基礎データ
全国図鑑 | No.0289 |
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ホウエン図鑑 | No.038 |
イッシュ図鑑 | No.278 |
パルデア図鑑 | No.080 |
ローマ字表記 | Kekking |
分類 | ものぐさポケモン |
タイプ | ノーマル |
高さ | 2.0m |
重さ | 130.5kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
とくせい | なまけ |
タマゴグループ | りくじょう |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
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日本語 | ケッキング | 欠勤+king(英語で王、キング) |
英語・スペイン語・イタリア語・ポーランド語 | Slaking | |
ドイツ語 | Letarking | |
フランス語 | Monaflèmit | |
韓国語 | 게을킹 | 게으르다(怠ける)+king(英語で王、キング) |
中国語 | 请假王 |
進化
ナマケロ→ヤルキモノ(レベル18)→ケッキング(レベル36)
概要
大きなゴリラのような姿をしたポケモン。
お前も横にならないかと言わんばかりのふてぶてしいぐうたらポーズがステキ。
しかし怠け者が特性ごと「やる気」になってくれたと思ったらまた怠けてリバウンド。何があったのだろう。
名前の由来は「欠勤+キング(王)」と思われるが、きちんと♀もいる。
ナマケロを超えて世界一ぐうたらなポケモンとされ、草の生い茂った地を自身の縄張りとし、そこから一歩も動かずに熟して落ちた木の実を採ったり周囲の草をむしったりして食べる。そしてあたりの草が無くなるとしぶしぶ移動するらしい。
しかしただぐうたらとしている訳ではなく、図鑑の説明では攻撃に備えてパワーを貯めており、解放したそれは「恐ろしい」と評価されている。
ちなみにトウカのジムリーダーセンリはRS・ORASともヤルキモノとコイツ2匹の3構成だが、エメラルドでは初戦でもヤルキモノ・ケッキング+パッチールとマッスグマという4体構成。以降の作品でも彼のパートナー的なポジション。
ぶっちゃけケッキングだけ意識するなら、十分レベルを上げつつ「ディフェンダー」と回復用アイテムで守りを固めれば怖くはない。急所を引いて「ディフェンダー」を貫通されたら潔くリセットしよう。
ポケモンコロシアムではワルダックの手持ちとして使用され、ダブルバトルを行う。ヤドキングと並んだ場合、スキルスワップで後述の特性入れ替えをしてくる。
第9世代ではフィールドで野生の個体が登場する。その名前や怠けるといった言葉が示す通り、普段は片肘をついてぐうたらする姿勢をしている。
いちいち起き上がるのが面倒なのか、向きを変える際は横になったまま腕の力を使って向き直す。時折りそのまま仰向けに倒れて眠ってしまうこともある。
移動の際はナックルウォーキングを行う。
そして驚くことに走るスピードが尋常でなく速い。明らかに進化前のヤルキモノより機敏で、後述する種族値の高さが伊達ではないことが分かる。
北2番エリアに固定テラスタル個体がいるのだが、その姿は実にシュールである。
ゲームにおける特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
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150 | 160 | 100 | 95 | 65 | 100 | 670 |
攻撃・HPが飛びぬけて高く、特に攻撃は「ルビー・サファイア」時代ではグラードンを抜き第1位の数値だった。
他の能力も高く、特防以外はすべて平均を上回る高水準な数値を誇り、この巨体と風貌でありながら素早さ種族値も高い。なおとくぼうだけは65と平均的だが、凄まじいHPによって並みのポケモン以上に硬い。
腕力バカかと思えば特攻も95と役割破壊を行うには十分な威力であり、現在でも「だいもんじ」や「ふぶき」を採用される場合も。
何しろ合計種族値は670と、600族を軽く飛び越え禁止級に比肩するレベルの怪物である。
ただしとくせい「なまけ」のせいで2ターンに一回しか行動できない有能な怠け者。
そのため、「まもる」・「みきり」・「こらえる」・「みがわり」などを覚えているポケモンに対してはその時点で負けが決まってしまう。物理耐久も相当なので「なまける」や「ねむる」で回復しつつ、相手のPPが無くなるまで耐える手段もあるが。
この特性のためか合計種族値が670でありながらも、600族とは別のポケモンとして扱われることが多く、驚異的な強さ(主にA160)を抑える特性を理由に使用しないトレーナーも存在する。
進化前のヤルキモノも悪い性能ではないので、進化させないで使われることも。
またダブル、トリプルバトルでは「スキルスワップ」や仲間の特性を利用してやる気を出した凶悪なケッキングを見ることができる。
ただ、対人ではケッキングが姿を見せた時点で警戒されると考えた方がいいだろう。
対戦での変遷
第3世代
黎明期にして黄金時代。
タイプ一致と攻撃力の高さもあいまってほぼ一撃必殺の威力を誇る「はかいこうせん」、ノーマル技を半減する岩・鋼タイプに撃つ「じしん」、ノーマル技を無効化するゴースト対策の「シャドーボール」、そして物理アタッカーの砦エアームドへの役割破壊となる「だいもんじ」(または「きあいパンチ」)の4つがほぼ鉄板。
デメリット特性を持つものの、相当な強さを誇るポケモンだった。
また、「みがわり」を使うサンダースへのピンポイント対策として「みだれひっかき」を搭載する場合もあった。本来「みだれひっかき」は18×2~5(=36~90)に命中80となんとも頼りないが、コイツの豪腕なら54~135となかなかの威力に化ける。こんな小粒のバクチ技でもなお使われる場合があるところに、ケッキングのパワーのほどが窺い知れた。
メタグロスに対しても特化AS「こだわりハチマキ」型の「じしん」なら、H252振り型程度は耐久個体値理想個体でもない限り上から確定1発というケースもざらであった。C下降補正無振り「れいとうビーム」と耐久無振りボーマンダとの関係についても同様であった。
バトルタワーでもかなりの猛威を振るっており、攻略メンバーにもよく用いられていたという。
第4世代
「きあいのタスキ」の登場、先制技のインフレ、格闘技の強化(インファイト、きあいだまなど)などの煽りを受け、第3世代ほどの猛威は振るえなくなった。また、第3世代でメインウェポンとなっていた「はかいこうせん」、「シャドーボール」が特殊扱いになったため、新たに「ギガインパクト」や「つじぎり」で代用することになった。
マイナス面が目立つ一方、新技に特性を消すことが出来る「いえき」という技が登場したため、ダブルバトルではそれなりに実力を発揮することが出来る。
なおポケモンバトルレボリューションでレンタルできるケッキングは努力値AS振りと無駄が無い上に、こだわりハチマキやこだわりスカーフといった噛み合った持ち物を持っているおかげで強烈なギガインパクトを放つことができ、自由に構成できないレンタル産でありながら非常に優秀な性能となっている。ミステリオのカイオーガ対策としても役に立つ。
第5世代
デスカーンの登場で再び注目を浴び始める。
デスカーンの持つ特性「ミイラ」は触れた対象の特性をミイラに変えてしまう(もとの特性を封じてしまう)厄介な特性である。しかし、特性が足枷となっているケッキングにとっては逆に覚醒の機転となる。
特によく用いられるのが「だっしゅつボタン」を持たせたデスカーンを交替読みで出し相手をミイラにする→だっしゅつボタンの効果でケッキング召喚→逃げる相手に「おいうち」を撃ってこちらもミイラとなる戦法で、これまで以上にケッキングをローリスクで覚醒させる事が可能となった。
第6世代
ケッキングと同等の「すばやさ」を持ち、更には行動制限どころか2回攻撃が可能な特性を持つスーパーおばちゃんメガガルーラの登場で、ケッキングのデメリットがこれまで以上に目立つようになってしまった。
現在のところメガシンカはもらえていないが、もしもらえた場合更になまけるのか、それともやる気を出してくれるのかが注目された…が、ORASでもメガシンカはもらえず、結局何も変わらなかった。
第7世代
Zワザの台頭により、瞬間的な超火力を手軽に出せるようになったため、ケッキングだけに言えることではないが超火力のアイデンティティーが危うくなり、これまでとは違った動きが必要になってきた。
ただ、ケッキングの「ギガインパクト」はZワザ化するよりもこだわりハチマキ使用の方が威力があるので、Zクリスタルの採用率はそんなに高くない。
だが『USUM』で特性とシナジーのある「じだんだ」を習得し、一致「じしん」に匹敵する威力を放てるようになった。
第8世代
なまけを消す手段が増えた。マタドガス/ガラルマタドガスの「かがくへんかガス」とデスバーンの「さまようたましい」で本気を出すようになる……と思われたが残念ながらガラル入りできず、ランクバトル不参戦で終わった。
BDSP
王者の座、再び。
シングルバトルでの扱いは前世代までとそう変わらないが、ダブルバトルでは大躍進。
第8世代で期待されていたマタドガスと組んだパーティが組めるようになり、文句なしの大暴れを果たした。レジギガスと比べて一度マタドガスを手持ちに引っ込めても、次のターンに再びマタドガスを繰り出せば「なまけ」のデメリットはゼロになってしまう。
火力指数がひかえめな本作において、A160で暴れまわる事態は非常に強く、ダブルにおけるトップメタとして君臨。
キングの名は伊達では無かったのだ。
第9世代
完全新作に復帰し、「しねんのずつき」、「ヘビーボンバー」、「じごくづき」などを獲得した。
初期環境時点では「かがくへんかガス」持ちのマタドガスとガラルマタドガスはいないものの、相方としては「かそく」と「スキルスワップ」を両立したクエスパトラ、「ミイラ」と相互互換の特性を持つパフュートン♂、うつしえで相手の特性を奪えるタギングルを獲得しており、相変わらず対策していないと一気に捻じ伏せにかかる危険性を見せつけてくる。
既存ポケモンではチャーレムが「スキルスワップ」獲得によって「ヨガパワー」を移せるようになったため、常時攻撃2倍というバカ力を獲得。『物理さえ通ればどんな相手も灰燼に帰す』本物の怪物が降臨する。ちからもちホルードやメガクチートなどを更におかしくしていると思えば判りやすいか。
テラスタルで火力を強化すれば「なまけ」のデメリットを飲み込めるほどの強力なポケモンと言えるかもしれない。
例として、A特化「こだわりハチマキ」型のテラスタル「ギガインパクト」はHB特化カバルドンを14/16の乱数1発。
何故か「あなをほる」や「ソーラービーム」も覚えられるようになったが、なまけのため特性を変えるか無効化しないと使えない。一応、パワフルハーブを持たせれば一度だけ溜めなしで使えるが、正直そこまでして採用するかというと……
北2番エリアの森の中のゴーストテラスタル個体は、かくとうをスカせるのでデザイナーズコンボ個体と言える。
そしてDLCの碧の仮面にてマタドガス系統もパルデアに入国。
しかし既にアカツキガチグマやカイリュー、パオジアンやイーユイといったインフレし切ったアタッカーが環境に溢れかえっていたため、ケッキング自体「なまけ」を消しても飛び抜けた性能ではなくなった。そのため、シリーズ5シーズン11環境では特筆すべき使用率は記録していない。
藍の円盤では「テラバースト(ステラ)」を獲得。能力ダウンのデメリットで「だっしゅつパック」を発動することで、「なまけ」が発動する前に控えに戻れる。
レギュレーションHでは準伝説・パラドックスポケモン以上が使用不可のため、目の上のたん瘤であるパオジアン、イーユイは不在である。原種ガチグマは厄介な物理ノーマルの競合だが、素の素早さや原種ガチグマが覚えない「はたきおとす」「ふいうち」を覚える点、マタドガス系統と共に初手から出せばタイムラグなしにフルスペックを発揮できる点からして別物である。そういうこともあって稀にダブルのノーマル枠として使われる場合がある。
その他
「ゆびをふる」限定戦ではトップクラスの適性がある。特性「なまけ」のおかげで「ゆびをふる」のPPが切れるのを遅らせることができるためである。
耐久も高いので、「わるあがき」は基本的に相手にいくら撃たせても問題ない。
旅パではトレーナー戦が「いれかえ」ルールであれば「なまけ」のデメリットを帳消しにできる上に、野生戦なら「なまけ」が発動する前に相手を倒して戦闘を終えられる。特に「がくしゅうそうち」で面白いように経験値が入り、ケッキングへの進化までが非常に楽なORASならパーティに非常に入れやすい。
使用トレーナー
ゲーム版(本編)
ゲーム版(番外作品)
アニメ版
漫画版
- センリ(ポケスペ)
- ウコン(ポケスペ)
番外作品
ポケモンGO
ステータス
まず目を見張るのがそのCP。アメXL強化込みだと何と最大で5010である。この値はミュウツー(最大4724)やグラードンおよびカイオーガ(最大4652)、ディアルガ(最大4565)やパルキア(最大4512)、レジギガス(最大4913)を軽く抜き去り、一般ポケモンに限定してもCP合計2位がガブリアス(最大4479)と、現段階ではメガシンカポケモンを除外すれば全ポケモン中ぶっちぎりの第1位かつ唯一のCP5000超。伝説でもない一般ポケモンがCP合計1位を取っていいのか……
だがこれ程に高いCPを誇るポケモンに何のバランス調整も取られていないわけがない。本編での特性「なまけ」にあたるデメリットがあり、ノーマルアタックが「あくび」(威力0)で固定されているのだ。
当然ゲージ自体はきちんと溜まる(かつ1ダメージは与えられる(ステータス画面では0となっているが、厳密にはこれは正確ではない))のでゲージ技を使うことはできるが、「あくび」のモーションが結構遅いため、相手の攻撃を回避するのがやや難しい(ちなみに、相手の攻撃を回避するときのモーションは色々な意味で必見)。
一度スペシャルアタックが発動できればそのCP合計に違わぬ超火力をぶつけることはできるが、やはりゲージ技でしかろくにダメージを与えられないという点はかなり痛く、ガチでのバトルには向いていない。レイド対策にもお呼びがかからないことが多い。
ジム防衛
ならばジム防衛はというと、その実態は高いCPからあらゆる部分で確認出来る見掛け倒しである。高CP故にジムに置かれることが多いものの、真面目にジムを守りたいトレーナーからはバンギラスやドサイドンのような防衛に不向きなポケモンの筆頭であり、攻略者からすれば絶好のカモである。同じノーマルタイプであるカビゴンやハピナスにも脅威自体は遠く及ばない。
その原因の一つが固定化されているノーマルアタックの「あくび」。これのせいでせっかくの高いCPを活かせず与ダメージが1にしかならないため、スペシャルアタックが使えるようになるまで実質ケッキングは何もできないのである。
因みにハピナスやカビゴンは天敵のかくとうタイプに弱点を突ける「しねんのずつき」で低めの攻撃力を補えるほか、ハピナスはタイプ一致の「はたく」、カビゴンは技の出が早い「したでなめる」もあり、ゲージ技ではハピナスは「マジカルシャイン」や「サイコキネシス」、カビゴンならば通常技の「しねんのずつき」、「したでなめる」を受けられる悪タイプを倒せる「ばかぢから」もあるため、どの技でも自慢の耐久力と併せて厄介な存在になっている。
そんなケッキングのスペシャルアタックは「じゃれつく」と「じしん」と「はかいこうせん」と下記のコミュニティ・デイで追加された「のしかかり」の4つで、いずれかでも直撃さえすればそのCPに見合った強烈な一撃なので、回避術を身に付けていない人や回線が弱い人にとってはそれなりの脅威となり得る。
特に「じゃれつく」は技の出が速いため回避しづらく、当たりさえすればフェアリー弱点のカイリキーを一撃で体力を赤ゲージにまで減らせるほどの強さはある。この強力な一撃自体はCPの高さを確かに事実付けている。
しかし、まともなジム攻略ポケモン相手にケッキングが「じゃれつく」を放てるチャンスはせいぜい1回、多くても2回あるかどうかである。「のしかかり」ですら3回使われれば多い方。ジムに配置されたばかりでやる気がほぼ満タンのケッキングなら、カイリキーやルカリオの猛攻にすら耐えきり、高威力かつ回避困難な「じゃれつく」で手痛いダメージを与えることも確かにあるが、1回倒されてやる気を落とした状態のケッキングは「じゃれつく」のチャージが終わる前に倒されてしまうことが多い。
つまりやる気が低下するほど「あくび」した回数だけしかダメージを与えられなくなる可能性が高くなるので、せっかくの高いCPが更に無駄になってしまうのである。慣れたトレーナーなら当然技も避けられるので実際の与ダメージは1/4まで減り、耐久力やノーマルアタックでダメージを与えられないことも含めて総ダメージはハピナスより程遠いこともある。与ダメージが1/4まで減るということはその自慢のCPも実際はもっと少ないのと結局同じことになってしまう。
この時点でも防衛としては明らかに問題のある性能だが、これがゲージが1つしかない上に技の使用も遅い「じしん」や「はかいこうせん」だと、どちらも技の発動から当たるまでにタイムラグが1秒以上ある関係で1度もスペシャルアタックを当てられずに倒されることになり、たとえやる気が全快でもあくびした回数分のダメージしか与えられず3回倒されてそのまま退場ということも珍しくない。
これはまさに攻略者にとってはジムへの貢献度を楽にありがたく稼がれてしまうという致命的な問題点になる。ダメージをほとんど受けずに最大級の貢献度を得られる可能性があるのは基本コイツしかいないというのもあり、見掛け倒しになる最大の原因でもある。
CP4000程度の個体を仮にCP3000程度のカイリキーで倒し切る場合は計40~50秒程度、貢献度は計約90程度を簡単に稼げて、スペシャルアタック次第では被ダメージは合計してもわずか10程度で済むといった現象が発生し得るため、攻略者にとってこれほどありがたい稼ぎはない。金のズリの実で回復させてもコイツ自身のやる気が取り戻せるなんてことは全くないし、単に攻略者への貢献度稼ぎを助けてしまうことがほとんどであり、1度知るとCP全一に対するこの弱さで狙われない方がむしろ不思議なぐらいである。
CPの高いポケモンはやる気の減少速度が速いというデメリットもあるため、配置から少し時間が経過しただけで1回倒されたのと変わらないレベルにまでやる気が下がってしまう。これは同じくCPの高いバンギラスやドサイドン、ガブリアス、カイリューにも言えることで、いずれもCPの高いポケモンがジム防衛でも強いとは限らないことを判りやすく表している。
ハピナスやカビゴンなら1回倒されてやる気を落としても自慢の耐久力のおかげでケッキングよりはよほど粘れるため迎撃もしやすい。同じくかくとう弱点のブラッキーでも迎撃力こそ低めだが限定技で「サイコキネシス」を使えるためラッキーやハピナスと似たような立ち回りは普通に出来るレベルである。ケッキングほどの超高CPでもないので時間経過によるやる気の減少速度も相対的に遅い。他にラッキーやソーナンスのように低CPなので時間経過でやる気を落としづらく、ジム防衛能力もそれなりにあるというポケモンもいる。
原作と違って特性の入れ替えでデメリットを解消するようなことは出来ない(2023年2月現在も「あくび」以外のノーマルアタックがなく、わざマシンノーマルで変えられない)し、スペシャルアタックもチャージが間に合わず、仮に使えても避けられて直撃しない可能性がある。それでいてハピナスのような高い耐久力もないため、やる気が低下すれば秒殺もされてしまう。
ハピナスやカビゴンは全力で倒そうとしても自慢の耐久力で長時間耐えられてしまい、スペシャルアタックを数回使われることで大ダメージを受けることがほとんどなので、比較すると結局CPが高いだけの単なる見掛け倒しでしかないことが判る。どちらが強いかは言うまでもないだろう。たとえ苦労してカビゴンやハピナスを倒してもケッキングを倒したときほどの貢献度は得られない、というのも相対的に強さの差があると言える。
総評
そんなこんなで結局CPの高さに反してコレクターの枠を出ない強さだが、進化前のナマケロに巣は存在せず、天候「時々曇り」の時でないと中々出てこない。タマゴの孵化を狙う場合も一番レア度の高い10kmタマゴからなので、入手はやや困難。根気よく探そう。図鑑を登録するだけなら交換してもらったり、進化前のヤルキモノを捕まえて進化させるという選択肢もありだろう。一応ごく稀に野生で出現することもあるにはあるが、最終進化のポケモンなので当然ながら捕獲成功率は最低クラスである。
また、2019年5月からはリワードで野生のナマケロに遭遇できるリサーチタスクが実装された。内容は「相棒ポケモンと一緒に歩き、アメを5個貰う」というもの。アメの取得距離の短いイシツブテ系統やミノムッチ系統などを相棒にすればそこまで苦労せずに達成できるので、狙ってみるのも手である。
- どうしても手持ちを圧迫しそうならいっそホームに送ってしまってもいい。ゲームにおける特徴の通り、特性を消せる手段が存在する原作の方が活躍の幅はまだある。
万が一ノーマルアタックを何かしらの使える技に差し替えられる時が来たらカビゴンもビックリの攻撃力できっと日の目を見るはずなので、それだけノーマルアタックでダメージを与えられないことが問題視されている。技方面での改善が待たれるばかりである。
なお、ステータスそのものは実際に高く、耐久力自体はソーナンスと互角でかつカビゴンを上回る攻撃力を持っているため、タイプまでひっくるめた耐久力だけで言えばソーナンス以上であるため、2重弱点持ちの面々と比べれば幾分かはマシである。実際ケッキングを先発にされると実力不足なトレーナーでは突破に手こずる事も多い。繰り返すが最大の問題はその高い攻撃力が全く活かされないノーマルアタックのデメリットであり、これはかつて寝ているカビゴンが覚えていた「あくび」でも同じことが言える。
しかし、現状では「なまけ」特性にあたるノーマルアタックを変えて改善する手段がない以上、万が一にしか期待出来なさそうな脅威の一撃に託すよりは常にかくとうタイプの弱点を突いてくることがほとんどであるハピナスに任せる方が圧倒的に良く、ケッキングはどこのジムの何番目にいようとノーマルアタックがまともに攻撃できる技に変わらない限り上記のデメリットは一切改善されないので、どれだけ良いところを挙げようとしてもデメリットの問題点が致命的でフォローのしようがない。
他人から見れば要の技である「のしかかり」や「じゃれつく」を覚えているかどうかなど普通判るはずがないし、ジムの後ろにいたら外からでも見えてしまうので、そのやる気のなさそうな容姿やデメリットも含めて嫌がられるトレーナーは少なからずいることを忘れないでおきたい。
熟練者からすれば味方には迷惑な存在、敵からはサンドバッグにしかならないという論外の弱さであることも結論付けられているため、CP全一だからという脳筋思考は絶対に止めておくべきだという事を知ることがトレーナーとしての成長の一歩でもある。結果、単純に「じゃれつく」をジム防衛で使いたいだけならそれこそタイプ一致で使えるプクリンやグランブルに任せた方が圧倒的に良いのは言うまでも無い。
……もっとも、上記にいるラッキーとハピナス、カビゴンと並んでほぼ確実にジム防衛枠にコイツがいて、この2匹がジム防衛で使われる方が少ないというのが現実であり、名前通り『欠勤』している日の方が滅多にない。どうしてこうなった。
同じく弱点が多くジム防衛に向かないバンギラスやドサイドン、ボスゴドラ、マニューラ等はアタッカーとしては優秀な部類に入るため強化する価値は大いにある(ボスゴドラは攻撃こそ高くはないが強い相手にはとことん強い)が、ケッキングはそうもいかないのでケッキングの強化はよほどの好事家でもない限りはオススメしない。
コミュニティ・デイ
2019年6月8日に開催されたコミュニティ・デイでは進化前のナマケロが対象に選ばれたため、当日は大量のナマケロが出現した。また、ご多分に漏れずイベント開催期間中にケッキングまで進化させればゲージ技の「のしかかり」を習得することができた。だがこのケッキングをジムに置いても上記のデメリットは当然健在なので、コレクター向けと割り切った方が良い。結局技を避けられたら自慢の攻撃力も霞んでしまうからだ。
なお、コミュニティ・デイ当日は色違いが出やすくなっていたので、その意味で頑張る価値はあった。
ポケモン不思議のダンジョン
こちらでは特性「なまけ」が災いして連続で行動できずどうしても扱いに困りやすい。
一応冒険団までは厳密には『ようすみ状態』という状態異常を患う効果のため、同じ心の状態異常カテゴリに属する混乱などを上書きして治療するメリットが、超以降ではこの特性で眠っていると周囲のポケモンが確率であくび状態にするメリットがあるものの、有効活用できる場面は皆無に近いだろう。
ちなみに超以降では混乱状態などに上書きできなくなった代わりにデメリットが緩和されており、技を連続して出せないだけで移動やアイテムを扱うことは可能になり、不思議玉が技の扱いではなくなったことで不思議玉を使っても怠けなくなっている。反面「わるあがき」を使用した際には怠けてしまう弱体化した点もあるが、そもそもマグナゲート以降の作品では「わるあがき」の火力が大幅に弱体化した上に無属性扱いとなってタイプ一致ボーナスが消えたため、大して気にはならないだろう。
原作と違って特性を無効化する「いえき」は一時的な状態異常にしかならなくなっている上に敵にしか使えないため、状態異常を利用して味方のケッキングに使っても効果が薄くなってしまっている。
救助隊DXでは特性を無効化する効果を持つ「むこせいスカーフ」を持たせることでデメリット特性を無効化出来るため、多少はマシになった。それでも進化前のヤルキモノの方が基本的に使いやすいが…(睡眠状態を無効化出来ること自体がそもそも大きな効果であるため)。
なお、こんなので探検隊のオスの個体や救助隊DXではセリフパターンが暴れん坊系なので、話しかけると「足手まといになるんじゃねえぞ」とか言われたりする。お前が言うな。
『冒険団』シリーズでは『きあいやケッキング』という施設にて登場。このケッキングは従来のケッキングと異なり「おきてますかぁーーー!?」と気合い溢れた口癖を持ち、ケッキング本来のイメージであるものぐされた姿を見せない。因みに施設自体はレベル技の思いだし。但し、利用出来るのはパーティに連れているポケモンのみ。
ポケモンレンジャー
ゴーゴー4兄弟のヨウジが繰り出すポケモンとして登場。
攻撃の間隔はランダムで、アームハンマー(当時の設定的にはいわくだき?)を繰り出してくる。
キャプチャ回数は17回とエンテイ(2戦目)に匹敵する多さで、初戦ではジャングルのいせき内でかくとうグループのポケモンが出現しないので囲むとポケモンの技を封じる炎が吹き出るほのおグループのポケアシストや麻痺させて動きを止めてくれるプラスル(マイナン)のポケアシストが有効打となる。
ナマケロは動きがトロく、囲み回数も6回と少ないので簡単に対処可能なのだが、ヤルキモノは囲み回数が12回とそこそこ多い上に忙しなく走り回るのでケッキングとセットにするのは危険。幸いにもゴーゴー団アジトにはマンキーが生息しているので速攻で片付けられる。
ポケモンマスターズ
センリ&ケッキング
こちらでもセンリのバディで登場し、ストーリーの7章をクリアすることで仲間になる。
性能は☆3の中でも高い攻撃ステータスから威力の高いすてみタックルでダメージを与えるノーマルタイプの物理アタッカータイプ。反動ダメージが痛いが、トレーナー技で自己回復もできケアも万全。
バディストーンボードが開放された今はのしかかりによるまひの確率を90%まで底上げできるようになり、また、すてみタックルの反動ダメージ軽減もとれ、かつB技の強化もまひの時に威力を強化出来るようになった。その他にもHPを回復出来るT技の回数回復やプラスパワーの上昇幅を増やせるなどの強化を貰っている。
トレーナー技で自分のHP管理が出来るので、まひが火力強化の為に必要なメインアタッカーのサポートの択の一つとして使える。
技
のしかかり | 30%の確率で相手をまひ状態にする |
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プラスパワー | 自分の攻撃を2段階あげる |
すてみタックル | 相手に与えたダメージの1/4を自分も受ける |
全力を尽くす! | 自分のHPを最大HPの約40%回復する。自分のわざゲージを2増やす |
バディーズ技
強さを追い求めるギガインパクト | 追加効果なし |
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パッシブスキル
ピンチ時威力上昇2 | ピンチのときは技の威力をあげる |
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アニメ版
『アニポケ・サトシの旅シリーズ』
- センリのケッキング
- AG編ではゲーム同様、センリの手持ちとしてナマケロやヤルキモノとともに登場(初登場は69話から)。センリの最強のポケモンで、特性が「なまけ」なはずだがセンリの育てがいいのかバトル中はなまける様子を見せない。パワーはもちろん意外にスピードも持っている。ジムのポケモンを狙って来たロケット団を「きあいパンチ」一撃でお星様にしている(無茶しやがって…)。
- サトシとのジム戦ではサトシのジュプトルと激闘をひろげ、「はかいこうせん」や「じしん」などで追い詰めるが逆にジュプトルの「しんりょく(体力が瀕死直前あたりになるとくさ技の威力が上がる)」が発動し、「きあいパンチ」と「リーフブレード」の最大パワーのぶつかりあいの結果、僅差でジュプトルに敗れた。
- AG179話
- 山に住むポケモンで登場。突如現れた巨大なケッキングを恐れて神主の言うままにふもとの果樹園を襲って木の実を集めてお供えをしていた。神主…もといロケット団のニャースの命令でサトシ達を襲うが、巨大ケッキングが神様では無くロケット団のメカと分かると仲間たちと一致団結してメカを破壊した。
- ショータのケッキング
- XY&Z編ではショータが手持ちに加えており、カロスリーグではサトシとのバトルで1番手として登場。
- 相手の攻撃を受け続けることでテンションを上げて強くなるサトシのルチャブル対策としてゲットしたポケモンであり、持ち前の体力と「なまける」を駆使してルチャブルの攻撃をひたすら耐えて反撃のチャンスを待ち、ルチャブルが「フライングプレス」を繰り出した瞬間に「カウンター」で跳ね返して勝利した。
- 続くサトシのファイアロー戦でも同じような戦法で攻撃を耐え続けたが、ルチャブル戦で受けたダメージを「なまける」で回復し切れなかったため、ファイアローの「ニトロチャージ」を「アームハンマー」で押し返せず、更に「ブレイブバード」を食らって敗北した。
- カロスリーグ時点で使用できる技は「なまける」、「カウンター」、「アームハンマー」。
- 新無印95話
- ロケット・ガチャットから排出されたポケモンでコジロウが使用した。しかしただ怠けるだけですぐにボール戻ってしまうという、いわゆるハズレであった。
その他
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
- 4章でセンリの手持ちが登場。ジムリーダー試験に合格した際に連れていた2匹のナマケロのうち、なまいきな性格の方が進化した姿。天気研究所での「世界一凄まじい親子喧嘩」でヤルキモノがルビーの手持ち達をいなしている間に「ビルドアップ」でパワーを増強し、階段ごとルビーを持ち上げてルビーの動きを封じている。
- 6章ではウコンの手持ちが登場。
関連イラスト
その名前と風貌から某料理漫画の主人公を連想する人もいるとか。
関連タグ
0288.ヤルキモノ→0289.ケッキング→0290.ツチニン
関連ポケモン等
- その他