基礎データ
和名 | ケッキング |
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英名 | Slaking |
全国図鑑 | No.289 |
分類 | ものぐさポケモン |
タイプ | ノーマル |
高さ | 2.0m |
重さ | 130.5kg |
とくせい | なまけ |
進化
ナマケロ→ヤルキモノ(レベル18)→ケッキング(レベル36)
概要
名前の由来は「欠勤+キング(王)」と思われるが、きちんと♀もいる。
大きなゴリラのような姿をしたポケモン。
怠け者(ナマケロ)がやっとやる気になってくれた(ヤルキモノ)と思ったらまた怠けた……というリバウンドを起こしてしまったポケモン。進化する際に何があった。
世界一ぐうたらなポケモンとして知られている。
草の生い茂った地を自身の縄張りとし、そこから一歩も動かずに熟して落ちた木の実を採ったり周囲の草をむしっては食べる生活をしているようだ。
あたりの草が無くなるとしぶしぶ移動する。
しかし、ただぐうたらとしている訳ではなく、攻撃に備えてパワーを貯めていると図鑑で説明されている。
ジムリーダーセンリの切り札…とはいっても2匹使用する(RS、ORASのみ)。
ポケモンコロシアムではワルダックの手持ちとして使用され、ダブルバトルを行う。ヤドキングと並んだ場合、スキルスワップで後述の特性入れ替えをしてくる。
ゲームにおける特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
150 | 160 | 100 | 95 | 65 | 100 |
攻撃・HPが飛びぬけて高く、特に攻撃は「ルビー・サファイア」時代ではグラードンを抜き第1位の数値だった。
他の能力も高く、特防以外はすべて平均を上回る高水準な数値を誇り、この巨体と風貌でありながら素早さ種族値も高い。
何しろ合計種族値は670と、600族を軽く飛び越え禁止級に比肩するレベルの怪物である。
ただし、致命的な弱点もある。
それは特性の「なまけ」で、ケッキングはこの特性のせいで2ターンに一回しか行動することができない。(いわば、有能な怠け者)
そのため、「まもる」・「みきり」・「こらえる」・「みがわり」などを覚えているポケモンに対してはその時点で負けが決まってしまう。物理耐久も相当なので「なまける」や「ねむる」で回復しつつ、相手のPPが無くなるまで耐える手段もあるが・・・。
この特性のためか合計種族値が670でありながらも、600族とは別のポケモンとして扱われることが多く、驚異的な強さ(主にA160)を抑える特性を理由に使用しないトレーナーも存在する。
進化前のヤルキモノも悪い性能ではないので、進化させないで使われることも。
また、ダブル、トリプルバトルでは「スキルスワップ」や仲間の特性を利用してやる気を出した凶悪なケッキングを見ることができる。
ただ、対人ではケッキングが姿を見せた時点で警戒されると考えた方がいいだろう。
第3世代における技は、タイプ一致と攻撃力の高さもあいまってほぼ一撃必殺の威力を誇る「はかいこうせん」、ノーマル技を半減する岩・鋼タイプに撃つ「じしん」、ノーマル技を無効化するゴースト対策の「シャドーボール」、そして物理アタッカーの砦エアームドへの役割破壊となる「だいもんじ」(または「きあいパンチ」)の4つがほぼ鉄板になっていた。
デメリット特性を持つものの、相当な強さを誇るポケモンだった。
バトルタワーでもかなりの猛威を振るっており、攻略メンバーにもよく用いられていたという。
第4世代では「きあいのタスキ」の登場、先制技のインフレ、格闘技の強化(インファイト、きあいだまなど)などの煽りを受け、第3世代ほどの猛威は振るえなくなった。また、第3世代でメインウェポンとなっていた「はかいこうせん」、「シャドーボール」が特殊扱いになったため、新たに「ギガインパクト」や「つじぎり」で代用することになった。
マイナス面が目立つ一方、新技に特性を消すことが出来る「いえき」という技が登場したため、ダブルバトルではそれなりに実力を発揮することが出来る。
だが、第5世代ではデスカーンの登場で再び注目を浴び始める。
デスカーンの持つ特性「ミイラ」は触れた対象の特性をミイラに変えてしまう厄介極まりない特性であるが、特性が足枷となっているケッキングにとっては逆に覚醒の機転となるためである。
特によく用いられるのが「だっしゅつボタン」を持たせたデスカーンを交替読みで出し相手をミイラにする→だっしゅつボタンの効果でケッキング召喚→逃げる相手に「おいうち」を撃ってこちらもミイラとなる戦法で、これまで以上にケッキングをローリスクで覚醒させる事が可能となった。
しかし第6世代、ケッキングと同等の「すばやさ」を持ち、更には行動制限どころか2回攻撃が可能な特性を持つスーパーおばちゃんメガガルーラの登場で、ケッキングのデメリットがこれまで以上に目立つようになってしまった。
現在のところメガシンカはもらえていないが、もしもらえた場合更になまけるのか、それともやる気を出してくれるのかが注目である。
第7世代では、Zワザの台頭により、瞬間的な超火力を手軽に出せるようになったため、ケッキングだけに言えることではないが、超火力のアイデンティティーが危うくなり、これまでとは違った動きが必要になってきた。ただ、ケッキングの「ギガインパクト」は、Zワザ化するよりもこだわりハチマキ使用の方が威力があるので、Zクリスタルの採用率はそんなに高くない。
だが、『USUM』で特性とシナジーのある「じだんだ」を習得し、一致「じしん」に匹敵する威力を放てるようになった。
第8世代ではなまけを消す手段が増えた。ガラルマタドガスの「かがくへんかガス」とデスバーンの「さまようたましい」で本気を出すようになる……と思われたが残念ながら不参加となった。
…と思っていたら『BDSP』で復活した。
アニメでのケッキング
AG編ではゲーム同様、センリの手持ちとしてナマケロやヤルキモノとともに登場。
XY&Z編ではショータが手持ちに加えており、カロスリーグではサトシとのバトルで1番手として登場。
相手の攻撃を受け続けることでテンションを上げて強くなるサトシのルチャブル対策としてゲットしたポケモンであり、持ち前の体力と「なまける」を駆使してルチャブルの攻撃をひたすら耐えて反撃のチャンスを待ち、ルチャブルが「フライングプレス」を繰り出した瞬間に「カウンター」で跳ね返して勝利した。
続くファイアロー戦でも同じような戦法で攻撃を耐え続けたが、ルチャブル戦で受けたダメージを「なまける」で回復し切れなかったため、ファイアローの「ニトロチャージ」を「アームハンマー」で押し返せず、更に「ブレイブバード」を食らって敗北した。
カロスリーグ時点で使用できる技は「なまける」、「カウンター」、「アームハンマー」。
ポケモンGOでのケッキング
2017年12月9日、第3世代本格解禁と共に実装された。
まず目を見張るのがそのCP。何と最大で4548である。
この値はミュウツー(最大3954)やグラードンおよびカイオーガ(最大4074)、ディアルガ(最大4038)やパルキア(最大3991)、レジギガス(最大4346)を軽く抜き去り、現段階では全ポケモン中ぶっちぎりの第1位。
伝説でもない一般ポケモンがCP合計1位を取っていいのか……
だがそこまで高いCPを誇るポケモンに何のバランス調整も取られていないわけがない。
本編での特性「なまけ」にあたるデメリットがあり、ノーマルアタックが「あくび」(威力0)で固定されているのだ。
当然ゲージ自体はきちんと溜まる(かつ1ダメージは与えられる(ステータス画面では0となっているが、厳密にはこれは正確ではない))のでゲージ技を使うことはできるが、「あくび」のモーションが結構遅いため、相手の攻撃を回避するのがやや難しい(ちなみに、相手の攻撃を回避するときのモーションは色々な意味で必見)。
一度スペシャルアタックが発動できればそのCP合計に違わぬ超火力をぶつけることはできるが、やはりゲージ技でしかろくにダメージを与えられないという点はかなり痛く、ガチでのバトルには向いていない。レイド対策にもお呼びがかからないことが多い。
ならばジム防衛はというと、その実態は高いCPからあらゆる部分で確認出来る見掛け倒しである。高CP故にジムに置かれることが多いものの、真面目にジムを守りたいトレーナーからはバンギラス同様邪道なポケモンであり、攻略者からすれば絶好のサンドバッグである。当然だがジムの守護神ラッキーやハピナスにとっても邪道な存在でしかない。
その原因として1つはまず技の構成。固定化されているノーマルアタックの「あくび」は与ダメージが1にしかならない関係上、攻略者からはほぼ最速で攻撃を繰り返され、与ダメージ1固定の技のせいで高いCPを大きく無駄にしているためこの時点で既に大きな問題を抱えている(因みにハピナスはタイプ一致の「はたく」やかくとうタイプに弱点を突ける「しねんのずつき」で低めの攻撃力を補っている)。
「あくび」してる間に最速でノーマルアタックを安心して確実に撃ち込まれるのはケッキングしかおらず(一応カビゴンやヤレユータンもノーマルアタックに「あくび」はあるがわざマシンノーマルで変更できるので除外)、攻略者からは実質最速でスペシャルアタックを使われるため相対的に早く倒されやすいというのも問題である。
スペシャルアタックは「じゃれつく」と「じしん」と「はかいこうせん」と下記のコミュニティ・デイで追加された「のしかかり」の4つで、いずれかでも直撃さえすればそのCPに見合った強烈な一撃なので、回避術を身に付けていない人や回線が弱い人にとってはそれなりの脅威となり得る(特に「じゃれつく」は技の出が速いため、回避しづらい)。…そう、直撃さえすれば。
というのもジムバトルでは一瞬現れる集中線のタイミングに上手く合わせてスワイプすると、攻撃を避けて被ダメージを1/4まで軽減することが可能なので、スペシャルアタックが避けられると大したダメージも当然与えられなくなる。こうなるとやはり高いCPは結局無駄になってしまう。
加えて「じしん」や「はかいこうせん」といった1ゲージ技だった場合は技が直撃される前に倒されてしまい、与ダメージは「あくび」した回数だけになってしまうこともある。下手な進化前のポケモンよりもジムを守る気が一切ないニートそのものの有り様が見られるため、フォローのしようがない。これでいて倒して上昇するジム貢献度は大体ハピナスの1.5倍ぐらいなので、これが原因でサンドバッグにしかならないことが多い。
2つ目の原因は単ノーマルタイプであること。ラッキーやハピナスと同じタイプ構成なのでそれらの前後に置こうものならそのままかくとうタイプの技であっさり突破される。一応これに関してはヤドランやソーナンスといったエスパータイプやピクシーやトゲキッスといったフェアリータイプ等の前後に置くことで対策はできなくもないが、それでも上記の大きなデメリットは健在なことに変わりはない。
3つ目の原因はCPの高さ。ソートのひとつにCPの高さで並べ替えが出来るのだが、伝説のポケモンよりも高ければ当然バンギラスやガブリアスよりも上にいることが多いため、ジムに置かれやすいのも無理はない。
しかし、上記の通りジムに置いても強さはお察しなのでCPトップの数値通りの強さを発揮することはまずないし、耐久力で見ればCP1000程度のラッキーにすら負けているため、CPの高さは一切あてにならないのである。さらに、CPの高いポケモンはやる気減少の速度が速いというデメリットもあるので気がついたらやる気が大幅に下がっていた、なんてこともザラ。そのため、間違ってもケッキングにジムを任せるのは絶対にやめた方が良い。
同じ高CPなら高威力のノーマルアタック「どろかけ」や出の速いスペシャルアタック「ストーンエッジ」をタイプ一致で繰り出せるドサイドンや技の出が早い「かみつく」をタイプ一致で使えるバンギラスの方がまだ迎撃力はある(それでも全員共通して防衛向きではないのは変わらないが…)。
それだけCPの高さのみでポケモンの強さを判断してはならないということでもある。
原作と違って特性の入れ替えでデメリットを解消するようなことは出来ない(「あくび」以外のノーマルアタックがなく、わざマシンノーマルで変えられない)し、スペシャルアタックも避けられる可能性がある。それでいてハピナスのような高い耐久力もないため攻撃の要であるスペシャルアタックは繰り出せても多くて2、3回が限界だろう。ハピナスは全力で倒そうとしても持ち前の耐久力のおかげで「サイコキネシス」や「マジカルシャイン」を3回以上使われることがほとんどなので、結局はCPが高いだけの単なる見掛け倒しでしかないことが判る。
同じくジム防衛に不向きなバンギラスやボスゴドラ、ドサイドンは攻略方面で優秀(ボスゴドラは火力こそ低いが有利な相手には有利)なので強化する価値は大いにあるが、ケッキングはそうもいかないのでケッキングの強化はよほどの好事家でもない限りはオススメしない。
そんなこんなで結局CPの高さに反してコレクターの枠を出ない強さだが、進化前のナマケロに巣は存在せず、天候「時々曇り」の時でないと中々出てこない。タマゴの孵化を狙う場合も一番レア度の高い10kmタマゴからなので、入手はやや困難。根気よく探そう。
図鑑を登録するだけなら交換してもらったり、進化前のヤルキモノを捕まえて進化させるという選択肢もありだろう。一応ごく稀に野生で出現することもあるにはあるが…。
なお、2019年5月からはリワードで野生のナマケロに遭遇できるリサーチタスクが実装された。内容は「相棒ポケモンと一緒に歩き、アメを5個貰う」というもの。アメの取得距離の短いイシツブテ系統やミノムッチ系統などを相棒にすればそこまで苦労せずに達成できるので、狙ってみるのも手である。
コミュニティ・デイ
同年6月8日に開催されたコミュニティ・デイでは進化前のナマケロが対象に選ばれたため、当日は大量のナマケロが出現した。
また、ご多分に漏れず、イベント開催期間中にケッキングまで進化させればゲージ技の「のしかかり」を習得することができた。だがこのケッキングをジムに置いても上記のデメリットは当然健在なのでコレクター向けと割り切った方が良いだろう。手持ちを圧迫しそうならホームに送ってしまってもいい。ゲームにおける特徴の通り、特性を消せる手段が存在する原作の方が活躍の幅はまだある。
なお、コミュニティ・デイ当日は色違いが出やすくなっていたのでその意味で頑張る価値はあった。
使用するトレーナー
関連イラスト
その名前と風貌から某料理漫画の主人公を連想する人もいるとか。
関連タグ
ポケモン ニート おい、仕事しろよ 無☆職☆王 WORKING!!
レジギガス:ステータス、特性の足かせぶりといい境遇がそっくりなポケモン。あちらは特性を消す手段は多いが。
カビゴン:怠け者で巨漢なノーマルタイプのポケモン繋がり。普段は怠けているが、本気になると恐ろしい力を発揮するのも共通。ただし、こちらは見た目通りの鈍足であって特性の制限はなく、毎ターン普通に行動することが可能。
メガテリウム:モデルの一つと思われる。