモンホームへと転送しても、捕まえたボールは全てモンスターボールに統一される。
第3世代
グラフィックの向上に伴い、様々なボールのアイコンやエフェクトが追加された。
またゴージャスボールやダイブボールなどの特殊なボールがいくつか追加。
これにより、ゲットするポケモンに似合うような色合い・エフェクトを考えて特定のボールを使い捕まえる行為……すなわちオシャボ厳選の概念が少しずつ浸透し始めた。
第4世代
DPtではハードがニンテンドーDSになり、グラフィックが向上したことでボールの見た目を意識するプレイヤーも少しずつ増えた。
またヒールボールやクイックボールなどボールのバリエーションもさらに増えた。
更にボールカプセルシステムによって自分好みのエフェクト作成などに注目が集まるようになったが、この世代ではランダムマッチが無かった為に見せる機会が少なく、このシステム自体も続投しなかった事からこちらはさほど注目されていない。
一方金銀のリメイクであるHGSSでは、世代ごとの互換が切られて以降初となるガンテツボールの復活により、ポケモンを入れるボールに拘るトレーナーの注目が集まった。ここから次の世代にかけて「オシャボ」と言う用語が発生、定着していく。
第5世代
BWではドリームボールと言う新たなボールが増えたが、使える場所も限定されていた事、ガンテツボールが入手できないと言った理由から、当時はあまり注目されていない。
しかし乱数調整が広く知られるようになった事で、野生のポケモンでも個体値に関しては孵化厳選に近い水準にできるようになった事から静かに広まっていたようである。
なお、第5世代まではタマゴから孵化したポケモンは全てモンスターボール入りに固定されてしまうため、通常のポケモンでオシャボ厳選を行うと遺伝技がないという情報を相手に与えてしまうことになり、対戦では避けられる傾向にあった。
このため、オシャボ厳選は専ら孵化厳選のできない伝説ポケモンか、遺伝技がなくても運用できる(または遺伝技が一切ない)一部のポケモンに限られた。
第6世代
XYからは親が入っているボールが子に遺伝する仕様に変更された(ただしこの世代では♀親からのみ)。
オシャボ厳選が飛躍的にメジャーになったのもこの世代からであり、これに伴い第6世代では入手できないガンテツボールやサファリボールなどの希少性から、それらのボールにも大きく注目が集まるようになった。
第7世代
SMでは新しいモンスターボールであるウルトラボールが登場し、既存ボールのエフェクトも一新され派手になった。
更に少ないものの久々にガンテツボールを入手出来る事から、この頃からレアボールがプレイヤー間のトレード通貨としても用いられるようになった。
この世代の展開期にはYouTubeなどの動画サイトで有志によってオシャボ入りのポケモンの交換会が比較的頻繁に配信され、オシャボ入り個体の入手事情が飛躍的に改善されていたため、ガンテツボールやウルトラボール、ドリームボールに入った孵化余りを集めている程度ではオシャボ廃人とは呼べないようになっていた。
第8世代
剣盾ではガンテツボール、ドリームボール、サファリボール、コンペボールがごく低確率ではあるがいくらでも入手できるようになった事、条件付きでマックスレイドバトルにて確定捕獲できるようになった事で、オシャボ厳選は更に広まった。
ただし上記のボールは入手難易度が高いため、引き続き高価値の取引材料としても用いられていた。
また、イベントバトル後にどんなボールでも必ず捕獲できるポケモン(ムゲンダイナ)も本作から登場。
DPtのリメイクであるBDSPでは、原作同様ボールカプセルシステムが復活。しかし元のボールのエフェクトを消してしまう事や、ランクバトルの未実装などの要因が重なり、こちらでも注目を集めるほどにはならなかった。
なお、オムニセブンの通販限定の購入特典としてガンテツボールが入手可能だった。通常プレイでは入手できず、仕様上剣盾とはボールそのもののやり取りもできない。しかし致命的なバグにより大量に複製されてしまい、希少価値が下がる事態となった。
LEGENDSアルセウスではヒスイのモンスターボールやヘビーボール、フェザーボールとその強化品であるボール、さらにディアルガ/パルキア限定のオリジンボールが登場。しかしこれらはポケモンホームを介して他作品に転送した場合、剣盾ではモンスターボールに、BDSP以降の作品ではストレンジボールに変換される。
ストレンジボールは外見・エフェクトともに固有で、1作品限定かつ遺伝できない欠点はあれど十分オシャボの候補となる。
第9世代
SVでは、テラレイドバトルにおいてポケモンをどのボールでも確定で捕獲できるようになった(マックスレイドバトルにあった捕獲率に関する条件も撤廃)ため、カジュアルプレイヤーでも好きなボールで捕まえられるようになった。
入手困難だったガンテツボールやドリームボール、ウルトラボールも各種ポケモン図鑑登録数のボーナスやマリナードタウンの競り、学校最強大会などで複数入手可能。
DLCの藍の円盤では上記ボールに加え、サファリボール、コンペボール、マスターボールをどうぐプリンターで量産可能になった。上記の要素も含め相変わらず入手確率は低いものの、剣盾の頃よりはマシになっている。
また、イベントバトル後に任意のボールで捕獲できるポケモンの数が増えた(ガチグマ(アカツキ)、オーガポン、テラパゴス、モモワロウ)。
ボール遺伝の仕組み(第9世代現在)
- 同種の♂と♀を預けた場合
♂親と♀親のどちらか片方のボールが子に遺伝する(どちらが遺伝するかはランダム)。ちなみに、内部処理上は図鑑ナンバーで同種かどうかを判別しているため、原種とリージョンフォームとを交配させた場合や、マイペースイワンコと通常のイワンコとを交配させた場合もこの法則は適用される。一方で、すがた違いは別種として処理されるようで、♀親と同じ個体が産まれてくることになる。うーん、ややこしい……。
- タマゴグループが同じ別種同士の♂と♀を預けた場合
♀親のボールが子に遺伝する。
- メタモンと一緒に預けた場合
性別が♂か♀か不明かに関わらず、メタモンでない方の親のボールが子に遺伝する。
基本的に産まれてくる子どもや隠れ特性と同様、♀親の要素が優先的に子どもに遺伝するようになっており、♂親の収められたボールを遺伝させたい場合は、直接メタモンと交配させるしか方法はない(特に、性別が♂のみしか存在しない種や性別が存在しない種の場合、こうすることでしかボール遺伝させることは不可能である)。
なお、マスターボール、ストレンジボール、配布等の特典で入手できるポケモンを収めたプレシャスボールは遺伝の対象外となっている。
補足
マスターボールやガンテツボール入りのポケモンは珍しいとはいえ、たとえレアボ入りのポケモンを多数手持ちを揃えているプレイヤーを見かけたとしても、安易に改造認定するのは絶対にやめましょう。
たとえそれがコラッタの様に平凡なポケモンであっても、何度も周回プレイしてようやく揃えた宝物かもしれないのだから。
余り見かけないポケモンであっても、個人の偏見で改造ポケモンと邪推するのは相手の努力・気持ちを踏みにじる行為であり、すなわちポケモントレーナー失格と言える。
第9世代の現在では入手難易度などもある程度緩和されたことからプレイヤー間のトレード通貨としての指針の一つにもなっているが、以下の点に注意する必要がある。
- ポケモンによって収められるボール・収められないボールとがある(特にガンテツボール)ため、他人からもらう場合このポケモンは果たしてこのボールに収められるかどうかはよく確認する必要がある。
- 上記のように、オシャボは本来ボール自体のレア度は関係しないが、Twitterの交換募集などではガンテツボールなどのレア度の高めなボールのみを指して「オシャボ」と呼ぶ人がいる。「ダイブボールに入ったポケモンを交換に出そうとしたら『オシャボじゃない』と拒否される」などトラブルの元になりかねないので、文脈をよく確認したほうがいいだろう。
- 交換を求める側も、こうした事情を鑑みて、オシャボではなく“レアボ”(レアなボールの略)という呼称を用いる事例も増えている(これに対して、店売りされているボールは“ショプボ”と呼ばれる)。SVのDLCで「レアボール」という単語が公式から提示されたこともあり、この傾向は強まっている。
ゲーム中でレアボを使用するトレーナーは、ポケモンUSUMにおける一部のNPC(フレンドボールを使用するポケモンブリーダーと、ルアーボールを使用するつりびと)に限られたが、第9世代のDLCにて、遂にレアボを使用するネームドキャラが現れた(ちなみに、使用ボールはヘビーボール)。