【注意】
こちらの記事の内容は、人によって不快な思いをする場合がありますので、それでも大丈夫な方のみ閲覧をしてください。
概要
『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』(通称:BDSP)に存在した多くのバグ及びそれを巡る騒動のことである。
「なぞのばしょ」騒動から十数年後…めでたく発売された本作だが、発売早々様々なバグが多くのトレーナー達から報告された。
その結果として、発売後のおよそ10日間はほぼ毎日のようにプレイヤーによって新たなバグが発見されるというゲームとしてはあまりに情けないと言わざるを得ない事態になってしまい、遂には「BDSPはバグだらけスペシャルの略」「ゲームの内容そのものよりも、どのようなバグを見つけ出すかでプレイヤーが盛り上がっている」という皮肉めいたジョークまで産まれる有様であった。
このようなことが起きた主な原因として、通常のシリーズ作品と比べて開発期間が短く十分なデバッグが行えなかったこと、開発を担当した株式会社ILCAはゲーム開発の経験が浅く、制作のノウハウが少なかったのではないか、などと言われている。
主なバグの種類
- メニューバグ
これはday1パッチであるVer1.1で起こり、パッケージ版でパッチ未適用の場合(Ver1.0)では起こらないという。まさかのエンバグである。
更に、下記のバグの多くがこのメニューバグをトリガーにしている。
- 増殖バグ
- 融合バグ
- 壁抜けバグ
他にもノモセジムで水に沈んでしまったり、抜け出せなくなるポイントなどがある。
- バトル回避バグ
- 技関連のバグ
さらに、「バトルタワー」の難易度が大幅にダウンし、これによりBPと交換できるアイテムの値打ちが大きく崩壊することになるため、やはりゲームバランスを考える上ではあまりにも問題のある存在であることには間違いない。
- その他
…と、このように、本作はここ最近のシリーズ作品と比較してもバグが極めて多い。
公式側の対応
発売から13日後のアップデートでようやく修正パッチが配信され、メニューバグを起点としたこれらの裏技の類は完全に実行不可能になり、増殖・融合・技のバグは排除された。
(余談だが、上記のアプデから12日後にVer1.1.2で別の方法によるメニューバグと増殖バグが発見されたが、こちらは間を置かずにすぐに修正されている。)
その後も数回に分けて修正パッチが配信され、2021年12月22日(3回目)に行われたアップデート(Ver. 1.1.3)により、上記で述べたバグや不具合は概ね修正されている。
更に、2022年に入ってようやく脆弱性を補うための更新データが2月22日(4回目)に配信されたVer. 1.2.0から本格的にポケモン交換や対戦への不正行為への対応(対策)を施された。
具体的な修正内容と更新Ver.
こちらでは、バグや不具合修正関連のアップデートについて具体的に紹介している。
内容は以下の通りである。
更新データVer. 1.1.0(2021年11月11日)
- 「地下大洞窟」、「スーパーコンテストショー!」、「ユニオンルーム」、「ふしぎなおくりもの」の通信機能が追加され、ローカル通信・インターネット通信を使った機能の実装。テレビコトブキのプロデューサーへ特定の合言葉を言う(選択する)と「ふしぎなおくりもの」が使えるようになる。
- 殿堂入り後の要素が追加され、「ハマナスパーク」などの殿堂入り後の要素を追加。
- すでに殿堂入りをしているセーブデータから始めても更新データのダウンロード中にプレーした後にソフトを再起動すればそれらが実装された状態になるので問題はない。
- ソフト起動時のタイトルデモやエンディングを含む、一部のゲーム内ムービーと演出を追加。セーブデータがある状態でゲームを再起動すると視聴できる。
- エンディングムービーは演出が新たに追加され、すでに殿堂入りしているセーブデータでも、再度殿堂入りをすることで視聴できる。そのほか、ゲームを快適に遊べるように、いくつかの問題を修正。
更新データVer. 1.1.1(2021年11月18日)
- 更新データVer. 1.1.0の最適化。
更新データVer. 1.1.2(2021年12月2日)
- 特定の条件下でゲームが進行できなくなる不具合を、いくつか修正される。そのほか、ゲームを快適に遊んでいただけるよう、いくつかの問題を修正。
- 当時有名なものとしては、バグを用いたプレイでシェイミが居る「花の楽園」へ行けるというものがあったが、まずこのアップデートの段階でシェイミを花の楽園から排除した。
更新データVer. 1.1.3(2021年12月22日配信)
- ゲームを快適に遊べるように、いくつかの問題を修正。(詳細不明)
- この段階で、前のバージョンから続く形で、バグを通して「花の楽園」へ行くプレイそのものができなくなった。後にアイテム『オーキドのてがみ』が期間限定で配信され、それを使うことで正規的に「花の楽園」へ行けるようになる。
更新データVer. 1.2.0(2022年2月22日)
- 「ユニオンルーム」の機能が以前Verから拡張され、交流できる最大人数をローカル通信時は8人、インターネット通信時は16人に拡張。交流時に「あいさつ」や「ボールデコ」のやり取りができる様になった。お互いのトレーナーカードやボールデコを見せ合えるようになった。
- ポケモンセンターの2階に対戦部屋「コロシアム」の追加
- ポケモン交換や対戦への不正対応。
- 本来意図されない方法や、不正な改造(ツール)などで入手した一部のポケモンが、通信交換や通信対戦で使用できなくなる。
- インターネットを用いた「ユニオンルーム」「コロシアム」には、Nintendo Switch Online(有料)への加入が必要。
- そのほか、ゲームを快適に遊べるように、いくつかの問題を修正。(詳細は不明だが、不正ポケモンへの対策関係)
騒動の爪痕
しかし、これらのバグが残した爪痕はあまりにも大きすぎるものだった。
そもそもこれらのバグの修正はアップデートにより行われているため、アップデートを行わなければ依然として利用できるという問題がある。そのため、アップデート後もあえてアップデートを拒絶することでこのバグを利用し続けたプレイヤーは世界中で相当数いたものと推測されている(現在は対策が進んだことや、一通りバグが利用しつくされたためそこまでではないと言われているが)。
また、バグにより増殖させたポケモンやアイテム、本来覚えない技を覚えたポケモンはそのまま残すことができるため、完全にバグを利用するだけ利用した者が得をする事態になっていた。
現在は、こうした不正な手段で何かしら手を加えられたポケモンに関しては、交換およびポケモンHOMEへの送信ができないというペナルティを課すことで一応の決着がついているが、増殖させたアイテムに関してはこれといった対策もできないまま放置されているのが現状(ポケモンとは異なり、検知が極めて困難で、事実上対策できないというべきか)。
このように、一連のバグ騒動は一応の終結を見たものの、円満解決とは程遠い事態となってしまったと言える。
その後のユーザーからの反応
修正パッチを配信するまで公式がバグに対する声明を一切出さなかったことを「説明責任の放棄」として問題視する意見もある。もちろん、本来であればバグのないゲームを作るのが一番であるが、せめてバグの存在を早期に認め、バグを用いた不適切なプレイイングが横行していることを警告したり、それを防止するために近日中に何かしらの対応を取ることをプレイヤーに対して告知するなどしていれば、まだプレイヤーからの心象は違ったものになっていたかもしれない。
結局、対応が後手後手に回ってしまったことで、開発側はプレイヤーから強い不信感を抱かれることになってしまったのである。
また、結局のところバグを利用するだけ利用した者が得をするという事態を完全に是正できなかったということであり、プレイヤーからの批判は大きい。
そのため、上記の修正パッチ配信後も、プレイヤーの間では「どうせ修正してもすぐに別のバグが見つかるのだろう」という冷めた見方が広がっており、これ以降もしばらくは(さすがにここまで深刻なものはなかったものの)散発的にバグの発見報告が行われ続けていた。
ユーザー側が出来る対策
通常のプレイヤーも進行不能となり得るバグに襲われる危険性が現在も残っている為、事前にセーブするポイントは気をつける必要がある。(幾つかは上記のように修正されている)
バグに不安な方は、念のためにオートセーブ機能をオフにしてプレイすることを強く推奨するが、本作では詰み回避用の隠しコマンドが用意されており、予想外なバグの発生により詰んでしまうことが起こらないようになっている。
関連動画
現在でも未知なるバグを探し求めているユーザーについてはYouTube上には相変わらずいるのを確認できる。
関連イラスト
後発の作品にて
ポケモンSVでもバグやエラー落ちが問題になってしまった。
シナリオや育成に関する仕様変更に対する評価はいいのだが……。
関連タグ
BDSP バグ
なぞのばしょ…こちらはリメイク前のバグ技である。
スーパーロボット大戦30…BDSPと同じ年に発売された同じく重大なバグで話題になってしまったゲーム。